紙の山

ミニマルな日常

いつか読む日は来ない。紙・資料・ノートを潔く手放す

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ノートや仕事の資料を捨てられないという声を、読者の方からよくいただきます。

書いたもの、学んだもの、誰かとやり取りしたものには、大切な時間や努力が詰まっているように見えるからでしょう。

私もかつて、母とやり取りしたファックスや、娘の落書きを長いあいだしまいこんでいました。

量が多かったので、後で処分するとき、本当に大変でした。

このとき思ったんです。どうせあとになって捨てるなら、その都度捨てておいたほうがラクだと。

紙を未来の自分に残すのをやめると、結局は自分のためになります。今日はそんな考え方をお伝えします。

いつか読む? 残した紙を未来の自分は読まない

自分に正直になって聞いてほしいのですが、取っておいた紙の山を、後で引っ張り出して読み返すことが本当にあるでしょうか?

私はカナダに来てから30年ほどになりますが、最初の10年くらい、日本の母とはファックスでやり取りしていました。

母からもらったファックスを、私は捨てずに全部しまっていました。

娘が小さいころに書いた絵(ほぼ落書きレベル)や紙工作、塗り絵もそうです。

なんとなく捨てない方がいいかなと思って、棚の中にどんどん積んでいたんです。

数年後にまとめて片づけたとき、しみじみと中身を読んだのは最初の数枚だけ。

あとは確かめずに、ひと束ずつバサバサと処分しました。

量が多すぎて、とてもいちいち見る気になりませんでした。

いつか読み返すからと取っておいても、量が増えると、そうするのは難しいです。

大事な紙だけ厳選して、残りはまめに捨てたほうが、あとになって過去を懐かしむ余裕を持つことができます。

捨てられない本当の理由:手放せないのは努力した自分

仕事の資料や勉強ノートを手放しにくいのは、紙そのものに価値があるからではありません。

そこに、自分が積み重ねてきた時間や努力が感じるからです。

捨ててしまうと、がんばった自分もいなくなってしまうと考えているのではないでしょうか。

もう30年ほど前のこと、日本で英会話学校に通っていたとき、毎日のように英語で日記を書いて、先生に添削してもらっていました。

使っていた用紙はルーズリーフです。

ルーズリーフだと大事なところだけ残せるからいいと思ってこの用紙を選びましたが、結局、私は全部残していたんです。

というのも、先生が添削した後、いちいち読み返していなかったから。

ブログの記事もそうですが、私はどんどん書くのが好きで、見返して直したり振り返ったりすることが苦手なんです。

赤ペンの入った紙はどんどん増えていきました。

この紙を処分することに長いあいだ抵抗がありました。それは、こんなにがんばったのだからと思いたかったからだと思います。

読者から届くお便りでも、似た悩みをよく見かけます。

退職したのに仕事の資料が捨てられない、集めた教材を手放せない、こんな相談です。

そこには、紙を捨てたら自分の中身が空っぽになるのではないかという不安がありそうです。

肩書きや役職を離れたあと、自分のキャリアを示してくれるものが紙しか残っていないと感じるわけです。

実際は、紙を手放しても、努力した事実は消えません。

⇒仕事の資料や専門書を捨てるべきか? モヤモヤを解消するための考え方

知識は紙の束ではなく、自分の中にある

紙の束を前にして、あればいつか役に立つと考えて、捨てられない時もありますよね。

私も英文日記のみならず、単語カードもたくさん持っていました。さらに短大の時に先生に勧められて作った表現ノートというものが何冊もありました。

これは小さなメモ帳くらいのノートに、本を読んで使えそうだなと思った表現をどんどん書いていくものです。これもかなり溜まっていました。

なぜ捨てられなかったのかと考えてみると、添削された日記には自分の弱点が浮き彫りになっていて復習すれば力がつくはずだと思っていたからです。表現ノートも見直して覚えればいいと思い込んでいました。

つまり、これらをちゃんと勉強すれば英語力が上がるという気持ちがありました。

暮らしをシンプルにする過程で、これらはすべて捨てました。実際のところ、あとになってから勉強することはないからです。

教材はどんどんアップデートされるので、新しい教材を勉強した方がいいと思います。仕事の資料に関しても、同じことが言えるのではないでしょうか。

古いノートを参照しながら勉強する習慣がある人でも、量が多すぎると、勉強がノルマのようになってつらくなってしまうと思います。

大量の紙の束を捨ててきた私ですが、ずっと古い資料を持っているよりも、全部捨てて新しいものを読んだり書いたりした方がいいと今は思っています。

書棚や書類入れを見直すとき、ちょっと考えてみましょう。

実際に見返して使っているか、それとも持っているだけで安心しているか。

使っていないなら、いったんすべてリセットして、新しい知識やスキルを入れるスペースを作ったほうがいいです。

書く目的は保存することではなく、頭の整理

私の場合、書く目的は、書いた紙を残すことではなく、頭の中にあるものを外に出して整理することです。

その場合、書いた紙はその段階で不要になります。

手書きの方が記憶に残るので、ペーパーレスを目指してはいるけれど、私は手書きで書くことも多いです。

勉強メモにしても、頭の整理にしても、用が済んだら、ビリビリと破って捨てています。

あなたは、何のために書いているのでしょうか?

後で参照するために書いているのか、それとも頭を整理するために書いているのか。

記憶や整理を促すために書いているなら、書き終わってすぐに捨てても問題ありません。

⇒いろいろ書き出すそのノート、取っておく? それとも捨てる?

未来の自分に紙の山の後始末を押しつけない

今しまいこんでいる紙や本は、いつか必ず誰かが処分することになります。

処分するのは、多くの場合、年を重ねた自分か、家族です。

体力も気力も今より落ちている未来の自分に、押入れひとつ分、棚一段分の紙を仕分けさせるのは、申し訳ないと思いませんか?

私は67歳になって、健康寿命はあと15年くらいかなと考えることがよくあります。15年しかないのなら、楽しいことをして過ごしたいですよね。

紙や写真などの整理は、思いのほか時間を取られて骨の折れる作業です。

私自身は割とバサバサ捨てられるタイプなので心理的な負担は少ないですが、ものを捨てるのが苦手な人にとっては、かなりのストレスになるはずです。

残り少ない時間を、そうした辛い作業に費やしたくないですよね。

そう考えると、押し入れに溜まっている紙の束は、できるだけ若いうちに処理しておいた方がいいと思います。

私が母のファックスや娘の落書きを処分したのは、まだ体力があるころでした。

それでもひと箱片づけるのは疲れるから、1日15分ずつ、何日間かかけて処分しました。

仕事の資料には、個人情報が入っていることもあります。

そのままゴミに出せない書類は、シュレッダーにかけたり、細かく破ったりする必要がありますよね。

先日、娘の家の掃除を手伝いに行った際、「この紙、もういらないから捨てておいて」と紙を一束渡されました。

以前の車のディーラーからもらった整備明細書などで、娘の名前や住所が載っているため、このままでは捨てられないと言うのです。

私は裏紙として使おうと考え、すべて自宅に持ち帰りました。今は勉強に使って、その都度破って捨てています。

1日数枚程度なのでそれほど負担にはなりませんが、紙をためればためるほど処分が大変です。

紙の山を残すと、こうした手間も合わせて未来の自分や家族に渡すことになります。

負の遺産とまでは言いませんが、忙しい現代人にとって負担になることは間違いありません。

未来の自分に重い宿題を残さないために、今日から少しずつ捨てていきましょう。

残すなら、基準を決める

紙や本を全部捨てる必要はありません。

残す基準を決めて、間引くのがいいです。

何を残すか決めずに整理を始めると、結局はほとんど残ってしまいます。

私は以下のものを残すと決めています。

  • 今も使っている
  • あとで確実にいる
  • これからずっと管理する手間を引き受けてもいい

そうでないものは、もう捨ててしまいます。

今も使っているものや後で確実に必要になるものでも、デジタルに変えられるものは積極的にデジタル化しています。

たとえば、子どもの作品で本当に残したいものは1〜2枚に絞り、残りは写真に撮ってデータで残します。

仕事の資料のなかでも、必ず必要な記録、代替が利かないものは残し、市販のテキストや一般的な情報は手放します。

このような基準を作っておくと、捨てやすく整理しやすいと思います。

新しく入ってくる紙にも、同じような基準を当てはめて整理していくと、紙の山が増えません。

紙の片づけ・関連記事もどうぞ

書類やノートの片づけについて書いた過去記事を3本紹介します。紙ものの整理の参考にしてください。

⇒紙と頭のガラクタをためない。書き出したものを私が残さない4つの理由

⇒紙のメモが増えてしまう人へ:増やさないためのシンプルな仕組み

⇒古い手紙を捨てる決心をしたら、今の生活に意識が向いた。

****

未来の自分が苦労しないために、今日1枚でも紙を捨てることをお勧めしました。

今、私は物理的な紙ではなく、Gmailのインボックスの中を整理中ですが、大半のメールは削除しています。

これが結構、時間のかかる作業なんです。明らかにいらないメールまでいっぱい残っていました。

昔はいらないものをすぐに捨てるという習慣が身についていなかったからです。

物理的な紙の整理は、もっと大変だと思います。

早めに、不要な紙はいらなくなったタイミングで捨てると決めておくと、将来の自分がずっと楽になります。

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