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運動しているかどうかにかかわらず、一日の大半を座って過ごしている人に見てほしいTEDトークを紹介します。
タイトルは What sitting all day does to your brain and body(一日中座っていると、脳と体に何が起きるか)。
スピーカーは、運動科学者の Keith Diaz(キース・ディアス)さんです。
座っている時間を、ときどき数分歩いて区切る。
それだけで、食後の血糖値も、気分や頭の疲れも変わる。そう教えてくれるトークです。
体を動かさないと、脳まで疲れる
収録は2026年4月。動画の長さは11分。日本語の字幕はありません(英語ほか数か国語の字幕あり)。
■TEDの説明はこちら⇒TEDの記事のまとめ(1)ミニマリスト的生き方の参考に
座りっぱなしをテーマにしたトークはこれまでにもいくつか紹介しています。このトークは、気分や脳への影響を扱っているところが新鮮でした。
筋肉は、動かさないと血糖を吸わなくなる
今の大人は、座ったりじっとしたりしている時間を合わせると、1年で187日分。1年の半分以上になります。
座りっぱなしで暮らしていると、糖尿病、がん、認知症、心臓病にかかりやすくなります。
しかも、定期的に運動していても、このリスクは消えません。
キースは、その理由を筋肉とスポンジにたとえて説明しています。
Our muscles are like sponges for blood sugar.
(筋肉は、血糖を吸い取るスポンジのようなもの)
筋肉をよく動かしていると、湿ったスポンジのように、血液の中の糖を吸い取ります。
動かさないでいると、スポンジは乾いて縮み、ほとんど何も吸わなくなります。
運動をするとスポンジはまた湿りますが、そのあと動かずに過ごせば、やがて乾いてしまいます。
30分ごとに5分歩けば、食後の血糖値が上がりにくくなる
スポンジを湿らせておくために、キースがお手本にしたのは、意外にもたばこ業界です。
たばこ業界は、工場で働く人の短い休憩に合わせて、主力を葉巻から、数分で吸える紙巻きたばこに移しました。
「座ることは新しい喫煙」と言われるなら、同じやり方で対抗すればいい。
たばこ休憩の代わりに、1日に何度か立ち上がって、数分歩くのです。
キースの研究室では、30分ごとに5分ゆっくり歩くだけで、食後に血糖値が上がるのを約60%抑えられました。
血糖値を下げる薬を飲んだときと同じくらいの効果です。
ただ、キースは、そんなこと誰もやらないだろう、自分にもできそうにない、とがっかりしました。
それでも、2万人以上の人に、ふだんの暮らしの中で2週間試してもらうと、大半の人がこの休み方を気に入りました。
体より先に、気分が変わる
参加者が気に入ったのは、体の健康より、気分の変化でした。
元気が出た、頭にかかっていたもやが晴れた、仕事に集中できた、と言うのです。
キースにも覚えがありました。
子どもが小さかったころ、会社から帰って遊ぼうとせがまれても、疲れ切って相手ができませんでした。
研究室の実験でも、一日中動かずに座っていると、気分はどんどん落ち、疲れはたまる一方でした。
筋肉と脳は、いつもやりとりをしています。
筋肉を動かすのは、代謝のためだけでなく、心と脳を元気に保つためでもあるのです。
2万人が歩いたのは、平均で1日4~5回。30分ごとより、はるかに少ない回数でしたが、疲れは約25%軽くなりました。
研究室では、1時間に1分歩くだけでも、座りっぱなしで気分が落ちるのを、かなり防げました。
便利な暮らしで、歩くのが面倒になった
今の暮らしは、便利になりすぎて、あまり動く必要がありません。
食料品は配達してもらえるし、床はロボット掃除機がきれいにしてくれます。
その結果、私たちは動くのを面倒がって、なるべく避けるようになりました。
キースが娘さんを図書館に連れて行ったとき、駐車場が満車だったので、少し離れた通りに車を停めました。
すると娘さんは、遠すぎると文句を言いました。
増えたのは、せいぜい20秒歩く分です。
キースはお説教をしましたが、娘さんは呆れた顔をしただけでした。
ところが数日後、スタジアムからの帰りに、エスカレーターで下りるキースの横を、娘さんが笑いながら階段で下りていきました。
階段を使う、少し離れた場所まで歩く。
そんな小さな手間を面倒がらずに、体と脳をつなぎ直すつもりで動こう。こうキースは呼びかけます。
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毎日45分歩いていても、夜は座りっぱなし
毎日運動している人は、今日はもう歩いたから大丈夫、と安心しがちですよね?
私もそうでした。
日中は6時間前後、立って仕事をしています。
さらに毎日最低45分は、スロージョギングか散歩をしています。
ただ、よく考えると夕方から夜は座りっぱなしの生活でした。
寝室でiPadを使って語学アプリをしたり、Kindleで読書をしたり、塗り絵をしたり。日によって違いますが、どれも座ってやることばかりです。
実は、私は血糖値が高めです。
異常値というほどではありませんが、先日、娘がパソコンで私の健康記録を見て、指摘してくれました。
そのとき、「ママはもっと筋トレをすべき!」とも言われました。
だから、筋肉はスポンジだという話は、自分のことのように感じました。
筋肉を増やすのも大事でしょう。
ただ、せっかく歩いてスポンジを湿らせても、夜の数時間をほとんど動かずに過ごしたら、また乾いてしまいます。
その日歩いたかどうかとは別に、何時間続けて座っているかにも気を配ったほうがよさそうです。
運動する習慣がない人は、運動しなきゃと思うだけで気が重くなるかもしれません。
ウォーキングやジム通いを目指す前に、長く座っているときに、ときどき席を立つことからやってみてはどうでしょう。
立ち上がって数分歩くだけなら、着替えも靴もいらないので、気軽にできます。
電話は家の中を歩きながら話す、ドラマを1話見終わったら台所までお茶をいれに行く、こんなことでもいいです。
家事をラクにしたら、動かなくなった
便利な道具やサービスのおかげで動かなくなった、という話にも、思い当たることがあります。
私は家事が苦手です。
だから、できるだけ手間がかからないようにしています。
掃除は週1回、土曜日にまとめてやります。
床のモップがけも、トイレ磨きもその日です。
食器は軽くすすいで食洗機に入れておき、日曜の朝にまとめて回します。
家族と暮らしていたころは、流しを使ったらすぐに洗い、トイレも毎日こすっていました。
今思えば、あれも体を動かしている時間でした。
家事にかかる時間はぐっと減りましたが、そのぶん、あまり動き回っていません。
とはいえ、家事に手間を取られないぶん、仕事や趣味に時間を使えています。
家事はラクなまま、こまめに立ち上がる
家事を手早く済ませていても、体を動かすことはできます。
今は、夜も意識して動く機会を作っています。
30分ぐらい語学アプリをしたら、立ち上がってキッチンで片づけものをします。
Spotifyで好きな音楽を聴きながら、家の中を歩くこともよくします。
体がほぐれて、いい気分転換になります。
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毎日歩いていても、そのあと何時間も座っていれば、その効き目は夜までもちません。
運動を増やさなくても、座っている途中で何度か歩けば、体も気分も変わります。