中華鍋は手放し、スツールは買った。60代の片づけの基準

ミニマルな日常

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40代のころ、私は家をすっきりさせたくて片づけていました。

ものが少ない部屋にあこがれて、家中の引き出しを開けては、いらないものを探していたのです。

今は、そういう気持ちで片づけてはいません。

いつのまにか、片づける理由は変わっていました。

たくさん捨てたあとの今、何を基準にものを見直しているのか紹介しますね。

本や文房具が好きだった私が、いらないものは全部捨てると決めた

若いころの私は、細々とした雑貨をたくさん持っていました。

とくに多かったのが文房具です。

ノート、便箋、シール、ペン。文房具屋に入ると、手ぶらで出てくることができませんでした。

書き終わっていないノートや使っていないペンが家にたくさんあるのに、また買っていたのです。

本も同じです。

読みたいから買うというよりも、これを読む自分になりたいから買っていたところがありました。

そういう本は、ほとんど読まないまま積んでありました。

カナダに来るとき、そんな生活を卒業したはずだったのに、まだまだものがありました。

シンプルに暮らしたいという気持ちはずっとあったのに、なかなか片づきません。

少し整理しても、また新しいものを買うので、家の中は散らかったままでした。

2009年のお正月、私は今度こそ、いらないものを全部捨てると決めました。

50歳になる年でした。

50代を、ものに埋もれたまま始めたくなかったのです。

⇒人生後半の断捨離を成功させるコツ(前編)。ポイントはゴールをイメージすること

決めたとおりに捨てきって、今も減らしたいのは本と書類くらい

そのあとは、捨て活が加速しました。

押し入れの奥にあった、使うあてのない雑貨を全部捨てました。

文房具は使う分だけ残して、あとは手放しました。

本もどんどん減らしました。

まだ使えるものは、寄付センターに持っていきました。

ゴミ袋に入れて出したものより、そちらのほうが多かったと思います。

今、家に残っていて気になっているのは、本と書類です。

書類は、ペーパーレスにしようと思ってまとめて置いてあるもので、そのうちなくなります。

手放すかどうか迷ったものも、もちろんありました。

あとから振り返ると、ためらったのはいつも同じ理由です。

この先使うかもしれない、と後ろ髪をひかれていたのです。

でも、そうやって残しておいたものを、あとになって使ったことはありません。

捨てて後悔したものも、とくにありません。

どれで悩んだのかさえ、今はもう思い出せません。

こうして、いらないものを減らすという最初の目的は、一応達成しました。

その後もときどき片づけていますが、捨てる理由は前と少し違います。

⇒どこまで捨てれば気が済むの? 片づける目的を思い出す方法

大皿もケーキスタンドも。重いものは家を出ていった

ここ数年、扱いにくいものやかさばるものを処分しています。

昔のように、引き出しを開けて、捨てるものを探すことはしません。

使おうとして手が止まったり、しまうときにずしりときたりすると、これはもういいな、と気づきます。

たとえば、中華鍋。

大きいので場所を取るし、洗うのもしまうのもおっくうでした。

オーブンつきコンロの一番下、引き出しの奥で眠っていました。

これはもう一生使わないなと思って、引っ越し前に手放しました。

大きなお皿も寄付しました。

揚げた天ぷらを置けるよう、ステンレスの網がついたもので、昔はとても気に入っていました。

ただ、私は天ぷらを揚げません。

人を呼んで大皿に料理を並べることもないし、ずっしり重い。

重いコートも同じ理由で家を出ていきました。

着ると肩が凝るのがわかっているので、寒い日でも手が伸びなかったのです。

ガラスのケーキスタンドもありました。

逆さにするとフルーツポンチの器になるもので、気に入って買ったのに、重くて洗うのが面倒でした。

そのうちケーキを作らなくなったので、なおさら出番がなくなりました。

こうしたものを手放したら、キッチンのキャビネットの中に余裕ができました。

何がどこにあるか見やすくなり、そのぶん取り出すのもラクになりました。

奥のものを引っぱり出すために、手前のものをいったん出す、ということがなくなったのです。

今、私が使っているお皿は、麦わらを配合したものです。

軽くて、手入れも簡単で、落としても割れません。

服も、着ていて疲れない軽いものを選ぶようになりました。

持ち上げるのに気合いがいるものは、だんだん家から消えていきました。

⇒60歳を過ぎて服が似合わなくなったと感じたら

⇒ものの適正量を知るにはどうすべきか?~自分らしい暮らしの見つけ方

スツールを1つ、買い足した

以前と比べるとものの数は減りましたが、新たに買ったものもあります。

座ってばかりいるのは体によくないので、スタンディングデスクにしました。

今の家に引っ越したとき、スツールを1つ買いました。

昔は立ちっぱなしでも平気でしたが、この年になると途中で疲れます。

スタンディングデスクで仕事をしていても、ちょっと腰かけられるものがあったほうがいいと思ったのです。

背もたれのない、小さな丸椅子です。

ぐらつかないものがよかったので、かなり重いものを選びました。

重いものを手放してきた私が重い椅子を買うのは、一見矛盾しています。

でも、私が嫌だったのは、重さそのものではありませんでした。

手放した中華鍋も大皿もケーキスタンドも、使うたびに出して、洗って、しまうものです。

重いと、その出し入れが毎回おっくうになります。

スツールを動かすのは、掃除のときくらいです。

重くても、そんなに負担になりません。

座るのはたまにですが、いつでも腰を下ろせると思うと、かえって立って仕事をする時間が長くなりました。

減らすことがゴールだったころの私なら、この椅子は買わなかったと思います。

ものが増えるのは嫌だし、重い家具も苦手。疲れたら床に座ればいい、くらいに考えていたはずです。

もちろん、ものが1つ増えれば、掃除のときに動かす手間も増えます。

それでも、暮らしを助けてくれるもので、そこまで管理が大変でないなら買います。

買う前にじっくり検討することは、変わりません。

⇒自分で管理できる量まで、物を減らす近道とは?

私が死んだら、色鉛筆は寄付してほしい

自分がラクかどうかでものを選んでいるうちに、自分がいなくなったあとのことも考えるようになりました。

私が死んだあと、持ち物の処分で娘に負担をかけたくありません。

家具はいくつかありますが、そんなに手のかかるものではないでしょう。

娘の手間になりそうだと思うのは色鉛筆です。

塗り絵が趣味なので、たくさんあります。

娘には、色鉛筆は寄付して、と伝えてあります。

寄付センターに持っていけば、使ってくれる人がいるでしょう。

本も同じようにしてもらって、引き取り手がなければ処分してかまわないと言ってあります。

日本語のものが多いので、娘が持っていても役立ちません。

こういうことは、口に出して伝えておけば、娘があとで迷いません。

自分の持ち物のうち、いちばん量が多いものは何か。それだけでも行き先を決めて、家族に言っておくといいです。

⇒生前整理のススメ~すべてを遺品整理に回すより、少しでも生前整理をしておくべき理由とは?

****

片づける理由は、時間とともに変わってきました。

変わらないのは、安心して快適に暮らしたいという思いです。

すっきりした部屋にしたくてものを捨てていたのも、扱いやすいものだけ残しているのも、色鉛筆の行き先を娘に伝えているのも、根っこは同じです。

さらに年を取れば、ものとの付き合い方はまた変わるでしょう。

そのときも、残りの時間をできるだけ楽しく過ごせるほうを選ぶと思います。

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カナダ在住の60代。ミニマリストです。

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