シニア目前、主婦でミニマリストなブロガー筆子が、断捨離と節約をして「老い支度」に励む日々をつづっています。

勝つことと成功することは違う。ジョン・ウッドン(TED)


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アメリカの大学のバスケットボールチームの名コーチとして、名高い、ジョン・ウッドン(John Wooden)さんのTEDのプレゼンを紹介します。

彼の名前は、ジョン・ウッデンと表記されることもあります。日本のTEDではジョン・ウーデンとなっています。しかし、あとで紹介している動画を見ればわかるように「ウドゥン」と書くのが一番近いように思います。

タイトルは The difference between winning and succeeding (勝つことと成功することの違い)。邦題は「勝利と成功の違い」です。

「勝利と成功の違い」TEDの説明

With profound simplicity, Coach John Wooden redefines success and urges us all to pursue the best in ourselves. In this inspiring talk he shares the advice he gave his players at UCLA, quotes poetry and remembers his father’s wisdom.

コーチのジョン・ウッドンはシンプルだけど深い意味合いをもって、成功を再定義し、私たちに自己のベストを追求することをうながします。UCLAの選手に与えたアドバイス、詩の引用、父親の思い出をまじえたインスピレーションにあふれるプレゼンです。

ウッドンさんは1901年生まれで、2010年に99歳で亡くなっています。この動画は2001年の収録で、当時すでに90歳。

90歳なので、ちょっと英語が聞き取りにくいのですが、ずっと教職やコーチという教え導く仕事についていたせいか、かくしゃくとしています。

彼は、自身もバスケットボールの選手でしたが、高校で国語(英語)も教えました。動画で話していますが、ウッドンさんは詩が好きなので、詩も交えたプレゼンとなっています。

プレゼンは17分。日本語字幕です。英語や字幕なしがよい方はプレイヤーで調節できます。動画のあとにポイントのみ抄訳します。

☆トランスクリプトはこちら⇒John Wooden: The difference between winning and succeeding | TED Talk | TED.com
☆TEDの説明はこちら⇒⇒TEDの記事のまとめ(1)ミニマリスト的生き方の参考に

成績で子ども判断するのに違和感があった

1934年に、自分自身で「成功」を定義しました。当時、高校で英語を教えていましたが、生徒の親が自分の子どもがいい成績をとらないと満足しないことにちょっとがっかりしていました。

近所の子どもはCでもいいけれど、自分の子どもはAやBであってほしいのです。成績が悪いとそれは教師の失敗、あるいは、子どもたちの失敗と親は思っていました。でも、これは正しくありません。

私たちは一人ひとり違うのです。みんながAやBを取れるわけではない。私は成績で生徒を評価するのは好きではありませんでした。

成績がよかったり、スポーツで得点を獲得することが成功ではないと思ったので、自分なりの成功の定義を考えたのです。

子どものとき父親が教えてくれたことがベースになっています。

ベストを尽くすことが成功だ

父は私と兄弟に、「決して他の人よりよくやろうと思ってはいけない(you should never try to be better than someone else.)」と言いました。

たぶん、父にそう言われたと思うんですが、数年後、こんなことを思い出したんです。

人よりうまくやろうと思ってはいけない、いつも、他人から学びなさい。ベストを尽くすことをやめてはいけない。それは自分でコントロールできることだ。

自分でコントロールできないことに、気を取られるすぎると、自分がコントロールできることもうまくできなくなってしまいます。

そして、私はこんな言葉に出会いました。

“At God’s footstool to confess, a poor soul knelt, and bowed his head. ‘I failed!’ he cried. The Master said, ‘Thou didst thy best, that is success.'”

神の前で、ひざまづき、頭をたれ、「私は負けた」と泣く男に、神は言った。「ベストを尽くすこと、それが成功だ」。

こうした事柄から、私は、自分自身の成功の定義をしました。つまり

Peace of mind attained only through self-satisfaction in knowing you made the effort to do the best of which you’re capable.

安らかな心は、自分は最善を尽くしたという自己満足からのみ得られる。

私はこれを信じています。もしベストを尽くすことができたなら、それが成功なんです。他人に、人の成功なんか、判断できないと思います。

評判は、他人が自分をどうみるかであり、人格は、真の自分の姿です。人格のほうが、他人の評価よりずっと大切なんです。「両方ともよいといいな」と願うでしょうが、必ずしもこの2つが合致しているわけではありません。

これが、私の考えであり、選手にずっと教えてきたことです。


子どもに教えるために、自分自身を磨く

私は教えることが好きだし、詩も好きです。教えることも詩を読んだり書くことも、私自身が成長するのを助けてくれました。

こんな言葉にも出会いました。

“No written word, no spoken plea can teach our youth what they should be; nor all the books on all the shelves — it’s what the teachers are themselves.”

子どもたちに、文章や言葉では何も教えることはできない。本もそうだ。教師自身の姿が、子どもたちに何かを教えるのである。

1930年代にこの言葉に感じいるところがあり、自分自身もそうであろうとしました。スポーツでも、教室でも。

子どものとき、父が毎晩、詩を読んでくれたから、詩を好きになったのかなと思います。電気がなかったので、石炭のランプの元で、読んでくれました。

UCLAで教えていた3つのルール

私の教え子たちは、後にみんないろいろな仕事につきましたが、そういうふうに成長した姿を見るのはとてもうれしいものです。

彼らには、教育(学習)が1番で、バスケットボールはその次だ、と教えていました。教育があるから、仕事につけるわけだし。そして、遊ぶ時間も少し必要ですね。でも、勉強とバスケットボールに差し障らない程度にしないとだめです。

私には3つのルールがありました。

1.時間に正確であること。絶対遅刻をしてはだめです。練習は始まるべき時間に始まり、終わるべき時にきっちり終わります。延長はありません。

2.口汚い言葉を使わない。暴言を吐かない。

3.チームメートを批判しない。

この3つも父親が、私や兄弟に教えたことです。

後によい教師になるために、こんなピラミッドを作りました。ピラミッドを構成するブロックに「勤勉であれ」「熱意を持て」「しっかり仕事をしろ」「自分のやっていることを楽しむ」なんて言葉を入れてるんですが、この上のほうに「信頼(faith)」と「忍耐(patience)」が来ます。

何をするにしても、忍耐はすごく大事です。それから信じること。単に言葉で言うだけでなく、心の底から信じることです。

うまくいくと信じるのですが、自分自身でやるべきことをやっていなければなりません。これは、単に、願う(hope)のとは違います。

必要なことをやらずに、こうなったらいいな、と願うのは「信じること」とは違います。

勝利は成功の副産物にすぎない

父は、弱音を吐くな、文句を言うな、言い訳するな、とも教えてくれました。何をやるときでも、とにかくその場に行き、自分の力の限りやるんだ、とね。

私は、勝利を口にしたことはありません。ゲームで相手より取った点数が少なければ負けるし、多ければ勝つだけです。

「負けても、堂々としていなさい」と選手に言いました。試合の結果を知らない人が、自分たちを見たとき、結果がわからない態度をとってほしいと。

もしベストを尽くしたのなら、試合の結果は関係ないです。自分が最善を尽くしたかどうかは、自分にしかわからないのです。

試合のスコアは、最善を尽くした副産物にすぎません。

(4分ぐらいに出てくる女の先生の話、ジョージ・モリアティという審判の言葉、最後の選手の話はバッサリ省略しています)。
— 抄訳ここまで —-
バスケットボール

ジョン・ウッドンのこと

彼はスポーツの世界でもっとも尊敬されているコーチの1人です。1948年にUCLAのコーチに就任し、いきなりそのチームを強くしてしまいました。

UCLAチームは12勝13敗という一番弱いチームだったのに、最初の年に22勝7敗という高記録をマークしたそうです。

その後の12年間、NCAAというアメリカの大学の男子バスケットボールのトーナメントで、UCLAは10回優勝。そのうち7回は連勝という、すごい記録を残しています。いまだにこの記録は破られていません。

大学なので、選手は、4年毎に入れ替わるから、ずっと強いというのは、コーチがそれだけ選手の力を引き出すのがうまいということですね。あるいは、彼の指導を受けたいと思って、名選手が集まってきたのかもしれません。

動画でも語っていたように、ウッドンさんは、「この試合に勝て、勝利しろ」とは絶対言わなかったのです。その代わり、自己のベストを尽くせ、と言っていました。

ジョン・ウッドンの現役時代のことがわかる動画です。2分52秒

自分がコントロールできることに注力する

自分が満足できるプレイをすればそれは成功であって、その結果、試合に勝つかもしれないけど、勝たなくても別にいい、というのがウッドンさんの考え方です。

ベストを尽くすかどうかは自分がコントロールできるけれど、その試合に勝つかどうかは、自分の力の及ばないことなのです。

試合に勝つという、自分ではコントロールできないことにあまりに意識を向けてしまうと、最善を尽くすという、自分で制御できることもできなくなってしまいます。

ジョン・ウッドンの哲学は、スポーツ、教育、ビジネスの現場で、よく使われれています。

人と比較せず、常に自分自身をバージョンアップさせていく、という考え方は、汚部屋改善にしても、浪費癖を直すのにもすごく使えると思ったので、今回紹介しました。

たとえば、今朝の記事⇒何年も汚部屋に悩んでいる私にアドバイスください、というメールに回答します。 の相談者さんは、すごく悩んでいますが、きのうより、今日少しでも片付けられる人になればいいと思うのです。

汚部屋は試合の結果と同じです。そこまで物がたまってしまったら、そう簡単には制御できません。

ですが、今の自分でできるベストのこと、15分片付けるとか、そういうことを今日きっちりできたら、それは成功なんですね。実際少しでも片付けることができると、満足感があります。

汚部屋を目にすると、落ち込むと思いますが、片付けよう、と思った時点で、きのうとは違うのですから、成功に一歩近づいています。あとは、自分を信じて、忍耐強くやるしかありません。

愚痴を言わない、文句を言わない、言い訳しない、というのは、私も心がけています。なかなかできないのですが、心がけていると、だんだんパワフルな自分になってくるのでおすすめです。家族と言い争いすることも減ってきます。
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スポーツの世界では「勝つことがすべてだ」という考え方になりがちですが、ジョン・ウッドンさんは、人格教育を重要視していました。

一流の選手になるのではなく、人間として一流になってほしい、と思って指導していたのです。

私はスポーツをやらないのですが、彼の話を聞くと、試合に勝つことがすべてではないな、と思います。自分の力以外の何かを借りて、無理に勝ったり、新記録を出しても、心の中は敗北感で満たされるのです。

彼自身とても高潔な人格の人で、人々に尊敬されていました。

90歳になって、元気に、こんなふうに余裕をもって自分の信念を語っているのが素晴らしいです。若いときから運動していたから、健康だったのでしょうが、いったい何を食べていたのか、知りたいところです。たぶん粗食だったと思いますが。

彼の信念の出どころが、お父さんに言われた言葉であった、というのがとてもいいですね。

ランプのもとで、毎晩お父さんが詩を読んでくれたなんて、今となっては、ぜいたくなことに思えます。


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