骨折したおばあさん

健康・アンチエイジング

更年期からは要注意。骨粗しょう症になりやすい人とは?

骨粗しょう症になりやすい人をお伝えします。

骨粗しょう症は「沈黙の病気」「沈黙の疾患」と言われる、糖尿病、歯周病と同様、痛みや自覚症状があまりないまま進行する怖い病気です。



女性は更年期をすぎるとかかりやすくなる

日本の総人口の10%弱、すなわち約1100万人が骨粗しょう症にかかっていいるそうです。高齢者に多いのですが、女性ホルモンが減少する更年期から女性がかかりやすくなります。

女性の場合、60歳代の2人に1人(!)、70歳以上になると10人のうち7人が骨粗しょう症という統計あり。男性でも65歳をすぎるとリスクがあがります。

骨がすかすかになる病気ですが、どこまですかすかになったら骨粗しょう症なのか、どこまで骨がもろくなったら、どんな危険があるかなどは個人差もあり、はっきり言えないそうす。

骨粗しょう症は昔からありました。最近はX線の技術が進んだことにより、検査で骨の量を昔より精密に測れるようになったので、病気として話題にのぼるようになったのでしょうね。

まあ、老化現象の1つなのです。骨の生活習慣病とも呼ばれます。

今回は骨粗しょう症とはどんな病気か、どんな人がリスクが高いのかわかりやすくまとめてみました。

骨粗しょう症とは?

人がもっともかかりやすい病気の1つ

骨粗しょう症は骨の構造が海綿みたいにすかすかになり、もろく折れやすくなった状態のことです。英語では osteoporosis (オステオポロシス)osteo が「骨」という意味で、porosis は「穴があいてる、希薄な状態」という意味。

おもな原因は加齢、女性ホルモンの減少、薬や病気などの要因、生活習慣(特に食事と運動)など。地球上で、ひじょうによく見られる病気です。誰でも年をとりますから。

カナダの骨粗しょう症の情報サイトによると、女性なら3人に1人、男性は5人に1人は骨粗しょう症のために骨折している、という統計があります。怖いですね。

ただ、日本はそこまで骨折は多くないと思います。次回の記事で詳しく書くつもりですが、乳製品の消費の多い国のほうが骨粗しょう症が多いので。詳しくは⇒牛乳はからだに良いのか悪いのか?私が乳製品を食べない理由

症状は、ほとんどなかったり、急に強い痛みを感じたり、だんだんうずくような痛みを感じたりします。

そしてある日突然、たいして力をかけていないのに、股関節、手首の骨などがポキっと折れます。医者に行って調べたら、いつのまにか骨がすごくもろくなっていたことがわかった、というケースが多いようです。

治療は薬でします。骨折したらそれもまた薬で治療します。





骨の構造と新陳代謝

骨はコラーゲン(タンパク質の一種)にカルシウム、リン、マグネシウムなどのミネラルがくっついてできています。

骨の強さの6割ぐらいは骨の重量で決まります。骨の様子を調べる方法はいくつかあるようですが、「骨密度(こつみつど)」という骨の強さを示す指標がよく知られています。

骨密度は、骨の中にどれだけカルシウム、マグネシウムなどのミネラルがあるか調べるものです。別名 BMD(Bone mineral density)です。

骨は新陳代謝しており、常に古い骨は破壊され、変わりに新しい骨が作られています。これを骨のリモデリングと呼びます。

ちなみに、骨が成長している思春期のころはダイエットをしてはいけません。この時期は、ちゃんとご飯を食べて、運動もしっかりして、強い骨を作る時期です。

近年、ここがないがしろになっていると思います。女子は小学校中学年、高学年ぐらいから生理が始まり胸もふくらんできて、全体的にふっくらしてきます。だから人によっては、「私太りすぎだ」と思ってダイエットしちゃうんですね。

現代のメディアは「やせてるほうがいい」という価値観のメッセージを送ってきますが、これは鵜呑みにしないほうがいいのです。見た目がちょっとぐらい太っていることより(たいていそれは本人の思いこみ)、骨の健康のほうが大事です。

子供がダイエットしちゃいけない話⇒結果的に太っている。なぜダイエットは成功しないのか?(TED)

骨粗しょう症になりやすい人、そのせいで骨折しやすい人

骨粗しょう症のリスクをあげる要因、すでに骨粗しょうかもしれない現象を12個あげます

1.65歳以上の人。特に女性

年をとってくると骨も老化します。

男性より女性に骨粗しょう症が多いのは、まず女性は男性より、骨格が小さいこと、妊娠や授乳期などカルシウムを大量に使う時期があること、また更年期や閉経後に、女性ホルモンが減少するからです。

エストロゲンという女性ホルモンが少なくなると、古い骨をこわすスピードが早まり、新しい骨を作るのが間に合わなくなるのです。

よって、卵巣で女性ホルモンが作られなくなる閉経後の女性はさらにリスクがあがります。閉経したら日々、骨の量は少なくなっているのです。閉経前も、女性ホルモンの分泌は徐々に減るので、更年期頃から気をつけたほうがいいでしょう。

また、男性でも男性ホルモンのテストステロンの分泌が少ない人はリスクがあがります。

骨の老化現象ですから、老人が倒れて骨を折るのも仕方ないと言えば仕方ありません。

高齢者の転倒を防止する方法⇒なぜ高齢者は転びやすいのか?その原因と対策。50代の今から予防すべし

2.若いころ骨折したことがある人

40歳になる前に、ちょっと転んだだけで骨が簡単に折れてしまった経験のある人。生まれつき骨が弱い可能性があります。

3.両親が股関節を骨折したことがある人

骨粗しょう症は遺伝する可能性もあります。というのも体質は遺伝するからです。たとえば、私も、私の母も小柄でぽっちゃりというか、太っています。

4.喫煙者

たばこは健康には全く寄与しない嗜好品です。ニコチンのせいで血液の循環が悪くなるので、すべての栄養素が、からだにうまく行き渡りません。よって骨を作っているカルシウムの吸収も悪くなるわけです。

女性の場合は喫煙するとエストロゲンの分泌も少なくなりますので、古い骨の吸収が早まり、骨がもろくなります。

5.習慣的にたくさん飲酒する人

1日3杯以上お酒を飲む人。お酒は利尿作用があるので、カルシウムが溶け出してしまうそうです。

日本の「骨粗しょう症ホームページ」によると、純エタノール10ml(8グラム)を1単位として、1日2単位以上飲んでいると、ちょっぴりリスクがあがります。

2単位とは、具体的には、ビール350mlx3本、日本酒が2合(360ml)、ワイン4杯(480ml)です。
詳しくは⇒骨粗しょう症(骨粗鬆症)ホームページ/いいほね用語集

これだけの量を毎日飲むのは経済的にも大変だし、骨より先に別のところで問題が出そうです。

6.ステロイド系抗炎症薬を服用している人、3ヶ月以上服用していた人

ぜん息とか、関節のリウマチとか、その他のからだの炎症を治療するために、ステロイド系の薬を飲んでいる人はリスクがあがります。

ステロイドのおもな成分の糖質コルチコイドは、炎症をおさえます。つまりわざとからだの免疫機能の働きを抑制するのです。この成分は新しい骨を作る細胞の働きも弱めて、古い骨の破壊は促進します。そのため骨の量が減ります。

さらにこういう薬を飲むと、カルシウムの吸収も悪くなるので、骨の質も低下します。

ただ、これはよく知られていることなので、お医者さんは、薬を処方するときに患者の状態に合わせて、量など考えて出すと思います。またここでいうステロイドは経口薬で塗り薬は骨には関係ありません。

7.骨の量が減る病気にかかっている人

副甲状腺機能亢進症(ふくこうじょうせんきのうこうしんしょう)などの内分泌系の疾患や関節リウマチ、動脈硬化、腎臓病など骨の代謝に影響のある病気にかかっている人は、症状の1つとして骨粗しょう症になりやすいです。

8.45歳より前に閉経した女性

1に書いた女性ホルモンの減少のせいでリスクがあがります。

9.数ヶ月生理が止まったことがある人

妊娠や閉経とは関係なく長期間生理が止まったことがある場合です。エストロゲンの分泌が止まったわけですから、骨がしっかり成長していない可能性があります。

私は20代の半ばに無茶なダイエットをして生理が止まったことがあります。すでに骨がぼろぼろかもしれません。こういうことは真似しないでください。

10.低体重の人

骨粗しょう症に関してだけいうと、ある程度体重がないとリスクがあがります。なぜならやせていると、骨にあまり負荷(体重)がかからないからです。骨は負荷がかかるから、成長するのです。

無重力状態にいた宇宙飛行士は、地球にもどると骨密度が減っています。

詳しくはこちら⇒ミニトランポリン歴1年7ヶ月の私が伝える、7つの健康効果 「7. 骨密度をあげる」のところです。

また、骨の新陳代謝を促す、女性ホルモンのエストロゲンに似た物質は脂肪細胞で作られるそうです。よって、やせている人はこの物質があまり出ないため、骨がうまく新陳代謝しません。

低体重の目安はBMIが18.5未満の人です。
BMIの説明はこちら⇒ダイエットで100%を目指すと失敗する~ノーエスダイエットをアレンジしてます

かなりやせていないと18.5未満にはならないです。背が低くやせている女性はリスクが高いので気をつけてください。

☆骨粗しょう症の予防法はこちら⇒骨粗しょう症の予防の7つのポイント。カルシウムよりビタミンDのほうが重要

11.25歳のときより10%以上体重が減ってしまった人

理由は10と同じで、骨に負荷がかからないからです。

12.若いときより身長が2~3センチほど縮んだ人

人間は、年をとっても身長は変わりません。しかし、腰がまがったり、猫背になったりと、骨の状態が変わることで、身長が縮むことがあります。

特に背骨の圧迫骨折(あっぱくこっせつ)があると縮みます。圧迫骨折は、椎骨(ついこつ)という背骨の1つ1つの骨が押しつぶされたり、変形する骨折です。ボキッと折れるわけではないのですね。

骨粗しょう症になり、骨がもろくなると、椎骨がつぶれることがあるのです。

圧迫骨折すると、背が小さくなるだけでなく、仰向けに寝ると背中に痛みがあります。また、まっすぐ立てなくなります。

背中が慢性的に痛い人は、1度、ちゃんと真っ直ぐ立てるかチェックして(壁にそって立ってみる)、立てなかったら、医者に行ったほうがいいでしょう。

このほか、激しいスポーツをする人や、マラソンなどの長距離走の選手は卵巣からのエストロゲンの分泌が減るので、別に閉経してなくても骨密度が少し減少するそうです。





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