新年の抱負

TEDの動画

なぜ人は新年に抱負を語るのか、はたしてそれは効果があるのか?(TED-ED)

新年の抱負について教えてくれるTED-EDの動画を紹介します。なぜ人は新年に目標を考えるのか、はたしてその効果はあるのか、目標を達成できる人とできない人の違いなどを5分ちょっとでまとめた動画です。

日本には「一年の計は元旦にあり」という言葉があります。何ごとも最初が肝心とか、元旦の過ごし方でその年が決まるとか、今年の目標は元旦にたてるといい、といった意味で使われていますね。

これは英語圏でも同じで、このような新年にたてる目標を New Year’s Resolutions (ニューイヤーズリゾルーション)といいます。

ただし、必ずしも年があけてから、決心するのではなく、年末に「来年の1月1日からはこうしよう」と考える人が多いようです。もちろん1月1日に「きょうからこうしよう」と決める人もいますが。



New Year’s Resolutions 新年の抱負

長さは5分46秒。字幕はないので、抄訳を詳しめにつけます。

※TED-EDはTEDの精神をもった教育用動画です。TEDについてはこちらをどうぞ⇒TEDの記事のまとめ(1)ミニマリスト的生き方の参考に

こんにちは。マイク・エヴァンズです。

年の瀬です。リニューアルの時期ですね。この時期、大なり小なり、多くの人がもっと人生を良くしたいと思いたちます。禁煙、もっとウォーキングする、感謝の気持ちを持つ、お母さんにもっと電話する、旅行するなど。

新年になると、私たちの半分は、ライフスタイルを変える決意をします。

新年に目標を立てると効果があるのでしょうか?

心理学者のジョン・ノールクロス博士とそのチームは新年の抱負がどんなふうに機能するのか研究し、さまざまな疑問に答えています。たとえば、

新年の抱負を考えることは効果があるのか?

その答えは、「はい、効果があります」です。

ノールクロス博士は、400人の人を集め、12月26日から12月31日の間に何か目標をたててはどうか、と聞いてみました。すると3つのグループにわかれました。

1.生活を変えることに興味がない、と答えた人
2.考え中の人。目標はたてるけど、新年にはやらないと答えた人。
3.新年の目標をたてると言った人。これは全体の41%。

3のグループの人たちがたてた目標で1番多かったベスト3は

1)ダイエット(weight loss)
2)運動習慣をつける
3)禁煙

2番の、新年ではなく別の時期に目標をたてる言った人は、目標をたてたあと2週間は51%の人が目標どおりに行動できていました。けれども半年後にはこの数字は4%にダウン。

3番の新年に目標をたてると言った人のうち、71%の人たちが1,2週間は目標どおりにできており、半年後にも続いていた人は46%でした。

つまり、最初の半年に限っていえば、新年に誓いを立てた人は、ほかの時期に立てた人より、10倍の率で、目標どおりにできるということです。

実際問題として、この数字をそのまま真に受けるわけには行きませんが、それにしても、大きな数字ですよね。

私はこれを知って2つの疑問を感じました。

1.なぜ、新年の目標を立てると、成功しやすいのか?
2.半年後にも目標を守れていた46%の人たちは、何が違っていたのか?

新年は来し方行く末を考えるムードがある特别な時期

新年には多くの人が、立ち止まって、これまでのことを振り返ったり、自分の生活に意識を向けることができます。

それに、「今年はこうする」と誰かが言ったとき、周りの人も「いいわね、がんばって」とサポートしてくれやすいです。

こうした自分自身の生活や行動について振り返るスキルはとても大事です。私の生徒たちにぜひ身につけてもらいたいと思っています。こういうことができる人を reflective learner(リフレクティブ・ラーナー)と呼びます。

リフレクティブ・ラーナーは、自分の長所や短所、優先順位を知っていて、楽観主義とリアリティのバランスをとり、柔軟な対応をとりつつ学んでいく人です。

誰でもこういう人になれます。ただ、忙しすぎたり、悪い習慣があると、うまく行きませんが。





半年後にも目標を守れていた人たちは何が違ったのか?

よく、目標を達成するためには、まず大きなゴールを決めて、モチベーションや意志の力、自制心を持って進め、と本に書いてあります。それができれば成功できるし、できなければ挫折です。

でも、実際はこの逆ではないでしょうか?

目標を達成する人は、小さな目標や、小さな成功を積み重ねていると思います。状況を観察して、振り返りながら少しずつ進みます。

意志の力は一定ではなく、やる気がある時もない時もあるので、少しずつ進む人は、いちいち困難に立ち向かうのではなく、そもそも誘惑を最小限にしています。

人は、大きな器に入ったポップコーンを持っていると、みんな食べてしまうという科学的なリサーチ結果が出ています。

目標を達成できる人はこれを知っていて、防御ではなく攻撃に回ります(play offense not defense)。

たとえば、毎週運動をするスケジュールを立てたり、灰皿を捨てたり、ジョギングシューズを出しておいたりして、意志の力がみなぎっているときもそうでないときも、ちゃんとやれるように準備しておくのです。

生野菜や果物を切って、冷蔵庫にスタンバイさせておいたり、トレーナーに予約をしたり。

人間は習慣の生き物です。同じことを何度も何度も繰り返します。だから、ふだんの生活でそんなにハードルの高くないことから始めるのがいいのではないでしょうか。

いつもより少しだけヘルシーな食べ物を買ったり、清涼飲料水の代わりに水を飲んだり、道で出会った知らない人に挨拶したり。

渋滞の中でいつもなら、クラクションをならすところを静かに座ってその時を楽しんでみたり。

新しい習慣を身につけるのに成功する人は、アジェンダやかゴールを提示する会社のCEOではなく、道具を持った水道屋さんや大工さんです。

職人はどこをどんな順番で修理すべきか知っています。1度に1つの場所を修理するいい習慣を持っているのですね。

January (1月)という名前は、ローマの Janus(ヤヌス)という、物ごとの始めと終わりをつかさどる神の名前から取られました。この神さまの顔は、未来と過去の両方を見ています。
ヤヌス
これが新年の特别なところだと思うのです。過去から学びつつも、向かうのは「新しい自分」なのです。この動画が、皆さんが新しい自分になる助けになるといいのですが。ハッピーニューイヤー。

・・・抄訳ここまで・・・

この動画をまとめると、新年は誰しも過去と未来を見つめるので、新年にたてた目標は達成しやすい。なぜなら、目標を達成するためには、つねに振り返りと調整が必要だから、となります。

私もこの意見に賛成です。ただ、新年の抱負を日記に書いても、三日坊主になる人が多いのも事実です。そこで、私が思う目標を達成するコツを紹介しますね。

目標を達成するコツ

私は、究極のゴールを設定するのはいいことだと思っていて、自分でもいろいろ考えています。ただ、実際にそのゴールに達成するためには、動画でも言っていたように、小さな目標を少しずつクリアするのがコツです。

それから、1番最初にすべきことは、「自分は変わることができる」と信じることだと思います。

アルコール依存から立ち直るための自助グループ、AAA{Alcoholics Anonymous)の人たちが書いた文章を読むと、よく神の話が出てきます。これはべつに彼らが信心深いというわけではなく、結局、自分を変えるためには、何か信じるもの、よりどころが必要なのではないでしょうか?

断捨離やダイエット、買わない生活に挑戦するなら、自分の可能性を信じてください。私はダイエットに関して、今ひとつ自分を信じられなかったので、失敗続きだったような気がしています。今年はがんばります。

次に、過去の自分の行動を客観的に見ること。なぜかというと、私たちの行動のほとんどは何も考えず自動的に行われているからです。

たとえば、買い物グセを治したいなら、買い物する行動をさせるそのポイントを知ることが大事ではないでしょうか?

そのポイントを知らないと、今度同じ場所に立った時、思いとどまれるような準備や工夫を前もってすることができません。

この点に関してはこちらでトリガーについて読んでください⇒今の自分を変えたい。3Rで新しい習慣を身につける方法

さらに、うまく行ったことがあれば、どうしてうまく行ったのか、うまく行かないことがあったら、何がよくなかったのか、考えながら(reflectiveになりながら)進むとよい結果が得られると思います。

考えながら進むには、誰かと対話する、ブログを書く、日記を書く、ノートに書くといったことが効果的です。

ヤヌスについて

昔「ヤヌスの鏡」という二重人格の若い女性が主人公の漫画(とドラマ)がありました。主人公が極端な二面性を持っている話です。まじめな自分とものすごく奔放な自分です。

このドラマのタイトルにもなっているヤヌスは、頭の前と後ろに顔があり、門や戸口の神さまです。外と内に顔が向いているわけです。

この神様は二重人格ではなくて、1年の終わりと始まりの境目にいます。2つの顔を使って見ているのは過去と未来です。

1月は過去と未来を見る月なのですね。そう考えるととても大きなチャンスの月だと思います。ぜひ、このビッグチャンスを活かしてください。





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