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先日、好きなものだけの部屋にしたいのに、家を見渡してもそう呼べるものが見あたらない、というお便りをいただきました。
ものはたくさんあるのに、です。
この場合、好きじゃないものを減らしていけば、理想の部屋に近づきます。
ただ、そうするのが難しいんですよね。
気に入っていなくても、捨てられない理由があるからです。
残してしまう理由に目を向けて、もういらないものを少しずつ手放していきましょう。
どうでもいいものが、家の一等地にある
家にあるものは、気に入って選んだものばかりとは限りません。
特に好きでも嫌いでもない、どうでもいいものが、案外たくさんあります。
しかも、押し入れの奥だけではなく、目につきやすく、手も届きやすい場所にもあります。
リビングの棚に置いたままの飾りもの、キッチンのカウンターに出しっぱなしの使っていない調理家電、クローゼットの手前にかかっているもう着ないジャケット。
こうしたものに、家の一等地を明け渡しています。
使わないまま、何年もそこにあります。
毎日目に入るものが、そのまま部屋の印象になります。
気に入っている品が多少あっても、どうでもいいものが一等地をふさいでいたら、好きなものに囲まれているとは感じにくいでしょう。
もったいないから、高かったものを捨てない
値段の張ったものは、使わなくなっても手元に残りがちです。
正確な金額は忘れても、高かったという印象だけはいつまでも残ります。
すると、捨てるのが惜しくなります。
けれども、支払いは買った時点で終わっていて、その品を家に置いておいてもお金は戻ってきません。
それでも捨てにくいのは、手元にあれば、買ってよかったと思える日が来そうだからでしょう。
手放すと、ほとんど使わなかったという結果を、そのまま認めることになります。
残しておけば、買った判断が失敗だったかどうか、決着をつけずにすみます。
ただ、そのあいだも置き場所は必要です。
目に入るたびに、せっかく買ったのに使っていない、と自分を責めていれば、気持ちの負担にもなります。
私も、英会話のカセットテープとテキストを、高かったからという理由で何年も持っていました。
40年ほど前の話で、当時はこうした教材のテープはとても高価でした。
テキストも立派な装丁でした。
もったいないので使ってみようとページを開いたことがありますが、やはり使いませんでした。
最後には手放しました。
捨てたときはすっきりしましたよ。
昔買っただけのものに、いつまでも今の部屋を使わせる必要はありません。
⇒捨てられないモヤモヤを解消~“もったいない”を手放す7つの心理と解決策
使えるものと、自分が使うものは違う
値段は関係なく、壊れていないというだけで残るものもあります。
たとえば、キッチンに同じぐらいの大きさのマグカップが何個もあるとします。
どれも割れていないし、飲み物を入れることはできます。
でも、いつも使うのは、持ちやすいカップや、洗いやすいカップです。
ちゃんと使えるからといって、自分の生活に必要だとは限らないのです。
ペン立てにあるたくさんのボールペンもそうです。
紙に線を引けば、ちゃんとインクが出ます。使おうと思えば使えます。
インクが出るかどうかだけで点検を終えると、書けるペンは全部残ります。
実際に書きものをするとき、いつも別のペンを選んでいるとしてもです。
本当に使うものだけでなく、使えるものまですべて残すと、家はお店のようになります。
お店なら、これから買いに来る人のために、品数を揃える意味があるでしょう。
しかし、家では、そこに住む人が使う分があれば用は足ります。
年に何度か出番のある来客用の食器や、季節の行事の道具は、使う場面が決まっているので必要なものです。
一方、具体的な予定もないまま、まだ使えるからと置いてあるものは、しまってあるだけで使う日は来ません。
⇒まだ使えるものを捨てるのはお金の無駄だ~この心理を乗り越えるには?
気まずいから、もらったものを残す
自分で買ったものなら処分できても、人からもらったものになると、なかなか捨てられないことがあります。
贈ってくれた人の顔が浮かぶからです。
たとえば、自分の好みとは違う飾りものをもらったとします。
せっかく選んでくれたのだからと棚に置いたけれど、別に見て楽しいわけではありません。
ほかのものとテイストが違うので悪目立ちしています。
掃除をするときも邪魔です。
どちらかというと捨てたい。けれども、いつか相手が遊びに来て「あれはどうしたの?」と聞かれる場面を想像してしまいます。
そのとき、捨てたとは言いにくい。
ずっと置いてあるのは、その気まずい場面を避けたいからです。
でも、贈った本人から、あれはどうしたのと聞かれることが、実際にあるでしょうか?
贈り物は、渡された時点で役目を終えています。
受け取ったとき、自分のことを考えてくれた気持ちにはもうお礼を言っているはずです。
その後、それを何年持とうと、受け取った日の感謝は変わりません。
実用品なら、自分の生活で使うかどうか。飾りものなら、そこに置いて楽しめるかどうか。
受け取ったあとの扱いは、それで決めていいのです。
私は今、もらったもので使わないとわかったものは、すぐ寄付します。
もらったという理由だけで、自分の家に置き続けることはしません。
もちろん、思い出があって大事に持っていたい品もあるでしょう。
その場合は、持っていることに意味があります。それは自分のために持っているということ。
気が進まないのに相手のために保管している品物とは、事情が違います。
どれも、好きかどうかを聞いていない
こんなふうに、ものを処分するとなると、値段、使えるかどうか、くれた人のことが気になります。
この3つには、自分がそれを好きかどうかは関係ないという共通点があります。
高かったからとジャケットを戻し、まだ使えるからとカップを残し、もらったからと飾りものを置く。
このとき、自分に好きかどうかを一度も聞いていません。
聞かないまま残したものが集まってできたのが、今の部屋です。
ものはたくさんあるのにお気に入りが見あたらないのは当たり前です。好きかどうかで残したものが、そもそも少ないのです。
お気に入りの部屋にするために、好きなものを探しに行く必要はありません。
高かったから、まだ使えるから、もらったから、こんな理由だけで残している不用品を手放してください。
ここでいう不用品には、生活に必要で使っている道具は含みません。
毎日使う炊飯器や掃除道具まで、特別なお気に入りにする必要はありませんよね。
道具として役立っていて、使うのに不満がなければ、そのまま持ち続けてください。
減らしたいのは、使っていないし、眺めても楽しくないのに、捨てない理由ばかりがあるものです。
手放したあとのことは、心配いりません。
私自身、そうやって捨てたものを、ほとんど覚えていないからです。
⇒人生後半、いらないものは手放してお気に入りだけで暮らしたい。
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好きかどうかを確かめないまま続けていることは、持ちもの以外にもあります。
長く続けてきた習慣や、昔引き受けてずっと自分がやっている用事も、今の自分の気持ちを置き去りにしがちです。
暮らしを好きなことでいっぱいにしようと頑張る前に、いらなくなった負担を減らしましょう。
好みじゃないものが減れば、それだけで暮らしは軽くなります。