家計簿をつける主婦

お金を貯める

節約のやりすぎでかえって不幸になってしまう5つのケース。

読者の方から節約について記事を書いてほしい、というメールをいただきました。

そこで今回は、過度の節約が人を不幸にしてしまうパターンを5つ紹介します。

まずメールを引用します。Hさんからです。



節約の断捨離について記事を書いてください

筆子さん、こんにちは!いつも大変お世話になっております。

今日はやましたひでこさんのメルマガのタイトル、「節約の断捨離」を見て、筆子さんだったらどんなことを書くのかな?と思ってメールしました。って、笑点じゃあるいまいし、すみません。

筆子さんもご存知でしょうが、日本は節約がますます定着し、進化していて、プレミアムフライデーなんてことまでも実行されるありさまです。

やましたひでこさんは、そういうところに敏感なので、ウケるタイトルをつけたのだと感じました。

もしも、気が向いたら、記事を書いてみてください。お返事は不要です。他のお仕事を優先させてくださいね。

季節の変わり目、ご自愛くださいませ。

Hさん、メールありがとうございます。

「気が向いたら」とありますが、わざわざメールを書かれるぐらいですから、きっと大事なことなんでしょうね。

早速記事を書くことにしました。

ただ、「節約の断捨離」というそのメルマガを読んでいないため、内容について感想を書くことはできません。

「節約の断捨離」とは、節約するのを全面的にやめろ、ということですよね?

私は節約はしたほうがいいと考えていますので、その意見には反対です。

ですが、何ごとにもプラスとマイナスの面があり「節約しようとする態度」がかえって人を不幸にしてしまうことは充分あります。

節約に意識を向けすぎると、心がカラカラにひからびてしまうものです(体験済みです)。

そこで、節約という行為が、人生にネガティブな影響を及ぼすケースを5つ書いてみます。

1.節約に夢中になるあまり今を生きられない

老後が心配で、日々、ガチガチと節約している人は、今を生きていません。

その人の現在の生活は、将来に起こるかもしれない未知の恐怖に左右されています。

今使っていない物を捨てると、あとで買う時お金が必要になるという発想と同じパターンです⇒あとで必要になったときに買うお金がもったいなくて捨てられない、という質問の回答。

恐怖が行動のもとになっているため、いくらお金をためても心のやすらぎは得られません。

人間には将来起こることを予知することはできないからです。

たまに、タンスの中にすごい大金を残して亡くなってしまうおばあさんがいます。そのおばあさんは別にミニマリストでも何でもないのに、存命中はひじょうに質素な生活をしていました。

このような人は、お金を貯めることにフォーカスしすぎて、現在の生活を楽しむこともなく、あの世に行ってしまったのです。

2.全体的に見て全く節約になっていないケース

近視眼的な節約をして、トータルで見ると損をすることがあります。

1円、2円の差にこだわって遠くのスーパーまで買い物に行く人は、木を見て森を見ていません。

たとえば、朝刊のチラシをチェックした結果、A店よりB店のほうが、ティッシュペーパーを80円ほど安く売っていたとしましょう。

B店はちょっと遠いところにあり、車で買いに行きました。

この場合、ティッシュペーパーの値段だけを見たら80円得していますが、その裏で、以下のものを損している可能性があります。

●新聞を購読するお金
●毎朝、血眼になってチラシをチェックする時間と心のエネルギー(メンタルエナジー)
●B店まで行って買ってくる時間
●B店に行く交通費(ガソリン代)
●新聞を片付ける時間
●新聞を捨てる(廃品回収に出す)時間





時間やお金も問題ですが、一番問題なのは、心のエネルギーです。

朝ののんびりとした新聞タイムが、獲物を狙うハンティングタイムになってしまうのです。

まあ、そこまで緊張感をもってチラシを見ているかどうかしりませんが、5円、10円の差にこだわっているのですから、かなり真剣にチラシを見ていると思います。

このとき、体内では「闘争か逃走ホルモン」が出ていると思われます。戦うか逃げるかモードになっているのです。するとストレスホルモンが出ます。

「闘争か逃走か反応」についてはこちらで説明しています⇒運動をしないとどんなことになるのか。運動不足の6つの弊害 「5.ストレスを感じやすく、免疫機能が落ちる」のところです。

朝からあんまり強いストレスを感じないほうがいいと思います。朝は1日の始まりでひじょうに大事な時ですから⇒快適な1日を送るためにやるべき朝の3つの習慣(超基本編)

もし80円安いティッシュペーパーが数量限定品で、買い逃してしまったら、ものすごくがっかりするでしょう。これがまたストレスになります。

「お金がない、もっと節約しなきゃ」という強迫観念もあるため、ストレスにストレスが重なって、気持ちはひじょうに重くなります。へたすると体調をくずすかもしれません。

これはあまり幸せな状態ではありません。長い目で見ても、うまくお金が貯まるとは思えません。

以上は極端な例ですが、80円安いティッシュペーパーを買いに走る裏で、さまざまなものが失われてしまうことはあるのです。

3.安物買いに走りかえって損する場合

節約している人は一般に安いものが好きです。この私がそうでした。今もわりとそうです。

安いものが好きな人は、値引き品、セール品、お買い得商品の誘惑に弱いものです。

タイムセールに遭遇すると別に必要でもないのにうっかりまとめ買いをしてしまうものです。このまとめ買い、一見お得なようですが、不用な物を買うのですから、実はお得ではありません。

買い過ぎると1つひとつを大事にしないし、場所を取るし、物によってはいつまでもなくならないため、近所や親戚の人にあげる、なんてことも起きます。

セールでまとめ買いばかりしていると、どんどんストックがたまり、気づくと一生使え切れないほどのトイレットペーパー、缶詰、ミネラルウォーター、サランラップなどを溜め込んでしまいます。

もちろん、その都度買いのたびに、無駄遣いする人もいるため、一概には言えません。

ですが、現在必要でない物を買いすぎるのは、やはり今を生きておらず無駄になると思います。

この点についてはこちらに詳しく書いています⇒まとめ買いが節約にならない4つの理由。むしろガラクタを増やす危険な買い方。

安物を買うリスクはこちら⇒安物買いの銭失いをやめたほうがいい6つの理由。貧乏人ほど要注意。

4.普段の我慢が爆発してお金を使う(節約のリバウンド)

いつもいつも切り詰めているとある時リバウンドして、そこまでほしくない物を買うのに、無駄にお金を使ってしまいます。

リバウンドです。

こうした揺り戻しは何にでもあります。ダイエット、家事、仕事、勉強、断捨離。自分のキャパシティを大きく越えて、無理やりがんばると必ずリバウンドします。

節約のリバウンドは、セール商品に遭遇したときに起こりやすいです。

セールならば、「いつもよりは安いから」という免罪符があります。

そして、今、いるわけでもないのに、何かを買ってしまいます。このときこんな心理が働きます。

「だって、私、今年に入ってずっと買わない挑戦して、我慢しているもんね」「こんなにがんばっているんだから、ちょっとぐらい買ってもいいよね」。

ふだんギリギリまで我慢しているから、このぐらい買ってもバチは当たるまいと思ってしまうのです。

そして買います。

一度お金を使い始めるとタガが外れます。次々といらない物を買ってしまいます。

ほしくて買ったはずなのに、よくよく考えると別に好きでもないし便利に使えるものでもありません。

買い物の波が過ぎたあと、後悔します。そして、「また明日から節約がんばろう。こんなに買ってしまったから緊縮財政だ!」と節約の決意を固めます。

そしてまた倹約生活に入りますが、無理をしているので、そのうち同じようにリバウンドします。

節約⇒リバウンド⇒節約⇒リバウンドと続き、ふだん我慢しているわりにはお金がたまっていきません。

節約疲れでヘトヘトにならない方法⇒節約疲れを回避して楽しくお金を貯める7つの方法。

5.お金を使うことに罪悪感を感じてしまう

人はなぜお金を貯めるのでしょうか?

基本的に何かに使うためです。お金は使うためにあるのです。

ところが、節約至上主義になると、お金を使いにくくなります。お金を使うたびに罪悪感を感じてしまうのです。

本当に必要なものを買っても、なんとなく心が痛みます。お金が出ていくのですから。

節約が人に与える悪影響のナンバーワンは、この「お金を使うことにいちいち罪悪感を感じること」だと思います。罪悪感を感じないまでも、「心から買い物を楽しめない」という心理になります。

節約にフォーカスしすぎると、優先順位がおかしくなります。自分の心が潤うことより、お金が貯まることのほうが大事になるのです。

けれども、このブログに何度も書いているように、お金があっても幸せになれるとは限りません。最低限の衣食住が足りていれば、そこにいくらお金が上乗せされようと、幸福度はあまり変わりません。

この点については多くの専門家が語っています。心理学者のミハイ・チクセントミハイ博士もそうです⇒人を幸せにするのはお金ではなくフロー状態。ミハイ・チクセントミハイ(TED)

幸せになるのに必要なのはお金ではなく「3つのA」だよ、という言う人もいます⇒素晴らしい人生を送るのに必要な3つのAとは?(TED)

節約をがんばりすぎてしまう人は、無意識のうちに、幸せでいることを犠牲にして、お金持ちになる(かに見える道)を選ぶのです。

=====

今回は過度の節約が人を不幸にするケースを5つお伝えしました。

貯めることと使うことのバランスを取らないと、つらい節約になってしまいますね。私も気をつけたいと思います。





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