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ミニマルな日常

「廃棄はなし、すべて保管」と言われた職場の本棚を1年で片づけた話

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40数年分の本が詰め込まれた職場の本棚を、ひとりで片づけた読者、笛吹きお遍路さんからお便りをいただきました。

他人のものを整理する役目がまわってきて困っている人の参考になるので、紹介しますね。

とても長いお便りだったので、抜粋してお伝えします。

前後2列、本の上に本、まさにカオス

件名:7/19職場の片づけを読んで

今朝の職場の片づけの話を読んで、「私も私も!」と思ったので書こうとしているのですが、もしかすると一度お話したことかもしれません。

もし2回目でしたらどうぞスルーなさってください。

他人のものを片づける職場、ものだらけの広い家~読者のお便り紹介

この3月末まで派遣で勤めていた会社は新聞社で、40数年前の社屋移転の際にごく大雑把に本棚に詰め込んだ書籍がそのままになっていました。

前後2列、本の上に本、年鑑が届くたびに「空いているところ」に押し込まれ、まさにカオス。

ここを整理しろ、廃棄はなし、すべて保管と言われたときは言葉を失いましたが、もともと私は司書です。

本の整理は天職ではあるまいかと思うほど好きな作業です…が、さすがにこの量は…

結局、本棚のあちこちに散らばっていた帝国データバンクの出している年鑑の会社総覧といったたぐいのものだけで5段5列(さすがにこれの移動と並べ替えは男性社員にお願いしました)。

約1年かけて、全部で可動式書架12列24面をほぼひとりで片づけました。

笛吹きお遍路さん、こんにちは。お便りありがとうございます。7月にいただいたのに、紹介が遅くなってしまってすみません。

本の整理、本当にお疲れさまでした。

捨てると決める人がいない場所では、ものは際限なくたまります。

誰も捨てていいと言わないので、とりあえず置いておこう、と先延ばしになるからです。

ひとりで大量の本を片づけるのは、時間も気力もいります。途中で止まらなかったのはすごいと思います。

いらない物だらけだった夫の事務所を、1日30分使って1年間ひとりで片付けた話。

ダブり本の山が、通行の邪魔になるまで育った

このとき驚いたというより呆れたのが、同じ本が3冊4冊と湧いて出ることでした。

そりゃ2列おきにもなるし本の上に本にもなろうと妙に納得しましたが、どう考えてもこれをすべて収納するのは不可能です。

そこでダブり本の山、をこしらえていったら、それがみるみるうちに育っていって、通行の邪魔になるほどに。

ついに「廃棄なし」は撤回されました。

家でも同じことが起きます。

似たような黒いカーディガンが2枚、買ったのを忘れて注文した本が2冊。

どこに何があるかわからないと、いつのまにか2つ3つになっています。

ついで買いが多すぎる:同じもの、似たようなものがどんどん増える理由(その3)

捨てるのにお金がかかると思っていたら、1万数千円のプラスになった

上司が「廃棄なし」を主張したのは、何でも10年ほど前に一度別件で「処分」を頼んだときに10数万円かかったからだそうです。

しかし資源ごみ回収の日に、早朝軽トラで来て段ボールや新聞紙だけ持って行く人がいるのです。

町内会や子供会でも集めています。

「捨てる」なら処分費がかかるが「資源」として売れるものなのではないか、と提案しました。

また、送料こちら持ちで差し上げます、と本のリストを作り(新聞社で発行している新品の本が山のように廃棄対象でした)、

教育委員会を通じて中高図書館に問い合わせましたところ、約500冊を救うことができましたが、結果的に4トントラック2台と2トントラック1台分がリサイクル業者に引き渡されました。

トラック代と人件費で足が出なければいいというところ、1万数千円のプラスになってめでたかったですが、本当に胸の痛む、もったいない話でした。

リストを作って、送料をこちら持ちで学校の図書館にゆずったのですね。

500冊引き取ってもらえて、少しは再活用できてよかったです。

昔の一度きりの経験が、そのあとの判断をずっと止めてしまうことがあります。

あのときは高くついた、という記憶が残っている場合です。

今はいくらかかるのか、どこへ持っていけばいいのか。調べ直さないまま何年も過ぎてしまいます。

捨てるのではなく資源として売れるのでは、と提案されたところがいいですね。

専門性を発揮しても、時給は1円も上がらない

その後、残った本のリスト化をしろ、ということで、これこそ私の司書としての専門技能の発揮どころです。

すべての書籍に分類番号を書いたシールを貼り、抜いた本が適当に突っ込まれていても元に戻せるようにしました。

過去40数年「その関係の本ならあの辺にある」と使う人だけが記憶を頼りに本を探していたくらいですから、向こう50年は困らないよう整理したつもりです。

本の整理がすんだら今度は明治時代からの新聞のリスト化を言われました。

これもどうにかこうにかやり遂げました…もう面白くて、つい手が止まりそうになるので困りましたが。

さて冒頭に書きましたように私は派遣社員で、給与は時給です。

これら司書としての専門性を存分に発揮しても1円も給料は変わりません。

専門スキルを発揮して整理できてよかったです。時給は変わらないので、専門性の分はタダで提供したようなものですが。

明治時代の新聞がずっと残っているなんて驚きです。

「別に急がないし」で、仕事そのものが消えた

書籍、新聞、と整理が終わったところで今度は数十年前の生写真の整理というのが「これもやって」と来ました。

写真をスキャンして、書誌データを作るというものなのですが、ここまでくるともう「定額働かせ放題」です。

というのも、「今の」新聞の写真の書誌データを作るために、専任の社員が朝から晩まで作業しているのです。

そもそも専任の社員がやる作業を「これもやっといて」でやらせるものではありません。

ですので、やるならやるできちんと研修してほしいし、明らかに新しい業務なので給与を増額してほしいと要求したら「別に急がないし」ということで仕事そのものが消えました。

40年50年放置していて誰も困らなかったんだから、追加のお金を払ってまでやってもらわなくても、という判断でした。

この3月末でそこの派遣契約は切れまして、今は全く別の職場で働いています。

すべての書類が全員共有しているルールに則って整理され、あるべき場所にあり、定期的に廃棄される、実に「まともな」職場です。

産休要員ですのでどんなに長くても来年3月までなのが残念なくらいです。

お金を出してまでやることではない、と言われたとたんに消えた仕事。

今はまだいい、ということなんでしょうね。

資料として残しているなら、片づけておいたほうが活用しやすいと思いますが。

新しい職場は、書類のルールが全員で共有されているのですね。

他人のものを片づける話のほうが面白い

「他人のものを片づける羽目に陥った」というお話は「自分が片づけられなくて困っている」人へのアドバイス、より私には面白く感じられ、つい長々と書いてしまいました。

他人の私物、まであったのですからさぞ大変だったろうと拝察いたしました。

こういう方のお話がたくさんあるととても嬉しいです。

これからも楽しみにしています。

笛吹きお遍路さん、貴重な体験談、ありがとうございました。

他人のものを片づけた、というお便りは、来ないわけではありません。

ただ、自分のものを減らした話にくらべると、圧倒的に少ないのです。

また届いたら紹介しますね。

それでは、笛吹きお遍路さん、新しい職場でも楽しく過ごせますように。またお便りお待ちしています。

***

捨てるな、と言われた場所でも、ものを減らす方法はあります。

たしかに、捨ててしまうのが一番速いです。

ですが、売る、譲る、とりあえず外に出して存在をアピールする、という方法もあります。

それでは、あなたも感想や近況などありましたら、お気軽にメールください。

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