使わないものを買ってしまうのはなぜ? 死蔵品が生まれるまでの5つのステップ

ミニマルな日常

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あなたの家の中に、一度も使っていないまま、しまいっぱなしのものはないでしょうか?

服、文房具、調理ツール、健康グッズ、その他オンラインで気軽にポチッと買ってしまった雑貨など、一つは思い浮かぶんじゃないでしょうか。

先月末まで、私の家には大量の色鉛筆がありました。

こうした死蔵品は、買った瞬間に出来上がるわけではありません。買う、持ち帰る、しまう、忘れる、見つけても手放せない。こんなステップを経て、少しずつ頑固な死蔵品になっていきます。

今回は死蔵品が生まれるとき、心の中で何が起きているのか見ていきます。

知っておくと、今後の死蔵品の発生度合いが変わります。

ステップ1:買うとき、脳は使う自分を先取りしている

店頭やスマホのモニターで商品を見た時、多くの人はそれをうまく使いこなしている未来の自分を思い浮かべています。

語学の本ならページをめくりながらしっかり勉強している自分、キッチンツールならそれを使って手際よく料理を作っている自分です。

つまり、買う瞬間、今の自分が実際に日常生活でどのくらい使うかより、理想のイメージに引っ張られているのです。

ところが、家に帰れば忙しくて疲れているいつもの自分がいます。理想の自分と現実の自分の間に時間や体力、スキルのギャップがあります。

だから、買ったものをすぐに使うことができません。

長年語学を趣味としている私も、始めた時に教材やアプリに手を出しすぎることが多かったです。

どれもやれば力がつくでしょう。しかし、1日は24時間しかないので、すべてをこなすことはできません。

こうした限界を無視して手を出しすぎ、結局挫折してあとで捨てるというパターンがよくありました。

ステップ2:家に持ち帰ると、満足感がピークを過ぎる

これを買ったら自分の生活が良くなる。

そう思って何かを買っている瞬間はとてもうれしいし、満足しているでしょう。

家に持ち帰った時も、この満足感はまだ続いています。

ところが、この喜びは長続きしません。人間は新しいものにすぐに慣れてしまうからです。

本当に必要なものなら、つまり、今の自分がすぐに使うことを想定して買ったものなら、買ったわくわく感が消えても、すぐに使い始めるのでものは無駄になりません。

ですが、未来の自分のイメージに引っ張られて買ったものは、家に帰ると、なぜ買ったのか思い出せないことがあります。

忙しいとそのまま袋に入れっぱなしで放置することすらします。

買った日にちゃんと中身を取り出して置き場所を決めて、すぐに試してみれば、今の自分が使いこなせるかどうかわかりますよね。

でも疲れていると、そしてすでに同じ用途のもので間に合っていたりすると、とりあえずその辺に置いてしまうんです。

私も、買って何年も箱に入れっぱなしだったものがいくつかあります。

割と最近の例だと、ペーパーレス生活をするためにハンディタイプのスキャナーを買ったことがあります。

とはいえスキャナーは普段は使っていないもの。これからやろうと思って買ったものだから、開封しないまま放置していました。

ステップ3:いつか使う、という物語が生まれる

せっかく買ったけど、使わないまましまい込んだもの。

この段階ではまだ死蔵品とは言えません。今すぐ取り出せば使うことができますから。

実際、私たちはふとした拍子に「そういえばあれまだ使ってないよね」って気づきます。

この瞬間、手にとって使えば死蔵品にはなりません。しかし、やはり自分の生活とギャップがあるから使えないんですよね。

この時、脳は、今、使わなくてもいい理由を考えます。

それは「いつか使う」という物語です。季節が変わったら使う、時間ができたら触ってみよう、休みの日にじっくりチェックしよう。特別なイベントがあったらその時に使えばいい。

今日使わなくてもよくなってしまうんです。

この時点で、買った時に思い描いた場面が実現していない事実に気づいたら、手放せます。

しかし、まだ新品だから、高かったから、そのうち使うかもしれないからと考えて、多くの人はもう少し様子を見ることにします。

こうして買ったけど使いこなせていないものは、「そのうち使う予定のもの」に変わります。

「いつか使うかも」が来ない本当の理由~5つの落とし穴

ステップ4:収納に押し込み、存在そのものを忘れる

いつか使うものは今使うものではありません。

そうしたものは目につくところに置いておきたくないので、私たちはクローゼットや押し入れ、引き出しの奥に押し込みます。

収納スペースの奥の方に入れてしまうとあっという間に存在を忘れます。

この場合、収納スペースがたくさんある人は特に危険です。いくらでもしまう場所がありますからね。

2年前に引っ越しをした時、私も収納の奥にあったものを引っ張り出しましたが、存在を忘れていたものがありました。

それはホーローのフルーツボール。

底に小さな穴が開いていて水切りもできるタイプです。

脚(スタンド)がついているので、ザルとしても、普通のボウルとしても使える便利なキッチン道具で、見た目もかわいいです。

ただ、それなりに大きいので置き場所がありませんでした。そこで、オーブンの下の物入れに入れてあったんです。

この時はすぐにドネーションセンターに持って行きました。

こんなふうに、収納スペースの中を片づけていて、全然使ってないものに気づくことがあると思います。

この時、その場で手放せばいいのですが、できないことが多いのではないでしょうか。

ステップ5:見つけでも、「もったいない」が捨てるブレーキになる

掃除をしているときや、筆子の記事を読んで「そういえばあそこに何かあった」と探しているときに、かなり死蔵品に近いものが出てきます。

このとき、多くの人は「これいくらで買ったんだっけ?」と払ったお金のことを思い出します。

自分が一生懸命働いて得たお金、そのお金を出して買ったものは、そう簡単には捨てられませんよね。

「せっかく買ったし、いつか使うかもしれない」というステップ3で生まれた物語がまた登場します。

発見したついでにその周辺だけ少し整理して、結局また元の場所や違う場所にしまい込むのです。

この時、サンクコストのことを知っていれば、収納せずに済みます。

サンクコストは日本語では埋没費用と言いますが、すでに使ってしまった時間やお金のことです。そうしたものは、何をどうしても取り戻せません。

取り戻せませんが、多くの場合、人はもったいないと思って判断を誤ってしまいます。

私は、使わないものを見つけたら、手放すのが正解だと思います。

でも、これが難しい。実際、私も、ほとんど使っていない色鉛筆のセットを引越し先に持ってきました。

今のところ1日15分しか塗る時間がないし、この春で67歳になるという年齢を考えると、もう手放すべきだとようやく3月の下旬、決断できました。

実は「捨てようかな」と思いつつ、かなり迷っていて、いろいろなセットを使い分けてみたりしていましたが、そういうことを考えるのがだんだん面倒になってきました。

高級品の色鉛筆が多いので、金額で見たら、確かに、もったいないと言えるでしょう。

捨てたほうがいいよね?⇒いや、こういう使い方ができるかも?⇒だけど、邪魔じゃない?⇒いや、塗る絵によっていろんな色鉛筆があるほうが楽しいよ(そして実際ちょっと塗る)⇒でも、現実問題として、とても全部は使いこなせないよね?⇒うーん、やっぱり捨てよう。

こんな思考をぐるぐるしていました。

死蔵品を持っていると、よけいな考えごとや作業が増えます。

どんなに高かったとしても、今手放したほうが、今日と未来に支払うコストを節約できます。

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よかれと思って買ったものが死蔵品になってしまうプロセスを紹介しました。

死蔵品を作らないために、一番重要なのは、やはり最初の入口でしょう。

あまり、未来の自分に期待しすぎず、現実の自分が使うかどうかで判断したほうが死蔵品は増えません。

もちろん、毎回、実利だけを考えて買いものをするのは、あまりおもしろくないので、たまには夢を見て買うのもいいと思います。

それでも、すでに自分の家にどのぐらいの死蔵品があるのか、考えてから夢を見るべきだと思います。

この記事が、あなたの家の死蔵品を少しでも減らす助けになれば幸いです。

死蔵品のもとの姿はあなたのお金です。

お金は死蔵品とは別のものに変えたほうが生活がよくなると思います。

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カナダ在住の60代。ミニマリストです。

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