シニア目前、主婦でミニマリストなブロガー筆子が、断捨離と節約をして「老い支度」に励む日々をつづっています。

物を持たないシンプルライフだからこそ人生が楽しくなる(TED)


持たない暮らしをしたい人に参考になるTED動画を紹介します。

タイトルは、The masterpiece of a simple life (シンプルライフの傑作)。プレゼンターは脚本家の Maura malloy(モーラ・マロイ)さんです。

傑作とは、この場合、自分の人生のことです。暮らしをシンプルにすれば、より自分らしい素晴らしい人生になるんだ、という意味です。

このタイトルは彫刻家、ミケランジェロの言葉からヒントを得ています。

ある人に「どうやったらあんな傑作(ダヴィデ像のこと)ができるんですか?」と聞かれた時、ミケランジェロは、“It was easy. You just chip away that which does not look like David.”(簡単ですよ。ダヴィデに見えない部分を削るだけです)と答えました。

要するに、よけいなものを削ぎ落としていけば、自分らしい豊かな人生になるのです。

動画は11分15秒。英語、イタリア語その他5ヶ国語の字幕を表示できますが、日本語はありません。動画のあとに抄訳を書きます。


※YouTubeで見る方はこちらから⇒The masterpiece of a simple life | Maura Malloy | TEDxIndianapolis

※TEDについてはこちらをどうぞ⇒TEDの記事のまとめ(1)ミニマリスト的生き方の参考に

役に立たない物や美しくない物は持たない

ウィリアム・モリスはこう言いました。「役に立たないものや、美しいとは思わないものを家に置いてはならない」と。

私もこの言葉を信条として暮らしています。

美しいものに囲まれて暮らしたいし、私は、物理的な環境に直接、影響を受けるからです。

物がいっぱいあると、集中できず、仕事することもリラックスすることもできません。

正気を保つためには、スッキリとしたスペースが必要なのです。

キッチンのカウンターには何も置かず、シンクも空っぽ、服はきちんとしまってあり、机の上には何もありません。

想像しただけで、気持ちが落ち着きます。

現代はよけいな物があふれている

残念ながら、私の生きている社会は、こうしたシンプリシティにそぐわないものです。

歴史上、これまでにないほどたくさんの物があふれています。

1950年代のスーパーマーケットでは、3000個の違う物を売っていました。1990年代は、3万アイテムです。

1943年の5番街にあったおしゃれなアパートを見てみましょう。ガラクタがありません。

1940年代のアパート

余白がありシンプルそのもの。

今はこんな生活を理想にしている人はいません。たとえ、こういう暮らしをしたいと思っても、手に入れることはほとんど不可能です。

私たちは、物を溜め込む社会に生きています。これは、25年前、アメリカへの輸出が急激に増えたことから始まっています。

大量の安いおもちゃ、衣類、電化製品が入ってきました。

溜め込む社会のせいで、アメリカの11世帯に1世帯は、貸し倉庫に年に1000ドル以上払っています。

全体の4分の1の家庭が、ガレージを2つ持ち、物が多すぎて車をガレージにとめることができません。

アメリカの子どもたちは、世界の子どもたちの3%ですが、世界のおもちゃの40%を買っています。

インドでシンプルライフに出会う

今は、昔のニューヨークのアパートがいいなと思っている私ですが、以前はそうではありませんでした。

子どものときは物を集めたがっていました。バーンスタインベアーの本を集めていたし、意味不明ですが、鉛筆を集めていたし、テディベアや人形も集めていました。

たくさんの人形が欲しかったのです。

私が子どもだったのは80年代から90年代。より多ければ多いほど幸せで充実していると思っていました。

運のよいことに私には好奇心がありました。

19歳のとき、世界を見たくてインドに旅行したのです。

インドで子どもたちと楽しく過ごしました。みんなすごく幸せそうでしたが、誰も、私が子どもの時、持っていた物なんて何一つ持っていませんでした。

自転車のこわれたタイヤが彼らにとって最高のおもちゃ。これだけでとても幸せなのです。


インド時代、私自身も物はあまり持っていませんでした。インド行きの飛行機の重量制限のせいです。

数ヶ月40パウンド(およそ18キロ)のバックパックに入れたものだけで過ごしました。

すごく身軽に感じました。人生がシンプルになったのです。

自由になり、私の毎日は、物ではなく経験で満ちていました。

このとき、シンプルライフの芽が出たわけですが、私の習慣はそんなに簡単に変わりませんでした。

アメリカの消費主義に批判的だったものの、インドで大量のガラクタを買ってしまいました。

家族や友だちの分もありましたが、ほとんど自分用です。買った物を入れた大きな箱を、実家に送りました。

でも、これは特別ですよね?物は思い出ですから。実家に送った箱は私の人生が永遠に変わったことを証明するものです。

私が冒険者で、世界を旅する人なんだという証明です。

好きな仕事に打ち込みたくてミニマリストに

私は、自分が情熱を傾けている物やゴールが、所有している物より大事だとわかったとき、ミニマリストになりました。

7年前、私はライティングの仕事を開始しました。長いあいだ、演技の仕事を目指していましたが、今は書く仕事に情熱を持っています。

当時、ニューヨークでアパートをシェアしていました。

経済的にギリギリの生活をしていましたが、インドでの生活体験のせいで、経験のほうが大事だとわかっていたから、足りないものがあるとは、思いませんでした。

ですが、書く仕事をすればするほど、もっとスペースが必要だと思うように。夢想したりブレインストームしたり、何かを作り出すスペースです。

私の小さなベッドルームは家具や本でいっぱいでした。大学院で書いた大量の書類もありました。私がファインアートの修士号を獲得した証拠の品です。

必要にせまられて、私は物を捨て始めました。何もかもラップトップにしまっておける現代、机は不用だと判断。

大学院時代のファイルはスキャンしてデジタル化し、紙はリサイクルに出しました。

私にとっては神聖なエリアである、本もダウンサイズ。本を捨てたあと、本箱にスペースができたので、そこを机にすることにしました。

こうして私の部屋は広くなったのです。

意識的な消費をする技術を持つようになった

空っぽのクローゼット

物を減らして必要な物だけにしましたが、ニューヨークに住んでいたのでおしゃれは大事だとも感じていました。

しかしあえてクローゼットの中も片付けました。

もともとすごく狭いクローゼットなのでこれはやってよかったです。

気分よく着られない服は徹底的に捨てました。これはよい経験になりました。

以後、買い物をするときは、長持ちする質かどうか考え、さらに、一呼吸置いて、自分がその服を本当に好きか考えました。買い物の頻度そのものも減らしました。

私はこれを the power of pause (休止するパワー)、the art of conscious consumption (意識的な消費の技術)と呼んでいます。

自分の小さなアパート、小さな寝室、小さなクローゼット、そして、ほんの少しの予算を使って、このスキルを磨きました。

今も使っているスキルです。人生はかなり変わりましたが。

結婚して子どももできた今のシンプルライフ

その後私は、インディアナポリスに引越し、結婚をし、2700スクエアフット(250平方メートルぐらい)の家に入居し、もうすぐ赤ん坊が生まれます。

ほんの少しの物を持ってインディアナポリスに来て、まずやったことは夫の物の片付けです。夫と一緒に片付けました。

夫は友だちが結婚するときに、いらなくなった家財道具をもらってしまっていたし、本人もやや物を溜め込む傾向があります。

ガラクタを捨てるときは、夫にとって何が大事なのか、考えさせられました。

結婚したときは、別に必要なものは何もありませんでしたが、子どもができてベイビーシャワーのお世話になりました。

ミニマリズムを自分の暮らしの足かせにしたくはなかったのです。それは、物が足かせになるのが嫌なのと同じです。

赤ん坊のために、たくさんの物を手に入れましたが、意識的な消費の技術を駆使し、赤ん坊用品を慎重に選びました。意識的に買い物するためにはたくさんのリサーチが必要です。

そして、好みの子供部屋を用意しました。

ですが、赤ん坊が成長したら、いらない物は処分します。赤ん坊の物は、必要な人に回すつもりです。

子どもはミニマリズムを嫌うかもしれません。子どもの好みのスタイルを尊重しますが、シンプルに暮らす価値を教えるつもりでもいます。

子どもに「おもちゃを片付けなさい」と言うときは、散らかっているのが耐えられないからではなく、娘に、他の人とこの世界をシェアすることを教えたいからです。

自分が使うスペースやそこに置くものに注意を向けることは、この地球上で生きる人間の務めです。

いらない物を削ぎ落とし、自分らしい人生を見つける

家庭は安息の場所であるべきだと思っています。いつでも戻れる場所、休息をとり、癒やしを得る場所。

そんな家庭を持てば、ストレスを増やす代わりに、ストレスとうまく付き合うことができます。

ミケランジェロが、どうやって傑作を作ったのか聞かれたとき、こう答えました。

「簡単ですよ。ダヴィデが出てくるまで削っただけです」。

私たちの人生が、私たちが作っている傑作だとしたらどうでしょう。本当に大事なものや人々、情熱を持てるものが見つかるまで、いらないものを削ってしまうとしたら。

それはどんな人生でしょう。

最後に皆さんに2つのことをお願いします。

今夜、家に帰ったら、静かな場所で30秒、目を閉じてください。そして自分の傑作について考えてください。

他の人の真似をする人生とか、こうあるべきだと思う人生ではありません。自分が本当に望む人生です。

そして、明日の朝から、毎朝、いらない物を削ってください。自分自身の傑作を生きるまで。

—- 抄訳ここまで —-

ウィリアム・モリスについてはこちらで紹介しています⇒片付けたくなる言葉、シンプルライフを目指したくなる名言10選。

物質主義すぎるアメリカの悲劇

散らかった部屋

アメリカの子どもは世界の子どもの3%なのに、世界のおもちゃの40%を所有しているという話、どう思いましたか?

アメリカは世界で一番、物質主義の国であり、消費主義である、と考えられています。

アメリカンドリームとは、本人の意欲と努力しだいで、社会的地位があがり、経済力を身につけることができる、だから、とにかくがんばれ、上昇しろ、というものだと思います。

誰かが、この上昇志向と商業主義をうまく結びつけ、お金を稼ぐだけ稼ぎ、物を買えるだけ買えば幸せだという考え方を社会に持ち込みました。

その結果、人々は働けるだけ働いて、給料だけじゃ足りず、クレジットカードを使って物を買い集め、貸し倉庫を借りたり、ガレージにしまうことになりました。

物が増えたけれど、全く幸せになれなかったことは、数々のミニマリストが証言しています。

ジョシュアとライアンなんてその典型です⇒物を持たないと、より豊かに生きられる。ミニマリストの体験(TED)

アダム・ベイカーもそうでしょう⇒ガラクタを全て売り払い、借金を返し、旅に出て、自由に生きている男の話(TED)

精神的な国だった日本はどこへ

その昔、日本はアメリカに比べてずっと精神的なものを大事にする国である、と考えられていました。

しかし、日本も経済成長して、結局、アメリカのあとを追っているような気がします。

日本の子どもはアメリカの子どもほど、おもちゃを持っていないでしょう。ですが、国土が狭い分、ちょっとよけいな物を持つだけで、いきなり部屋が狭くなります。

そこで生まれたのが、とにかくなんでも、きっちりきれいに収納すればいいのだ、という考え方。

数々の収納術や収納グッズが生まれました。

しかし、今や収納してもどうしようもないところまで来てしまったようです。

ここ数年、部屋の中の物を片付けられない人や、自分の家が持ち物の倉庫みたいになっている人が増加中です。

片付けに苦慮している人がたくさんいて、シンプルライフ、ミニマリスト、片づけがテーマの本もたくさん出版されていますね。

私が思う、一番の解決策はとにかくよけいな物を買わないことです。

これが一番簡単で一番効果的。

マロイさんの言う、意識的な消費を試みてはどうでしょうか?

私も以下の記事で意識的な買い物と消費をすすめています。

もう2度と物を増やさない。意識的に買い物をする5つの方法。

自分が大切だと思うものにお金を使う「意識的な消費」のススメ

マロイさんは、「赤ん坊が生まれるから、必要な物は用意したが、大きくなったら手放す」と言っています。

必要な物は買って、必要でなくなったら、手放して、回していけばいいと思います。

「物はそんなに買わないほうがいい」「服はこれぐらいで大丈夫ですよ」と言うと、「毎日同じ服を着ろっていうんですか?」とか「筆子さんは50歳すぎてるからそんなこと言えるんです。もう彼氏を作らなくていいんですから」というような感情的なメールをもらうことがあります。

服をたくさん持って、ころころコーディネートを変えないと、「女を捨てている」と非難されます。

それ、メディアの刷り込みじゃないでしょうか。

北米でも「若さは美徳」という考え方がありますが、日本の「若さ信仰」も相当なものです。

これから超高齢化社会になるので、物理的な若さとか、見た目の若さだけにこだわっている人は、結局あとでしんどくなります。

いらない物を捨てるついでに、そういう思い込みも捨てたほうがいいです。

私に言わせれば、プチプライスをいいことに、短いサイクルの、作られた流行を必死で追いかけて、部屋に服をためこむのは、人間らしい生活を捨てています。

少し、買い物や消費のペースを落としてみては?

みんなもう必要な物は充分持っています。

よけいな物を家に入れるペースを落とし、いらない物を削りながら、自分らしい生活を見つけるのも楽しいですよ。

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1950年代に、アメリカのスーパーは3000アイテムだけ売っていた、というのも驚きの数字ですね。

2017年になろうとする今は、一般人の家にそのぐらいの物がありそうです。


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