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シンプルな暮らしをめざす読者のお便りを2通紹介します。
今回は、ものを持ち続けた人と、手放した人の、その後の話です。
内容:
・引っ越し荷物を選べなかった、おばさんのその後(東京ロザリーさん)
・片づけを終えて15年。今は自己投資に時間を使っている(Nさん)
まず、東京ロザリーさんのお便りです。
ぜんぶ持っていくと決めて3LDKに引っ越した
件名:おばさんの大事な荷物
こんにちは。
今日は私のおばさんのことを書きます。
おばさん夫婦は、ふたりして買い物が大好きでした。
趣味も多く資金に余裕もあったので、6LDKの部屋いっぱいになるほどものを買って、詰め込んでいました。
それでも若い頃の夫婦は几帳面なところもあって、ギチギチといちめんにものを並べてご満悦でした。
「少しは捨てたら?」と言っても「とんでもない! ものは多ければ多いほど、幸せよ」「苦労して買ったんだぜ」と夫婦は笑っていました。
晩年になり、おじさんは事故で急死しました。
おばさんは、急遽、息子の家のそばに引っ越すことになりました。
体もすこし不自由になっており、息子の嫁の世話になるための引っ越しでした。
しかしおばさんはもう、じぶんの着替えさえヨロヨロな状態です。
とてもじゃないけど、引っ越し荷物の選別なんかできません。
息子と嫁がたずねました。かあさん、どれを箱詰めしたら良いの?
おばさんは、答えました。ぜんぶ、と。
どれも大事、半世紀かけて買い集めたのよ、夫の想い出もあるのよ、捨てるなんてできないわ。
長い長い親子喧嘩の末、ついに息子が折れました。
予定していたワンルームではなく、3LDKの新居を再契約、業者にたくさんお金を払って、山のようなダンボール箱で引っ越しました。
先日、おばさんの新居に遊びに行きました。
するとおばさんが変なことを言うのです。
ハサミを買ってきて。なんでも良いから、と。
奇妙なことを言うなあと思って、新居のドアを押したらビックリ。
あかないのです、ダンボール箱がじゃまして。
新居は、どの部屋も廊下もキッチンも、すべての部屋にダンボール箱がありました。
床から天井まで、なにかの前衛芸術みたいに並んでいました。
しかも箱には、明細がありませんでした。
普通は「キッチン、皿類」みたいに細かい明細が書いてあるのに「二階の西部屋」みたいなおおざっぱな記述しかありません。
業者が急いで詰めたから、明細が無いのです。
おばさん、ハサミ買って来たわよ。なにに使うの?ときくと「このダンボール箱のどこかにハサミがあるはずなんだけど、どこだか判らないから。まず、箱を開けないとね」と悲しそうな顔で言うのです。
「でも、よく来てくれたわね、お茶でもいれるわね……急須はどこかしら?」
ふだんは嫁がぜんぶやってくれるんだそうです。
「おばさん、あたし、そこの百均で急須と湯呑を買ってくるよ。ほかに欲しいものは無いの?」
するとおばさんは、すこしイライラした様子で「なんでもあるわ! わたし、マイセンの皿もディオールのカップも持っているわ! …この箱のどこかに」
おばさんに「少しは捨てたら?」と言いかけて、やめました。
「とんでもない! ものは多ければ多いほど、幸せよ」と笑っていたあの頃の笑顔を、明け方の夢のように思い出しました。
東京ロザリーさん、こんにちは。お便りありがとうございます。
おばさん、大変ですね。
お便りを読んで元夫の部屋を思い出しました。
彼は、それなりに片づけていたんですが、いろいろな箱にしまっていたので、何かを取り出したいとき大探しする必要があったんです。
サーモスタットを探したときも、どの箱に入っているのか本人にもわからず、ずいぶん時間がかかりました。
たくさん持っていても、さっと取り出せないなら、持っていないのとあまり変わりません。
おばさんは今もものを手放すつもりはないようですから、これも1つの生き方ですね。
ロザリーさん、どうぞ、お元気で。おばさんによろしくお伝えください。また何かありましたらお便りくださいね。
東京ロザリーさんは、10年ほど前から読んでくださっている方です。
前回のお便りはこちらで紹介⇒たったこれだけで暮らしが軽くなる:収納を整え、灯りを替え、買わない(読者のお便り)
次は、Nさんのお便りです。
15年前に片づけを終えて、今は英語と山
件名:最近の私の近況
私は断捨離みたいな大きな片づけを終えてから15年くらいは経過していると思います。
何を買うべきで何を買わないべきなのかという買い物の判断も間違えることが少なくなりました。
明らかに必要なものはすぐに購入し、先を見越して死蔵品になりそうなものは購入しないか、時間をかけて慎重に判断する。
死蔵品はコツコツと処分して出番のない資産は減らしていく。
今はこういうスタンスで生活しています。
『シンプルライフをめざす基本の家事』という本が私のバイブルだったのですが、この本を参照することもほとんどなくなりました。
ほぼすべて身についた感じです。
今は片づけではなく、自己投資に注力しています。
英語を毎日勉強したり、ジムや山に行って体力トレーニングしたり。
養老孟司先生の母親が「身についたものだけが財産だ」と言っていたことを肝に銘じ、あぶく銭を稼ぐことより身につくことに時間やお金を投じて日々を過ごしています。
Nさん、こんにちは。お便りありがとうございます。
片づけが終わって、趣味を楽しんでいる様子が伝わってきました。
『シンプルライフをめざす基本の家事』(婦人之友社)は、私も持っています。
食器は何枚あればいいのか、鍋はいくつ持てばいいのか、この本で調べて記事に書いたことがありますよ。
今でもたまに見返しています。
養老先生のお母さんの言葉、素敵ですね。
確かに身についたものは、失う心配もないし、引っ越すとき荷造りしなくてすみます。
自分がこの世を去るときは一緒に消えるので、他の人に片づけの手間をかけることもありません。
毎日の勉強とトレーニング、これからも楽しんでください。山の景色も満喫してくださいね。
⇒鍋とフライパンを公開~料理が苦手な節約系ミニマリスト主婦の場合(写真つき)
⇒ミニマリストの食器の数は?~50代節約系かつ粗食系の主婦の場合
noteの更新
このブログで取り上げない話題や深掘り、私の日常日記、各種お知らせはnoteというプラットフォームで更新しています。最近書いた記事にリンクしますね。
『55歳からの「持たない」で潤う暮らし方108』に筆子が監修した記事がのっています|筆子のnote
娘の彼も耳鳴りだった。体のことは、聞かれなければ話さない|筆子のnote
noteでも告知していますが、今週EOLに新しい記事がアップされました。
洗濯物はたたまない、アイロンをかけない。60代ひとり暮らし「洗濯でやめてよかったこと」4つ | ESSEonline(エッセ オンライン)
ブログと合わせて読んでください。
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いつもお便りをありがとうございます。
とても楽しく拝見しています。
ものがたくさんあるほうが生活が豊かになる、という面は確かにあります。
けれども、手にしたものをどう使うかのほうが重要だと思います。
それでは、あなたも感想や近況などありましたら、お気軽にメールください。
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