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ミニマム思考

汚部屋脱却だけでなく人生も変わる3つの最重要習慣とは?

たくさんある習慣のなかでも、生活全般に影響を及ぼす、最重要習慣というものがあります。今回は、この超重要な習慣について説明し、汚部屋改善につながる、強力な習慣の例を3つお伝えします。



ある種の習慣はほかの習慣よりパワフルである

小さな生活習慣が積もり積もって汚部屋という現実を作ります。

だから汚部屋を解消するためには、習慣を変えればいいのです。ですが、「物を出したらすぐにしまう習慣を身につけろ」と言われても、片付けができない人は、「それができれば苦労しないわ」と言うでしょう。

実は、習慣には、それ1つ変えただけで、暮らしや人生が180度変わってしまう、とても重要な習慣、名づけて「要(かなめ)の習慣」があります。

ほかの習慣よりもずっと影響力がありパワフルな習慣です。

汚部屋改善のために、こういう波状効果のある習慣を取り入れてみてはどうでしょうか?

要(かなめ)の習慣とは?

要の習慣とは、この習慣を1つ身につける(あるいは変える)だけで、暮らしのほかの面に大きな影響力を持つ習慣です。英語でキーストーンハビット (keystone habit)と言います。

私はこの習慣のことを、チャールズ・デュヒッグの著書、The Power of Habit (『習慣の力』)で知りました。

以前、デュヒッグのTEDの動画を紹介したことがあります⇒習慣のループを知れば、どんな習慣も変えることができる(TED)

これまで運動する習慣が全くなかった人が、毎朝ジョギングするようになったら、なぜか食事にも気をつけるようになり、夜更かしもしなくなり、仕事にも集中できるようになって、やせただけでなく、生産性もあがって、なんだか幸せになってしまった、ということは本当にあります。

この場合のキーストーンハビットは毎朝のジョギングです。この人が意識的に変えた習慣はジョギングだけであり、この習慣を身につけたら、生活のほかの部分も、ドミノ倒しのように、改善されていったのです。





キーストーンハビットは直接の因果関係は見えない

『習慣の力』には、アルコア社というアルミニウムのメーカーのエピソードがでてきます。

新しくCEOに就任したポール・オニールが、安全管理にこだわることによっって、会社全体の業績をめざましくあげたのです。

具体的には、誰かが工場で怪我をしたら、24時間以内に、次に怪我をしないためにはどうしたらいいのか、改善案を出すように社員に命じて、これを徹底的にやったそうです。

安全管理にこだわることで、生産工程での問題点が浮き彫りになり、それが最適な品質管理につながり、業績の向上という結果を生みました。

そう説明されれば、なるほど、とは思うものの、ふつうは、「業績をあげるためには、まず安全管理」という発想はしません。

たいてい、新規顧客開拓とか、経費削減とか、もっとダイレクトに関係がありそうな分野に取り組むと思います。

キーストーンハビットは、必ずしも達成した状況と因果関係があるとは限りません。一見関係なさそうに見えることを、たった1つ変えるだけで、ほかの分野に連鎖反応を起こすのです。

私にとってのキーンストーンハビット

この本を読んだとき、私にとっての要の習慣は、シンクを磨くことだったな、と思いました。

シンクを磨く話⇒流しをピカピカに磨くことが家全体の片付けにつながる~ミニマリストへの道(26)

今、ぐしゃぐしゃの部屋にいる人は、シンクを磨くより、目の前のガラクタを断捨離しなければ、と思うでしょう。

実際、私が、『1週間で8割捨てる技術』を書いたとき、編集者の方に、「なぜ流しを磨くと、ほかも掃除したくなるんですか?」と聞かれました。

そこに明確な因果関係はないのです。しかし、なぜか、影響力があります。

やったことがない人は、「流しを磨いただけで、部屋がきれいになるわけない」と思って、なかなか取り組みません。ですが、私が、シンク磨きを毎日行っていたら、ほかの場所もきれいにしたくなり、断捨離がどんどん進んだのは事実なのです。

何かを大きく変えたいときは、いっぺんにいろいろやろうとするよりも、こういう小さいけれど、影響力の強い習慣を1つだけ変えるべきなのです。

キーストーンハビットを見つける方法

デュヒッグは、キーストーンハビットは、状況によって違うから自分で見つけなければいけない、というようなことを書いています。

「要の習慣は、具体的にこれである」とは言っていないのです。

いくつかのヒントは書かれていたので、どんな習慣が最重要習慣になりそうか考えてみました。

その習慣はとても小さく、具体的なものである
フライレディレオ・バボータは、まずは小さな習慣を変えなさい、と言っています。

いきなり大きな習慣に取り組まないほうがよさそうです。

小さな成功体験をもたらすもの
キーストーンハビットは、デュヒッグの命名で、専門家の間では、small wins (小さな勝利)と呼ばれるそうです。

それをやることで、小さな勝利、「やった!」という感情になるものがふさわしいです。

また、勝利しなければならないので、今の自分にとってあまりにハードルの高いことはやるべきではないでしょう。

生活のほかの面を変えうる発展性のあるもの
小さな習慣といっても、毎朝ベッドから右足からおりる、とか、週に1度はスカートで出勤する、1日2ページ計算ドリルをするといった、それ1つだけで完結してしまう習慣はふさわしくないでしょう。

その習慣を達成することで、何かほかに波状効果がありそうなもの、その習慣をものにするために、生活のいくつかの面を調整しなければならないものがいいと思います。

たとえば、シンクを磨くためには、まずシンクの中身を片付けなければなりません。

自分のマインドを変えてくれる可能性のあるもの
小さな勝利を積み重ねることによって、自分自身によいイメージを持てるものがいいです。

ポケモンGOなどのスマホのゲームで、ステージがあがれば、「やった!」と思いますが、それで何か自信がついたり、人生においてもっとチャレンジできそうだ、と可能性を感じることはあまりないと思います。

ジョギング

汚部屋を改善する3つの要の習慣

以上をふまえ、汚部屋改善のキーストーンハビットになりそうな習慣を考えてみました。一見因果関係がなさそうですが、生活全般の改善に効果があるものです。

1.規則的に運動する

これは本にも書いてあったし、私の体験からもおすすめの習慣です。

運動習慣を身につけると、健康になるだけでなく、夜、よく眠れるようになるし、ストレスが減り、気分は明るくなり、寛容になり、忍耐強くなり、セルフイメージがあがります。

詳しくは⇒スロージョギングの5つのメリット~50代でも大丈夫 「筆子が体感したスロージョギングの5つのメリット」をお読みください。

運動と汚部屋は全然関係なさそうですが、運動すると自信がつくので、片付けにも前向きに取り組めるようになるのではないでしょうか?

汚部屋の持ち主はセルフイメージが下がっていますから。

まずはウォーキングなどから始めてみてください。

2.毎朝起きる時間と、夜、寝る時間を決める

自分の生活にストラクチャー(規律)を持ち込むと、暮らしに軸ができます。

汚部屋というのは「混乱」ですから、別のところから秩序を持ち込むのです。

まずは、寝る時間をきっちり決めるといいでしょう。

いつも同じような時間に寝起きするのは、健康にもいいです。

寝る時間を固定するためには、昼間やることをいろいろと調整する必要があるので、これがちゃんとできるようになると、かなり秩序ある生活になると思います。

寝起きする時間を一定にするのが難しい場合は、夜のルーティンや朝のルーティンを作るのもいいでしょう。

寝る前のルーティンの例⇒寝る前が大事。家事上手の主婦が身につけている小さな習慣~ミニマリストへの道(37)

3.瞑想する

1日5分でもいいので、瞑想する時間をもうけてください。瞑想は心の掃除です。

あまり難しく考えず、静かにして、自分の頭の中に考えが浮かぶのを外から見ている感じで始めるといいと思います。

瞑想のやり方の参考にどうぞ⇒『必要なのは10分間の瞑想だけ』~物より心が大切です(TED)

できれば毎日同じ時間にやるようにすると、生活の中に秩序が生まれます。

瞑想をすると、心配やうつうつとした気持ちが軽減するし、人に対して思いやりの気持ちをもつことができます。

最近の研究では、記憶力が向上し目的意識を持つことができるようになる、と言われています。

また、血圧がさがり、免疫力があがります。ストレスが減少するので、肉体が健康になるのです。ただし、ある程度(2ヶ月ぐらい)は継続する必要があります。

私自身はあまりストレスがないので、たまにしか瞑想をしていないのですが、免疫力があがるのはうれしいので、ちょっと真剣に瞑想に取り組んでみようと考えています。
~~~~
自分にとってのキーストーンハビットを探すのも楽しいと思います。汚部屋の改善だけでなく、無駄遣いや、食べ過ぎも、キーストーンハビットを見つけて、身に付ければ、思ったより簡単にやめられそうです。





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