収納が足りないは思い込み。家の広さではなく持ち物の量を見直す

ミニマルな日常

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部屋にものがあふれていると、散らかるのは家が狭いせいだ、広い家に住めばもっとすっきりするはずだと考えがちです。

でも、本当にそうでしょうか。

広い家なら片づくというのは思い込みかもしれません。

この思い込みについて改めて考え、今の部屋で心地よく暮らす考え方を紹介します。

結論を先に書くと、片づかない原因は家の広さではありません。

ものの量と、ものとの付き合い方にあります。

広い家なら片づくは幻想

広い家に引っ越せば片づく、と思いたくなる気持ちはわかります。

でも、実際は、スペースが広くなると、ものを置ける場所が増えるためかえってものが増えます。

収納に余裕があると、とりあえず持っておこうと考えてしまうものです。

捨てるかどうか迷ったとき、しまう場所があるなら、捨てなくていいと思ってしまうのです。

その結果、使わないものがどんどん収納の奥に積み上がり、やがてその存在を忘れます。

筆子の場合

夫婦と娘の3人で暮らしていたとき、大きめの2ベッドルームの一軒家に9年ほど住んだことがあります。

部屋数は多くありませんが、地下に棚や引き出しなど、ものを入れる場所がたくさんありました。

その収納に甘えて、本、語学の教材、娘の作品、懸賞でもらった子ども向けの教材、お古の服など、とにかくいろいろなものをため込みました。

たとえば、韓国語を勉強していたときのカセットテープを大量に持っていました。

引き出しに入れている間に、世の中はカセットテープからMD、そしてiPodの時代に変わっていました。

置き場所があるせいで、捨てそこなっているうちに、カセットテープだけが時代に取り残されていたのです。

もの持ちの夫も書類を山のように保管していました。

2014年の9月にこの家を出てもっと小さな家に引っ越したとき、段ボール47箱分の不用品を寄付しました。

夫のものもありましたが、ほとんどは私が持っていたものでした。

すでにシンプルライフを目指してせっせと捨てていたのに、まだそれだけのものがあったのです。

広い家に住んでいると、ものがそこまで増えていることに気づきません。

収納してしまえば、見えないので問題ないように感じます。

でも、それは不用品を隠しているだけです。

段ボール47箱の不用品を寄付した話:ミニマリストへの道(82)

狭さのせいにしていると、片づけは進まない

「もっと広い家だったら片づくのに」と思っている間は、片づけが進みません。

環境のせいにしてしまうと、自分は変わらなくていいからです。

部屋が散らかっているのは家が狭いから。

収納が足りないから。

こう考えれば、ものの持ち方を見直す必要はありません。

実は、広い家に住んでいる人でも、同じように片づけで悩んでいます。

読者のお便りを読んでいると、4LDKの一戸建てに住んでいるのにものがあふれている、部屋数は十分あるのに全部ものでいっぱい、という相談は珍しくありません。

田舎の大きな実家の断捨離に苦労している人もたくさんいます。

部屋数が多いと、ものがあちこちに分散して、どこに何があるか把握するのが難しいです。

つまり、家が広くなっても、片づけの悩みは消えません。

片づかない本当の原因は、空間の大きさではなく、ものとの向き合い方にあります。

ものとしっかり対峙しない限り、どんな家に住んでいても、同じことが起きます。

ものを減らせば、今の部屋で十分暮らせる

今の住まいは狭いから快適に暮らせない。

そう思い込んでいる人に伝えたいのは、ものを減らせば、今の部屋で十分快適に暮らせるということです。

私は現在、カナダのベースメント(半地下の住居)でひとり暮らしをしています。

広さは約59平米(日本のマンションだと平均的な2LDKのサイズ)です。作り付けのクローゼット以外に収納スペースはありません。

天井も低く、一般的なカナダ人の感覚からすれば狭い住まいだと思います。

実際、引っ越しのとき手伝いに来てくれた娘の友人が「こんな小さな家で家賃が〇〇ドルもするの?」と驚いていました。

でも、ひとり暮らしの私にはちょうどいいサイズです。

ものが少ないので、クローゼットのスペースには余裕があります。

フロアの掃除は土曜日に1回、30分もあれば終わります。

広い家に住んでいたときは掃除だけでかなりの時間と労力を使っていましたが、今は比較にならないほどラクです。

家がコンパクトで管理するものが少ないので、日々の暮らしで疲れません。

狭いからこそ余計なものを買わなくなる、という効果もあります。

スペースがなければ置けないので、買い物のときに自然とブレーキがかかります。

シンプルライフを心がけていても、スペースがあると余計なものを置いてしまうものです。

その点、狭い家はものが増える余地がないので、意識しなくてもシンプルな暮らしが維持しやすいのです。

小さな暮らしをする主婦だからできるお金を貯める7つのポイント。

収納が足りないと感じるのは、ものが多いから

部屋が狭い、収納が足りないと感じるとき、空間が足りないのではなく、ものが多すぎるのではないでしょうか?

読者からいただくお便りにも、そうした気づきを教えてくれるものがたくさんあります。

ある読者は、クローゼットが小さいからおしゃれがしづらいと思っていたそうです。

ところが、クローゼットの中身をすべてベッドの上に出してみたら、似たような服や何年も着ていない服が山のように出てきました。

着ていない服を手放し、よく着る服だけを戻したら、クローゼットには余白ができ、部屋も広く感じるようになったそうです。

収納スペースがないのではなく、服を持ちすぎていただけだったと気づいた、と書いてありました。

別の読者は、リビングが散らかるのは収納が少ないせいだと思い、棚や収納ボックスを次々に買い足していました。

でも思い切って収納家具をひとつ減らしてみたら、中身の多くは使っていないものだったとわかったそうです。

よく使うものだけを残したら、収納を減らしたのにリビングは以前より散らからなくなった、と教えてくれました。

こんなケースに共通しているのは、足りないのは空間ではなく、見直す機会だったということです。

部屋が狭いと感じたら、収納の中にあるものを確認してみてください。

使っていないものがたくさんあるのではないでしょうか。そうしたものは思い切って手放しましょう。

視覚的なノイズが減ると、同じ広さの部屋でも印象が大きく変わります。

狭い家のストレスを減らす7つの工夫:狭くても快適に暮らす

広さへの執着を手放すと、暮らしが軽くなる

広い家=よい暮らしという考え方を手放すと、今より身軽に暮らせます。

もっと広い家に住みたい。

この欲求の裏には、ものを手放したくないという気持ちが隠れていることがあります。

広い家が欲しいのではなく、今あるものを全部持ったまま、すっきり暮らしたいのです。

でも、ものを減らさずにすっきり暮らすことは、どれだけスペースがあっても難しいでしょう。

一方、広すぎない家に住むと、さまざまな余裕が生まれます。

家賃や住宅ローンの負担が減り、そのぶんのお金を、自分にとって本当に価値のあることに使えます。

私の場合、小さな家に引っ越すことへの抵抗は特にありませんでした。

それよりも、管理するものが減ったおかげで、暮らし全体が軽くなってよかったと思っています。

掃除する部屋の数も減ったし、庭の手入れもなくなったし、何より日々の生活で疲れなくなりました。

今の時代、広い家に住むことが豊かさの証だという価値観は薄れてきています。

身の丈に合った空間で、自分にとって本当に必要なものだけに囲まれて暮らすほうが、ずっと心地よいのです。

持ち物を見直す5つのポイント。ダウンサイジングを意識してみよう。

*****

大きな家に引っ越しても片づけの根本的な解決にはなりません。

片づかない原因を家の広さのせいにしている限り、どこに引っ越しても同じことが繰り返されます。

まずは今の部屋で、ものを減らしてみてください。

必要なものだけを残せば、今の住まいが思った以上に快適な場所になりますよ。

足りなかったのはスペースではなく、ものを手放す決断だったと気づくでしょう。

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カナダ在住の60代。ミニマリストです。

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