ミニマリズムは競争じゃない~他人と比べない生き方

ミニマルな日常

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人と自分を比べるのは無意味だ、比較は百害あって一理なし。

こんな記事を過去に何本か書いていますが、相変わらず、比較して落ち込む人が多いと感じます。

断捨離やシンプルライフを実践する際、「あの人の部屋には何もない」「この人の食費は月2万円」。こんなふうに他人の生活と自分の場合を比べることがありませんか?

しかも、比べる相手は一人ではありません。

衣料品の数、家計、部屋の様子それぞれについて、ネットやSNSで見つけた、一番極端な例と比べます。

実は、こうやって他の人と自分を比べることは、ミニマルライフから一番遠い生き方です。

ミニマルライフは自分軸を持つことが大事ですから。

比較を続けていると、シンプルライフは実現できません。

きょうは改めて、比較する問題について考えます。

なにかにつけて比較するのは思考の癖なので、ぜひ見直してください。

まず比較する理由から見ていきましょう。

生存戦略としての比較

人は必要があって比較をします。

人間は社会的動物なので、集団の中で生き残るために、他者と自分を比較しながら進化してきました。

どの立場にいれば安全か、どこに属すれば利益を得られるか。こんなことを知るために、他人との違いを意識する必要があったのです。

より多くの資源(食料、配偶者、仲間など)を得るために、優位に立つ必要もありました。

しかも、食料は常に足りない状態でした。

他人を観察して学びながら、自分の行動を修正することが、生存する確率を高めるという面もありました。

現在でも脳は無意識に比較をしてしまいます。

比較して、「私のほうが上だ」と感じると脳内でドーパミンが分泌されます。

その結果、他人と自分を比べて安心感を得るくせが強化されます。

比較は無駄なストレスを生む

比較する問題点はいろいろありますが、まず余計なストレスを生みます。

「あのミニマリストは服を20着しか持っていないのに、私はまだ50着もある…」

「月2万円で食費をやりくりしている人がいるのに、私には無理…」

「友人は収納スペースがガラガラなのに、うちはまだ物が多い…」

こうした比較は、人を落ち込ませるだけです。

もちろん、自分が相手より上なら、「私のほうが節約できてるわ」と、一時的に気分がよくなるでしょう。

ですが、比較する相手は次から次へと出てくるので、比較をベースに生きている限り、自分より上の人は常にいます。

今はSNSがあり、その気になれば世界中のあらゆる年代の人と競争できるので、比較して自分を落ち込ませる相手には事欠きません。

意味のない比較にとどまる

ネット上で見かける極端なミニマリストや節約家の暮らしのすべてが嘘だとは言いませんが、かなり演出が入っているのではないでしょうか?

自分自身も、インスタグラムに載せる写真はリタッチしたり厳選したりしますよね?

特にフォロワーが多い人は、フォロワーが見たがっているものや期待しているものを載せようとするはずです。

フォロワーが見たいのは、「わかりやすい極端な例」ですから、そういう例と自分の暮らしを比較しても、勝てるわけがありませんし、勝つことに意味もありません。

厳密に考えれば、私たちは他人と自分の生活を比較することはできません。

生活にはいろいろな要素があるので、たとえば、服の数を比べたいなら、ほかの要素は全く同じにしなければ比較したとは言えません。

ネットで見る写真はその人の暮らしの一部を切り取ったものに過ぎません。

その裏には、その人独自のライフスタイル、仕事、趣味、仕事環境などがあるので、もし比較したいなら、すべてをひっくるめて比較するべきです。

実際は、自分と同じ価値観を持ち、同じように暮らしている人はいないので、すべての比較が無意味です。

比較は他人軸を強化する

比較は他人軸を強化します。

ミニマルライフやシンプルライフの本質は、「自分にとって心地よい暮らし」を見つけることです。

しかし、他人と比べることに意識が向くと、自分が本当に大切にしたいものではなく、「他の人がやっていること」を基準にしてしまいます。

他人軸で生きると以下の問題が起きます。

・他人の正解に合わせる

「ミニマリストなら〇〇すべき」といった他人の価値観に引っ張られ、自分に合わない方法を無理に取り入れます。

「20着で暮らすミニマリストを見て、自分もそうしなければ」と思いますが、実際は、自分がそうしなければならない根拠など何もありません。

人によってライフスタイルが違い、必要な服の数も異なるからです。

根拠がないのに比較してしまうのは、他人のやっていることが正解だと思っているからです。

・自分の望みがわからなくなる

他人のやり方を基準にしていると、「自分にとってちょうどいい量はどれくらいか?」という判断ができなくなります。

「このへんでちょうどいいな」と思っていたのに、SNSで自分より少ないもので暮らす人を見つけた途端、「もっと減らさなければいけないのかも」と不安になるでしょう。

・足りないマインドに陥る

他人軸を大事にすると、足りないマインドが強化されます。

ネットには、常に自分より上の人がいるので、自分の足りない部分ばかりに目がいき、「まだだめだ」「もっと減らさなきゃ」と思うばかりで、満足感を得られません。

足りないマインドとは?⇒自分軸で生きる方法(前編)~足りないマインドになりがちなあなたへ。

なぜ比較をやめられないのか?

自分のためにならない比較をやめるために、なぜ自分が比較するのか、考えてみてください。

比較してもいいことがないと頭で知っている人は多いと思います。

こんな記事も書いていますから。

オレンジ対バナナ:人と比べることで生じるダメージとその修復(TED)

それでも、比較するのはなぜでしょうか?

3つ理由をあげます。

・ネガティビティバイアス

人は、ポジティブな情報よりもネガティブな情報に対してより意識を向け、敏感に反応します。

そのため、「自分が劣っている」と感じる情報を重要視します。

だから、ものを減らしたいと思っているとき、「自分より少ない持ち物で生活する人」を見つけると、そちらに意識がいきます。

・自分で考えるのが面倒

比較して生きることや他人軸で生きることはある意味ラクな生き方です。

他人の基準を参考にしている限り、自分の基準や方針を考えなくてすむからです。

比較をやめると、「じゃあ、自分はどうすべきなのか?」と考えなければなりません。

・承認欲求

比較をすれば、「他人よりもうまくやっている」と感じられ、自分の価値を確認できます。

強すぎる承認欲求(人にほめられたい気持ち)を手放す方法。

比較しないすすめ

本当にシンプルに暮らしたいなら比較するのをやめましょう。

断捨離やミニマリズムの本質は「自分にとって快適かどうか」です。

「ミニマリスト=持ち物を極限まで減らす人」というイメージがありますが、ものが少なければいいわけではありません。

このようなライフスタイルをする本来の目的は、自分にとって最適な暮らしをすることです。

私は以下のように考えています。

・服が好きなら、20着でなくてもいい。100着でも、お気に入りでよく着ているなら十分ミニマル。

・趣味があるなら、道具を持っていてもいい。ただ、使っていないものがあれば見直してもいいかもしれない。

・家計管理は、自分のライフスタイルや価値観に合った範囲で節約すればよい。極端な節約生活が必要なわけではない。

「〇〇さんと同じようにしなきゃ」と考える必要はなく、自分にとって快適で、無理のない範囲でシンプルに暮らせれば、それで十分ではないでしょうか?

比べるのではなく参考にしよう

他の人の暮らしを見て刺激を受けたり、モチベーションを上げたりするのは悪いことではありません。

そのとき、「比較」ではなく「参考」にすることをおすすめします。

・比較:「私は〇〇さんみたいにできない…」と落ち込む

・参考:「〇〇さんのやり方、いいな。取り入れられる部分はあるかな?」と前向きになれる

たとえば、誰かが「服は20着だけ」と言っていたら、「自分も20着にしなければ!」と思うのではなく、「自分にとって必要な枚数はどれくらいだろう?」と考えてみるのです。

このように意識を変えるだけで、シンプルライフはもっと楽しく、自分らしいものになります。

比較関連記事もどうぞ

他人と比較する文化を超越して生きろ(TED)

人と自分を比べるのをやめる方法。比較をやめれば物を減らせる。

平凡であることを受け入れる生き方(TED)

あなたは十分ではないと言うこの世界で、いかに自分を愛するか(TED)

****

今回は比較に関して考察しました。

私はワードローブは公開していますが、キッチンの引き出しや食器棚の中、クローゼットの様子などはあまり記事にのせません。

写真を撮るのが面倒という理由もありますが、それを見た誰かが、自分の部屋と比べてほしくないからです。

自分がよく比較するかどうかは、ふだん口にしている言葉や書いていることを注意深く調べるとわかります。

ストレスを増やす比較をしないよう心がけてください。

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カナダ在住の60代。ミニマリストです。

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