シニア目前、主婦でミニマリストなブロガー筆子が、断捨離と節約をして「老い支度」に励む日々をつづっています。

あなたはなぜ不幸なのか?期待と現実のギャップが大きすぎると幸せから遠ざかる(TED)


今よりもっと幸せになりたい、と願っている人の参考になるTED動画を紹介します。

タイトルは Why we’re unhappy(なぜ私たちは不幸なのか?)。プレゼンターは経済学者で社会的な問題を解決するために起業しているナット・ウェア(Nat Ware)さんです。

なぜ私たちは不幸なのか?

ウエアさんは、幸せになるためには、なぜ今、不幸なのか考えるべきである、と言います。

彼によれば、不幸の原因は、お金がないとか、物がないとかそういうことではなく、現実と期待値にギャップがあるからです。これをエクスペクテーションギャップと呼びます。

では、期待しなければいいのか、というとそういうわけではありません。現実と期待に大きなギャップができないように、物ごとを選択することが大切なのです。

動画は19分50秒。独立イベントで日本語字幕がないので、抄訳を書きます。

私が「幸せ」を研究しようと思った理由

アフリカに行くようになって何回か撃たれてショックを受けました。ケニアでは片足のタクシーの運転手に出会い、ショックを受けました。

ルワンダで孤児の女子学生に会ったときも、モザンビークの障害者でギリギリの生活をしていた農夫に会ったときもショックでした。

彼らが貧乏だったからびっくりしたわけではありません。

みんな、あまりにも幸せそうだったからです。

最低の生活に甘んじているのに、多くの人が、自分の人生に満足していたのです。私は「幸せって何だろう」と考えるようになりました。

以来、たくさんのリサーチをし、幸せについて考えてきました。

経済学者としても、社会的企業を手がける者としても興味を持ちました。

「幸せ」とは、社会的な究極のゴールだからです。

人はどんな時に幸せを感じるのかクイズ

まずちょっとしたクイズを行います。選択式なので手をあげて答えてください。

■ 質問:オリンピックに出たとき、あなたはどれを選ぶ?

a.2位
b.3位
c.下から2番め

リサーチによれば

aを選んだ人:90%
b.8%
c.2%

ほとんどの人が2位を選びます。

■ 質問2:どちらがいいですか?

a.宝くじにあたって、明日1000万ドルもらう。
b.宝くじにあたって、合計で800万ドル、生涯に渡ってお金をもらう。もらうお金は少しずつ増えていく。

リサーチによればほとんどの人がすぐにお金をもらうことを希望します。

a.92%
b.8%

■ 質問3:希望の給料は? 自分自身の幸せだけを重視して選んでください。

a.5万ドルで、他の人も5万ドル
b.5万ドルで、他の人は6万ドル
c.4万ドルで、他の人は3万ドル

リサーチの結果は

a.60%
b.34%
c.6%

私たちは幸せになる選択をするのが苦手

どれを選んだら、人は幸せを感じることができるか、本当の答えを見てましょう。

質問1は、3位になること。シルバーメダルを獲得して、不幸せそうに見えた選手は、たくさんいます。

質問2は、bです。合計8万ドルを生涯に渡って、少しずつ金額を増やしながら、もらうほうが幸せです。

質問3の正答はcです。自分の給料は4万ドルでほかの人は3万ドル。

この結果からわかることは、一般に人は、自分を幸せにする選択をしないということ。つまり、幸せになる結果を予想するのが苦手なのです。

この会場の結果だけでなく、マクロのデータでも同じです。

社会はかつてないほど豊かになったのに、人々はかつてないほど不幸を感じています。豊かになったのに、うつうつとしているのです。

交通手段が早くなればなるほど、それに対して、人々が文句を言うスピードがあがります。

たくさんの国で、殺人より自殺が多いです。

私たちはかつてないほどたくさんの物やサービスを享受し、技術も進歩しています。ところが、人生に対する満足度は同じように増えていないのです。

これは現代の大きなパラドックスの1つでしょう。

なぜ政府も個人も、幸せに関してうまく予想できないのか?なぜ、間違えてしまうのか?

その理由は、私たちが不幸せを感じる理由を理解していないからだと思うのです。

不幸の正体は期待と現実のギャップ

なぜ人は不幸なのか?この質問に答えるのは簡単ではありません。

私は長年のリサーチから、1つの説得力のある答えを見つけました。

人が不幸なのは、選択肢が多すぎてストレスを抱えるからではないし、不況のせいでもないし、うつや自殺に関する報道のせいでもありません。家族が崩壊することや、自由が制限されるせいでもないのです。

現実に対する期待が、現実に起きていることよりも大きいとき、人は不幸になります。

期待が現実より大きい現象を、エクスペクテーションスギャップ(Expectation Gap 期待のギャップ)と呼んでいます。

とても単純なコンセプトですが、このコンセプトをしっかり理解するのはひじょうに重要です。

この考え方を理解するために、3種類のエクスペクテーションスギャップを紹介します。

どんなふうにして期待が生まれるのかで3つに分けました。

期待は、

●人のイマジネーション(想像)
●周囲の人
●過去

この3つから生まれます。


1.イマジネーションギャップ(想像と現実の違い)

イマジネーションギャップとは、想像していたことが、現実よりもいい現象です。

買うもの、旅行先、政治家、これらを選ぶとき、たくさんある選択肢から選びます。

私たちは、どうやってベストのものを選ぶのでしょうか?自分で、一番いいと思ったものを選びますよね。

実は、「自分をもっとも幸せにしてくれるだろう」と思うものを選ぶその行為が、人を幸せから遠ざけるのです。

というのも、そうやって選んだもので得られる現実が、想像よりもよい、ということはまずないからです。

おまけに技術の進歩が事態を悪くしてしまいました。

実物よりずっとよく見せてしまいますから。Photoshopを使って、写真をきれいにしすぎるから、旅先を選ぶとき、期待がふくれ上がってしまいます。

実際は、旅先で幸せを感じるのは、全く期待していなかったことに出会うときです。想像もしていなかったことに出会うと人は喜びを感じます。

セレクションバイアス(選択バイアス)にご用心

セレクションバイアスが現実と期待のギャップをよりいっそう大きくします。

グーグルにしてもFacebookにしても、検索すると、もっともよい写真、もっともたくさんシェアされているイメージが出てきます。

人は、検索して出てきた写真がごくふつうの状態のものだと思ってしまいます(これがセレクションバイアス)が、それはベストイメージなのです。

外部からの説得の影響もある

外部からの説得のせいでもギャップが大きくなります。

どの政治家も、理想的な公約をかかげます。「私を選んでも何も変わりません」なんて正直に言う政治家に投票する人はいませんから。

このように、私たちは、期待をふくらませては、現実を知ってがっかりするというサイクルの中にいます。

企業は、「この時計を使えば、これまでにないほど速く仕事を終えられる」と言いますが、「これまでにないほど、電池の減りが速いです」とは言いません。

技術や説得、選択バイアスのせいで、人は、現実以上のものを期待して、その結果がっかりするのです。

美容に関して言えば、セルフエスティームが下がってしまうのも不思議はありません。広告を打つ人たちは、人々が自分自身を嫌いになればなるほど、物が売れると知っています。

広告に出てくるのは、本当はパーフェクトではないけど、パーフェクトに見えるモデルたちです。

私たちは、自分には叶えられそうにない、ずっとよいイメージを見せられ、自分にも手に入るかもしれないと期待するため、不満をかかえたり、完璧主義に陥るのです。

2.インターパーソナルギャップ(人の現実と自分の現実の違い)

2つめの期待はインターパーソナルギャップ(Interpersonal Gap 対人ギャップ)です。

これは、自分の現実を他人の現実と比べること。自分の価値を、周囲のものと比較して、決めます。

貧しい地域で5万ドルの収入なら、金持ちに感じるし、金持ちのエリアで5万ドルの給料なら、貧乏に感じます。自分の昇給は小額なのに、周囲の人の昇給の幅が大きいとがっかりします。

自分がよりたくさん得れば、誰かが失い、誰かが得れば、自分が失います。

収入だけでなく容貌でも同じです。誰かが整形で美しくなる横で、心底がっかりする人がいます。

おもしろいのは、私たちは極端によい方に意識を向けてしまうことです。金持ちで有名で美しい人に注目し、その逆はありません。よって、現実より、貧しく、うまくいってないように感じてしまうのです。

いつも、よりよい例と比較しているから、どんなに幸せになろうとがんばってもなれません。

3.インターテンポラルギャップ(今の現実と過去の現実の違い)

3つめの期待は過去の体験をベースにしたものです。これをインターテンポラルギャップ(Intertemporal Gap 異時点間のギャップ)と呼んでいます。

過去の現実が現在の現実よりよいと人は不幸せを感じます。

生涯年収が同じでも、収入がだんだん下がっていく人より、あがっていく人のほうがより幸せを感じます。

なぜか?

心理学者が言うところの、アンカリング(先に与えられる情報が判断を歪めること)のせいです。

人は、自分の今と過去を比べ、常に進歩し、期待値を上回り、前進しているときは、幸せなのです。その逆は不幸です。

子育てにおいて、これは何を意味するでしょうか?

人は、しばしば子どもを甘やかしてしまいます。何でも与えて、最高のスタートを切らせようとします。

しかし、こうした考えが、最良の結果を生むとは限りません。

子どもはサポートするべきですが、何でも与えていると、あとになって、子どもたちは苦労します。最初が良すぎると、のちの人生で段階的に良くしていくことができなくなるので、不幸せになります。

子どもに、「おまえは特別だ、すばらしい」と言い過ぎるのも問題です。子どもが期待してしまうからです。大統領になれる、と言われていたのに、ごくふつうの仕事についたら、がっかりします。

子どもに自信を持たせるのは大事ですが、幻想を与えるべきではないのです。

幸福は期待感で決まる

このように人の幸福は人の期待するもので決まります。

期待するものは、私たちが、何をもって普通とするか、その考えによって決まります。

そして、私たちが「これは普通だ」と思うことは、自分の想像や周囲の人、過去のできごとで決まるのです。

私たちは、想像と現実、人の現実と自分の現実、過去の現実と今の現実を常に比べているのです。

どうしたらギャップを埋められるのか?

どうしたら、現実と期待に大きなギャップをうまずにすむのでしょうか?

■ 幸福について真剣に考える

最初にできることは、もっと幸せについて、真剣に考えることです。

私たちは、幸せになることを科学で研究する対象とは考えず、何かのコツが技術のように捉えています。

起業家は、消費を増やすことでなく、人々の満足度をあげることにフォーカスするべきです。

■ 想像と現実のギャップを埋めるには?

イマジネーションギャプに関しては、コンテンツを提供する人が、もっと現実に根ざした写真、人々、場所、イベントを取り上げることが重要です。

広告をデジタル技術でよくしすぎるのは、禁止してもいいぐらいです。

■ 人の現実と自分の現実のギャップを埋めるには?

自分の現実と人の現実を比べる問題については、政府が、収入の格差を作らない政策を取ることが大事です。

また、私たちは、他人と競争するのではなく、自分自身の成長にフォーカスすべきです。

■ 過去と今のギャップを作らないために

子どもをサポートすると同時に、不可能なできごとがあることも知らせ、非現実的な期待感を抱かせないようにします。

期待値がどこから生まれるのか考えるべき

私たちは、ごく基本的な満足を得ているだけではいけない、と思わされているようです。

人は、自分を幸せにしてくれるものを選ぶのが苦手です。

理性的に考えられないし、現実的に、ほかのものと比較しないで、意志決定することができません。期待に対して、現実はどうかということを基準にして、幸不幸を決めがちです。

銅メダルを取得した人のほうが、銀メダルの人より幸せなのは、期待感のせいです。銀の人は金を取れると思っていたし、銅の人は、4位かもしれないと思っていたのです。

宝くじに当たった人が不幸せなのも同じです。その後の人生で、満足感があがらないから不幸です。

収入が4万なのに、5万の人より幸せなのも、期待感のせいです。

人は、幸せとは、孤立したものだと思いがちです。しかし、幸福はもっと複雑なもの。周囲の状況や自分の想像、過去のできごとと複雑にからみあっています。

自分がどんなふうに感じるのか、どんなふうに期待するのか注意深く考えるべきです。考えたうえで意志決定をすれば、自分が考えたことと感じる結果がより近づいていきます。

最初のステップはなぜ不幸せなのか考えることです。

//// 抄訳ここまで ////

セルフエスティームがわからない方はこちら⇒セルフエスティーム(自分を愛する気持ち)が高い人の12の特徴

幸せに関するTEDのプレゼンの一部

笑顔

自分に生まれてよかった。

どれもとても興味深いです。

私たちが幸せを感じる理由~制限がある方が幸せ?ダン・ギルバート(TED)

幸せな人生を送る秘訣とは?(TED)お金より大事なものがある。

人を幸せにするのはお金ではなくフロー状態。ミハイ・チクセントミハイ(TED)

人と自分は違う。マルコム・グラッドウェルのパスタソースと幸せについて(TED)

幸せは自分の心の中にある、幸せをアウトソーシングしてはいけない(TED)

成功すると幸せになるのではなく、幸せだから成功する~ショーン・エイカー(TED)

幸せになるのは簡単。期待値を下げればいい

人が不幸や不満を感じてしまうのは、期待と現実が違うから。

確かにそのとおりですね。期待してなかったら、文句も出ません。

たとえば、家族が断捨離の邪魔をする、と不満に感じるのは、相手に期待しすぎているからです。持たない暮らしは、ライフスタイルの1つなので、そうじゃない生活様式を好む人だってもちろんいます。

むしろ、「できるだけたくさん持つ暮らし」を好む人のほうが、数としては圧倒的に多いでしょう。

私は物を減らすが、家族には好きにやってもらおう、と思えば満足度があがります。

断捨離しているのに、運気があがらない、何もいいことない、とストレスを感じるのも、断捨離に期待しすぎているからです。

物を捨てたぐらいで、人生いきなりバラ色にはなりません。

ところが、片付けをすると人生が変わるとか、魔法みたいに幸せになる、あわよくば金持ちになる、となんとなく期待している人がたくさんいます。

これは、そういうタイトルや売り文句の本が多いからです。なぜそういうタイトルの本が多いかというと、そういうコピーをつけたほうがよく売れるからです。

今回紹介したプレゼンで、「化粧品を売るコツは、人々が自分の容貌を憎むように仕向けること」といった箇所がありました。

物でも本でもサービスでも、何かを売り込みたいと思ったら、「あなたは今のままではだめです」「あなたにはこれが足りません」と消費者の欠乏感を強調するべきなのです。

「今のままでもいい」なんていう宣伝はありません。

これはマーケティングの手法なのですから、いちいち真に受けるべきではないのです。私たちは、すでに充分持っているし、大丈夫なのですから。

人と自分を比べて落ち込む人は、わざわざ期待値をあげる不毛かつ余計な作業をしている、ということも今回の動画でよくわかったと思います。

期待値を下げる方法

期待値を下げることは自分でもできる(というか、自分が期待値をあげています)ので、「なんだか知らないけど、うつうつする。毎日が面白くない」と思ったら、期待値を下げる練習をしてはどうでしょうか?

期待値を下げるのに効果的だと思うのは

1.感謝すること⇒幸せになる最強の方法、感謝する気持ちがうむ7つの効果。

2.自分の持っているものを数え上げる

3.自分や子どもを等身大のまま受け入れる(努力をする)

4.日常の小さな幸せ探しをする
天気がよくてよかった、道端で可愛いネコとすれ違った、きょうはいらない物を5個捨てられた、とか。

5.できないことではなくできたこと、持っていないものではなく、持っているものに目を向ける

こんなことです。

ポイントは、1日2日やるだけでなく、継続して行うこと。期待値をあげてしまうのは、思考の癖ですから。

2週間もやれば、変化を感じるのではないでしょうか。知らないうちに、笑顔でいっぱいになっているかもしれません。


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