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お金を上手に管理するのに役立つTEDトークを紹介します。
タイトルは、The emotions behind your money habits（お金の習慣の裏にある感情）。
会計士の、Robert A. Belle （ロバート・A・ベル）さんのプレゼンです。
お金の習慣の背後にある感情・TEDの説明
Your money habits reveal a lot about you: your hopes, fears, dreams and other deep personal truths you may not even be aware of, says accountant Robert A. Belle. He shares how taking stock of your transaction history can unlock surprisingly valuable insights about what drives you to spend (and save) — and provides practical tips on how to perform an “emotional audit” of your expenses.
お金に関する習慣は、あなたについてたくさんのことを明らかにします。希望、恐怖、夢、そして、自分では気づかない本当の自分を。こう、会計士のロバート・A・ベルさんは言います。
彼は、お金の使い方の履歴を調べると、自分がお金を使う（貯める）理由に関して貴重な気づきを得られると話します。さらに、お金の使い方の「感情監査」をするコツを教えてくれます。
8分47秒。2021年の7月に投稿された動画です。14ヶ国語の字幕がありますが、日本語の字幕はありません。動画のあとに抄訳を書きます。
短いし、とてもわかりやすいので、よければ見てください。
数字の裏にある物語
私は数字に強く、数字を使って現状報告するのが得意ですが、その数字の裏にある物語、翻訳すると失われる部分、数字では表せないこと、節約や収入を得る戦略よりも、もっと深いところにあるストーリーにとても興味があります。
会計士としての私の仕事は、人々の物語を伝えて、その人の生活の向上に役立たせることだと思っています。
説明しましょう。
チョコレートにお金を使っていた
始まりは、ある人が私に、「あなたはチョコレートばかり食べてますね」と言ったことです。
「え？ そんなはずはない」と思いました。
でも、その後、思ったのです。自分の執着を否定しているのではないかと。
本当は、チョコレートを買うのにお金をたくさん使っていて、それに気づいていないだけではないか？
仮説を検証してみることにしました。会計士の目で、チョコレートへの支出の記録を取りました。
するとどうでしょう。チョコレートへの愛が見つかりました。一ヶ月に50ドル（今のレートで6800円ぐらい）ほどチョコレートに使っていたのです。
特に、ストレスが多い月と、ものすごくうれしい月によく買っていました。
出費を分析したら、悩んでいる月やハッピーな月にチョコレートをたくさん食べる感情パターンに気づいたのです。
長い間、体重を減らすのに苦労していたのですが、食事に問題があるはずはないと思っていました。原因は運動不足で、チョコレートなんて全然関係ないと思っていたのです。
でも、チョコレートへの出費を調べたら、自分に向き合うのを恐れていたことに気づきました。
本当の問題である食生活をどうにかする勇気がなかったのです。
その後、運動は続けたものの、時間は減らしました。そのかわり、よりヘルシーな食事をするほうに意識とエネルギーを注ぎました。その年、私は50ポンド（およそ22・7キロ）体重が減りました。
お金との関係は、人生との関係
お金との関係は、その人の人生との関係を表しています。
チョコレートに費やすお金を調べたら、自分自身の否定の物語がわかりました。
だから、クライアントが人生で見落としていることに気づき、出費を追跡して、感情的なパターンを見つける手助けができると思ったのです。
その後、クライアントの経費の裏にある隠されたストーリーに細心の注意を払うようにしました。
服にお金を使いすぎていた看護師
ある救命救急センターの看護師は、自分の予算は適正で、支出にも問題がないと信じ切っていました。
しかし、なかなか貯金できないでいたのです。
私が、彼女が、支出を最低限しか記録していないことに気づきました。
彼女に、貯金できないのは、お金に関する知識がないだけではないから、問題を突き止める手助けをしたいと申し出ました。
そして、支出を追って、表にするようすすめました。
数カ月後、彼女の記録から、支出のほとんどは高価な服と靴に費やされていることがわかりました。
こんなにファッションにお金を使っているかを知り、本人は、心底驚いていました。
「まあ、これ、全部、衝動買いよね？ 気づいてなかった」。
彼女はさらに分析して、服を買って、友人に「あなたはすごい」とか、「成功している」と思わせようとしていたことに気づきました。
また、自信がないときに服を買って、一時的に自信を取り戻していたこともわかりました。
服を買うことは、人生の意味を見出し、自分に価値があることを感じるための行動だったと、彼女は言いました。
ため息をついたあと、彼女は自分自身の目標と、経済的な目標を立てました。
半年後、電話で、買い物に使うお金を減らしてずいぶん貯金ができたことを教えてくれました。買いたい衝動にかられたら運動をするようにしたそうです。
今は、友人たちと一緒にいて、ずっと幸せを感じるようになりましたし、その3年後は、マイホームを持つことも、視野に入ってきました。
記録すると必ずわかることがある
支出を表にしても、チョコレート中毒や、特定の買い物の問題が、わからないときもあります。
しかし、記録してわかることは、どんなことでも価値があります。
あるマーケッター兼ミュージシャンが、税金のことで助けを求めてきました。
彼女に会ったら、彼女がお金の記録や経費を目にするのをとても恐れていることがわかりました。
人間関係を含めて、あまりうまく行っていないことがあるそうです。
彼女うは、税金を払って失うお金に直面するのを恐れていました。
話をしているうちに、彼女は、お金を失う恐怖が人間関係を失う恐怖に結びついていることに気づきました。
この7年、傷つくのが怖いから、誰かと親しい関係になるのを避けていたのです。
失敗するのが怖かったわけです。
彼女は、お金も人間関係も、避ける戦略を取っていたのかもしれません。
お金の記録は人生の歩みの記録
この人の財務表を作る手助けを始めてから6年たちましたが、彼女は今でも、スプレッドシートを作っています。
お金の使い方と向き合っているうちに、納税シーズンに備えて、貯金できるようになり、失う恐怖心が薄れ、人間関係に対しても、よりオープンになりました。
自分のためにならない関係を終わらせる勇気も出たと教えてくれました。
「私のスプレッドシートは、私の人生の歩みを物語っていて、数字を通してそれがわかります」。こう彼女は話していました。
誰もが、こんなふうにお金に関する行動を調べて、支出を追跡し、表にすると、自分自身について驚くようなことを学べると思います。
お金の使い方の調べ方
こんなふうにやってみてください。
1.過去半年の銀行の明細を見て、支出を3つのカテゴリーにわけて比べ、全体像をつかみます。
例えば、買い物、交通費、娯楽費というように。
2.特に高額を使っているパターンが見つかったら、そのパターンが、自分について何を語っているか考えてください。
好奇心と探究心をもちましょう。
最初は、はっきりわからないかもしれませんが、なぜそんな選択をしたのか自問すると、ヒントが得られます。
毎週水曜日にピザを買うのは、水曜日に行われる週次会議のストレスのせいかもしれません。
3.びっくりするような金額や量の買い物がないか調べ、パターンを見つけましょう。
大きな行事やイベントの前に新しいスマホを買ったのは、友人に気づいてもらうためだったのでしょうか？
深夜にしかタクシーに乗らないと決めていたのに、毎月、思ったよりずっとたくさんタクシーに乗っていませんか？
思った以上に残業していたのではないですか？
きちんと調べてみよう
時間をかけて調べれば、自分についてわかることが本当にたくさんあります。
ときには、自分でわかっている以上に、お金のほうが私たちのことをよく知っています。
経済状況を把握すると、拒絶していること、隠された偏見、恐怖、自分を押しとどめているものがわかります。
お金の使い方をじっくり観察することは、難しく、居心地が悪い気分になるかもしれません。
しかし、やれば、心の奥底にある真実が見えます。
仕事、人間関係、自分が優先すべきことを見直すきっかけになる真実です。
だから、試してみてください。その見返りはとても大きいと思います。
//// 抄訳ここまで ////
お金に関するほかのプレゼン
貯金できない人がうまくお金を貯める秘訣は、行動経済学にあり（TED)
お金を使わずに1年暮らしてわかったこと：キャロライン・ホーグランド（TED）
いつも予算をオーバーしてしまうなら、こんな方法を試してみては？（TED）
感情パターンを見つける
このところ、収支の記録を取りたくない人に向けて、お金が貯まる行動を書いています⇒お金が貯まりやすくなるためのざっくりした行動案～予算とか考えたくないあなたへ（その1）。
でも、本当は、記録を取ってそれを分析するのが、一番簡単で効果的です。
めんどくさいとか、お金をつかったあとに、その結果を見ても意味がない、と思うかもしれませんが、数字にしっかり向き合うと、「もやもやした不安」から解放されます。
もし、まだ何の記録も取っていなかったら、早速、今日から始めてください。
すでに記録を取っている人は、もう少し深く分析して、感情パターンを見つけてください。
人は合理的なお金の使い方はあまりしません。
何かを買うとき、必ず、何らかの感情が動いています。数字は正直にあなたの心をさらけだします。
