物が多い部屋

ミニマルな日常

部屋にいらない物がいっぱいある理由、考えたことありますか?(その1)

なぜ、私の部屋には、こんなに物が多いのか、その理由を考えて、1つひとつ対策すれば、だんだんきれいな部屋になっていきます。

不用品が増えてしまう理由は、人それぞれですが、代表的なものを7つほど紹介しますね。

その1で扱う理由は2つです。

1.たくさんあったほうがいいと思っている

2.買い方に問題がある



1.たくさんあったほうがいいと思っている

「使おうが使わまいが、物はたくさんあったほうがいい」と無意識に信じていると、所持品が増えます。

資本主義の社会では、モア・イズ・ベター(あればあるほどよい)という考え方が、暗黙の了解事項になっているので、何も考えていないと、部屋の中に物がたまっていきます。

あなたは、モア・イズ・ベターという考え方に染まりすぎていないでしょうか?

レス・イズ・ベター(少ないほうがいい)という考え方では、何か、まずいことがありますか?

レス・イズ・ベターとは? ⇒ レス・イズ・モア(Less is more)の真の意味とは?何もない部屋に住むことがミニマリストの目的ではない

個人的には、レス・イズ・ベターという価値観を採用したほうが、いろいろと都合がいいと思います。





モア・イズ・ベターの問題点

モア・イズ・ベターを突き詰めると、幸せから遠のきます。

私、たまに、ヤフー・ジャパンで、日本のニュースを見ています。

パソコンで見るので、右側に、アクセスランキングが出ます。ここで、いろいろなニュースの出だしだけ、ちらちら見ていると、その多くが、モア・イズ・ベターと思いすぎているがゆえの犯罪です。

最近、もっとフォロワーや広告収入(お金)が欲しくて、わけのわからないことをするユー・チューバーが増えています。目立ちたいというのもあるでしょう。もっと人の承認がほしいわけです。

3歳の子供を何日間か家に放置して、自分は、好きな人に会いに行き、帰ってきたら子供が息をしていなかった、という悲しい事件もありました。

この人は、「もっと愛されたい、もっとかまってほしい、もっと楽しいことしたい、おいしいもの食べたい、もっと刺激がほしい、それが何かはわからないけど、欠落しているものを埋めてちょうだい!」という気持ちが強かったのでしょう。

「もっとほしい、与えてくれ」と、人からお金、時間、関心、エネルギーを奪おうとしすぎると、悲劇が生まれます。

モア・イズ・ベターと思いすぎて、犯罪をおかす人は少ないですが、ふつうの人でも、「もっと、もっと」と思っていると汚部屋になります。

レス・イズ・モアという考え方に変えるのはわりと簡単です。「私はもうたっぷりある」という「あるあるマインド」にシフトするだけです。

根拠は必要なく、いきなり、「私は大丈夫、たっぷりある」と思えばいいのです。

足りないマインドとあるあるマインドについて⇒貧乏人の「足りないマインド」から金持ちの「たっぷりあるマインド」へ変換する方法。

人から奪うのではなく、自分が与える、と「あるあるマインド」の持ち主になります。

子供を死なせてしまったお母さんも、人の関心を追い求めるのではなく、自分が子供に愛情を注ごうとすればよかったのです。

あなたは与える人、それとも奪う人?:アダム・グラント(TED)

2.買い方に問題がある

買い方に問題があると、いらない物が増えます。

汚部屋の人は、物持ちです。

使っている物、使っていない物、ゴミ、ありとあらゆる物が部屋にあります。

1つひとつはきれいかもしれませんが、たくさんありすぎて、すべてが渾然一体となっていると、全体的に、「汚い部屋」になります。

どうしてこうなるのか?

供給が需要を上回っているからです。

必要なのは50着なのに、500着も買ってしまうと、450着は、「着ない服」「不要な服」になります。

現在、「部屋が片付かない」、とストレスを感じているとしたら、その裏に、「物を買いすぎている」という行動がある、と私は思います。

とりあえず、目につくものをどんどん捨てれば、スッキリしますが、供給過多を止めないと、そのうちまた汚部屋になります。

捨てる話は目新しいものではない

シンプルライフや、不用品を捨てるという考え方が、世に出てからもうずいぶんたちます。

私が、シンプルライフらしい考え方にふれたのは、『チープ・シック』という本を読んだときです。

この本、1970年代の後半に出ましたが、日本語版の初版を買って、よくながめていました(写真が多い)。

もともとはアメリカの本ですが、片岡義男さんが訳しています。

直接、シンプルライフや断捨離をすすめる本ではありません。

「メーカーのお仕着せじゃなくて、自分がいいと思ったものを着ればよい、古着などを利用すれば、お金もかからない、それでもシックだ」という内容です。

こちらの記事にも書きましたが⇒30年かけてミニマリストになった私の断捨離のやり方を詳しく公開します

ローレン・ハットンが、いつもTシャツとジーンズというのを見て、いいなあと思いました。これは、自分の制服を決める、ということです。

実は、いつも同じ服を着ている人へのあこがれは、高校のときからありました。

その頃の話⇒物を持たない暮しを望む人へ。ミニマリスト的ライフスタイルの始め方

『チープ・シック』の影響で、短大生のときは、いつも同じ服(Tシャツにデニムのつなぎ)を着ており、「イルカ」というあだ名がつきました。

イルカって動物じゃないですよ。歌手のイルカです。イルカさんは、よくつなぎを着ていたのです。

顔つきも似ていたらしく、「なごり雪、歌って」とリクエストまでされました。

このときシンプル寄りになりましたが、80年代に入ってから、やたらと服を買ってしまい、1986年の秋に、スタイリスト(当時)の吉本由美さんの、「ネコはいいなア」という本を読んで、「もっとシンプルにしよう」と、物をたくさん捨てました。

この本のことはこちらで詳しく書いています⇒吉本由美の「一人暮し」術が、シンプルライフの参考書として威力を発揮した事情

すでに1980年代に、シンプルライフという考え方はあったわけです。

しかし物をたくさん買ってしまう

ところが、物の氾濫はおさまらず、いつまでたっても、片付け本の出版が止まりません。

ミレニアル世代の人(1980年代~2000年代はじめごろの生まれの人)は、物を買わないといいますが、私のところには、若い人からも、「片付けられません」「物が多すぎて困っている」というメールが届きます。

ファストファッションがあるから、女性がたくさん持つ物の代表である服が増えるのでしょう。

ファストファッションがわからない方はこちらへ⇒サステイナブル・ファッション入門(TED)

ここ40年、人々は、いらない物、さして必要でない物をどんどん買っているのです。

さすがに最近は、環境問題が深刻になってきているし、異常気象による災害も多いから、「大量生産、大量消費はよくない」と考える人が増え、ゴミを出さない生活をめざす人も増えています。

ベア・ジョンソンに学ぶゼロ・ウェイスト・ホームを作る5つのルール(TED)

それでも、相変わらず、必要以上にたくさんの物を買う生活を続けている人はたくさんいます。

買い物習慣を変えないと、どれだけ捨てても、部屋はスッキリしません。

「片付けても片付けても、片付かない」と思うなら、買い物の仕方に目を向けてください。

必要な分だけ買う習慣は、一生を左右するほど、重要な習慣だと思います。

この続きはこちら⇒どんどんしまい込むくせ、ありませんか? 部屋に不用品がいっぱいある理由(その2)

買い物習慣に関する記事はこちらから読めます⇒買い物習慣 | 筆子ジャーナル

******

モア・イズ・ベターや、買い物習慣については、過去記事でも何度も書いていますが、重要なのは、しっかり自分の問題として、直面することです。

部屋が片付かないとき、「私が片付けられない人だから」「収納方法がまずいんだ」「整理がうまくできていない」と思う人が多いのですが、片付かない根本的な理由は、物が多すぎることに尽きます。

特に、ふだん使っていない物が家にありすぎると、片付きません。

使う物だけ持てば、盛大に散らかしても、10分もあれば片付くでしょう。

物が多すぎて、手に負えなくなったら、とりあえず、だーっと捨てるほうが、簡単だし、気分的にもさっぱりします。

そのため、捨てて満足するところで止まりがちですが、重要なのは、もう物がたまらない生活にシフトすることです。

物がたまるライフスタイルだったから、汚部屋になったのですから、物がたまらないライフスタイルに変えなければなりません。

そのために、自分の部屋に物がたくさんある理由を考えるのは、とても有効ではないでしょうか?

それでは、この続きをお楽しみに。





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