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無駄なものをたくさん買ってしまう人におすすめのトークを紹介します。
タイトルは The hidden story behind why we buy(なぜ買ってしまうのか、その裏側にある物語)。
スピーカーは、マーケティングのエキスパート、Jessica Shailes(ジェシカ・シェイルズ)さんです。
買うか買わないかを決めているのは、感情のほうです。それを知れば、買い方は自分で選べるようになる、と教えてくれます。
後悔する買い物は、どうして起きるのか?
収録は2025年10月。動画の長さは17分42秒。日本語の字幕はありませんが、英語の自動字幕が出ます。
イギリスで開かれた、TEDxGosportでの講演です。
■TEDの説明はこちら⇒TEDの記事のまとめ(1)ミニマリスト的生き方の参考に
壊れていないけど返品する
イギリスで2022年に、返品の理由を小売業者に報告してもらった調査があります。
壊れていると言って送り返してきたのに、届いた品を調べたら、どこも壊れていない。
こういう返品がいちばん多く、全体の32%でした。
ほんとうの理由は、気が変わったからです。
ただ、そう正直に書くと返品を受けつけてもらえませんし、自分でも正当な理由には思えません。
そこで、多くの人は壊れたと言います。
つまり、私たちは感情で買って、あとから理屈をつけているのです。
ジェシカは、マーケティングの側で20年、買う人の行動を見てきました。
同時に、自分の買い物を何度も後悔してきた人でもあります。
乗り手が新年の抱負を立て、象がそれを破る
ジェシカは、人が決断するときの心の動きを、よく知られた象と乗り手のたとえで説明します。
象は大きくて、速くて、力が強い。感情で動きます。
乗り手のほうは理性的で、ゆっくり考えます。順を追って問題を解くのが得意ですが、そのぶんエネルギーを使うので、1日に起きる判断のすべてには関われません。
ですから、買う決断の多くは象がしています。
乗り手が新年の抱負を考え、象がそれを破ります。
卵とパンを買いに行ったのに、ヨガウェアとビニールプールを持って帰るのも同じです。
疲れているとき、おなかがすいているとき、手いっぱいのときほど、象が前に出ます。
といっても、象は敵ではありません。
象は、食べものが足りない時代、群れから外れたら生きていけない時代に合わせて作られています。
仲間に入りたい、認められたいという気持ちから、衣類、住まい、車にお金を出してしまうのはそのせいです。
ベティが買ったのは車ではなく、自信のある自分
象と乗り手の関係を説明するため、ジェシカは、ベティという架空の人物を紹介します。
ベティは26歳のグラフィックデザイナー。車がそろそろ寿命なので買い替えることにしました。
予算を決め、燃費がよくて日常づかいに向いた車にしよう。そう考えて販売店に行きました。
ところが、店に入った瞬間、赤いスポーツカーが目に飛び込んできました。
営業担当者はベティの目の動きを見逃さず、期間限定の価格ですよ、と伝えます。
早く決めなければ、と焦る気持ちもあり、ベティの感情が揺れます。
試乗から戻ってきたとき、運転席にすわっていたのは象でした。
ベティはその車を買いました。
帰り道では、友だちがこれに乗りたがる場面と、すれちがう人がふりむく光景が思い浮かびました。
でも、数週間たつと、目新しさは消えました。
残ったのは、やたらとかかるガソリン代と、重い返済です。
そのせいで、もっと大事にしていたことにお金を回せなくなりました。
車は本来、A地点からB地点まで運んでくれればいい道具のはず。
それなのに、機能も装備も仕上げも数え切れないほどあるのは、買う人の気持ちを動かすために作られているからです。
待つ、正直になる、先まで考える
象が決めていると知っているだけでも、買い物の失敗は減らせます。
方法は3つあります。
まず、待つこと。
長く待てば待つほど、後悔しにくくなります。
待っているあいだに、象だけでなく乗り手も判断できるからです。
夜遅くに決めないだけでも違います。
次に、正直になること。
なぜこれを買おうとしているのか自問します。
退屈しのぎなのか、自分をなだめたいのか、自信がほしいのか、そういう人物になりたいのか。
そして、先のことまで考えること。
何かにイエスということは、別の何かにノーを言うことです。
ベティが赤いスポーツカーにイエスと言ったとき、同時に、もっと大事にしていた何かにノーと言っていました。
買い方を見直したいときに見たいプレゼン
同じテーマが気になる方は、以下の記事もごらんください。
「損したくない」が判断を狂わせる~非合理的な決断の心理学(TED)
食器がほしいのではなく、人を招きたいのかもしれない
ベティが買ったのは車ですが、もっと少額のものなら、私たちもしばしば似た買い方をしています。
お店で素敵な食器を見かけて、いいなあと思います。
そのとき、その器に料理を盛って、人を呼んで、みんなで笑っている場面が思い浮かびます。
値段や大きさをチェックするのはそのあとです。
最初に思い浮かぶイメージは、自分の現実とは合っていないことが多いです。
こうなったらいいなあという世界ですから。
無駄遣いを減らしたいなら、一度現実に戻ってください。
頭に浮かんでいる場面を言葉にします。
これを買った私は、どこで、誰と、何をしているのか。
そこまで考えると、ほんとうに必要かどうか確かめられます。
この食器を買ったら、ほんとうにそんな食事会が起きるのだろうか。
呼びたい相手がいるのだろうか。
招くのを止めているのは、ほんとうに食器なのだろうか。
もしかしたら、ほしいのは人を招くこと、友だちと一緒に食事をすることかもしれません。
その場合、新しい食器を買わなくてもほしいものは手に入ります。
今ある器を使っておもてなしをすればいいのですから。
一緒に時間を過ごしたいだけなら、外で食事をすればいいですよね。
私は、ほしいものができたら、ノートに書いておいて、1ヶ月ほどしてから考え直します。
たいていのものは、そのころには必要でなくなっています。
なかには、なぜこれをほしがったのか思い出せないものもあります。
もちろん、憧れて手に入れたものが、全部無駄だとは言えません。
ですが、頭に浮かんでいる場面と、実際の使い道がかけ離れているほど、後悔は深くなります。
気が変わったから、で捨てていい
では、買ったあとで、これは違ったと気づいたものはどうするか。
返せる期間なら、返してしまえば話は早いです。
ただ、返品にも運ぶ手間と処分のコストがかかるので、そもそも買わないのがいちばんではあります。
日本にはあまり返品の文化がないので、返すこと自体に抵抗を感じる人も多いでしょう。
すると、そうした品は家に残り、こんどは捨てるかどうかの話になります。
ここでも、私たちは返品するときと同じことをします。
誰に説明しても通る理由を探すのです。
壊れた、古くなった、サイズが合わなくなった。
こういうものは捨てられます。
ところが、買ったのに使わなかったものは、たいてい壊れていません。
買ったときのまま、きれいな状態で棚にあります。
こうしたものを手放さないと、家はきれいになりません。
そこで、気が変わったから捨てていい、と考えてください。
買ったときは、これを着ればきちんとした人に見えると思ったのでしょう。
あるいは、ただ見た目が気に入っただけです。
どちらにしても、決めたのは象のほうです。
ここで自分を責める必要はありません。
私は若いころ、スヌーピーの文房具の頒布会に入っていました。
ノート、ペン、ペンケースが毎月届きました。
使うあてがあったわけではありません。かわいいから買っていただけです。
引き出しには、一度も使っていない文房具がきれいなまま入っていました。
スヌーピーの文房具を手放せたのは、かわいいと思っただけだった、と自分で認めたときです。
失敗を認めることができれば、手放しやすくなります。
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私が思う、買い物で失敗しない方法は、買ったあとにもう一度考えることです。
買ったものが今どうなっているか、ちゃんと見る。
自分のやったことを、よその人を眺めるみたいに見られるようになると、買い物は上手になります。
象はいなくなりません。うまくつきあっていきましょう。














































