比較

ミニマム思考

人と自分を比べるのをやめる方法。比較をやめれば物を減らせる。

「あの人が持っているから、自分も買う」。こんなふうにして、多くの人はいらない物をためこんでしまいます。

今回は、他人と自分を比較するのをやめる方法をお伝えします。

完全にやめることはできないでしょうが、少しでもましになれば、よけいな買い物をしてお金を失い、ガラクタをためこむ生活から脱却できます。もちろん、今より幸せな気分にもなります。



人と比較するから物が増える(そしてお金が減る)

人の買い物に影響を受けて、いらない物を買ってしまうこと、よくありませんか?

たとえば、多くの人が毎年争って買っているアップル社のガジェット。これにしたって、「他の人より早く買いたい」という気持ちがあるから、さして必要でもないのに買ってしまうのです。

ついこのあいだ買ったiPhoneやiPadで充分間に合うのに。

もし誰もアップル社の製品を買わなければ、自分も買わないでしょう。

英語に、Keep up with the Joneses(直訳:ジョーンズ家に追いつく)という表現があります。これは、隣人に負けまいとして見栄をはること、周囲の人と同じような物を持って、自分も同じぐらいの生活水準なのだと証明しようとすることです。

現代社会において、多くの人が、家の中に数々の不用品をため込んでしまったのは、多分にこの「隣人と張り合う」心理があるからです。

人はきわめていい加減な比較をする

人間はもともと人と自分を比べるようにできています。社会的動物なのだから仕方ありません。

いつも何かを比べて、「よりよい物」「ベストな物」を選ばないと、進化もなかったでしょう。人はいつも、周囲の状況に、相対的に反応しながら生きているのです。比較するのはいいのですが、問題はそのやリ方です。人は時に、きわめていい加減な比較をしています。

サルの経済の動画でも、人間は物事を絶対的なものとして比較することができない、と言っていました。これは、いろいろなものを比較するとき、比較する条件などが、どんどん変わってしまうんだ、と言うことでしょう。

サルの経済の話⇒私たちがお金に関して愚かな決断をしてしまう理由(TED)

人は、自分の都合の言いように、比較するベースや尺度を変えてしまうのです。

本来何かを比較する時、一定の条件のもとでした実験や調査を、数値を使って比べます。

ところが、人は、自分とは全く性格も環境も違う他人と自分の何かを比べて、1人で喜んだり、落ち込んだりするのです。

考えみればすごく馬鹿げています。ずいぶんいい加減な比較をしているのに、その結果が自分の心に与えるダメージは相当深刻です。





比較するメリット、デメリット

比較することが、メリットを生むこともあります。

平均と比べて、自分はこのぐらいだからもう少しがんばろう、と前向きになれたり、他の人が自分より優れているその理由を探って、新しいやり方を見つけたり、といったことです。異文化を比較すれば、自国や自分のことがよくわかります。

このように、他人と比較することで、ポジティブな効果が生まれているのならいいのです。ですが、現代社会では、比較することがネガティブな作用を持つほうが多いです。比較すればするほど、不幸せになるのです。

人と自分を比較するとこんなデメリットがあります。

物が増えてしまう⇒お金がなくなる。

人が持っているから、自分も持つ、という考え方をしていると、「自分以外の人が欲しいと思った物」で、自分の部屋の中がいっぱいになります。

浪費も増えるので、自分が本当に欲しいものやしたいことに使うお金が残りません。

時間がもったいない

他人と自分を比較して、あーでもない、こーでもない、とうじうじしているなら、その時間が非常にもったいないです。

特に兄弟や姉妹と自分を比べる人って多いですね。

子供の頃はもちろん、大人になっても、いまだに自分とお兄さんを比べて「やっぱり兄貴には勝てない」とくやしがったり。「妹のほうがかわいくて、恵まれた生活をしている」と妬んだり。

もう大人なのですから、親の愛情を争う必要はありません。

不安や罪の意識にかられ、時にはうつ病に

今は兄弟姉妹がいない人でも比較する対象は、無限にあります。

インターネットやソーシャルメディアがありますから。それこそ、毎日、いろいろな物を世界中の人と比べることができます。

成績や学歴、仕事はもちろん、収入や家の大きさ、住んでいる場所、持っている服、乗っている車、休暇の過ごし方、恋人や配偶者の素晴らしさ加減、子供やペットの可愛さ加減、今日食べたお昼ごはんまで。なんでもありです。

SNSばかりやっていると、知らず知らずのうちに自分と人を比べて、うつになったり、不安になります⇒SNS依存に注意。FOMO(フォーモー:取り残される不安)を捨てる方法

他人に自分の生活をコントロールされる

比較した結果行動していると、それが本当に自分のやりたいことなのか、他人と差をつけるためにやりたいことなのか、わからなくなってきます。

中には、いつも判断基準が他人のものさしになっている人もいます。こういう人は、比較する対象がなくなると、自分も消失します。完全に自分の生き方を周りの人や何かにコントロールされてしまうのです。

何かがうまくいかないと、他人のせいだと考えるようになります。この考え方は危険です。なぜなら、自分の中にあるパワーに気づくことができないから。

自分が変わればうまくいくこともたくさんあるのに、全部他人のせいなので、他人が変わってくれなければ、自分の問題も改善されないのです。ですが、もちろん他人はそんなに都合よく変わってはくれません。

このように他人と自分を比べてばかりいると、自分らしさを楽しむミニマルライフ的には、ろくなことがありません。

人と自分を比べることが多い人は、ぜひそのその思考のクセを手放してください。こんな考え方をすれば、「比べグセ」を断捨離できます。

人と自分を比較しない6つの方法

1.比べている、その事実に気づく

たいていの人は、わざわざ「比べてみよう」と思って、他人と自分の何かを比べたりしません。これは考え方のクセです。

自分にその傾向がないか、客観的にチェックしてください。まず自分で気づかないと、思考のクセを手放すのは難しいです。

人と自分を根拠なく比べるクセは、完璧主義や、先延ばしグセと同様、すっかり習慣になってしまった思考の1つなのです。

2.比べるのをやめる(努力をする)

「どうやら自分は、やたらと人と自分を比べるところがある」、と気づいたら、その行為をやめてください。

そういうことを考えだしたら、「はっ、いかん。比べてはいかん」と自分で自分を制し、何か別のことを考えるのです。

自分の思考の流れがよくわからない人は、紙に考えていることを書き出すのも有効です。

ブレインダンプがおすすめ⇒頭の中のガラクタを断捨離するブレインダンプのやり方

3.比べやすい状況から逃れる(インターネットを切断)

すぐに人と自分を比べてしまう人は、テレビを見たり、ブログを読んだり、SNSをやるべきではありません。そういうメディアには、比べる対象がゴロゴロいるからです。

昔の人が、生涯に知ることのできた人の数は、今の人と比べてずいぶん少ないでしょう。テレビもネットも大きな新聞社もなかったのですから。

せいぜい、自分の家族と、近所に住んでいる人とお殿様ぐらい。あとは、本の中で出会う偉人などでしょうか。

ところが今はネットがあるので、会ったこともない大勢の人が、Instagramにのせている華麗な私生活や、素敵な持ち物と自分のそれを比べて落ち込んでしまうのです。

4.人と自分は違うことをしっかり確認

Robert Zend(ロバート・ザンド 1929-1985)という、ハンガリーで生まれて、すぐにカナダに移住した詩人の有名な言葉にこんなのがあります。

People have one thing in common. They are all different.
人々には、共通点が1つある。それはみんな違うことだ。

この通りなのです。自分と人は違うので、そもそも比べることは不可能です。

5.人ではなく自分にフォーカスする

人と自分を比べている人は、多くの時間を他人について考えることに費やしています。

その行動をやめて、自分のことを考えてください。自分のことと言っても、自分の至らないところを考えるのではなく、自分のいいところを考えるのです。

「こんなところは、私はなかなかいいよね」とか。

また、これまで自分が成し遂げたことを考えてみるのもいいでしょう。小学校のとき、持久走で歩かずに最後まで走った、とか。

すでに自分の持っている物を数え上げるのも有効です。そして感謝の気持ちを持ちます。感謝するコツはこちらに書いています⇒もっと幸せになるために今すぐ捨てたい5つのもの(心の断捨離)。 「4.感謝できない気持ち」を読んでください。

このようなことをすると、セルフエスティームがあがるので、自分に自信を持つことができます。

6.自分を成長させる方に注力する

他人と人を比べるのではなく、きのうの自分と今日の自分を比べて、何か少しでも良くなったこと、成長したことを見つけるようにします。

常に自分をバージョンアップさせる感じです。

きのうの自分と今日の自分なら、比べる条件はほぼ同じです。
~~~~~
私たちは、自分自身を生きたとき、もっとも充実感を感じ、幸せになれるのだと思います。

人と自分を比べることは、自分を生きることを邪魔してしまいます。

「きのうより、ちょっと進歩した」という小さな成功を積み重ねていくと、もうそんなに他人の人生に影響を受けることはなくなるでしょう。





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