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ファストファッションとは? その仕組みと問題点を2分で学ぶ

先日、ファストファッションがテーマの映画、『ザ・トゥルー・コスト ~ファストファッション 真の代償~』の日本公開のニュースをお伝えしました。

『ザ・トゥルー・コスト(The True Cost)』はファストファッションの問題点を扱ったドキュメンタリー映画です。

今回は、ファストファッションというビジネスを1分47秒で説明している動画をご紹介します。



ファストファッションビジネスとは?

動画のあとにスクリプトの和訳を書きます。

※トランスクリプトはこちら⇒The Business of Fast Fashion | OnlineMBA.com

H&M、Zara、フォーエバー21がファストファッションの例です。

コレクションで発表されたデザインを数週間で安く提供します。Zaraは大規模なデザイナーグループを雇っており、年間1万着の服をデザイン。これに対して高級ブティックのデザイナーは毎年50~100着を作っています。

Target(ターゲット)のチープな服のラインで有名になったプロエンザ・スクーラーのように、ファストファッションを歓迎しているデザイナーもいます。しかし、みながファストファッションを大好きというわけではありません。

ファスト・ファッションはこんなふうに市場(marketplace)に影響を与えています。

過剰(excess):すべてのデザイナーがアンチファストファッションではありませんが、大勢のデザイナーが、このビジネスが、新しいデザインの真の価値を損ない、服の質を落としていることには同意しています。

ファストファッションを提供しているTopshop(トップショップ)のCEOである、サー・フィリップ・グリーン氏ですら、デザイナーと消費者は、サイクルの速い生産をやめて、時には、ちょっと休むと(pause for a breath now and then)、ファッションはもっと長続きします。1ヶ月で消費するようなことはありません」と述べています。

環境:ファッション産業は毎年200万トンのゴミを出し、210万トンの二酸化炭素を排出し、7000万トンの水を消費しています。

ファストファッションと、衣類の消費のサイクルの速さのせいで、このような浪費が増大しています。購入された服のほとんど、つまり年間200万トンが1~2年以内にゴミになっています。というのも、あまりに質が悪いため、長持ちしないからです。

変わりつつあるトレンド:ファストファッションが人気を独占して20年たち、多くのデザイナーが違う道を取り始めています。300の小売店がサステイナブルな服のアクションプランに協力することに署名しました。

このプランには、環境に負荷をかけず、衣類を生産、販売、廃棄することと、適正な労働条件が適用される法律のある国とのみ、仕事をすることが含まれています。





覚えておくと便利かもしれない単語や人名

mogul  重要人物、権力者

Proenza Schouler プロエンザ・スクーラー ニューヨークの若手デザイナー(ジャック・マックローとラザロ・ヘルナンデス)2人組のブランド。このブランドネームは、それぞれのお母さんの旧姓から取ったそうです。

Targetターゲットはアメリカのディスカウントストアでウォルマートみたいなお店。

ただし、Targetには生鮮食料品はないと思います。Targetは4年ぐらい前に、カナダにも進出しましたが、今年2015年の初めに倒産、撤退しています。カナダ史上最大とも言われる負債をかかえて破産しました。

プロエンザ・スクーラーはTarget用に服をデザインしています。ふつうのスーパーではなかなかデザイナーブランドは買えませんから、人気が出ました。たとえていえば、ダイエーでジュンコ・シマダのデザインした服を安く買える感じでしょうか。

そんな服がジュンコ・シマダの服と呼べるかどうかは別として。

Topshopトップショップ イギリスの服の人気ブランド
サー・フィリップ・グリーンは、Topshopを擁するアルカディア・グループのオーナーでファッション界の大物であり大金持ちです。

ファストファッションがファッションそのものに与えている弊害

この動画は2年前の春のものです。欧米では数年前からファストファッションの問題が話題になっていますが、日本ではそれほどでもないですよね?

ゴミが増えてるのはみんな気づいていたと思いますが。

まだまだファストファッションのメリットを楽しむことが一般的だと思います。

映画『ザ・トゥルー・コスト』の初回の記事では、発展途上国の人の劣悪な労働環境について書きました⇒「真の代償」The True Costはファストファッションの真実を暴く映画 ~これでもあなたは安い服を買い続けますか?

前回の記事では、環境に与えている影響を書きました⇒『ザ・トゥルー・コスト ~ファストファッション 真の代償~』11月日本で公開。服を買い過ぎる人は必見です

今回はファストファッションがファッションそのものにもたらしている弊害を書きます。

それはファッションの価値が下がることです。

ファストファッションのメーカーはトレンドを取り入れた安い服をどんどん回転させることで、「最新流行の服」の価値を落としているのです。

物がたくさんありすぎると1つ1つの物の価値がなくなるのと同じことです。つまりありがたみがなくなるのです。

実際、常にトレンドを追いかけている人は、ファストファッションの服を使い捨てに近い状態で消費しています。

さまざまなトレンドを試したいので、同じ服をいつまでも着ていられないのです。

楽天やユニクロでレビューを見ていると、サイズ違い、色違いで複数買うのがふつうみたいです。しかも、毎シーズン。「お安いから全色揃えました」なんてレビューを見ます。「ちょっと問題があるけど、この値段なら許容範囲です」とか。

私は80年代のデザイナーブランド時代を体験していますが、昔のファッション好きの人には、「あこがれのブランド」とか「あこがれの服」というのがありました。

そういう服は高いので、お金をためてから買って、すごく大事に着ていたと思います。私のようにやたら買って、ゴミにした人もいたかもしれませんが。

ファストファッションを買う人にはそういうメンタリティはほぼないと思います。1着を大事にするのではなく、できるだけたくさんの服を着たいのです。

この状況はファッション業界が自分で自分の首を締めているようなものです。

さらに、ファストファッションのメーカーはちまたで売れるものしか作りません。どこのメーカーの服を見ても、似たり寄ったりです。ブランドによる差別化があまり無いのです。

良くも悪くも極端なデザインの服は出せないわけです。そういうデザインは大当たりするか、大外れするかのどちらかなので。

こんな状況ではデザイナーは自分のクリエイティビティを発揮しにくいです。そもそも、すぐに使い捨てられるような服をデザイナーは作りたいのでしょうか?

1950年代までは服はオートクチュール(注文服)のみ、その後既製服ができて、今やファストファッションです。服が身近になればなるほど、どんどんその価値が下がっていくのは皮肉なことですね。

マダム・グレやココ・シャネルが生きていたら、どんなふうに言うのか、聞いてみたいです。

補足:Minute MBAシリーズ

Minute MBA

きょう紹介した動画はMinute MBAという短い動画シリーズの1つ。Minute MBAはOnlineMBAというインターネットでMBAを取得するための情報を集めたサイトが作っています。

MBAはMaster of Business Administration(経営学修士)の略。

昔はアメリカの大学院でしか取得できなかったMBA。

最近は日本でも週末だけ学校に通って取ったり、オンラインでも取得できますね。それなりにお金がかかりますが、MBAを持っていると年収があがるらしいので、相変わらず人気があります。

Minite MBAはMBAを取る人なら知っておきたいごく基本的なビジネスについて、1分少々で説明してくれる便利な動画です。すべてトランスクリプトがあるので、英語の勉強にも最適ですね。





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