シニア目前、主婦でミニマリストなブロガー筆子が、断捨離と節約をして「老い支度」に励む日々をつづっています。

貯金できない人がうまくお金を貯める秘訣は、行動経済学にあり(TED)



50代で貯金がない、どんぶり勘定人生を送ってきた主婦が、「貯められる人」になる方法を模索するシリーズ。

今回は、行動経済学者のシェロモ・ベナルチ(Shlomo Benartzi)さんのプレゼンを紹介します。
 
タイトルは、Saving for tomorrow, tomorrow(明日、明日のために貯めること)です。(邦題は、『明日のために、明日貯めよう』)

このプレゼンでは、なぜ人は将来のために貯金ができないのか、その3つの理由と、解決策が提示されています。

『明日のために、明日貯めよう』のTEDの説明

It’s easy to imagine saving money next week, but how about right now? Generally, we want to spend it. Economist Shlomo Benartzi says this is one of the biggest obstacles to saving enough for retirement, and asks: How do we turn this behavioral challenge into a behavioral solution?

来週お金をためようと思うことは、簡単です。では、今すぐはどうでしょうか?今は、お金を使いたいと思うものです。

経済学者のシェロモ・ベナルチは、こう考えることが、退職後のために、お金を貯めるもっとも大きな障害の1つだと言います。

この行動のチャレンジをどうやったら解決できるのか、彼は問いかけています。

行動経済学(behavioral economics)は、人がどんなふうに行動するのかを考慮に入れた経済学です。

行動ファイナンス(behavioral finance)とも呼びます。

昔からある経済学では、人はいつも自己の利益が最大になるように合理的な行動をとるという前提があります。ですが、実際の人間が必ずしも、いつも合理的な行動をするわけではありません。

というより、人はどちらかというと不合理な生き物です。

行動経済学では、私たちは、こんな時は、こんな判断をして、こんなことをするよね、といった行動に重きをおいています。

動画の長さは17分45秒。

アメリカの年金(401K)の話が出てきますが、基本的な考え方はどこの国の人も応用できます。

日本語字幕の動画です。英語字幕や字幕なしは、プレーヤーで調節できます。とても構成がはっきりしている動画なので、今回は要約を添えます。

ベナルチ先生が最初に卒業した大学はテルアヴィヴ大学なので、たぶんイスラエル出身の方だと思います。


☆トランスクリプトはこちら⇒Shlomo Benartzi: Saving for tomorrow, tomorrow | TED Talk | TED.com
☆TEDの説明はこちら⇒TEDの記事のまとめ(1)ミニマリスト的生き方の参考に

行動ファイナンスとは?

行動ファイナンスは心理学と経済学を合わせたものです。なぜ人々が、お金に関して間違った行動をしてしまうのか研究します。

人々のお金の管理方法は必ずしも理にかなってはいません。
たとえば
●人は自分の支払い能力を限界まで使って、できるだけ大きな家を買い、ローンが支払えなくて差し押さえられると、貸付をした銀行が悪いと言う。

●アメリカの平均的世帯は年に1000ドル以上、宝くじを買っている。それも、低所得の家庭ほどそうしている。

●子どもがいるのに、生命保険にお金を使うより、iPhoneに保険をかけている。(筆子注:iPhoneの保証期間を延長するためにお金を払っている、ということです)。

このような間違ったお金の管理を、なぜ人がするのか理解し、どうしたらそんなことをしないようにできるか、問題を解決する方法をさぐるのが行動ファイナンスです。

今日のテーマは、「明日、お金を貯めること」です。

アメリカの貯蓄事情

アメリカ人100人のうち、半分は401Kプランに全くアクセスしていません。残りの半分のうち、貯金しないことを選ぶ人もいます。手続きが複雑だからです。

401Kのサイトで17回もクリックして、このプランに加入したくないのです。投資プランの種類も52もあるので選択できません。投資商品の内容もよくわからないですし。

401Kプランに加入しているのは、アメリカ人の3分の1です。3分の2は老後のために貯蓄をしていません。

貯蓄している人の中から、「蓄えは少ししかない」と言っている人を除くと、10人中1人だけ残ります。

じゅうぶん貯蓄をしている人は、10人中1人なのです。

「貯蓄が多すぎる」と思っている人は、アメリカ人の0.5%です。

なぜ、人は貯金をしないのでしょうか?


人々が貯金しない3つの理由

1.目先の喜びを優先する(present bias)

例:来週またTEDのイベントがあり、バナナとチョコレートのどちらを食べるか、と問われると、74%の人がバナナを選ぶ。

しかし、実際当日が来ると、チョコレートを食べる人のほうが多い。

このように、今、この時の喜びを重視する傾向を、present bias (現在志向)と呼びます。

貯金でも同じことが起きます。来年は貯金しようと思いつつ、今は使ってしまいます。

2.行動の欠如 (inertia)

例:ドイツとオーストリアでの臓器提供システム。
ドイツでは、免許を取った時、「臓器を提供します」というところに、チェクを入れるようになっている。

ここにチェックを入れる人は12%。つまり、臓器提供者は12%のみ。

オーストリアでは、免許を取得するとき、臓器を提供したくないなら、チェックを入れるようになっている。チェックする人は1%。つまり、臓器提供者は99%。

臓器を提供する、しないと決めるためには、ちょっと考えなければなりません。人は、それが負担なので、何も行動しないことを選びます。

つまり、チェックを入れないのです。

人は行動しないし、行動を先送りする傾向が強いです。

401Kプランでは、何もしないと、そのままになってしまうので、多くの人は貯蓄ができないのです。

3.損失回避(loss aversion)

例:あるサルの群れに、りんごを1つずつあげるとサルはとても幸せ。別のサルの群れにそれぞれりんごを2個あげたあと、1つ取り上げると、すごく怒る。

両方のグループともりんごの数は1個ずつなのに。

人はものを失うことが嫌いなのです。リスクであろうとなかろうと関係ありません。これは損失回避と呼びます。

銀行のATMで100ドルおろして、20ドル札が1枚足りないと、人は大きな苦痛を感じます。ランチを食べれば20ドルなんてすぐになくなるのに。

貯金をするときも、人は同様の苦痛を感じます。貯金をすると、消費する分が減るからです。

貯金をする方法

以上の人の3つの傾向に対して、行動ファイナンスの考え方を応用すれば、解決策が見つかります。それが、『明日、明日のために貯めること』です。

ものすごくシンプルな解決法です。

1.今日ではなく明日貯める

今貯金できない問題と、行動できない問題を解決する方法として、「明日、貯める」というやり方を用います。

今日ではなく、自分が想像できる未来の一点でお金を貯めることにします。何も考えなくてもいいように、給料から自動的に天引きします。
小銭

2.お金をより多く稼いだ時に貯金する

お金を稼いだ時や、昇給した時は、その分余分に貯金すれば、支出に回す分は減らないので、損をしたと感じません。

人は、給料が増えるとその分余分に使ってしまいますが、その「使う分」から少しだけ、401Kプランに入れます。

ものすごくシンプルですが、とても効果があります。

実際にこの「明日貯める」やり方を、企業で実践しています。ある企業で昇給のたびに、3%貯蓄額を増やすことをすすめたら、これまで貯金できなかった人が貯金できるようになりました。

3年後には、貯蓄額が14%にまでアップ。貯める額が4倍になるだけで、豊かな暮らしが実現します。

これまで大企業のうち60%でこのプログラムを実践し、年金保護法の一部としても使われてきました。

このように、行動ファイナンスはとても強力なのですが、まだまだ研究、解決しなければならない問題があります。

ということは、行動ファイナンスの有効性を高めるチャンスがそれだけまだたくさんある、ということです。

—– 要約ここまで ——
☆行動経済学を応用したお金のため方に関する動画はこちらでも紹介しています⇒あなたの言葉がお金をためる能力に影響を与えている?(TED)

☆損失回避についてはこちらで詳しく説明⇒物を捨てられないのは恐怖のせい~損失回避と、授かり効果の心理をさぐる

☆アメリカのリタイアメントプランについてもっと知りたい方はこちらをどうぞ⇒経済的に豊かになる5つのシンプルなお金の原則(TED)

自分の行動パターンを知って最適なシステムを作る

このプレゼンを見て、私が学んだことは、
1.お金に関して、人が自動的にする行動パターンがある。
2.そのパターンに合うように、システムを変えれば、お金を貯めることができる。

この2つです。

人の行動パターンはある程度、決まっているのです。

その行動は、ほとんど本能的ですから、変えることは難しいでしょう。

たとえば、「損失回避の心理」。私もよく感じます。

ゆうべ、自分がTFSAを預けた銀行より、もっと利率のいい銀行があるのを知って、悶え苦しみました。

TFSAとは、税金のかからない貯金口座のことです。詳しくはこちら⇒50代で貯金のない主婦が、老後のためにできる3つのこと

その利率の差は、わずか0.25%なのですが。でも、元金が大きかったら、大きいですよね?まだろくに預金していませんが。

寝る前に、「明日、取引銀行から別の銀行に口座を移すにはどうすればいいのか調べよう」と思いました。

今朝、取引銀行のサイトを見たら、なんと、期間限定(2ヶ月ぐらい)で、「今だけこの口座に入金した分の利率は1.5%になる」と出ていました。

銀行のプロモーションです。それを見た私は、別の銀行のことは忘れて、また少し、この口座に入金しました。

この行動が正しかったのかどうかはわかりません。

確かに利息がいいほうがいいのですが、総合的なサービス(手数料や関連金融商品など)や利便性なども考えなければなりません。

人間というのは、利息の数字や物の値段ばかりにフォーカスしてしまいます。

何かを安く買ったあと、同じ商品がさらに安くなっていると、ものすごく損した気分になるものです。

まさに、りんごを2つもらって1つ取り上げられたサルと同じです。

このように人は、自動的に「損だ」「得だ」と思ってしまい、そこにあまり客観的な思考はありません。

このことを知って、これに合う貯金システムを作った人が、お金を貯められる、ということです。

断捨離も貯金も同じ方法論で成功できる

断捨離も同じです。捨てるものを触って、「ときめく?ときめかない?」と直感で決めようとすると、あまり捨てられないものです。

なぜなら、その直感は、理性的な思考の上に出されるものではないからです。詳しくは⇒失敗しない断捨離に必要なのは、ときめきや直感より理性を信じること

自制心や意志の力を行使して、行動を変えようとするより、無理なく捨てられるシステムを作るほうが勝率は高いのです。

そのためには、まず自分の行動パターンを分析することが大事ですね。現状把握です。

汚部屋解消、貯金、ともに
●現状把握
●自分の行動パターンの把握
●行動にあったシステム作り
●システムにそって行動する

この4つをやれば成功すると思います。

私は、貯金に関しては、まだ現状把握をやっている段階です。

上の4つに加えて、達成したい目標の分野に意識を向け、多少は情報収集することも必要でしょう。

情報収集ばかりが目的化してしまうと問題ですが。

意識を向けていると、自分のやりたい行動をよりやりやすくなります。人は意識を向けていないことは、全く見えていないし、考えることもできないのです。


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