ファイティングポーズ

TEDの動画

バリアをこわして、限界に屈しない方法(TED)

今年は壁を超えたい、そんな人の参考になるTEDトークを紹介します。

タイトルは、How to break down barriers and not accept limits(バリアをこわして、限界に受け入れない方法)。

バスケットボール選手の、Candace Parker(キャンディス・パーカー)さんです。

邦題は、壁を打ち破り限界を突破する方法。



限界を超える:TEDの説明

What can’t Candace Parker do? A two-time NCAA champion, two-time Olympic gold medalist and two-time WNBA champion, Parker knows what it takes to fight for your dreams. In this inspiring talk, she shares what she’s learned during a career spent not accepting limits — and how her daughter taught her the best lesson of all. “Barrier breaking is about not staying in your lane and not being something that the world expects you to be,” she says. “It’s about not accepting limitations.”

キャンディス・パーカーにできないこととは? NCAAチャンピオンに2度なり、オリンピックの金メダルを2度獲得し、WNVAチャンピオンにも2度なったパーカーは、夢を叶えるためにどんな闘いが必要なのかわかっています。

インスピレーションを与えてくれるこのトークで、パーカーは、限界を受け入れないでやってきたキャリアの中で学んだことと、自分の娘がどんなふうに最高のレッスンを教えてくれたかを語ります。

「バリアを壊すことは、自分の道にとどまらず、世界があなたに期待しているものにならないこと。それは、限界を受け入れないことなのです」。パーカーこう言います。

収録は2021年、動画の長さは11分、日本語字幕あり。

☆トランスクリプションはこちら⇒Candace Parker: How to break down barriers and not accept limits | TED Talk

☆TEDの説明はこちら⇒TEDの記事のまとめ(1)ミニマリスト的生き方の参考に

元気の出るプレゼンです。





壁を超える

世界中どこへ行っても、「あなた、バスケットボールをしますか?」と聞かれます。

私は型にはまることが嫌いだから、この質問も嫌いなんです。

でも、渋々「ええ」と答えます。

私は、NCAAチャンピオンに2回なりましたし、オリンピックで金メダルを2回取りましたし、WNBAチャンピオンにも2回なりました。

だけど、私は心の中で、「でも、私はもっともっとすごいのよ!」と叫んでいます。

バリアを壊すことは、自分の道にとどまらず、世界があなたに期待するもののままでいないことです。

その態度こそが、限界があるとあきらめないこと。

それは、ひらめきから始まります。ほかの人が、「このやり方が正しい」と思うことをバラバラにこわしたところから、始まります。

この会場にはバリアを壊す人がたくさんいます。通り抜けられそうにないドアの鍵を開けるために、一生懸命戦っている人たちです。

私たちは、これまで、そうしてきた人たちの肩の上に立っています。

苦しい戦いです。勝つとは限らないし、成功を保証するものはありません。

戦いの中にある希望

戦いながら希望を探していますよね? 楽観的でいられる何かを。

私にとってそれは、娘と次世代の人たちです。

12歳の私の娘はすばらしいんですよ。

幸運にも娘と世界を旅してきました。娘のおかげで、私は夢のために戦うことができています。

私たちはロシアで試合をしました。「私たち」と言うのは、娘もチームの一員だと思っているからです。

ロシア、トルコ、中国で試合をしました。

遠征旅行をしている間、私は、自分が娘に物事を教え、手本になっていると思っていました。

でも、実は、お互いに教え合っていたんです。

娘が3歳のとき、ロシアで学校に入学させました。

同じ年代の子どもたちと一緒に、普通の生活をさせてあげたいと思ったからです。

娘は、マーシャという子と友達になりました。マーシャはまったく英語を話しませんし、娘もほとんどロシア語が話せません。

あるとき、マーシャの両親が私たちを自宅に招いてくれました。

マーシャの家に入ったとき、床がないことに気づきました。

それは、片側にソファーが置いてある1部屋だけの小さな家でした。ソファーは引っ張り出してベッドにできるタイプです。

真ん中に薪が入った釜があって、部屋を暖めていました。この釜で、料理もします。

娘のことが心配になりましたが、娘は、すぐに、「あ、ドールハウスがある!」と部屋の片隅を指さして、マーシャと一緒にドールハウスで遊び始めました。

娘のことを誇りに思いました。娘は、人々と結びつけ、共通点を見つけ、柔軟に対応して、すばらしい状況にすることができるんです。

家族が力をくれた

私は、いつも娘を元気づけたいと思っていました。私は、「自分をこの世界に合わせることは決してするな」と言われて育ったからです。

もう自分は十分で、誰もが十分ですが、いつも自分自身でいることが必要なのです。

両親や2人の兄弟が常に私を力づけてくれる環境で育つことができて、とても幸運でした。

家族から、「あなたはなんでもできる」と言われてきたから、私もそう信じて生きてきて、「キャンドゥ(Can do することができる)」というあだ名がついたくらいです。

私は家族の中で、ベイビーでしたが、自信はありました。学校の休み時間、駐車場でボールを蹴っているか、高い木に上っていました。

スポーツでもなんでも競争することが好きです。

競争で好きなのは、自分自身でいられるところです。思ったことを言えたし、競うことができました。

女の子だからといって、特定のレールにとどまる必要はないと、両親に言われました。

1997年に女子のプロバスケットボールリーグが始まりました。11歳のとき、私のような人たちが、バスケをしているのを見たんです。

もう、男子プレーヤーの真似をしなくてもよくなりました。女子プレーヤーの真似をすればいいのですから。

スポーツから得た学び

両親は、スポーツをするよう勧めてくれました。

スポーツは人生の縮図で、さまざまなことを学べるからです。

勝つことも、負けることも、障害を乗り越えることも学べるし、立ち上がりたくないときに、立ち上がることも教えてくれます。

違いを大事にすることも学べます。

でも、家庭から外の世界に出るようになって気づきました。この世界は、人と違うことを、あまり奨励しませんよね。

世間は、違うものを箱の中に入れようとします。

中学校でバスケチームに入ったとき、お古のユニフォームをもらいました。男子は、新しいのを着ていたのに。

私の兄はものすごく勉強して、国内でも権威のあるメディカルスクールに入学したので、家族はとても兄を誇りに思いました。

でも、人数枠制度のおかげだと言う人がいました。

世間は違うものを特定の箱に入れようとして、その箱におさまらない者がいると、怒るんです。

誰かが自分が作った箱におさまってないと怒るんです。

「バスケットボールをしますか?」という質問に、「はい」と答えたくなかったときがありました。

皆が期待しているとおりの答えをすると、ほかの期待にも応えなきゃならない気がしたからです。

だから、持ち前の競争心がわいていきて、やるからにはベストになって、目にもの見せてやる、と思ったんです。

女性はダンクシュートができないですって? なら2回やってみせる。

妊娠中は、MVPを取れないですって? なら取ってみせるわ。

家庭とキャリアを両立して、娘を母乳で育てることができない?

私は出産後、9週間で復帰して、試合に出ましたが、13ヶ月、娘を母乳で育てました。

他にもバリアはありました。

ビデオゲームの表紙にはなれない、とか、アスリートとしてTEDトークをすることができないとか。

バリアを突破することは、何者かになること、そしてそれが可能なんだと世界に見せることだと思ってやってきました。

でも、バリアを突破することが記録的なことだとは限りません。

障害を障害と感じない世代

2021年に、多くの人と同じように、私はテレビを見ながら、「とうとうこの瞬間がやってきた」と思っていました。

娘に、「ほら見て。初めてのアフリカ系アメリカ人でアジア人の副大統領が誕生したよ。これからは、あなたも同じことができる」と言いました。

すると娘はこう答えたんです。

「どうして前はできなかったの?」

このとき、私は、自分がもっとも軽蔑する人間になっていたことに気づきました。

私は娘を箱に入れていたんです。私は、女性は副大統領になれないという物語を聞かされていたから、娘もそう思っていると思い込んでいました。

娘の世代であるZ世代は世界を変えつつあります。

話している内容や、団結すること、箱やバリアが存在していないかのように生きることによって。

もはや、自分のことに集中しているだけではだめなんです。

団結して、協力しあって、そもそも、なぜ、バリアがあるのか、考えなければなりません。

Z世代はそうしています。

人の話を聞き、両面を見ています。

直接自分には関係のない事柄のために団結しています。

自分の信じることのためにスポーツリーグ全体が立ち上がっているんです。

もはや、1人の選手がやっているのではありません。

女性も平等な賃金をもらうべきだと、戦っている男性がいます。

人種差別に抗議している白人もいます。

私たちはメンタルヘルスについて話し合っています。

新しい価値観を学ぶ

先日、娘から、「もう買い物をしちゃいけない店」のリストを手渡されました。

「ここに書いてある店は、ボディポジティブじゃなくて、すべての体型やサイズをよしとしないから、ここで買っちゃだめなの」と言うのです。

私は娘の言うことを聞いています。

正直に言います。私は学んでいるんです。皆さんもそうすべきです。

次の世代の人が、障害、困難、不安を取り去ってくれると思っています。

彼らは障害をチャンスだと考えています。

というより、そんなものがあることに、全く気づいていないかもしれません。

Z世代が、誇り高く、大胆で、自分自身でいることを私は誇りに思っています。

「そんなことはできない」とずっと言われてきた人たちの子どもたちが、「できるんだ」と思わせてくれるんです。

だから、私に「バスケットボールをしますか?」と聞いてください。

私は、誇らしげに、「はい」と答えます。

バスケットボールをずっと箱に入れていたのは、自分だったと気づいたからです。

//// 抄訳ここまで ////

単語の意味など

pick apart  ~をばらばらにする

roll with the punches  (困難な状況などに対して)柔軟に対応する

work one’s butt off 猛烈に働く、勉強する

quota  差別撤廃のために雇用、入学、昇進などで、女性、少数派、弱者の人数枠。

put your head down  よそ見をせず集中する

body positive  ありのままの体型を愛そう、ありのままの姿を受け入れようというムーブメント

前進するヒントになるプレゼン

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「こうあるべき」という考え方をこわす

パーカーさんは、スポーツで、いろいろな壁をこわしてきましたが、日常生活でも壁や障害にぶつかることはよくあります。

その障害を乗り越える最初のステップは、プレゼンでも言っていたように、「こうあるべきだ」とう価値観や思い込みを壊すことです。

つまり、考え方を変えてしまうと、けっこう乗り越えられたりするんです。

Z世代の人が、障害を障害と感じないとしたら、そういう考え方をしないからです。

世間の古い価値観や、自分自身がこれまでもってきた価値観を、ないものと考えれば、眼の前に立ちはだかっているものを乗り越えられます。

こわすことは、進歩するためにとても重要なことです。

断捨離も、現状をこわすことです。

今持ってるものを崩壊させるわけですから、恐怖を感じることもよくあります。でも、壊さないと前に進むことができません。

怖ければ怖いほど、前に進んだときに得るものは大きいと思います。





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