編み物

ミニマルな日常

死蔵品を作らないために、すでに家にある物を使う4つの戦略。

今年、私は、家にある物をちゃんと使う、死蔵品をなくすプロジェクトをしています。

家にあるガラクタのほとんどは、「ふだんろくに使わない物」です。

しまいこんでいる物をなくせば、暮らしはシンプルになります。

死蔵品を減らすためにできることを4つ考えてみました。



1.意識的に使う

まず、「今年は家にある物をちゃんと使おう」と決めて、現在、死蔵品になっている物を実際、使い始めます。

そのために、こんなことをするといいでしょう。

1)手持ちの物を見てみる

しまいっぱなしにしないで、自分が何を持っているか調べます。

そして、ちゃんと使っているか考えます。

私は折りたたみの傘を1本だけ持っていて、廊下のクローゼットの上の棚に置いてあります。

いま、ふと見て、「あれ、去年使ったかなあ?」と考え込みました。

使わなかったような気がします。

もともと傘は持っていなかったのですが、15年ぐらい前に娘と里帰りしたとき、近所の人が娘と私に1本ずつ折りたたみ傘をくれました。

その方は、私たちを動物園に連れて行ってくれたのですが、雨が降りそうだったので傘をくれたのです。

100円均一ショップや、300円均一ショップで売っているような傘です。以来、たまに使っています。

この傘、3年に1回ぐらいは使うから、持っていることにします。

… … こんなふうに持っている物について、ちゃんと使っているかどうか考えてみます。

2)明らかに使わない物は捨てる←重要

同じものがたくさんありすぎる、生活が変わったといった理由で明らかにもう使わないものは処分します。

3)使いやすいように配置する

しまいこんでいると使えないので、必要なときにさっと手にとれるように配置・準備します。

傘なら、下駄箱のわかりやすい場所に置くなどします。





4)活用する方法を考える

これまでなぜあまり使ってこなかったのか考えて、どうしたらもっと使えるか、使う方法を思案します。

フードプロセッサーを買ったけど、あまり使っていない、その理由は取り出しにくい場所にしまっているから、ということはよくあるでしょう。

この場合は、取り出しやすい場所に置けばいいわけです。

さらに、フードプロセッサーをよく使うメニューを日々の献立に、意識して折り込めば、もっと活用できます。

初心者のための献立の立て方のコツとストレスにならない考え方。

洋服やアクセサリーは、気づいたときにすぐに身につければ、使い始められます。

5)活用日の利用

以前、私は、毎週火曜日を、活用日と名付けて、死蔵品になっている物をひっぱりだして使う日にしていました。

活用日の説明⇒家事の週間プランで綺麗部屋の住人へ~ミニマリストへの道(29)

このように、使う日を決めて、予定に組み込むと使いやすくなります。

数週間前に紹介したTEDの講演で、これまで着たことがない服を着てくるパーティをした話がありましたが⇒クローゼットにしまいこんでいる物をちゃんと使って人生を変える(TED)

このようなイベントを企画したり、毎週月曜日は、しまいこんでいた服を着ていく日、と決めてもいいでしょう。

2.新しい物を買わない

新しい物をどんどん買ってしまうと、自宅で眠っている物を使うチャンスがありませんから、何かを買うときは、よく考えてからにします。

買わないためにできること:

1)買わない挑戦

期間やルールを決めて、買い物を制限します。

去年、私は、わりとまじめに買わない挑戦をしていました⇒買わない生活を継続するために私が心がけていること。

今年も引き続き、やっています。

アイテムを決めて、買わない挑戦をしてもいいと思います。やたらとコスメを持っていて、使うのに時間がかかりそうだと思うなら、コスメだけを買わないようにするのです。

2)自分で作る

先日、服を手作りしている男性のTEDの講演を紹介しましたが⇒ファッション業界のゴミ問題を解決する3つの方法(TED)

彼のように、材料や素材を買ってきて、すでに家にある物を利用しつつ、何かを作ると、死蔵品を活用できます。

服を作るのは難しいのですが(私は作れないと思う)、もっと簡単に作れるものもありますよね?

たとえば、おかずなど。

私、すごく忙しいとき用に、あたためるだけで食べられるもの(缶詰のスープとか)を買うことがありますが、こういう物を買ってくるとゴミが増えます。そこで、できるだけ素材を買ってきて、調理するようにしています。

味噌汁は、昆布とかつお節で出汁(だし)をとっています。

出汁をとるといっても、そんなにきっちりやるのではなく、ただ、水を入れた鍋に、昆布とかつお節を入れて煮立てるだけです。

できた溶液を茶こしでこして、出し殻はその場ですぐに細かく刻み、野菜炒めに混ぜています。

以前は、だしの素(ティーバッグ状)を使うこともあったのですが、だしの素には砂糖が入っているし、何より、ゴミが増えるのがいやでした。

昆布とかつお節にしたら、ゴミが減って、気分は爽快です。

このように、ちょっと時間と手間をかえれば、作れるものは他にもたくさんあると思います。

3)借りる

最近は、図書館で本を借りて、所有する機会を減らすようにしています。

3.収納の仕方を変える

奥のほうにしまい込むと使えなくなるので、なるべく取り出しやすい、浅い収納をします。

本を本箱に並べるとき手前と奥と二列に並べることがあります(若いころ、私はそうやって収納していました)。

このように収納すると、奥にある本を取り出すのが難しくなるし、自分がどんな本を持っているのか、確実に忘れます。

重ねずに、一列に並べておけば、すべての本を目視でき、在庫の把握が簡単です。

家中に散っている本を一箇所に集めるという作業も必要でしょう。

女性誌や生活雑誌には、収納特集がよくのっていますが、そこで提案されている収納法の多くは、「(限られたスペースに)いかにたくさんの物を収納するか?」ということが優先順位の一番に来ていると思います。

しかし、「できるだけたくさんしまい込むこと」を追求しすぎると、取り出しやすい収納にはなりません。

それは、しまい込んで忘れて、死蔵品を培養する収納法です。

そこで、たくさん収納しようとはせず、使う物だけを、使いやすいようにしまうことを意識してください。

本の上手な収納のコツは本当に読む本だけを残すこと。

物の定位置を決める5つの原則。現実的な収納をめざしストレスをためない。

4.考え方~レス・イズ・モア

最後に死蔵品を作らないマインドセットを書きます。

ずばり、それは、レス・イズ・モア(少ないほど豊かになる)です。

ふつうの人の家にたくさん死蔵品がたまるのは、モア・イズ・ベター(多いほど豊かになる)という考え方/生き方/ライフスタイルのせいです。

すなわち、

・お金があればあるほど、人は幸せになる

・物があればあるほど、人生は豊かになる

・時間があればあるほど、仕事で成功する/やりたいことができて人生が充実する

・情報があればあるほど、問題解決スキルがついて出世できる

・もらえるものは何でももらう、そのほうが得だから⇒以前の私⇒おまけにつられて物を増やす人:ミニマリストへの道、番外編4

こんな考え方です。

このように、何かがたくさんあればあるほどいいのだ、と思っていると、すでに家の中にある物のよさに気づいたり、それを活用したり、という気にはなりません。

むしろ、きのうの質問者さんのように⇒きょう、10分使って、もっと生活をシンプルにする10のアイデア、前編。

現在使っている棚を捨てて、新しい棚を買おう、という思考をします。

このように考えるのは、この方だけではなく、私を含め、全員そうだと思います。

私たちは、生まれてきてからずっと、毎日のように、広告で、「(いまあなたが持っている物はこんなところがまずいので)新しいこれを買いなさい。そうすれば、もっと暮らしはよくなりますよ」というメッセージを受け取っています。

「物はあればあるほどいい」と考えると、すでに手に入れた物は、手に入れたその瞬間から、「ちょっとだめな物、不十分な物」になってしまうのです。

実際はそうではないのに、私たちが、その物の「不十分なところ」に意識を向けがちになるのです。

この思考を、私は、足りないマインドと呼んでいます⇒足りないマインドがあると、物が増え、片付けもできない理由。

「少ないほうが豊かだ、ありすぎると問題が生じる」という考え方ができると、すでに持っているものや状況のよいところに光をあてて、うまく活用できると思います。

私たちは、自分自身を含め、もう十分なリソースを持っています。

向上心があるのはいいことですが、その出発点が、「だめな自分、足りない自分」であると、どこまで行っても満足できません。

レス・イズ・モア(Less is more)の真の意味とは?何もない部屋に住むことがミニマリストの目的ではない

******

死蔵品を活用する方法を、心構えを含め、4つ紹介しました。

ガラクタは使おうと思っても使うことができないし、無理やり使おうとすると余計な仕事が増えます。

そういう物は、このさいすっぱり捨てたほうがいいです。

無理して使っている物を捨てる(プチ断捨離18)

家にある物の活用度を100%に近づける努力をすると、かなり身の回りがスッキリするんじゃないでしょうか?





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