返品するつもりの女性

TEDの動画

ネットショップに返品したものはどこへ行くのか?(TED)

買い物習慣を見直したい人におすすめのTEDトークを紹介します。

タイトルは、Where do your online returns go? オンラインショップに返品したものはどこへ行くか?

海外展開する小売業者にロジスティックスを提供している企業で働くAparna Mehta(アパルナ・メータ)さんの講演です。

邦題は、ネット通販で返品した物の行き先は?



返品したものはどうなるの?:TEDの説明

Do you ever order clothes online in different sizes and colors, just to try them on and then send back what doesn’t work?

Aparna Mehta used to do this all time, until she one day asked herself: Where do all these returned clothes go?

In an eye-opening talk, she reveals the unseen world of “free” online returns — which, instead of ending up back on the shelf, are sent to landfills by the billions of pounds each year — and shares a plan to help put an end to this growing environmental catastrophe.

サイズ違いや色違いの服をオンラインで注文したことはありますか? 全部試着して気に入らないものを返品するためだけに。

アパルナ・メータはいつもそうしていました。ある日、返品した服がどこに行くのだろう? と疑問を感じるまで。

目を開かせてくれるこの講演で、メータは、ネットショップでの「無料の」返品の隠された世界について話をします。

返品したものは、売り物の棚に戻されるのではなく、ゴミ捨て場に捨てられるのです。毎年、数百万トンも。

どんどん増えていく環境の大災害に終止符を打つプランを、メータはシェアします。

収録は2018年の11月、動画の長さは7分39秒。日本語の字幕もあります。動画のあとに抄訳を書きます。

☆トランスクリプトはこちら⇒Aparna Mehta: Where do your online returns go? | TED Talk

☆TEDの説明はこちら⇒TEDの記事のまとめ(1)ミニマリスト的生き方の参考に

コンセプトはシンプルで、英語も平易なのでわかりやすいプレゼンです。





日常的に返品していた

私は買い物中毒で、ネット通販で買った物を返品することにはまっていました。

1日おきに、洋服が入った箱が2~3箱うちに届いていた時期もあります。

同じ洋服の色違いやサイズ違いをわざと複数枚買っていたんです。

本当に欲しいものがわからなかったので、余分に買って、試着して気に入らないものを返品していました。

ある時、服を返品しようとしている私を見て、娘が言いました。

「ママには問題があるみたいね」。

そうは思いませんでした。だって、配送も返品も無料ですよね。

何の疑問も感じていませんでした。仕事で衝撃的なデータに遭遇するまでは。

返品処理にかかる膨大なコスト

私は、一流の小売業の海外展開をサポートする会社の重役ですが、あるとき、最大手のクライアントと、コストを削減する方法を話し合っていました。

彼らの最大の悩みは、返品の対処でした。

年末のホリデーシーズンだけで、750万着もの服が返品されたのです。

この話が頭から離れませんでした。

返品された洋服はどうなるのか?

帰宅して調べてみると、毎年、返品された40億ポンド(18億キロぐらい)の洋服がゴミ捨て場に行き着くとわかりました。

それはまるで、アメリカの住人全員が、昨晩、1回分の洗濯をして、今日、その洗濯ものをゴミ箱に捨てるようなものです。

ぞっとしました。

全人類の中で、私こそが、これを防ぐことができるわ、と思いました。

このような物流管理の問題解決が私の仕事ですから。

だから、この問題は個人的な問題にもなったのです。

この問題を解決するしかない、と。そして、すでにあるシステムを使えば解決できると思いました。

なぜこんなに返品が多いのか?

そして疑問を感じました。

どうしてこんな状況になったのかと。

無料で返品できるサービスを導入すれば、客はよりたくさん購入する(お金をつかう)という調査結果が発表されたのは、ほんの6年前のことです。

ショップはどんどん、売上と顧客の満足度をあげるために、無料で返品できるサービスを提供するようになりました。

私たちが気づいていなかったのは、そのサービスのせいで、返品も増えるということです。

アメリカでは、2017年だけで、企業は3510億ドルの売上の損失を出しました。

小売店は損失をカバーするのに必死です。

返品された商品を再度ネットで売ろうとしたり、提携している安売り業者や、精算業者に売ったりします。

しかし、返品商品の行き先を迅速かつ経済的に見つけられないときは、ごみ処理場に送り込むことになるのです。

突然私は、自分が、このような事態を引き起こしている買い物客であることに罪悪感をもちました。

私の無邪気な買い物が、自分だけでなく、地球にも害を与えていたなんて。

グリーン・ターンというシステム

この問題の解決法を考えているとき、返したい品物を小売業者に戻す必要がそもそもあるのか、と思いました。

誰にとってもウインウインの解決法があったらどうだろう?

何かを返品したいとき、小売店ではなく、それを買いたい人の手に手渡すことができるとしたら?

返品(returns リターンズ)ではなく、私が、グリーン・ターン(green turn)と呼ぶ仕組みを実施したら?

客は、アプリを利用して、返品したいアイテムの写真を撮り、その品物の状態を明らかにします。

そしてAIが、状態ごとに、品物をソートします。「新品同様」または「少々着用感あり」というように。

そして、その品物は次の買い手に直接届きます。

新品同様の服は、そのまま次の買い手に行き、少し着用されたものは、値下げされて、再度オンラインで売りに出されます。

小売業者が、その商品の再販回数を決めます。

消費者は、モバイルコードを取得して、その商品を最寄りの配送業者に持って行くだけ。梱包と配送は業者がします。

品物は、ある買い手から次の買い手に行き、ゴミ捨て場には行きません。

グリーン・キャッシュとは?

「こんな面倒なことをみんなするだろうか?」 あなたは、そう思っているかもしれませんね。

ポイントサービスやキャッシュバックなどのインセンティブ(動機付け、報酬)があればやると思います。

これはグリーンキャッシュと呼びましょう。

このカスタマーベースの返品商品を買うシステムは、新しいビジネスチャンスをもたらすでしょう。

買い物という楽しい体験に加えて、地球を救うという気高い体験もできます。

このシステムの構築は可能ですが、既存のシステムに乗せるには半年ほどかかります。

今すぐ私たちにできること

でも、今すぐ、私たち1人ひとりにできる方法があります。

買い物するまえに、ちょっと考えるのです。

本当にこのアイテムが必要か?

本当にこれが欲しいのか?

もし、アメリカの大人全員がこれをして、5着分少なく返品したら、2億4千500万ポンド(約1億1千100万キロ)の服を、ゴミ捨て場に送り込まずにすみます。

ゴミを6%減少できるのです。

私たちが作り出しているこの環境問題は、数千年先に起きるのではなく、すでに今起きている問題です。

世界中のゴミ捨て場の拡大を阻止するために、すぐに返品をやめなければなりません。

私は娘や孫娘に、今よりすばらしくきれいな地球を残したい。

だから私は、買いすぎないだけでなく、リサイクルも熱心にしています。

皆さんにもできます。難しくありません。

今度、オンラインショッピングをするとき、本当はいらない余分な品物で、買い物かごをいっぱいにし、ゴミ捨て場に品物をあふれさせる前に、立ち止まって考えてみましょう。

私たちが本当に欲しいと思っているものが何であるかを。

それは、故郷と呼べる美しい地球です。

//// 抄訳ここまで ////

アメリカの返品問題

返品の問題を扱っている6分の動画を紹介します。

タイトルは、Returns Are the Retail Industry’s Quietly Mounting Logistics Problem(返品は、小売業界で静かに進行しているロジスティックスの問題)

5分53秒。英語の字幕あり。

動画にでてくるQuicklotzは、大手ECサイトの返品商品を引き受ける専門業者(liquidator)の1つで、毎日大量の返品商品が工場に搬入されます。

アマゾンのように、大量に返品がある小売店は、返品をいちいち検品するのは不経済なので、まとめてこうした業者に処理を委託します。

ものすごい量の返品ですが、アメリカ人全員が、かつてのメータさんのように、最初から返品するつもりで、買う人ばかりではなく、ふつうに買っている人も多いし、返品するのは面倒だから、そのままキープする人もたくさんいます。

それでも、こんなに返品があるのは、買い物そのものがとても多いからでしょう。

買い物に関するほかのプレゼン

消費やゴミの問題を扱った過去記事の一部です。

私たちの消費が地球に与える驚くべき影響(TED)

ごみを増やす消費の習慣を見直そう(TED)

物を買うのをやめた私の、買わないための戦略とシンプルなルール(TED)

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買うスピードを落とすために

必要以上にもの買うことが多い人は、自分が買ったものが最終的にどこに行き着くか考えてみると、少し買うスピードが落ちるでしょう。

日本にはアメリカのように気軽に返品する習慣がないから、ネットショップで買った物を返品する人は多くありません。

でも、サイズ違いや色違いでたくさん買う人はいますよね?

今すぐ必要じゃない物を買いすぎる人もいます。

この場合、返品はされず、家の中でガラクタ化します。

断捨離して、使ってくれる人に売ったり譲渡したりすれば、物を活かすことができますが、そのままずーっとキープしていると、時間がだいぶたってから(家をリフォームするときとか)に、ゴミとして放出することになります。

残念ながら、「あまり使っていないまだきれいな物を捨てるのは罪悪感がある」、と言って、不用品をそのままキープする人が多いのです。

しかし、使わない物をずっと手元に置いておくのは、自分にとっても、物にとっても、環境にとってももよくありません。

もちろん、最初に、不用な物を買わないことが一番重要なので、買い物は慎重にするべきです。

しかし、すでに買ってしまった物は、あきらめてさっさと処分したほうがいいと思います。

過去の失敗から学んで、今後は慎重に買い物をすれば、地球のゴミを増やすことにこれ以上加担せずにすみます。





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