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7月に、本の自炊好きさんのお便りを紹介しました。
小遣いは月1万円で、物価高もあってかなり厳しい。
でも、YouTubeや本で同じくらいの収入の人の家計簿を見ても小遣いはそのくらいなので、このままにするつもりだ、と書いてくださっていました。
他の家の家計簿を参考にするのは悪くありません。
でも、金額までそっくり真似すると、苦しくなることがあります。
人それぞれ住まいも暮らし方も違うからです。
よその家計簿からは考え方を借りて、金額は自分の暮らしに合わせて決めることをおすすめします。
同じ収入でも、同じ金額でやれるとはかぎらない
収入や家族の人数が同じでも、家賃やローン、小遣いでまかなうものが違えば、食費や小遣いに使える額は大きく変わります。
他の家の家計簿の金額をそのまま使えない理由は、主に次の3つです。
住まいにかかるお金
賃貸に住んでいるのか、ローンを返している持ち家なのか、ローンの終わった持ち家なのか、実家暮らしなのか。
住居費は、毎月出ていくお金の中でたいていいちばん大きいので、ここが違うと全体が変わります。
自分の家賃が動画の人より3万円安いなら、小遣いをその人と同じ1万円に抑えておく理由はありません。
小遣いや食費に入っているもの
ひと口に小遣いと言っても、中身は人によってばらばらです。
昼食代、化粧品、美容院、スマホ代。
これを小遣いから出す人もいれば、家計から出す人もいます。
食費も、外食やお酒、洗剤やティッシュといった日用品まで含めている家と、食材だけの家があります。
昼食代込みの1万円と、昼食代が別の1万円では、自由に使えるお金にずいぶん差がありますよね。
平日に毎日500円のお弁当を買えば、それだけで月に1万円ほどになりますから。
本の自炊好きさんの1万円に何が入っているのか、私にはわかりませんが、YouTubeや本で見た1万円と同じ中身だとはかぎりません。
動画や本では、小遣いに何を入れているか、そこまで細かく話していないこともあります。
私も家計簿の中身を記事にすることがありますが、わかりやすくするために、これは入れて、あれは入れない、と決めて書いています。
そもそも、家計の分け方が一般的な形に当てはまらない家もあります。
私は昔、婦人雑誌の付録の家計簿をつけてみようとしたことがあります。
付録の家計簿には、食費、住居費、教育費といった項目が最初から印刷されています。
ところが、当時のわが家は、主婦向けの家計簿が想定している家計とは少し違っていました。
食べものは夫が買ってくることが多く、家賃も夫が払う。
私は、娘にかかるお金を全部払う。
そんな役割分担だったので、自分が払ったお金をどこに書けばいいのかわからず、すぐに挫折しました。
今は、Excelで自分の家計に合わせた項目を作って、それで管理しています。
載っているのは、ある1ヶ月
メディアで紹介されるのは、たいていある1ヶ月分です。
保険料の年払い、お盆や年末の帰省、冷蔵庫や洗濯機の買い替えのように、年に1回、数年に1回しかない出費は、その月には入っていないこともあります。
その月だけを見て、毎月これでやれると考えると、大きな出費が来た月に足りなくなります。
よその家計簿から借りるのは、金額より考え方
他の人の家計簿でいちばん役に立つのは、お金の管理のしかたの背景にある考え方です。
その人がなぜそうしているのかがわかれば、自分の家に合う形に直して使えます。
たとえば、こんなところを見てください。
- 袋分けや口座分けのしくみ
- 固定費をどこから見直したか
- 買い物や献立の工夫
袋分けは、給料が入ったら、食費、日用品、小遣いと、封筒や口座に分けておくやり方です。
これは、残りのお金を目に見えるようにしておく、という考え方です。
残りがいくらあるかわかれば、月の後半にあわてずにすみます。
残りが見えるなら、使うのは封筒でも、銀行口座でも、家計簿アプリでもいいです。
小遣いが少なくて厳しいときは、小遣いの分だけ週ごとに分ける手もあります。
1万円なら、1週間に2500円ずつ。
月の初めに使いすぎて、残りの3週間をがまんで過ごす、ということが減ります。
固定費なら、通信費、保険、サブスクのうち、その人がどこから手をつけたのか、なぜそこからだったのかを見ます。
金額が大きいから先にやったのか、解約しやすいから手をつけたのか。
理由がわかれば、自分の家でいちばん大きいのはどれか、やめやすいのはどれか、と実際の固定費に当てはめて考えられます。
買い物や献立なら、週に何回買い物に行っているか、残った野菜をどう使い切っているか。こんなところを見ます。
買い物の回数を減らしている人が多いのは、店に行くたびに、予定になかったものをつい買ってしまうからです。
毎日のように店に寄っている人なら、週2回にするだけでも、ついで買いが減りますよ。
次に家計の動画を見るときは、金額は聞き流して、この人はなぜこうしているんだろう、と思ったところをメモしましょう。
気づいたことを試しながら、自分の暮らしに合う形に変えていってください。
⇒固定費の見直しは難しくない~書き出して、やめて、様子を見るだけ
予算は、生活費全体と、いちばん気になる出費の2つだけ決める
予算は、項目ごとに細かく割り振らなくていいです。
決めるのは、生活費全体の上限と、自分がいちばん気になる出費の上限の2つだけ。
気になる出費とは、つい使いすぎてしまうものか、反対に足りなくて苦しいものです。
食費がふくらみがちな人なら食費、小遣いが足りないなら小遣いです。
生活費の予算を決めておけば、ある月に日用品を買いすぎても、ほかで少し控えれば全体は守れます。
反対に、項目を10個に分けて全部に予算を作っていると、1つはみ出すたびに予算を守れなかったと感じてしまいます。
今月はもう日用品がオーバーしたから、どうでもいいや、という気分になって、ほかのお金まで使ってしまうこともあるでしょう。
私の場合、生活費全体は月3000カナダドル、そのうち食費は月400ドルくらいを上限にしています。
まず、自分の生活費がどのくらいかかっているか調べて、このくらいならやれる、という金額を決めました。
予算を決めたら、その額で1ヶ月暮らす自分を想像してみてください。
なんとかなりそう、と思えるなら、それでやってみましょう。
想像しただけで息苦しくなる額なら、少し上げてください。
全体の上限には、年に1回や数年に1回の出費も入れておきます。
保険料の年払いが6万円なら、12で割って月5000円。
このぶんを特別費として毎月別にしておけば、払う月だけ生活費が足りなくなることはありません。
⇒いつも予算をオーバーしてしまうなら、こんな方法を試してみては?(TED)
苦しい予算は、見直していい
決めた予算を守るのが毎月苦しいなら、金額のほうを今の暮らしに合わせましょう。
予算は、生活しながら調整するものです。
物価が上がったとき、仕事が変わったとき、子どもが進学したときなどが、見直す時期です。
とくにきっかけがなくても、年に1回、1月や誕生日の月など見直す月を決めておくと、合わない予算を何年も引きずってストレスをためずにすみます。
小遣いを増やすと、生活水準が上がって戻せなくなるのでは、と心配になる人もいると思います。
でも、生活費全体の予算の中でお金を動かすなら、生活水準を上げたことにはなりません。
小遣いを3000円増やすなら、ほかの出費を少しずつ削って3000円をつくればいいのです。
ほとんど見ていない動画のサブスクを1つやめる、週1回のコンビニのおやつを月2回にする、週2回買っていたペットボトルの飲みものを水筒にする。
サブスクが月1000円前後、おやつが1回300円、飲みものが1本150円なら、これで3000円近く浮きます。
本の自炊好きさんも、今の1万円が暮らしに合った額なのか、一度ご自分の家計の中身から考えてみてください。
⇒我慢だらけの節約は続かない。限界が近づいている5つのサイン
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予算は、お金の使い方が大きくずれないための目安です。
住まいも、小遣いでまかなうものも、家ごとに違います。
誰かの家計簿を見るときは、そうしたことも考え合わせてください。
金額は、実際の暮らしを見て、自分がやれる額で決めましょう。
そうして決めた予算なら、無理なく続けられます。