お香を断捨離

健康・アンチエイジング

私が香水やオーデコロンを使うのをやめた理由。その香料は本当に安全か?

先日、手持ちの香り商品であるパフュームオイル(ボディショップの製品)とお香をきれいさっぱり断捨離しました。精油(エッセンシャルオイル)はまだ残していますが。

いずれも最近ほとんど使っていなかったので捨てました。ですが、合成香料の安全性が気になるのも、香り系の商品を手放した理由の1つです。

今回は「できるだけ合成香料は使わないほうが、健康に暮らせるのではないか」という話をします。



みんな合成香料の危険性を知らない

車の排気ガスやタバコの煙が体に悪いことは皆知っています。ペンキやのり、住宅用の洗剤から発せられるガスを吸い込むのもよくないとわかっている人も多いです。

ところが、ルームフレグランス、香り付きキャンドル、オーデコロン、香水といったいわゆる「いい香り」のする商品が、健康にあまりよくないということを感覚的に知っている人は少ないのではないでしょうか?

想像すらしたことがないのでは?こういう商品は「いい香り」「自分の気持ちをあげてくれる香り」「癒やされる香り」がしているのですから。

化粧品の香料に気をつけている人はいます。しかし、それはお肌に悪いと思ってのこと。香料が有害なガスを発するから無香料のコスメを使っているという人はあまりいないでしょう。柔軟剤の匂いが気にになっている人も、アトピーなどを気遣ってのことだと思います。

実は香水やオーデコロンの中身は、何種類もの化学薬品です。お肌どころか、体の神経系統にダメージを与える危険性があり、健康には全くよくありません。

合成香料はどこにでもある

ずっと肌断食中の私は、化粧品はとっくの昔に捨てました。日焼け止めは使っていますがこれは無香料の製品です。個人的に消費するものからは、香りはほぼ断捨離しました。

しかし、完全にフレグランスフリーになったわけではありません。

ふつうの洗剤を使っているし、フロッシュにも匂いがついています。食品にも匂いがついているし、夫がファブリーズ(ルームフレグランス)をそこら中にスプレーするし、娘(高3)も、バニラやフルーツの香りのオーデコロンを毎朝、体にスプレーしています。

娘は香料は全然平気みたいで、シャンプーも化粧品もほぼすべて香料入りの製品を使っています。

クリスマスには「ラッシュ(Lush)」でものすごく強烈な匂いのバスボムを買って、お風呂に投入していました。

自分の香り製品を断捨離しても、私はこのように家の中で数々の香料にさらされ、一歩、外に出れば、ほかの人がつけている香水や化粧品の香料の発するガスを、口や鼻から吸ってしまいます。

ドラッグストアの化粧品売場や、ラッシュの店内(クリスマス前に娘の買い物につきあった)に入ると、香料の匂いでくらくらしてします。

ラッシュはイギリスに本社があるコスメのメーカーです。「自然派」を謳っていますが、全然自然じゃありません。自然なものがあんなに強烈な匂いを発するわけはありません。

合成香料は「え、こんなものに香料入れる?」というものにも入っていますね。薬、紙おむつ、消しゴムなど。別にこうした製品に香りをつけなくてもいいと思うのですが、香りがあると差別化できるし、実際よく売れます。

そこで、最近は、間接喫煙(受動喫煙、second-hand smoke)という言葉に模して、second-hand fragrance(セカンドハンドフレグランス)という言葉がよく使われます。これは「受動香料吸入」とでも、訳せるでしょうか。

この「受動香料吸入」が、健康を害する一番の理由だ、と言うアメリカの専門機関もあります。





香り製品の実体は化学物質

大昔、香水は花や薬草など、自然なものから作られていました。ところが、1970年代から80年代初めにかけて、香水やオーデコロンの作り方はすっかり様変わりしたのです。

市場に出ている匂い系の商品の95%以上が人口のものです。

香料のベースは原油やテレピン油であり、化学薬品を使って製造しています。香料のもとは化学物質だし、香料を溶かす溶剤も化学物質です。

一口に香料といっても、いい香りをつけるために加味されるものと、薬品のいやな匂いをカバーするために入れるものがあります。

素敵な匂いのする香水は、化学物質そのものなのです。

無香料の製品でも、薬品のいやな匂いを消すために、化学薬品が入っているから、あまり安心できません。しかし、プンプン臭っているものよりは、香料の量が少ないので、まだましだと思われます。

有毒物質が香料アレルギーを起こす

最近、香料アレルギーの人が増えてきました。これは「化学物質過敏症」の1つです。この人たちは、香料に使われている化学物質を吸引すると、ふつうの人より過敏な反応をします。

実は、こういう人たちに反応を起こしているのは、「香りそのもの」というより、香り商品に使われている原油由来の合成化学薬品です。

使われている物質の中には、そこまで害のないものもあります。しかし、中には、EPA (US Environmental Protection Agency 米国環境保護庁)が出している「人体にとって危険な物質リスト」にのっているものもあります。

たとえばフェノール、トルエン、酢酸ベンジル、リモネンなど。

人口香料には、実にたくさんの薬品が入っているのですが、そのすべての安全性が検査されているわけではありません。

香料にはフタル酸エステルも入っています⇒フタル酸エステル(環境ホルモン)の毒性とは?プラスチック、ヘアケア製品、化粧品に入っています

こうした毒性のある薬品は、中枢神経系にダメージを与えます。

中枢神経系とは、神経細胞がたくさん集まっていて、それぞれの神経をまとめたり、コントロールしたりする大切な部分です。神経の元締めと言えます。

香り商品で、中枢神経系を一撃された香料アレルギーの人はこんな症状を訴えます。
●呼吸器の異様な反応
鼻や喉がむずむずしたり、痛くなったり、呼吸が苦しくなったり、ぜん息のような咳がでます。

●神経性の反応
頭痛、吐き気、めまい、頭の中が混乱してしっかり考えられなくなる(ひどい場合は意識の混濁)など。

●肌の反応
かゆくなったり、過敏になります。

●目の反応
涙が出たり、目が腫れたりします。

軽い症状の人から、とても重い症状が出る人までさまざまです。吸引してすぐに反応が出ますが、吸引後、何時間もその症状に悩まされることもあります。

もし、人がいっぱい集まる場所に出て、思い当たる理由もないのに、いきなりこんな症状が出たら、香料アレルギーかもしれません。

ここまで香り製品にダイレクトに反応しなくても、偏頭痛に悩まされているなら、香料製品を断ってみるといいかもしれないです。

家族にぜん息やアトピーの人がいる場合は、家庭内から、できるだけ香料を撤廃することをおすすめします。

花粉症など、アレルギー体質の人は、完全にフレグランスフリーの生活に切り替えてみると、かなり改善されるのではないでしょうか?

花粉症に香料がよくない話はこちら⇒意外と知らない花粉症やアレルギーを悪化させる7つの生活習慣

以前、この記事で余った香水の使いきり方を紹介しています⇒いらなくなったオーデコロンを使い切る15の方法 ですが、さっさと捨てたほうがいいかもしれません。

みんないい匂いのする製品を買いすぎている

現在ある各種アレルギーの原因の30%は合成香料にある、とされています。香料アレルギーのメカニズムもかなり解明されています。

ですが、市場からは香りの商品が消えるどころか、逆にどんどん増えています。それはパーソナルケア商品(トイレタリー商品)の市場が拡大したせいもあるでしょう。

昔のお風呂場には、せいぜい石けん、シャンプー、リンスぐらいしかありませんでしたが、今は実にいろいろあります。

まず大量の化粧品。

一口に化粧品と言っても、スキンケア、メイクアップ、ヘアケア、ネイルケア、オーラルケアに別れます。

そのほかにも、香り系の商品がいろいろ。ご家庭のバスルームにパーソナルケア商品のガラクタがたまってしまうのは、あまりに種類が多いからではないでしょうか?

これ、全部使う必要のあるものでしょうか?

昔、この手の商品は、体の洗浄や身だしなみに必要だから購入されていました。ところが、今のパーソナルケア商品は、ほとんど嗜好品となっています。

そういう嗜好品にすべて化学薬品が入っているのです。先にも書きましたが、無香料でも、無香料にするための薬品が入っています。

そして、その薬品に危険性があります。

ところが全然規制されていないのは、みなさんもご存知の通りです。というのも、「香料を使うな」なんて言われたら、化粧品メーカーも、洗剤メーカーも、食品メーカーも、全く仕事ができなくなるからです。これは、砂糖と同じ事情です。

日本でも、香料が入っている商品には、「香料」としか記されていませんよね?実は、この「香料」は1つではなく、さまざまな化学薬品の総称なのです。

そこで私は、砂糖と同じように、香料も自主規制することにしました。
*  *  *  *  *
私は、以前はお香や香り系の商品を使うのが大好きでした。若い頃は調香師にあこがれてもいました。

香りが魅力的なものだということは認めます。ですが、自然界には、花や木の香りなど、すでにナチュラルで素敵な匂いで満ちています。

香りでいい気分になりたかったら、花の匂いをかげばいいのではないでしょうか?

お気に入りだったみかんの匂いのパフュームオ炒るやお香を使うのをやめて、なるべく不自然な匂いはかがないように生活して数ヶ月。

だんだん人工的な匂いに敏感になってきました。それはやはり合成香料で、明らかに自然にある匂いとは違うのです。

花の匂いが物足らない人は、合成香料に嗅覚を毒されてしまっているのかもしれません。

すべて断捨離するのは無理でしょうが、生活から少し、合成香料を減らしてみると、暮らしの質があがるのではないでしょうか?





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