いろいろな考え

TEDの動画

脳の実行機能を高める方法(TED)~衝動買いを抑制したいあなたに。

衝動買いをやめたい人の参考になるTEDトークを紹介します。

タイトルは、How your brain’s executive function works — and how to improve it(脳の実行機能はどう働くか? それを向上させるには?)

認知科学者の Sabine Doebel(サビーヌ・ドーベル)さんの講演です。

邦題は、脳の実行機能を高める方法。

実行機能は、簡単に言うと、何かを意識的にする能力です。



実行機能・TEDの説明

You use your brain’s executive function every day — it’s how you do things like pay attention, plan ahead and control impulses. Can you improve it to change for the better? With highlights from her research on child development, cognitive scientist Sabine Doebel explores the factors that affect executive function — and how you can use it to break bad habits and achieve your goals.

あなたは毎日脳の実行機能を使っています。注意を向けたり、計画を立てたり、衝動をコントロールしたり。

その機能を向上させることができるでしょうか?

子供の発達に関するリサーチを紹介しながら、認知科学者のサビーヌ・ドーベルは実行機能に影響を与える要素を説明し、悪習慣を断ち、ゴールを達成するのに役立てる方法を伝えます。

収録は2019年、動画の長さは9分、日本語字幕あり。動画のあとに、抄訳を書きます。

☆トランスクリプトはこちら⇒Sabine Doebel: How your brain's executive function works — and how to improve it | TED Talk

☆TEDの説明はこちら⇒TEDの記事のまとめ(1)ミニマリスト的生き方の参考に

実験に出てくる子供がかわいいですね。





実行機能とは?

最近、車の免許を取りましたが大変でした。はじめて運転を習うときは、意識をすべて運転に向けて、1つひとつ確かめながら、意思決定するので疲れます。

私は認知科学者なので、実行機能をたくさん使っているから疲れるのだとわかっています。

実行機能は、ゴールを達成するために、意識的に思考、感情、行動をコントロールする能力です。

習慣を断ったり、衝動を抑えたり、計画を立てたりするのに必要な能力ですが、ちょっとしたミスをしたときにその存在に気づくことができます。

シリアルに、間違ってオレンジジュースをかけてしまったときや、フェイスブックを見始めて、ミーティングに行くのを忘れていたことに気づいたときに。

帰宅途中に店に寄るつもりだったのに、いつものように家に帰ってきてしまったときとか。

こういうことは、誰にでも起こり、放心(ぼんやりしていること)と呼ばれますが、実際に起こっているのは、実行機能の空白なのです。

私たちは、毎日、日常生活のあらゆるところで実行機能を使っています。

実行機能が人生を決める

過去30年のリサーチからわかったのは、実行機能のあるなしが、子供時代も大人になってからも、いろいろなことを決めるということです。

社会的なスキル、成績、心身の健康、お金を稼ぐこと、お金を貯めること、犯罪を侵さないでいられることなど、すべて実行機能にかかわっています。

だから研究者たちは、実行機能を理解し、向上させる方法を研究しています。

脳トレは効果なし

近年、実行機能は、自身を向上させる話で、よく話題になっています。

iPhoneの脳トレのアプリやゲーム、チェスなどをすれば、実行機能を高めることができると思っている人がたくさんいます。

実験室の中で、実行機能を高めるトレーニングが行われることもあります。

でも、これは実行機能というものを正しく理解していません。

脳トレしても実行機能は高まりません。実行機能は、現実世界の生活で、使われるものだからです。

幼い子どもの実行機能

本当に実行機能を高めたいなら、その能力は、状況(context)に影響を受けることを理解しなければなりません。

幼い子どもの実行機能を測る実験に、次元(ルール)を切り替えてカードをソートするもの(dimensional change card sort)があります。

この実験では、子供たちはまず、ひとつのルールにそってカードを分けます。たとえば、形ごとに。

何度も何度もそれが習慣になるまで行います。その後、別のルールに従ってカードを分けるよう子どもたちに指示します。

たとえば、色ごとに分けるよう指示します。

幼い子どもはこれができません。3~4歳の子供は、何度説明されても、前と同じ方法でカードを分けます。

[実験の様子が写しだされる。色ごとにカードをソートさせたあと、形ごとにソートするよう指示しても、子供は、色ごとに分けてしまう。]

子どもたちは切り替えができません。つまり、実行機能を使えないのです。

ラボで、この子が、形ごとに分けられるように訓練する方法はあります。

でも、だからと言って、現実世界で、この子が、実行機能をうまく使えるでしょうか?

答えはノーです。現実世界では、形から色に切り替えるといった単純なタスク以外にも、もっとたくさんのタスクで実行機能を使わなければならないからです。

足し算から掛け算に切り替える、遊びから片付けに切り替える、自分自身の感情を考えることから、友人の感情を考えることに切り替える、など。

現実社会で、うまく実行機能を使えるかどうかは、いかに、やる気があるか、友達はどうしているかといったことにかかっています。

特定の状況で実行機能を使うには、自分が取る戦略にもかかっていますね。

マシュマロ・テスト

子どもたちの自制心を調べる実験として、マシュマロ・テストがよく知られています。

このテストでは、子どもたちに2つの選択が与えられます。すぐにマシュマロを1つ食べるか、しばらく待って、マシュマロを2つ食べるか。

すぐに食べるのをがまんするには、たくさんの実行機能が必要です。

たいてい、子どもたちは2つ欲しいと思いますが、はたして、どれぐらい待てるでしょうか?

子どもたちの実行機能に影響を与えるため、実験の状況を少し変えてみました。

仲間の影響

子どもたちに、「あなたは緑のグループよ」と言って、緑のTシャツを着てもらいます。

そして、「緑のグループの子は、しばらく待って、2つマシュマロをもらうけど、オレンジのグループは、そうしないのよ」と言います。

または、その逆に、「あなたのグループは、2つマシュマロをもらうまで待たないけど、別のグループは待つのよ」と言います。

そして、子供の反応を調べます。

自分は、「待つグループのメンバーだ」と信じた子供は、そうでない子より、長く待つことができました。

つまり、会ったことすらない仲間の影響を受けるのです。

仲間意識が新しい価値を生む

これだけでは、子どもたちが、他の子のまねをしただけなのか、もっと心の深いところに要因があるのかはわかりません。

そこで、別の実験をしてみました。

子どもたちを呼んでマシュマロ・テストをしたあと、ペアになった子供の写真を見せながら、こう言いました。

「この子たちのうちの1人は、クッキーやシールをすぐにもらうけど、もう1人は、少し待って、もっとたくさんもらうの。あなたはどちらの子供が好き? どちらの子と遊びたい?」

自分はマシュマロを食べるのを待つグループの一員だと思っていた子どもたちは、待つほうの子供を好むとわかりました。

自分たちのグループのすることを学ぶと、待つことに価値を感じるのです。

それだけではなく、この子たちは、実行機能を使って、待つための作戦を考えることにより熱心でした。手をお尻の下に置いたり、顔をそむけたり、気をそらせるために歌を歌ったり。

このことから、いかに状況が大事かわかります。

実行機能がすぐれているとか悪いとかは関係なく、状況が、実行機能を発揮することを助けるのです。

状況を変えてみよう

このことは、皆さんや皆さんの子供にどんな意味があるでしょうか?

あなたがスペイン語を学びたいとしましょう。

こんなとき、状況を変えて、同じようにスペイン語を学びたいと思っている人の中に入ると、効果的です。

あなたがその人たちのことを大好きだと、さらに実行機能を使うモチベーションがあがります。

算数の宿題をする子供を助けたいとしましょう。

宿題に集中する戦略を子供に教えるのはどうでしょうか? 勉強する前に、スマホを脇に置くとか、1時間勉強したら、自分にごほうびをあげる計画を立てるとか。

状況がすべてだとは言いません。実行機能はとても複雑で、いろいろな要因から成り立っています。

でも、人生のある面で実行機能を向上させたいと思ったら、その場しのぎに走らず、状況を変えることを考えてください。

どうやったら、そのゴールがもっと重要に思えるか? どんな戦略を使うと、うまくいくか?

古代ギリシアの人は、「汝を知れ」と言いましたが、まさにそれです。

重要なのは、どんなふうに状況が行動に影響するかを知り、その知識を使って、よりよい方向に変わっていくことです。

////抄訳ここまで////

補足:マシュマロ・テスト⇒人生で成功したいなら自制心を持て~マシュマロ・テストに学ぶ成功法則(TED)

行動を変えることに関する他のプレゼン

たくさん書いていますが、7つだけ紹介します。

よい方向に行動を変える方法:ダン・アリエリー(TED)

どうやったら、行動を変えることができるか? 警告や脅しは効かない(TED)

セルフ・コントロール(自制心)の秘訣:ジョナサン・ブリッカー(TED)

やる気に関するなぞ:ダン・ピンク(TED)

習慣を科学的に説明してみると(TED)

今度こそやるぞ、と思うのにそうできない3つの理由(TED)

成功の秘訣は正しいゴール設定にある(TED)

環境を変えてみる

プレゼンに出てくる context は、「状況」と訳しましたが、「環境」と訳してもいいと思います。

他の記事でもよく書いていますが、行動を変えたいとき、意志の力に頼るのは、あまり効果的ではないのです。

環境を変えてしまうほうがうまくいきます。

たとえば、甘いものを食べるのを控えたいなら、家に置かないとか、置いたとしても、目につかないところにしまいこむとか。

買い物を控えたいなら、買い物を全面的に肯定している人たちと付き合わないほうがいいのです。

ミニマリストになりたいなら、ミニマリストと付き合ったほうがうまくいきます。

ただ、「本当に自分がそうしたいなら」、という条件がありますが。

ゴールに合わせて、状況を変え、いろいろな戦略を立ててください。

*****

きのう、エッセオンラインの記事へのリンクを貼り間違えたので、改めて、ここでリンクします。

新刊の紹介記事です。

インテリア好きほど陥りやすい「3つのこだわり」。捨てたらむしろ部屋が片づく | ESSEonline(エッセ オンライン)

家の中で、ものを置きすぎてしまう場所5つ。邪魔なだけでなく意外な危険も | ESSEonline(エッセ オンライン)

読んでください。





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