やりたいことは見えるところに、やめたいことは見えないところに

ミニマルな日常

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今日こそやろうと思っていたことに、手をつけないまま一日が終わる。

そういう日はたいてい、そのために必要な道具や資料が、どこかにしまいっぱなしです。

見えないものは、思い出しません。

今日やると決めたことは、その道具を1つだけ外に出してください。

やめたいことは、道具ごと戸棚の奥に入れます。

これだけで、1日が変わります。

次の行動を決めているのは、直前に目に入ったもの

私たちは、次に何をするか、毎回ゼロから考えているわけではありません。

玄関に置いてある郵便物が目に入ったから、封を開ける。

テーブルの上のみかんが見えたから、手にとって食べる。

洗面所に行ったついでに、鏡が汚れているのに気づいて、拭く。

どれも、やろうと決めてから動いたのではなく、見えたから動いています。

先に受けた刺激が、あとの行動や判断に影響することを、心理学ではプライミングと呼びます。

ただし、見れば必ずそうする、というわけではありません。

みかんを見ても食べない日はあるし、汚れた鏡を見なかったことにする日もあります。

背中を少し押される程度のもの、と考えてください。

それでも、朝から晩まで何十回と押されるので、積み重なると無視できません。

そこで、目に入る場所に何を置くか、自分で選びましょう。

ただし、出しておくのは、思い出す必要があるものだけ。

毎日やることが習慣になっているなら、思い出させなくてもやるので、出さなくてOKです。

忘れそうなことは、使うものを1つだけ出しておく

ものをしまい込むと、そのうち存在を忘れます。

私は、ネットから印刷したレシピや、雑誌から引きちぎったページを、山ほど持っていた時期があります。

作ってみたいと思ったから取っておいたのに、袋に入れたままで、ほとんど作りませんでした。

いつか時間ができたら作ろう、と思っているうちは、そのいつかは来ません。

そこで、今週はこれを作る、と1つ決めて、その紙を、キッチンの毎日開ける棚の扉の裏に貼っておくようにしました。

扉を開けるたびに目に入るので、だんだんうっとうしくなってきます。

早くはがしたくて、その週のうちに作りました。

ここで気をつけたいのは、束のまま出さないことです。

山を出しても、どれにしようかと選ぶことになるので、結局その日も作りません。

出すのは、作りたい1枚だけです。

これはレシピや料理に限りません。

出そうと思っている手紙の便箋、返すつもりの本、つけようと思っている家計簿。

やると決めたその日に、1つだけ目立つところに出してください。

⇒どんどんたまるレシピや雑誌の切り抜きの断捨離と整理の方法はこれで決まり

いつもやっているなら、手が届く場所にしまう

一方、毎日自然にやっていることは、出しておく意味が変わります。

朝の勉強が習慣になっているなら、テキストを見て、そういえば勉強するんだった、と思い出すことはないでしょう。

この場合、必要なのは、始めるまでの手間を少なくすることです。

私は語学のテキストを、デスクの上に出していません。

デスクは何も置いていない状態が好きなので、出しっぱなしにすると、かえって気が散るからです。

かわりに、取り出しやすい右側の引き出しの、いちばん上に入れています。

椅子に座って、引き出しを開けて、取り出す。

これだけで始められるので、出しておかなくても困りません。

前の項目と逆のことを言っているようですが、分けている基準は、忘れるかどうかです。

忘れそうなことは、視界に出す。

忘れないことは、手が届きやすいところにしまう。

机の上や台所のカウンターをすっきりさせておきたいなら、手近にしまうほうを増やしていくといいですよ。

たとえば、毎日飲んでいるサプリメントを、戸棚の奥から手前の1列目に移す。

奥のものをどけなくてすむので、扉を開けたらすぐ飲めます。

やめたいことは、目に入らないところに移す

やめたいことは、意識してがまんするより、目に入らなくするほうが早いです。

がまんは、そのつど気力を使います。

見えなければ、がまんする場面が来ません。

私は、おやつが目につくところにあると食べてしまう人です。

袋のままカウンターに置いておくと、目にするたびに食べがち。

そこで、ふたつきの缶をいくつか用意して、1回分ずつ量って小分けにすることにしました。

袋に手を突っ込んでどんどん食べることがなくなったので、食べる量が減りました。

中が見えないので、並んでいるのを目にしても、中身のおやつが思い浮かびません。

食べようと思う回数も減りました。

パソコンの画面でも似た経験があります。

以前は、ブラウザのタブに、Gmailの新着を知らせる赤い丸が出るように設定していました。

赤い丸が見えるたびにメールを開いてしまい、仕事がちっとも進みませんでした。

今は、その表示を外しています。

メールは自分が読むと決めた時間に開けばよく、届いたことをそのつど知らせてもらう必要はなかったのです。

やめたいのにやめられないことがあるなら、そのきっかけが今どこにあるか見てください。

意外といちばん目につく場所にあります。

⇒不要な通知やメルマガを元から断つ。使っていない会員登録を手放すコツ

貼り出す付箋は、増えるほど効かなくなる

思い出すために置いたものが、集中を削ることがあります。

一時期、仕事用のデスクに、付箋をペタペタ貼っていました。

やるべきことを忘れないためです。

ところが、書いてある内容より先に、色のついた紙が視界のはしでちらちらしました。

今書いている記事と関係のない用事が、ずっと机の上に居座っている状態です。

落ち着かないので、全部はがしました。

貼り出すこと自体は悪くないです。

1枚なら、効果的です。

ただ、数が増えると、1枚あたりの効き目が薄れます。

しかも、目ざわりです。

今は、やることをノートに書いて、閉じた状態で机の横に置いています。

開けば見られますが、開かないかぎり視界には入りません。

⇒仕事がはかどるデスク環境に~不要なものを減らして集中力アップ

⇒片付けに集中できる環境を作るために、作業を邪魔するものを取り除く

気分が悪くなる場所には、最初から近づかない

刺激を出しているのは、ものだけではありません。

読むもの、見るものも刺激で、そのあと自分が考えることを左右します。

開く前に、読んだあと自分がどんな気分になるか、一度考えてください。

以前、ドラマや映画の掲示板をのぞくことがありました。

ほかの人の感想を読むのが楽しかったからです。

ところがあるとき、自分のブログの悪口が書かれているのを見つけてしまいました。

かなり嫌な気分になりました。

書いた人(匿名)がどうこうというより、それを読んでしまった自分の行動を呪いました。

そこでこうした掲示板を見るのは完全に封印しました。

当時は見るのが習慣になっていたので、そのサイトを開けないようにする拡張機能を入れました。

そのうち、見ないことが当たり前になりました。

今は拡張機能を外していますが、見にいきません。

悪口も読んでおいたほうが改善に役立つ、と思うかもしれません。

でも、気分が悪くなってしまうほうが問題です。

⇒情報の断捨離のススメ。頭の中も片付けないと、何もできないまま人生が終わる

自分にかける言葉も、動き出すきっかけになる

きっかけを作っているのは、外にあるものだけではありません。

自分が自分に話しかける声は、一日中聞こえています。

しかも、これをしまう引き出しも、ふたのできる缶もありません。

そこで、自分のためになる言葉をかけるようにしています。

たとえば、やることが山積みで、もう間に合わないかもしれない、と思うとき。

こう声をかけます。

「これまでだって全部できたじゃない。大丈夫だったじゃない。だから、今回も大丈夫」

すると気持ちを立て直すことができます。

これは、根拠のないポジティブ思考ではありません。

過去にできたことを思い出しているだけです。

実際に、これまで締め切りに間に合わなかったことも、家のことが回らなくなったこともありません。

できるかどうかわからない、と思いながら机に向かうのと、これまでできたんだから、と思いながら向かうのとでは、作業している気分がずいぶん違います。

自分にかける言葉は、選んでください。

うまくいかなかった日でも、今日は何もできなかった、で終わらせず、これができた、と1つ挙げてから寝るといいですよ。

よく眠れるし、翌朝明るい気分で目覚めることができます。

****

すっきりした部屋は、何もない部屋のことではないです。

自分が次にやることを助けてくれるものだけが残っている部屋です。

プライミングは、意識して止められるものではありません。

でも、背中を押すものは、自分で選べます。

今日は、机やカウンターの上を見てください。

そこにあるものが、自分のやりたいことと結びついていなければ、どけましょう。

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カナダ在住の60代。ミニマリストです。

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