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健康・アンチエイジング

人はなぜ老化するのか?原因を知って老いるスピードを遅くする

老化のメカニズムと人が老いる原因について書きます。原因を知れば、そのスピードを遅くすることができます。

実は、なぜ老化するのか、まだまだ多くの学者や専門家が研究中です。

しかし、ある意味、原因はわかっているのです。

細胞がダメージを受けるからです。原因はわかっているけれど、科学的に何をどうしたら、老化を遅らせたり、老化による病気にならないようにできるのかはわかっていません。



老化の原因は細胞がダメージを受けるから

老化は、年月の経過とともに、細胞がダメージを受けることで起きます。

人の体は細胞でできています。細胞は全部で37兆個ほどあるそうです。全くピンと来ませんがとにかくすごく数が多いことだけはわかります。

最初はたった1つの受精卵だったのが、37兆個になってしまったのです。

といっても、1つが倍になって分裂を繰り返すので、全体としては、46回分裂すれば37兆個に達するそうです。

細胞は、分裂するうちに、それぞれが特定の機能を持ち、脳や心臓、消化器官、肌、その他の臓器になります。どうしてこんなにうまく、別々の臓器になったり、違う機能になるのか。これは生命のミステリーあるいはロマンですね。

細胞によって寿命が違います。

消化器官の細胞のように、24時間で死んで、どんどん入れ替わる細胞もあれば、動脈の中の細胞のように、何もないときはじっと大人しくしていて、傷ついたら再生する細胞もあります。

心筋や、中枢神経の細胞のように再生しない細胞もあります。

若いうちは、体全体の細胞が若く、いきいきと活動していますが、年をとってくると、細胞そのものがダメージを受けて機能が衰えたり、全体的に数が減ってしまいます。これが老化です。

細胞が傷つく2つの原因

細胞がダメージを受ける理由はいくつかありますが、代表的な要因は2つです。

1.細胞の酸化

1つ目の理由は、よく知られている酸化です。酸化とは物質が酸素と結びつく(化合する)ことです。

りんごを切って、放置すると茶色くなるのは酸化のせいであり、鉄が錆びるのも酸化です。

人は空気の酸素を使って、食べ物の栄養を燃やして活動するエネルギーを得ています。このとき、酸化によって、体にとってはよくない物質ができるのです。

酸化についてはこちらをどうぞ⇒美肌を保ちたいあなたへ。アンチエイジングにとても効果のある食べ物4つ

最近は、糖化もよくないと言われています。

糖化も体内での物質の化学反応の一種です。タンパク質や脂肪が糖分(グルコース)と反応して、糖化されたタンパク質になり、体内に蓄積されると、必要な細胞が死んでしまったり、機能が損なわれてしまいます。

糖化について詳しくはこちら⇒砂糖がお肌にとても悪い理由。アンチエイジングしたいなら抗糖化ケアもすべし

このように人の体内で毎日起きている化学反応のせいで、細胞が傷ついていくのです。





2.遺伝子の複製ミス

細胞がダメージを受ける、もう1つの理由は細胞分裂するときに遺伝子のコピーミスが起きるからです。

人の受精卵から人間ができるのも、りんごの木にりんごがなるのも、細胞分裂するとき、DNA(遺伝子)を正しくコピーしているからです。

ですが、コピーに失敗することがあります。細胞はコンピュータではなく、人間なのですから、これは避けられないことです。

DNAの複製ミスによって生まれた細胞は、突然変異であり、正しい細胞ではないため、すぐに死んでしまうことが多いです。

また、体内にあるべきではない細胞は、免疫システムがやっつけます。

体内の細胞はすべて分裂するわけではないのですが、分裂するときは、300万個の遺伝子をコピーしており、どうしても複製ミスが起きます。

すると、ほかの細胞がダメージを受けてしまうのです。

ちなみに、遺伝子のコピーエラーがあるおかげで、人は進化してきました。一方で、がん細胞も、このコピーミスが原因で生まれるのです。

コピーミスで変な細胞ができたとき、免疫が弱っていると、困った細胞を駆逐することができません。

だから、免疫システムを常に最善に整えておくことは、健康であるために、とても大事なことなのです。

免疫アップの方法はこちら⇒免疫力を上げるために手放したほうがいい6つの習慣

老化は避けられないが、スピードは変えられる

生きているあいだに、細胞が傷ついてしまうのは、避けられないので、誰でも老化します

老化しないようにすることは無理です。しかし、老化のスピードは変えることができます。

赤ちゃんや小学校中学年ぐらいの子供たちは、だいたい年齢相応の見かけをしています。健康状態もみんなほぼ同じです。

ところが、50歳、60歳、70歳、と年齢を重ねるにつれ、見かけも、その人の健康度もずいぶん差がでてきますね。

それまでその人が毎日体験したことや行ったこと、食べた物、どんな病気にかかったか、どんな気持ちでいたか、どんな環境で生きてきたか、そういうことの集大成が、老化スピードの差となって表れます。

私の母は83歳になったところですが、比較的健康です。ずっと一人暮らしで、自分の面倒は自分でみています。

骨粗しょう症や目の薬を飲んでいるようですが、ほかに持病はなく、カラオケ教室に行ったり、絵手紙やガーデニングの趣味を楽しんでいます。

カラオケの新曲を覚えるのは誰よりも早いそうです。そして、仲間と近所の老人ホームに慰問に行っています。

慰問される人たちのほうが若かったりします。車椅子がないと動けないおじいさんやおばあさんの前で、母は熱唱するのです。

こんなふうに、人の老化のスピードはずいぶん差が出てしまいます。

自分でこのスピードを変える努力をすれば、老化しても、元気で楽しく暮らすことは充分可能です。

老化を遅くしたい方法はこちらからどうぞ⇒老後の生活設計とアンチエイジングに関する記事のまとめ

遺伝のせいか、生活習慣のせいか?

老化のスピードは変えられる、と話すと、「でも遺伝だからしょうがないよね」という人もいます。

確かに遺伝的要素が、その人の病気のかかりやすさや寿命を決めてしまう可能性はあります。

老化のスピードの差は、

●持って生まれた遺伝子が違うから

●これまでの体験、生活習慣が違うから

おもにこの2つの要因によるでしょう。

どちらが優勢なのか、結論は出ていません。

人の一生はそれぞれ違う固有のものだから、そんなに簡単に比較できません。また、中高年になると、病気にかかりやすくなりますが、老化したから病気になるのか、病気にかかったから老化が早いのか、その見極めはきわめて困難です。

ただ言えることは、生活習慣を整えることは、想像以上に影響力がある、ということです。

乳がんや心臓病は遺伝する、と言われています。

心臓病そのものは遺伝する病気ではありませんが、心臓病を引き起こす体質(高血圧になりやすいとか)が遺伝するかもしれないのです。

親がそういう病気にかかっている人は、自分も同じ病気になるリスクは高いです。

だからと言って、必ずしもそういう病気になるわけでもありません。自分は心臓病の危険因子を持っていると自覚し、適度に運動して、ヘルシーな食事をすれば、何も考えていない人よりかなりリスクを減らすことができるでしょう。

逆に、まったく遺伝的な危険因子を持っていなくても、高脂肪の食事をして、ずっと座りっぱなしで何も運動しなければ、後々病気になるの可能性があがります。

心がけ次第で老化は遅らせる

ヘルシーな生活は食事や運動だけではありません。メンタルの健康もとても大事だと思います。ストレスは老化を早めると言われています。

健康的な生活習慣を取り入れるのに、遅すぎる、手遅れということはありません。

私の夫は、メタボで、自分は心臓病か脳出血で倒れ、60歳までは生きないだろう、と自ら予言をしています。夫の父親が50代で脳出血で亡くなっているからです。

ずっと「冗談だろう」と思っていたのですが、そうでもないようです。

先月、確定申告の紙を書いていたとき、夫に、老後の年金の積立のことを聞く機会がありました。

「私、やっぱり積み立てておいたほうがいいよね?」と夫に聞いたら、「君の場合はね。アドバンテージがあると思うよ。僕は違うけどね」という返事が。

夫は、自分は長生きしないから、老後のために年金なんて積み立ててもみんなドブの中に捨てるようなものだ、と言うのです。

そう言いつつも、夫はジャンクなおやつ(ポテトチップスやチョコレート)とコーラが大好きで、食べるのをやめません。特に寿命を伸ばしたいという気持ちはないようです。

ですが、夫のような人でも、今この瞬間に健康的なライフスタイルに改めれば、遅くはないと思います。

私は専門家ではありませんが、実際に病気になるまで、あきらめずに、生活習慣を整えたほうがいいです。実際、そのほうが日々の疲れも軽減され、毎日が楽しくなります。

仮に病気になっても症状が軽いのではないでしょうか?
* * * *
今、たとえ細胞が酸化されても、長生きできる可能性があるのではないか、という専門家がいます。

ネズミを使って実験したら、酸化された細胞持ちの年取ったネズミでも、ほかのネズミよりずいぶん長生きをしたのです。

人がより健康で長生きできるための研究はこれからもどんどん進むでしょう。

科学者が研究を進める間、私たちは、できるだけヘルシーなライフスタイルを送るべきではないでしょうか?

そうすることで元気に暮らせる時間を伸ばすことができると思います。

健康的な生活をしていると、「健康おたく」などと白い目で見られることがあります。

ですが、自分が生きている間は、元気で暮らしたいと思うのは当然ですよね。

多くの人は、「お金がたまるかもしれないから」と言いながら、長財布を買ったり、ピン札を入れてみたり、黄色い財布を使ったりします。

しかし、こんな行動には科学的裏付けは全くありません。

そんなことよりも、ヘルシーなライフスタイルを送り、大きな病気にならないように気をつけるほうが、確率としては、ずっと人生の質があがるし、お金だってたまると思うのです。





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