散らかった部屋は、自分がだめな証拠じゃない(TED)

TEDの動画

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片づけられない自分を責めている人に見てほしいTEDトークを紹介します。

タイトルは How To Declutter When You Feel Like A Failure(自分は失敗者だと感じているときの片づけ方)。

スピーカーは、プロのオーガナイザー(片づけの専門家)として15年働いてきた Monica Fay(モニカ・フェイ)さんです。

散らかった部屋は、自分に欠陥がある証拠ではなく、何が起きているかを知らせる情報。そう教えてくれるトークです。

ガラクタが教えてくれること

収録は2023年2月。動画の長さは17分。日本語の字幕はなく、英語の自動字幕があります。

■TEDの説明はこちら⇒TEDの記事のまとめ(1)ミニマリスト的生き方の参考に

見終わるころには、少し元気が出るかもしれません。

散らかった部屋を隠したくなる理由

急に人が来ることになったら、あわてて床のものをクローゼットに押し込み、「散らかっていてごめんなさい。最近ばたばたしていて」と言い訳をする。

そもそも人を家に入れない、という人もいます。

隠したり、取りつくろったりするのは、部屋の乱れが、自分に問題がある証拠に思えるからです。

実際、私たちはものだらけの家を見ると、住んでいる人をだらしないと判断しがちで、その目を自分にも向けてしまいます。

部屋がぐちゃぐちゃなのは、自分がぐちゃぐちゃな人間だから、というふうに。

フェイさんは、この見方を変えようと呼びかけます。

ガラクタは、その人の失敗ではなく、その人に関する情報だからです。

フェイさんがクライアントの家に行くと、たいていその人はあやまり、「これ、今まで見たなかで最悪ですか?」と聞きます。

でも、フェイさんが見ているのは、最悪かどうかではなく部屋の状態。

部屋には、その人の生活に何が起きてきたかを示す手がかりが残っています。そこから解決策を考えます。

Clutter is information.

(ガラクタは情報です)

散らかった部屋は、責める材料ではなく、読み取る材料。これがトーク全体を貫くメッセージです。

誰でも、片づけられなくなるときがある

フェイさんにはADHD(注意欠如・多動症)があり、教える側の専門家であると同時に、片づけに苦労してきた当事者でもあります。

そんな彼女は、計画を立てる、注意を向ける、最後までやり遂げる、という頭の働きが乱れると、どんな人も片づけられなくなると指摘します。

これは、ADHDの人にだけ起こるわけではありません。

気分が落ち込んでいるとき。大切な人を失ったときや、心に傷を負う出来事があったとき。年齢を重ねて、記憶や判断が変わってきたとき。

長い人生のどこかで、多くの人が経験します。

つまり、これは性格の問題ではありません。

ほかにも、ものが増える事情はいろいろあります。

家族の世話を引き受けている。家庭での負担で燃え尽きている。職場で仕事の負担が偏っている。使えるお金や時間、助けが足りない。

これらを自分の失敗という一言でまとめて、表面だけきれいにしても、しばらくすると元に戻ります。

もうひとつ、フェイさんが挙げるのは、周囲や社会からの刷り込みです。

家はこうあるべきだ、収納はこうすべきだと、私たちは周りの人たちから学んできました。

ただ、そう教えてきた人たちもまた、思い込みを植えつけられているだけです。

その教えに従う必要はありません。

自分を取り戻して片づけるコツ

ミニマリストにならなくても、ものは減らせます。

服をきれいな三角形に畳む技術も、そろいの透明ケースを買い込んで虹色に並べる収納術も、必須ではありません。

フェイさんは、心身や生活の状態が変わり、自分とのつながりが薄れると、その影響が持ちものに表れると指摘します。

つながりを取り戻す方法は4つあります。

1. ビフォーアフターの写真を撮る

始める前と終わったあとの写真は、変化を測るいちばん手軽な記録です。

フェイさんのクライアントに、ものでいっぱいの部屋を整理していた女性がいました。

作業を終えた彼女は、「何もできなかった気がします。まだこんなにものがあるし」と落ち込みました。

ところが、作業前の写真と見比べたら、その違いに驚きました。

渦中にいると、まだ残っているものしか目に入りません。

写真を比べると、ちゃんと変わったことがわかります。

2. タイマーで作業時間を計る

時間を計るのは、自分と競争して、もっと速くやるためではありません。

ものを処理するのに、実際どれくらいかかるのか知るためです。

ガレージを全部空にするつもりで中身を出したら、一角を整理しただけで力尽き、戻すものが8時間分残っていた、こんな例をフェイさんは挙げています。

必要な時間がわかれば、次にとりかかるとき、無理な計画を立てずにすみます。

3. 手放すときの言葉を変える

ものを手放すとき、自分にかける言葉を変えます。

必要になったら、また手に入れられる。手に入らなくても、どうにかする知恵が自分にはある。

そう言い聞かせながら、何を残し、何を手放すかを決めていくと、だんだん自信を持って決断できるようになります。

片づけは、決める練習でもあります。

4. 誰かと一緒に片づける

フェイさんはパンデミックのあいだ、毎日音声チャットルームを開き、参加者と90分、いっしょに手を動かしていました。

参加者のひとりに、うつ状態の女性がいました。

離婚の手続き中で、仕事が定まらないまま、3人の子どもを育てていました。

彼女は調子が悪い日は、座って話を聞くだけ。

元気のある日は、ゴミ袋1つ分、ものを手放しました。

少しずつ手放すうちに、自分の心の波に気づけるようになり、落ち込んだ日は自分をいたわり、動ける日にやるべきことをやるリズムができていきました。

We have a mess. We got messy, we created a mess — but we are not a mess.

(部屋は散らかっている。散らかしたのは私たち。でも、私たち自身がめちゃくちゃなわけではない)

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自分を責めても、部屋は1ミリも片づかない

私は若いころはものをたくさん持っていました。

ただ、乱れた部屋を見て、自分を責めたことはありません。ああ、うっとうしいなあ、と思うことはしょっちゅうありましたが。

床が見えなくなるほどの汚部屋ではありませんでした。でも、カラーボックスを2つ離して置き、その上にもう1つカラーボックスを横に渡して、ぎっしりものを詰めていました。

この部屋はさすがに恥ずかしいかな、と思ったことはあります。それでも、そこまで引け目は感じず、週末になるたびにせっせと片づけていました。

そんな私でも、本気でものを減らすと決めたときは、大変でした。

何年もかけて、少しずつ捨てました。

つまり、自分を責めていない人間がやっても、片づけは大変なのです。

だから、責めることにエネルギーを使わず、目の前のものを1つずつ減らすほうが現実的です。

写真とタイマーは本当に役に立つ

トークで紹介された4つの方法のうち、写真とタイマーは、私も使っています。

筆子ジャーナルの前に書いていたブログで、捨てたものや、これから捨てるものを記録し、ビフォーアフターの写真を載せていました。

作業は1回15分から30分。タイマーをセットして、鳴ったらやめました。

実際、ものが多いと、少し捨てたぐらいではあまり部屋の様子は変わりません。

捨てても捨てても、まだものがある、という気分になります。

でも、写真を見比べると、確かにものが減っていました。

フェイさんの言うデータポイント(変化を確かめるための記録)という言葉は知りませんでしたが、ブログのために残した記録が、同じ役目を果たしていました。

これからものを減らし始める人には、最初の1枚を撮っておくことをおすすめします。

スマホで部屋を撮って、15分だけ手を動かし、終わったらもう1枚撮る。

アフターの写真が、片づけに疲れたあなたを励ましてくれます。

****

片づけは、部屋を整えるだけの作業ではありません。

それは、暮らし方を選び直すいいチャンス。

できる日に少しずつ手を動かして、すっきりした部屋を作っていってください。

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カナダ在住の60代。ミニマリストです。

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