ショッピング

ミニマム思考

衝動買いの欲望に負けない強い心を作る4つのステップ

物欲のままどうでもいいものを買い、お金を失い、物を増やす。私はこういう人間でした。しかし今は違います。今は昔より自制心があります。

どうやってこの自制心を養うことができたのか、その秘訣をお伝えします。



ステップ1.簡単に楽にできることばかりする恐ろしさを知る

現代人は、簡単で、楽にできて、すぐに結果が出ることが好きです。自分は何も努力せずに、欲しいものが手に入ったらいいなあ、と思っています。

料理のレシピを探す時も「簡単」というキー・ワードを入れるのではないですか?「簡単でおいしい〇〇」というように。

こういう気持ちが
●仕事の手抜き
●バーゲンで洋服を衝動買い
●料理を手作りせず、ポテトチップスやデリバリーのピザばかり食べる
●(ダイエットしているのに)甘いおやつを毎日買って食べる
●(断捨離しているのに)100円ショップでどうでもいい物を買う
●物を使ったあとに、ちゃんと戻さない
●いやなことはどんどん先延ばしする

こういう行為に結びつきます。

インスタントグラティフィケーション(instant gratification 即席の喜び、すぐに手に入るうれしいこと)の罠にはまってしまうのです。

しかし、今やりたくないことを避けて、楽な道を行くと、あとで困ります。

仕事の手を抜いていたら、大事なお得意さんをライバル会社に取られ、上司に怒鳴られ、部下に白い目で見られ、ボーナスの査定はどんと落ち込み、住宅ローンが支払えなくなるでしょう。

衝動買いばかりしていたら、1ヶ月後にクレジットカードの請求を見て青くなるでしょう。毎月それを繰り返していたら老後貧乏とか、下流老人になってしまうでしょう。

甘いおやつを毎日食べていたら、太るだけでなく、数十年後には生活習慣病になって、気分は悪くなり、検査や治療でつらい思いをし、仕事のパフォーマンスは落ち、高額の医療費を払わねばならず、貯金が底をつき、橋から川に飛び込みたい衝動にかられるかもしれません。

物を使ったあとすぐにしまわないと、部屋はどんどん汚部屋になり、居心地が悪くなり、いつも探しものをする羽目になり、かわいい子供に豚小屋のような住環境を提供するしかなくなるでしょう。

やりたくないことを先延ばしにしていると、締め切り間際にものすごいストレスをかかえながら、夜も寝ずにやることになり、ただでさえ更年期で体調が悪いのに、ますます悪くなって、頭痛と後悔に悩まされるでしょう。

いやなことを避け、楽なほうに逃げてばかりいると、その場では楽しくても、あとで自責の念にかられます。

今、すぐに、簡単に手に入る喜びや幸せ(と思えるもの)は、人の長期的な幸せを損なってしまうものなのです。

楽で、簡単なことは怖いことだ、と知ることが大切です。「近道を行ったら、行き止まりか、底なし沼に落ちる」と心得ておいてください。事実そうですよね?





ステップ2.自分の長期的ゴールを知っておく

人間誰しも、やりたいこととか、目標があると思います。

長期的なゴールならお金をためて家を建てたいとか、起業して外国人に就職を斡旋する仕事をしたい、とか。もう少し短期的なゴールなら、10年で住宅ローンを返したい、1年で8キロやせたいとか。

私は、フランス語を勉強して、字幕のないフランス映画でもストレスなく楽しみたい、という夢(?)があります。

目標がないと、簡単に横道にそれてしまいます。

そもそも夢や目標のない人は、毎週のように衝動買いしていても、それが、自分の人生を損なっているとは気づかないでしょう。まあ、目標がない人はそのまま流されてもいいかもしれませんが、精神的満足は得られないと思います。

なぜならインスタントグラティフィケーションはその場限りだから。喜びが長続きしないのですね。

私は昔、いろいろ細々した物を買いました。お店で商品を選んでいるときや、買っているときは楽しかったし、家に帰って包みをあけるのも楽しかったです。

しかし、その喜びは長続きしませんでした。文房具の話でも書きましたが、物は使ってこそ、しみじみとした幸せを味わえるのです。

文房具を断捨離した話⇒ボールペン1本生活になってわかった、私が物をためこんでいた理由とは?

そこで、衝動買いや衝動食べに悩んでいたり、なんでも先延ばしをする傾向がある人は、1度自分が人生で成し遂げたいことを考えてみてください。目的地はどこでしょうか?

このまま死んでしまってもいいのでしょうか?何かやりたいことはないのでしょうか?

べつに目的地に到達する必要はありません。目的に向かって、あれこれ工夫しながら進むところが楽しいのです。
貯金箱

ステップ3.目標に向かう時の障害や誘惑を洗い出しておく

自分のゴールが決まったら、そこへ行くまでにどんな誘惑や障害があるか、考えてみてください。

たとえば、去年まで、衝動買いばっかりしていたけど、老後貧乏にならないために、2016年は100万円貯金したい、という目標を立てたとします。

その目標の達成を妨げそうなものは何でしょうか?

いつも会社の帰りにコンビニに寄ってしまうこと、冬のバーゲンセール、会社の同僚と週に1度ちょっと贅沢な店でランチを食べること、楽天市場の毎月のお買い物マラソン、新しいiPhoneが出ること、などなど人によっていろいろあると思います。

考えられる誘惑をリストアップしてください。

この時点ではその誘惑に負けない方法を考える必要はありません。

前もって、こんな誘惑がありそうだ、と知っておくと、実際そういう状況になったとき、「やっぱり来たか」と余裕を持って対処できます。最悪の選択ではなく、少しましな選択ができるようになります。

衝動買いならこんなふうに防ぐことができます⇒バーゲン会場で威力を発揮する。衝動買いを売り場でこらえる7つのコツ

突然、まったく考えもしないところから、予想もしなかった誘惑があると、人は、まんまとはまってしまうのです。

ステップ4.心の準備をしていないところに誘惑がやってきたらこうする

1~3をきちんとやっておくと、前より、衝動的に楽なほうに流れることが少なくなります。最初はつらいかもしれませんが、そのうちだんだんそれが普通になってきます。

それでもふとした拍子に、予期せぬ誘惑にかられることはあるでしょう。半年ぐらい余計な買い物を我慢していたある日、たまたまショーウインドウで前から欲しいと思っていたバッグを見つけることがあるかもしれません。

しかもセールで値段が下がっています。

買ってしまいそうになります。こんなときどうしたらいいのでしょうか?

こんなときは、いったい自分が本当は何が欲しいのか考えてください。人がさして必要でもない洋服を衝動買いしたり、そんなにおなかがすいていないのに、甘いお菓子を食べてしまうのは、洋服やお菓子が欲しいからではありません。

そういう行為をすることで得られる感情が欲しいのです。「うれしい気持ち」になりたいのです。

簡単に、楽に手に入る「うれしい気持ち」。その気持ちの正体をつきつめて考えてみてください。

買い物する前に、必ず「私は欲しい本当のものって何?」と自問自答してください。洋服でもバッグでもないですよ。絶対別のものです。だって、あなたはもう充分すぎるほど物を持っているんですよ?

たとえば、その洋服を買って、会社に着て行くと、同僚に「素敵ね~」と言われるから欲しいのかもしれません。その場合、あなたが本当に欲しいのは人からの賞賛です。

それがわかったら、その服を買わずに、賞賛を得ることはできないか考えてみてください。洋服を買わなくても、何かいい仕事をすれば、賞賛されるのではないですか?

洋服を買ったほうが手っ取り早く賞賛されますが、時間がかかる道を取ってください。そのほうが満足感も自分が感じる手応えも大きいです。

* * * *
以上のステップをきちんとやるようにすると、だんだん誘惑に負けなくなります。

私は、買い物好きでしたが、今は、昔はよく買っていた雑貨など買わなくても平気です。別に無理しているわけでなく、特に何も買いたいと思わないのです。

筋金入りの甘党でしたが、甘い物はほとんど食べなくなったし、2週間以上、ほぼ完全に砂糖断ちできています。

砂糖断ちの話⇒砂糖断ちの1ヶ月:2月の30日間チャレンジ

実は甘い物をやめた当初は、喫茶店などでほかの人がケーキや甘い焼き菓子を食べているのを見て、「私はこんなにがまんしているのに、なぜやせないんだい?」と思ったものです。

しかし、今は人が甘い物を食べていても、自分の人生には関係ないものなので、何とも思わなくなりました。喫煙しない人が、喫煙者を見ても、タバコを吸いたいと思わないのと同じです。

先延ばしする方でしたが、タスクを細分化して、毎日少しずつ進めることができるようになりました。そのほうがストレスが少なく、ずっと楽だとわかったからです。

ステップ4の、誘惑に負けそうになったとき、自分が本当は何を求めているのか考えるのはなかなか奥が深い作業です。難しいですが、やる価値があります。価値観の洗い出しにもなります。

4つのステップとも考えることが大きなポイントです。いろいろ考えてみると、もやもやしたところから、少し見通しのいいところに出ることができます。それは自分でやるしかない作業です。





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