家事が増える収納、減る収納

キッチンの引き出し ミニマルな日常

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たたむ、詰め替える、仕切る。

きれいにしまうための作業は、それ自体がけっこうな家事になります。

がんばりすぎると、かえって疲れます。

収納グッズや収納術を駆使して家を整えているのに、ちっともラクにならない。

そう感じているなら、努力する方向が逆かもしれません。

工夫してきれいにしまうより、しまう手間そのものを減らす方向にシフトしましょう。

まず、ふだん収納することにどれだけエネルギーを注いでいるか考えてみてください。

しまう作業は、名前のない家事

近頃、名もなき家事という言葉をよく聞きます。

料理や洗濯とちがって名前のついていない、細かい仕事のことですが、しまう作業もその1つです。

労働として数えられず、どれだけ時間を使っても、家事をやり終えた実感が残りません。

考えてみてください。

洗濯物を取り込んで、たたんで、引き出しの仕切りに合わせて並べる。

買ってきた洗剤や調味料を、別の容器に詰め替える。

中身がわかるようにラベルを作って貼る。

一つひとつは数分で終わるかもしれませんが、毎日、毎週くり返せば、かなりの時間になりますよね。

私も若い頃は、こうした作業に多くの時間を注いでいました。

細かい雑貨をたくさん持っていて、収納のムック本や雑誌を買い込んでは、紹介されている方法をよく真似していたのです。

雑誌を読む時間、グッズを用意する時間、実際にしまう時間、そのきれいな状態を保つためにかける時間。

ずいぶんな時間を、ものを使うためではなく、しまうためだけに費やしていました。

⇒収納スペースを減らせ:知らないうちに物が増えるのは、しまう場所があるから。

凝った工夫ほど、途中で挫折する

手をかけた工夫は、一度作って終わりではありません。

そのことに気づかないまま、私は失敗をくり返してきました。

昔、リボンをラップの芯に巻きつけて、ひと目でわかるようにする方法を試したことがあります。

雑誌で見たときは、きれいだし便利そうだし、いい方法に思えました。

ところが、私はリボンを大量に持っていたので、巻いても巻いても終わりません。

小1時間巻き続けて、途中で気づきました。

この調子では、ラップの芯そのものが大量に必要です。

リボンをしまうために空いた芯を集めて暮らすのは本末転倒だと思い、やめました。

スカーフを筒(トイレットペーパーの芯を使用)に入れて、するっと引き出せるようにする方法も試しました。

こちらは、筒の置き場所がなくて挫折しました。

スカーフの数だけ筒が並び、それがかえって場所を取ったのです。

こういう工作が趣味で、作る時間そのものが楽しいなら、それはそれでいいと思います。

ただ、日々の生活をラクにする目的でやるなら、割に合いません。

仕組みを作れても、維持できない

運よく仕組みが完成しても、次は維持しなければなりません。

使うたび、戻すたびに手間のかかる仕組みは、続かないものです。

チョコレートの箱に入っている薄いプラスチックの仕切り(インナー)を、アクセサリー入れに転用したことがあります。

仕切りは頃合いの大きさで、色が茶色だから薄い色のアクセサリーもよく目立ちます。

一見ぴったりの入れ物でした。

ところが、アクセサリーを入れたら重みに耐えられず、持ち上げたときぐにゃっとなって、中身がぐしゃぐしゃになりました。

散らばったアクセサリーを集めながら、私ってばかだなあと自分に突っ込みました。

独身の頃に数々の失敗をしたのに、娘が幼稚園のときも、こりずに同じことをしました。

その頃、中古の子ども服の店やオークション(eBay)で服を買うことが好きで買いすぎてしまったせいです。

厚紙で型紙を作り、娘の服を全部同じ大きさにたたんで、タンスに立てて並べました。この方法はインターネットで見つけました。

できあがったときはとてもきれいで達成感がありました。

ですが、いちいち型紙を当てながらたたむのは面倒です。

しかも、服を引っ張り出すのは娘。

娘は私の意図など知りませんから、タンスの中はすぐ崩れます。

最初はせっせと直していたけれど、ばからしくなってやめました。

家族が使うものは、家族も同じようにできるしまい方でないと、始めた人がひとりで直し続けることになります。

⇒すきま収納は、本当の問題を解決しない。もっと空間を大事にすべき。

お手本の部屋がきれいなのは、ものが少ないから

私のように工夫するのが好きな人は、たいてい雑誌やSNSのお手本を参考にします。

私はそれだけでなく、捨てるはずのものを再利用するのが好きでした(基本的に貧乏性)。空いたパッケージや紙箱を使うしまい方を、あれこれ試したのです。

できあがったのは、本で見たようなすてきな部屋ではなく、いかにも寄せ集めという、うら寂しい貧乏くさいコーナーでした。

似たようなおしゃれな入れものを使えばきれいになるかもしれない。

そう思ったこともあります。

カゴが流行っていた時分、値の張るおしゃれなカゴを買って使いましたが、繊維がぽろぽろ落ちて中身にくっつきました。

数年使って、結局このカゴも捨てました。

雑誌のお手本がきれいに見えるのは、テクニックのおかげではありません。そもそも、そこに置いてあるものが少ないからです。

ほんの少しのものを、余白を持たせて収めるから、絵になります。

しかも、メディアに出てくる部屋は演出されています。

しまうものも、部屋も、あたりに置いてある小物も、撮影のために整えられた特別な状態。

ふつうの家で、ふだんの物量で同じことをしても、さまにはなりません。

つまり、順番が逆です。

収納術が先ではなく、減らすのが先。

ものがそんなになければ、凝った収納は必要ありません。

⇒収納が足りないは思い込み。家の広さではなく持ち物の量を見直す

今の私のしまい方は、吊るすとポイ投げだけ

私は40代半ばぐらいからシンプルライフを目指し、たくさんのものを捨てました。

衣料も雑貨も、昔と比べるとほんの少ししか持っていません。

この状態になって、ようやくしまい方に悩むことがなくなりました。

たとえば、多くの人が頭を悩ませるクローゼットについても、何も考えていません。

ジャケットは、数が少ないので、吊るすだけ。

Tシャツ、レギンス、ソックス、下着は、適当に丸めて、IKEAの布製ボックスに放り込みます。

たたみません。仕切りません。ラベルも貼りません。

これで何も困りません。

数が少ないから、放り込んでも、どこに何があるか見当がつくし、忘れたら、ちょっと上からかき出すだけです。

昔は、ソックスやハンカチやストッキングを、小箱に分けてきっちり並べていたけれど、取り出すのは簡単ではありませんでした。

あなたも、しまうことに手間と時間をかけすぎるのをやめてみてはどうでしょう?

下着やソックスなど、丸めやすいもので試してください。

⇒人に見せる片づけをやめて、自分のために整える

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収納とは、次に使うものを取り出しやすくしておくこと。きれいにしまうことではありません。

見た目を整えるほうに手をかければかけるほど、しまう作業は増えていきます。

いちばん手のかからないしまい方は、そもそもしまうものを減らすことです。

丸めて放り込めるくらいまでものが減れば、細かい作業から解放されます。その分、時間もエネルギーも自分のために使えますよ。

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カナダ在住の60代。ミニマリストです。

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