ストール

ミニマルな日常

素材がとてもよい遺品なので、処分できず、困っています←質問の回答。

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ご家族の遺品の処理で困っている方の質問に答えます。

誰も使っていないけれど、素材がとてもいいので、処分できないそうです。

メールの引用不可なので、内容を箇条書きします。

押入れの中にある上質のもの

・筆子ジャーナルを4年読んでいる私は、もともと断捨離に興味があり、自分の物はどんどん捨てることができ、シンプルに暮らしている。

・5年前に姉が病死。

・姉の仕事の関係で、売り物として仕入れたアパレル商品(すべて新品)が大量に残った。

・家族と協力して、その大半を人にゆずったり、ネットで売っれりして処分した。

・ブランド物が多かったので、多少安くはなったが、わりと売れた。

・しかし、服飾小物(ショールやスカーフ)がまだあり、親戚や友人と分け合ったが、数10枚残っている。

・それらは、無地やチェックで、定番として使えるもの。ブランドものではないが、シルクやカシミアなどの高級品で、高価な品だ。

・オークションやフリマに、半額で出したが、売れないため、さらに値段をさげたが、やはり売れない。いま、日本では、「素材がいいから」という理由で買う人は少ないと聞いた。

・ブランドものではないため、買取業者も買い取らない。

・自分はすでに7枚もらったので、これ以上は不用だ。

・ショールとスカーフを、現在、自分の部屋の押入れで、防虫剤を入れて、収納している。スペースを取られているし、行き場を見つけてあげられないことが、姉に申し訳ない。

・木綿や化繊なら思いきれるが、素材がとてもよいし、姉が仕入れに使った金額も安くはなかっただろうから、どうしたらいいのかわからない。

・急ぎの用件ではないので、時間のあるときにアドバイスをいただけるとありがたい。

Tさん、こんにちは。

メールありがとうございます。いつもブログを読んでいただき、とてもうれしいです。

急ぎの用ではないとありましたが、もう5年も持っているんでしょう?

仕入れてからだと、もっと時間が経っていると思います。しかも、素材はシルクやカシミア。

もう虫食いの穴があいてるんじゃないですか?

とても小さな穴だから、丁寧にチェックしないと気づかないかもしれません。

考えられる処分方法

以下の中から、お好きな方法を選んでください。

1.寄付する

2.コンサイメントショップ(委託して売る場所。売上を店と持ち主で折半する)に持ち込む

3.リサイクルショップに持ち込む

4.値段を格安にしてオークションやフリマで売る

5.驚くほど素敵なものにリメイクして、オークションやフリマで売る

私のブログを長く読んでいただいているのなら、私がどう答えるか想像つくと思います。

私なら、自宅のそばにある、寄付したい衣料品を入れるコンテナ(ビン、入れ物)に入れます。

こんな感じのものです。

ドーネーションビン

最近は、アフリカの子供を助けるつもりで寄付したのに、実際は、そこにお金がいかない、あやしげなビンもあるため、主催者のチェックはしたほうがいいでしょう。

あるいは、近所の寄付センター(スリフトショップ)に持っていきます。

スリフトショップの説明はこちら⇒不用品を処分するときはお金にすることを考えないとシンプルにできる

スリフトショップの人が、「売り物になる」と思えば店に並べてくれ、誰かが買うでしょう。

手頃な寄付センターがないなら、古着を寄付できる団体へ送ればいいです。

多少なりとも、お金にしたいなら、コンサイメントショップかフリマですね。

現在、フリマで売れないのは値段が高すぎるからです。もっと安い値段で、気の利いた新品のショールやスカーフを買えますから。

郵送料金プラス500円ぐらいの値段で出してみてはどうでしょうか?

「え、だって、とっても質がいいんですよ。とてもそんな値段じゃ買えないものですよ!!」と思うかもしれません。

ですが、現実に買い手がつかないのは、市場価格がとても低いからなんです。

いくら新品でも、仕入れて5年だと、日本人の感覚では、もう新品ではありません。

それに、みんな、物はすでにくさるほど持っているから、そう簡単には買わないでしょう。

ネットのフリマの利用者は、若い人が多いから、ある程度、年齢のいった人と対面でやりとりできるフリマを利用すると、いまよりは売れるかもしれませんが。

サンクコストは忘れる

最近も書きましたが、埋没費用(サンクコスト、もう支払ってしまって回収できない費用)は回収できません。

失ったものを取り戻したいと思うな:部屋が物だらけになる理由(その7)

高かったから断捨離できない? 埋没費用はどのみち回収できません

Tさんのお姉さんが、ショールやスカーフをいくらで仕入れようと、その仕入れに使ったお金はもう戻ってきません。

それは、もう終わったことなので、そのショールの処理にかかわる意思決定をするときは、仕入れ値のことは考えるべきではないのです。

それはそれ、これはこれ。

しかも、仕入れたご本人はすでに亡くなっています。

Tさんは、仕入れた本人でもありません。

遺品だから、思い入れが強いのかもしれませんが、Tさんはすでに、7枚ももらったのだから、「残りのショールを高く売ろう」なんて欲を出すべきではありません。

Tさん、べつにお金がほしいわけではないと思いますし。

私なら、1枚だけショールをもらって、冬がくるたび、首にまき、なくなった姉のことを思い出すでしょう。

7枚もあると、それぞれを大事にできないので、1枚だけもらいます。

それで充分です。

どんなに上質でも、使わないものはただの場所ふさぎ

Tさんは、「木綿や化繊ならともかく、シルクやカシミアという高級品ゆえに、二束三文で手放すことはできない」と思っています。

こう考えているから、数十枚のショールやスカーフが、誰の首にも巻かれずに、Tさんの押入れに5年も、眠っています。

これは、ショールやスカーフの望ましい使い方でしょうか?

いま、ここで決断して、さっさと処分しないと、また、何年も、死蔵されてしまいますよ。

それって、お姉さんの望むことでしょうか?

他人にはわからない、姉妹だけの気持ちのつながりや、Tさんだけが知る、お姉さんが仕事にかけていた情熱、とてつもなく苦労して、ビジネスを立ち上げたこと、大変な努力をして商談をまとめた、ものすごくこだわって、フェアトレードの商品を揃えた、志なかばで、ビジネスを断念することになりとても無念だったろう、などなど、そのショールには、いろいろな背景があるのかもしれません。

たとえそうだったとしても、一番大事なのは、いまの生活です。

いま、Tさんが、気持ちよく暮らすことが、お姉さんへの何よりの供養だと思います。

それとも、亡くなったお姉さんの望みは、自分が死んだあとも、「仕入れた品から最大限の利益を得ること」なんでしょうか? 

私は自分が死んだあと、自分の物で娘に負担をかけたいとは思いません。私の場合、死ねばサーバー代を払えなくなるので、ブログは全部消えるから、在庫がどうこう、という心配とは無縁ですが。

どんなに質がよくても、使っていなかったら、「上質」という価値はまったく発揮されないことに気づいてください。

毎回同じことを書いていて、「筆子はこわれたレコードか」と思うかもしれませんが、これ、本当なんです。

使わずにしまっておいても意味ないですよ。

現在のTさんの状況がそうであるように、メンテナンスの手間と罪悪感を生むだけです。

この記事が、Tさんの行動をうながすきっかけになることを願っています。

遺品に関する過去記事もどうぞ

家族の遺品を処理するタイミングを知りたい←質問の回答。

生前整理のススメ~すべてを遺品整理に回すより、少しでも生前整理をしておくべき理由とは?

遺品もありすぎるとゴミになるだけ~実録・親の家を片付ける(7)

物がいっぱいの実家の断捨離や遺品整理で疲れています←質問の回答。

思い出のある品物も適当なところで処分しないと遺品整理する人が苦労する。

親の遺品整理中、悲しみや後悔でいっぱいになったらこうする。

*****

読者の質問に回答しました。

買ったときの値段が高く、上質だと、不用でも、処分しにくいと思いますが、「これはとてつもなくいい物なんだ」と思うなら、自分で使ってください。

自分で使えないなら、使う人の手にわたすために、家の外に出すしかありません。

そのさい、お金にしようと思わないほうがいいです。

自分では、「すごく価値のあるものだ」と思っていても、他人はそう思っていない場合がよくあります。

いったん手に入れると、自分の中で、その物の価値があがるからです。これを授かり効果といいます。⇒授かり効果のせいで捨てられない物を捨てられるようになる考え方

授かり効果は、認知のバイアスなので、客観的な判断でも、理性的な判断ではありません。

この考え方にこだわると、結局、自分のためになりません。

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