光の差し込む部屋

ミニマルな日常

すきま収納は、本当の問題を解決しない。もっと空間を大事にすべき。

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すきま収納と、せっかくの空間を収納で埋める問題点をお伝えします。

すきま収納は、デッドスペースや、開いている場所を収納に使うことです。

日本は国土が狭いわりに、人口が多く、それぞれの人間がこまごまとした物をたくさん所有しているので、すきま収納が人気ですよね?

ですが、これは、とても危険な収納法です。

すきまは、そのままにしておいたほうがいいですよ。

すきまを埋めると起きる問題

「広々とした家に住みたい」とは、多くの人が願うことです。

しかし、その一方で、私たちは、空間を物で埋めることが好きです。大好きと言ってもいいほど。

せっかく断捨離して作った空間なのに、何もない棚を見ると、なんとなくさびしくなって、物を置きたくなりませんか?

実際、ちょっといい物を買って、置く人もいます。

自分が何かを置く前に、家族が、物を置いてしまうかもしれませんね。

私たちは、「もっとスペースが欲しい」という気持ちと、「スペースを物で埋めたい」という、相反する気持ちをもっています。

その結果、あるスペースを物で埋めると、もっとスペースを作ろうとし、新たにスペースができると、そこを物で埋め、さらにスペースを拡充し、できたスペースを物で埋めるという行動にでます。

するとどうなるか? いつまでたっても、何かを買い続けることになります。

だから、すきまは埋めるべきではありません。すきまはすきまのまま、そっとしておきましょう。

さもないと、消費が拡大する一方です。





時間を用事で埋める

物理的な空間だけでなく、人は、空間一般を満たすことが好きです。

たとえば、時間。

定年退職して、せっかくひまになったのに、何の予定もないと、さびしく感じて、用事で埋めませんか?

若い人でも、仕事、勉強、家事、家族の用事、地域の用事と、ありとあらゆるタスクを入れて、スケジュールをいっぱいにしがちです。

今、地下鉄や電車に乗ると、スマホを見ている人がたくさんいます。

電車の中でスマホを見る人

電車に乗っているときは、1人になれる貴重な時間なのに、その大事な時間を、スマホを使って、埋めてしまうのです。

SMS、ニュース、ゴシップ、各種情報をチェックすることで。

こうした情報は、毎日チェックしなければならないほど、大事というわけではありません。私に言わせれば、大半がノイズです。

1つひとつは、貴重で楽しく、ためになりそうな情報でも、数が集まればガラクタ化します。

ネットのサービスは、人を依存させる仕組みに満ちているという事実を差し引いても、細切れ時間にここまで、スマホをチェックしてしまうのは、開いた時間を有効活用(?)したい、つまり、すきまを埋めたいという欲望が強いからではないでしょうか?

「リア充」していないといけない、という思い込みのせいで忙しくなることもあります。

リア充とは、ネット上ではない現実の生活が充実しているさまをあらわすネット用語(スラング)です。

自分の人生なんだから、自分の好きなように生きればいいのに、「現実の世界で、趣味や交流で忙しくしていないとだめなんだ」と思い込みがあり、これが、用事を増やします。

リア充を目的として、タスクを盛り込むのも、すきまを埋めたい気持ちの現れです。

心の空白をSNSで埋める

SNSに夢中になるのは、「仲間はずれになりたくない」「ほかの人とつながっていたい」「流行に通じていたい」という気持ちのせいもあるでしょう。

SNS依存に注意。FOMO(フォーモー:取り残される不安)を捨てる方法

私たちは、ほかの人と一緒でありたい、一緒のことをしていたい、という気持ちが強いので、他人の動向をものすごく熱心に追ってしまいます。

親しい友人や知人だけでなく、セレブはもちろん、全然知らない人の生活ぶりを、一生懸命チェックしている人も少なくないでしょう。

かつては物理的な限界があったので、人の動向を追うといっても、ほどほどのところで止まっていましたが、今は、スマホがあるので、やりたいなら、1日24時間、1年365日、追いかけることができます。

この追求は、心の中の空白を情報で埋める行為だと思います。

空白を空白のままにしておくことができないのです。

心の空白を買い物で埋めれば、それは買い物依存という形で現れます。

どうしても買い物が止まらない。買い物依存症を自分で治す方法

空間が怖いから捨てられない

空間を埋めたいという気持ちのせいで、不用品を捨てられない人もいます。

以前、「全然着ないコート(2着)だけど、私のクローゼットにあってほしかった」というお便りをいただいたことがあります。

古いコートを捨てたことを、すごく後悔しています。気持ちの整理がつきません←質問の回答。

この方は、コートを捨てて後悔しましたが、捨てずにクローゼットに残したとしても、これらのコートを今後着ることはなかったはずです。

着ないけど、クローゼットの中にあってほしいのは、空間を埋めるメンバーとして所有していたい、ということではないでしょうか?

以前、母に、食器棚のあれやこれやを、みんな捨てることをすすめたら、「全部捨てるとさみしいじゃん」とか、「少しは、〇〇(弟の嫁)が、片付ける分も残しておかにゃあ」などと、理屈に合わない言い訳をしました。

私は全部捨てろとは言っていません。「使ってないものは、捨ててはどうか」と提案しただけ。

それなのに、母は、捨てることを想像しただけで(実際にはまだ捨てていないし、ちょっと捨てたぐらいでは、母の食器棚はガラガラにはならない)、空間の出現を恐れたのです。

最近は、もう「ミニマリスト」という言葉は、流行っていないと思いますが、以前、ミニマリストが流行していたとき、ミニマリストの住む、ほとんど何もない部屋にあこがれる人がいる一方で、強烈にバッシングする人もいました。

ミニマリストの部屋に否定的だった人たちは、もしかしたら、空間を恐れる人たちかもしれません。

人間社会に、これほどまでに物があふれるようになったのは、わりと最近のことで、それ以前の、長い、長い年月、人は、あまり物をもっておらず、食べ物や物がいっぱいおさまった棚は、命の安全の象徴でした。

だから、私たちは、空間が出現すると、無意識に身の危険を感じるのです。

昨年、新型コロナウィルスのせいで、パニック買いが起きたとき、からっぽのスーパーの棚を見て、実際に恐怖を感じた人もいるでしょう。

マスクや食品の買い占めについて思うこと。

私たちは、空間を恐れ、空間や余白があると、そこをいろいろなもので埋めようとします。

その結果、1番で書いたように、過剰消費のループから抜けられません。

空間を大事にしたほうがいい

すきま収納をして、空間を物で埋めると、さらなる空間作りと、埋める作業が発生するので、収納するのは、ぐっとこらえてください。

以前、余白を作るすすめで書きましたが⇒シンプルに暮らすために余白を取ることを意識したい7つのもの。

余白や、遊びの部分は、ひじょうに重要です。

場所にしても、時間にしても、全部埋めてしまうと、機能不全に陥ります。

せっかくある空間は、空間のまま、愛でてください。

何も置かなくてもいいんです。

そこには、ここちいい風が流れ、軽くて暖かい光がやどっています。

すきま収納をしたくなったら、今、収納したいと思っているものは、せっかくの空間をつぶしてしまってもいいほど、大事なものなのか、考えてください。

どうしても、そこに置かなければならないのでしょうか?

押入れや棚にあるガラクタを捨てれば、そこに収めることができるかもしれませんよ。

空間を物で埋めることに慣れている人は、何もないスペースがあると、強い違和感を感じるかもしれません。

しかし、そのうち慣れます。

実際、私も、若い頃は、本箱の中に本をびっしり詰め込んでいました。

二段に並べ、部分的に平積みをし、立てて並べた本の上に別の本を横置きしていました。

本をたくさんもっていた話⇒なぜ本がたまってしまうのか?:捨ててわかった自分の生活パターン(その4)

余白や空間など何も考えていませんでした。

とにかく、詰め込めるだけ詰め込む! という考え方をしていたのです。

その結果、私の生活はよくなったかというと、現実は逆だったことは、過去記事にいろいろと書いています。

私はもっと余白を大事にするべきだったのです。

余白を愛でることができるようになった今、ずっと豊かな生活になりました。

*****

すきま収納の問題点をお伝えしました。

すきま収納は、見た目も強烈なノイズになるので、最後の最後の手段と考えてください。

不用品を捨ててしまえば、すきま収納しなくてもすむと思います。





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