シニア目前、主婦でミニマリストなブロガー筆子が、断捨離と節約をして「老い支度」に励む日々をつづっています。

少ないほうが幸せ。なんでも多ければいいという考え方が人を不幸にする(TED)


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いらない物はみんな手放してスッキリしたい人の参考になるTEDプレゼンを紹介します。

タイトルはThe joy of less。直訳は「少ないことの喜び」、意訳して「少ないほうが幸せ」としました。

プレゼンターは起業家(ビジネスウーマン)の Kim Coupounas(キム・クプナス)さんです。名字はクプナスだと思いますが、違う発音かもしれません。

キムさんはアウトドアが大好きで、バックパックをかついで旅行をしているうちに、こんなに荷物はいらない、と気づきました。

そしてご主人と一緒に、軽量にこだわったギアを売り出すビジネスを立ち上げます。ところが、荷物の少なさにこだわっていたはずのキムさんなのに、いろいろなものを追い求しまいました(ダークサイドに落ちた、と彼女は表現しています)。

少ないほうが幸せ(The joy of less)

2014年9月収録。コロラドのボルダーの独立イベントです。動画の長さは9分33秒。日本語字幕はありませんが、英語の字幕は出せます。

※TEDって何?という人はこちらをどうぞ⇒TEDの記事のまとめ(1)ミニマリスト的生き方の参考に

荷物は少ないほうがいい

1993年、新婚時代の話です。私と夫は仕事ばかりしていました。2人とももともとアウトドアが大好きだったので、ある週末、バックパックをかついで旅に出ました。

行き先はニューハンプシャーのホワイトマウンテン。冬景色が素晴らしかったです。松の香りをかぎながら、雪の上をさくさくと進みました。

夜はキャンプファイヤーでまったり。

ただ、この旅行のために、私たちは、冬のキャンプに必要なありとあらゆるものを買っていたのです。

美しい自然の中で、それぞれ80パウンド(およそ36キロ)の荷物をかついでいました。

夢見ていたバックパック旅行は悪夢に変わりました。肩は腫れ、足にはまめができ、汗びっしょり。私たちは、たくさんあればあるほどいいと思っていたのです。

よりたくさんの物を持ちたがるバックパッカーでした。

その後、夫とアウトドア用品の会社を始めました。アウトドアの世界とつながるためには、ギアは少ないほうがいい、というコンセプトです。

野外で楽しむためには、レス・イズ・モアなのです。軽量でいこう(go light)と決めました。

たくさんあればあるほどいいと思う文化

私たちはお金も友達も尊敬も承認も力も、あればあるほどいいと考えています。

なぜたくさんあればあるほどいいと考えてしまうのか?

20世紀になって始まった産業資本主義のせいです。大量生産された商品があふれ、誰でも手に入れられるようになりました。

人生をよりよくしてくれる商品、生活水準をあげてくれる製品。物を持てば、より自由になり、教育も受けられ、豊かになり、給与もあがり、民主主義が進む、と考えました。

同時に朝から晩まで息苦しい暮らしになりました。消費に明け暮れる社会となり、たくさんの選択をするはめになりました。

とりつかれたように、「たくさんあればあるほどいい」と行動した結果、地球の資源をむさぼり尽くし、しかも、消費しているとき、私たちは幸せではないのです。

資本主義はいいことですが、暴走してしまいました。私たちもです。

ダークサイドに落ちた私

私も、多ければ多いほどいいという幻想を持っていました。ダークサイドに落ちていたのです。

赤いハイヒールをはけば、セクシーでパワフルに見える、買わなくちゃ。

だからクレジットカードで買いました。買ったときはうれしかったけど、家に帰って鏡の前で履いてみたら、気づいたのです。

とんでもないお金を使ってしまった、と。おまけに足はものすごく痛かった。

買ったときの興奮が去ったあと残るのは、虚しい気持ちと痛みだけです。

2002年に夫と会社を作りました。製品は賞をとり、メディアで大きく話題に。事業を国際的に展開し、昔ながらのビジネスの成功の波にのりました。

成功していたけど、週に100時間以上働いていました。お金もどんどん使っていました。

1ページの広告に2万ドル(220万円ぐらい)以上使い、展示会のブースを買うのに家1軒を買うより高い金額を払っていました。

もっとシェアがほしい、もっと事業を大きくしたい、もっと世間に認めてもらいたい、もっと成功したいと思っていたのです。

「軽量でいこう」というコンセプトの商品を売っている会社なのに、「もっと、もっと」と願うなんて、なんという皮肉でしょう。

より多くを求めて得たものは?

より多くの成功を求めた結果、どんどん少なくなったものがあります。

夫と過ごす時間、家族や友だちとふれあう時間、精神的なものを究める時間、運動する時間、自然の中で過ごす時間。

私たちは、たくさんの荷物を背負うバックパッカーのように、ビジネスをしていました。

こんな暮らしのせいで、個人的にも代償を払うことになりました。

私は感情的にも精神的にも肉体的にも疲れ果て、バランスを失っていたので、その後8年間に、5回流産をし、体外受精に2度失敗し、さまざまな治療に莫大なお金を使いました。

12週間のときは元気だった赤ちゃんが、数週間後には自分のお腹の中で死んでしまったことがわかったときの気持ち、想像つきますか?


なぜ私たちは「少ないこと」を怖れるのか?

どうして私たちは、こんなにも「少ない(less レス)」という言葉を怖れてしまうのでしょう?

足りないと感じてしまいます。人から、ジャッジされると思ってしまいます。充分じゃないと感じます。

他の人がなんて言うか怖れています。

いったい何を怖れているのでしょう?

こんなに豊かな文明社会に生きているというのに。

物を買って得られる幸せはすぐに消え去ります。幻想なのです。

「レス」という言葉の意味を考え直しましょう。「少ない」とは、「足りない」という意味じゃないんです。

「レス」とは、ストレスが少なく、心配も少なく、怒りも少なく、悩みも少なく、より幸せで、つながっていて、豊かな状態です。

たくさんのことを手放したら起きたこと

8年間不妊治療をし、子どもを授かるために、ありとあらゆることをやったあと、私はあきらめました。

私の中で、何もかもが、「もうやめて!」と叫んでいたのです。

だから、そうしました。あがくのはやめたのです。

会社のCEOの座を退き、役員もやめ、やることを減らしました。「これがあれば幸せになれるよ」と教えられたすべてのものを追い求めるのをやめたのです。

自分を責めることも、ストレスを感じることも、心配するのもやめました。

人生のガラクタを一掃したあと、自然の中で過ごし、再び家族や友だちと語らい、歌を歌うことも再開して、祈りを捧げました。

その結果子どもを授かることができたのです。

正直に言います。

私は、もっとたくさんのものを手に入れて、高みに登ることはすばらしいと教えられ、そう信じてきました。

けれども、今は、豊かさや喜びは、少ないことから生まれると心の底から思っています。

私たちはダークサイドに落ちるのではなく、別の道を行くことを選ぶ力があります。

ルールを変えることができるし、人類や自然に加えていた破壊的な力の向きを変えることもできます。

私は人に物を売るビジネスをしています。でも、もし私たちが少しだけ買うことにしたらどうでしょうか?

自分の価値観にあったブランドや企業から買うようにしてみてはどうでしょう?

「たくさんあるほどいい」という幻想や偽りの向こうには、豊かで喜びにあふれている人生がある、と信じてみてはどうでしょう?

皆さんが心から求めている豊かさや喜びを得るために、何を減らすことができますか?

///抄訳ここまで///

レス・イズ・モアを説くTEDの動画

『ものは少なく、幸せは多めに』~グラハム・ヒルに習う「小さく暮らす」メリット

ミニマリズム~何もしない時間、何もないスペースを作ってより充実した人生を

ガラクタを全て売り払い、借金を返し、旅に出て、自由に生きている男の話(TED)

物にお金を使わず体験に使おう:ショーン・ボナー(TED)

小さな家(タイニーハウス)に住むことは自分の夢を叶える糸口になる(TED)

精神的なものと物質的なものの混乱

レス・イズ・モア

キムさんは、ご主人と会社を作り、GoLite(ゴーライト)という軽量でシンプルなキャンピングギアを発売して好評でした。ですが、2006年には、商標をティンバーランド(Timberland)に売却しています。

彼女は向上心のある仕事熱心な人だと思います。

キムさんのように向上心のある人や、もっと幸せになりたいとハングリーな人は、物質主義のダークサイドにはまりやすいかもしれません。

人は、物があれば幸せになると考えますが、物は物質で、幸せは精神的なもの。よくよく考えると、あまり関係ないです。

生きるのに必要最低限の物が揃っているなら、もうあまり物を手に入れることに時間とエネルギーを注がない方がいいです。

「好きなものに囲まれてする上質な暮らし」とか「お気に入りの物だけに囲まれて私らしく幸せに暮らす」などと言いますが、この発想、間違っているんじゃないでしょうか?

間違っていないにしても、かなり危険な考え方だと思います。

「私はお気に入りの物がないと、幸せになれない」と言ってるわけですから。本当は物なんてあんまりないほうがよけいな心配が増えないのでずっと楽です。

「自分は大丈夫、足りないものなんてない」という考え方ができると、「これがないと幸せになれない。手に入れなきゃだめだ」とあせってつまらない買い物をすることがありません。

「好きなものだけに囲まれるにはどうしたらいいのか、そもそも私はいったい何が好きなのか、どうやって自分に最適の物を選んだらいいのか」などなど、モノ選びに関して、悩むこともなくなります。

物は物でしかないわけで、そこにいろいろな思い入れを持つのは人間なのです。その思い入れによって、ちょうどいい具合に幸せになっている人はそれでいいと思います。

けれども、いろいろ思い煩うことが増えているなら、精神的なものと物質的なものをごちゃ混ぜにするのはもうやめたほうがいいのではないでしょうか。

*********

キムさんが、仕事の成功や名声、社会の承認を追い求めてしまったのは、もっと幸せになりたい、向上したい、と思っていたからでしょう。

しかし、追い求めれば求めるほど不幸になってしまったのです。すべての執着を手放したら、子宝に恵まれ、自然や家族とふれあうこともできる、豊かな人生になりました。

よかったですね。

昔のことですが、私の友だちにも子どもができなくて悩んでいる人がいました。

最初は、「早く赤ちゃんできないかな~」と思っていたそうですが、「子どもはできない」とわかったら、できないゆえに、どうしても子どもが欲しい、と思ってしまったそうです。

人間は、「手に入れるのは難しいよ」と言われると、手に入れたくなってしまうようです。限定品をほしがる気持ちも同じですね。


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