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実家の片付け

最終更新日: 2018.10.11

親の遺品整理中、悲しみや後悔でいっぱいになったらこうする。

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実家で親の書類の断捨離中だが、強い悲しみや後悔の気持ちを感じます、この気持をどうしたらいいですか、という質問をいただきました。

この記事で回答します。

まず、メールをシェアします。リリコさんからです。



実家の片付けがつらいです

件名: 実家の書類の処分について

筆子さん、こんにちは。

何度目かのメールです。

私は空き家になった実家を片付けています。

今は書類を処分しているのですが、父が病気をしていた頃の書類や、その時に自分がつけていた日記のような記録ノートを見ると、とても悲しい気分になります。

もっと何かしてあげられたのではないか、私がもっと色々やってあげていたら違う未来になったのではないか、と後悔の念が湧いてきます。

考えても仕方がないことは分かっていますし、自分を責めるのがメンタルの面でも良くないことも分かります。

でも、どうしても気分が沈みます。

見ないで捨てれば良いのかもしれませんが、個人情報が含まれているし、大切な書類があったかもしれないと後で思うのも嫌なので、きちんと自分の目で確認してシュレッダーをかけています。

筆子さんは私のこの行動や気持ちをどう思いますか?

筆子さんなら、実家の書類の処分はどうすると思いますか?

筆子さんのご意見が聞きたいです。

それと、もしこの沈んだ気持ちを変える方法があれば教えてもらいたいです。

宜しくお願いします。

リリコさん、こんにちは。お便りありがとうございます。

お父さんが病気で亡くなられてお寂しいですね。

お父さんが亡くなられたのは、わりと最近でしょうか? 半年以内ですか? それなら悲しいのは当たり前なので、あまり無理して断捨離しなくてもいいと思います。

大事な人が亡くなったあと、深い悲しみや喪失感のせいで、うつになる人もいますからね。

家族や親しい人を失くしたあと、どんな感情になるか、その気持がどれほど続くかは、人によって違います。ですから、「もういい加減、元気にならなくちゃ!」と無理に思うことはないです。

時がたてば、次第に忘れていくので、のんびり、心の傷を癒やしたほうがいいんじゃないでしょうか?

ただ、半年~1年以上、強く自分を責めることが続くと、うつになる可能性があるので、そこは気をつけたほうがいいでしょう。

悲しむことと、うつうつとすることは似ているようで違いますから。

以下に私なら、どうするか書いておきますが、無理にこのようにしなければならない、とは思わないでください。





1.悲しみや後悔の気持ちを受け入れる

まず、自分の気持ちを見つめて、その感情をそのまま受け入れます。

自分は、いま、悲しい、後悔している、自分に対して怒っている、現実から逃げようとしている、などなど、近親者が亡くなったあと、いろいろな気持ちになると思いますが、そうした気持ちをそっくりそのまま、受け入れてください。

湧きあがってくる感情を、無理に打ち消さない、ということです。そういう気持ちになっても大丈夫なのです。

2.(できれば)自分を責めない

自分を責めても、誰のためにもならないので、自分を責めるのはほどほどにしてください。

お父さんが病気になったのは、リリコさんのせいではないし、人が死ぬのを止められる人もいません。

「あのとき、こうしていれば、こうなっていたかも」と思うかもしれませんが、そうしたからといって、いまの現実が変わっていた、とも言えません。

人間は、人の生き死にをそこまでコントロールできませんよね。

悪いのは自分ではない。自分を責めてもしかたがない4つのできごと。

亡くなったお父さんは、リリコさんが、笑顔で毎日を過ごすことを願っているはずです。

お父さんを懐かしがって泣いているのではなく、過ぎたことを悔やんで後悔しているリリコさんを見て、お父さんはどう思うでしょうか?

悲しむと思いますよ。

私なら、自分が死んだあと、子供には、できるだけ幸せでいてほしいです。

ただこれも、「自分を責めちゃだめ! 絶対だめ!」と自分をしばりつけないほうがいいです。

3.自分の気持ちを形にする

頭(心)の中にある自分の気持ちを、文章や言葉などに変換すると、心の整理をしやすいです。

お父さんに対して申し訳ない気持ちでいっぱいなら、その気持をお父さんあての手紙に書いてはどうでしょうか?

「あの時、私はこうするべきだたったのに、こんな理由でそうしなかった。お父さん、本当にごめんね」というように。ほかにも、お父さんに言いたいことがあったら、全部書いてください。

書き終わったら、その手紙は破って捨ててもいいし、仏壇やお墓に備えてもいいです。

起こったことや、自分の考えていることを親族や友だちに話してもいいです。頭の中では、ぐしゃぐしゃと混乱している感情も、言葉にするとスッキリするし、他人から、別の視点を得られることもあります。

この時、やたらとネガティブな方向に誘導する人や、自分の意見を押し付けようとする人は相手に選ばないでください。

ペットに話してもいいですよ。私なんて、ぬいぐるみに話しかけていますからね。

ぬいぐるみに、「きょうね、こういうことがあって、こうで、ああで、すごいショックでさあ」と言ったあと、「でもねえ、それはねえ…そのうちなんとかなるよ。明日はきっといいことある」と今度はぬいぐるみの役になって反証します。

落ち込んだときに、こうすると効果があります。他人が見ると気が狂っていると思われるかもしれないので、人前ではやらないでください。

打ち明けられる人もいないし、そんなぬいるぐみもない、そんな時は、プロのセラピストに話してください。

4.断捨離はちょっと休む

1~3をやっても、気持ちの整理ができないときは、後悔の念の引き金となる断捨離はやめたほうがいいです。

断捨離を完全に休んで、旅行にでもいくか、べつのもっと楽しいことをしてください。

せめて、書類以外の物を片付けてはどうでしょうか?

ほかの場所を無心に雑巾がけするなんてのもよさそうです。

5.自分の心と体をケアする

近親者の死に加えて、別のショックな出来ごとやストレスになることが重なると、気持ちが落ち込んで、うつになりやすくなります。

そうならないために、自分の心と体をケアしてください。

ちゃんと食事をして、睡眠もとり、毎日規則的に運動をします。

断捨離ばかりやらず、趣味を楽しんだり、友だちにあったりして楽しい時間をもつようにしてください。

リリコさん、以前のお便りには、体調が悪い、と書かれていましたよね? それならば、無理して実家を片付けず、自分の体調を整えることに専念したほうがいいです。

リリコさんの前のお便り⇒いらない物やよけいな行動。減らせば人生がどんどん楽しくなる。

自分をケアする方法はこちらに書いています⇒ストレスによる買い物をやめるために、心を満たす方法(その1)。

6.後悔を学びに変える

自責の念や後悔を感じることは、必ずしも悪いことではありません。

「あのとき、こうすればよかった、でも、いまさらそうはできない、せめて、いまこの瞬間からは、こういうふうに生きていこう」と、過去の体験を学びに変えればいいわけです。

お父さんを大切にできなかった分、自分やほかの人は大切にしていこう、とか。

この記事を読んでみてください⇒後悔することを恐れないで・キャサリン・シュルツ(TED)

7.ルーティンをキープする

大事な人やペットをなくすと、日常生活が乱れるものです。そんな中でも、ふだん自分が毎日やっている小さなことを1つか2つ、続けてください。

そうすることで、外部から襲ってくる大きな波に飲まれにくくなります。

私だったら、毎日、10年日記やモーニングページを書いているので、緊急事態になっても、日記を1行か2行は書くようにします。

10年日記⇒日記を書くことは心の断捨離に効果的。10年日記を使っています

モーニングページ⇒ネガティブ思考改善にモーニングページがいい~今月の30日間チャレンジ

人間は習慣の動物なので、きのうやっていたことを、きょうもやることができれば安心できるのです。

日常、よく使っている愛用品を使い続ける、というのでもいいです。

同じことをこちらの7番に書いています⇒新生活が怖いあなたへ。環境の変化にうまく対応する12の方法。

関連記事もどうぞ

思い出がありすぎて亡くなった両親の物を捨てられない、という相談の回答。

ものすごくつらい体験をして悲しい時に立ち直る10の方法。

祖母の思い出のアルバムが見つからない。ない物に執着する気持ちを手放すには?

親が買ってくれた着物を断捨離する方法。捨てることで幸せになる方を選ぶ

何もかもうまくいかない時期を乗り越える3つの方法。

強い心を持つ3つの方法。考え方の悪習慣を手放せばメンタルを強くできる(TED)

*****

7番でリンダ・ロンシュタット(アメリカの歌手)のエピソードを書いた記事にリンクしました。

70年代、リンダはとても人気があり、精力的にツアーをしていました。

恋多き女だったので、悲しいこともたくさんあったと思うし、仕事のストレスも多かったと思います。チャートのトップになれば、誰だって、人気が落ちるときのことを考えて怖くなるものです。

そのわりには、彼女は恋愛以外ではゴシップもなく、ドラッグやアルコールの問題も起こさず、プロデューサーや事務所ともめごとを起こすこともなく、長いあいだ(40年)、活躍していました。

きっとマイペースを保つのがうまい人なんでしょうね。

残念ながら、リンダはパーキンソン病のため、もう歌えなくなってしまったのですが、インタビューでその話をするときも、淡々としていました。自分をかわいそうがるところは、みじんもなかったのです。





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