たくさんの服

ミニマルな日常

母の遺品を整理していて感じたこと。本当にこんなに必要だったのか?

持たない暮らしを心がけている読者のお便りを紹介します。

内容:

・母の遺品、そして私の浪費

・過去記事を参考にしている

まず、Mkgさんのお便りです。長いお便りなので、今回は、前半の物を捨てる話の部分をシェアし、残りは別の機会に紹介しますね。



大量の服を残して逝った母

件名:初めてメールさせていただきます。

筆子さま

初めまして。Mkgと申します。

現在30代前半、フルタイムで働いておりましたが先日第二子の産休に入り、我が家に3年ぶりに新生児を迎えるにあたっての空間づくりやこれからの家計管理について思いを巡らしている際に、筆子さんのブログにたどり着いた新参者です。

これまでブログ、SNS、動画など他の方が作成されたコンテンツ全般に対して、いつも無言であやかるだけでコメントや感想をろくにお伝えすることもしてこなかった私ですが、

筆子ジャーナルの記事に書いてあることを自分なりに実行してみたり、ブログに引用されている他の方のメールを拝読したりする中で、「わたしも直接感謝をお伝えしたい」という気持ちがふつふつと湧き上がり、こうして文章を打っております。

すでにかなり長文ですが、1本のメールにはしたためきれないため、これから、折に触れて何度か送らせていただくと思います。

ふだんこのテーマについて話せる仲間もおらず、そのぶん最初はほとんど自分語りのようになりたいへん恐縮ですが、お時間の許すときにお読みいただければ幸いです。





大量にあった母の衣類

私自身、もともと3〜4年前から、少しずつミニマリストを志向してきました。大きなきっかけは、晩年難病を患い、私も若年ながら介護をしていた母の死です。母が生きていれば筆子さんより1つ2つ、年上です。

最期の数年を在宅で療養していた母は、元気だった頃には服が好きで大量に持っていました。

今思うと、母も結婚生活では苦労しており、ストレスフルだったのだと思います。両親は母が病気になる前、母から切り出し熟年離婚しました。

最終的には要介護5で寝たきりとなり、めったに外出もできず、着替えをするにも介助が必要で、持っていたたくさんの服も少しずつ処分しながら過ごしましたが、それでもついぞ着れなかった服が亡くなった後、大量に残っていました。

その後実家を引き払うことになり、母の遺品を整理していたのですが、「病気になったのは結果論だが、果たしてこんなに必要だったのだろうか」と思ったとき、私の中で最初のスイッチが入りました。

お気に入りがたくさんあっても、それらを使うことのできなかった母の感じていた虚しさは、いかばかりだったでしょう。

もちろん、療養中の母の生活に必要だったあらゆる用品(消耗品や介護用品)も、死後は使うことはないので大量に手放すことになりました。

それらはwantsではなくneedsのモノたちでしたが、それでも役目を終えれば、残された私にとってはガラクタになってしまいます。

一部は遺品として取っておく選択肢もありましたが、ただかさばるだけだし、母も病気で苦しんでいた自分を想起させるようなものをわざわざとっておいてほしくはないだろうと思ったので、家に来てくれていた訪問看護の方などを頼って潔く手放しました。

私の消費も甚だしかった

そして私自身も、母の介護をしていた20代は、さまざまなストレスからどんどん浪費し、暮らしを拡大させていく一方でした。

特別おしゃれが趣味というわけでもなかったのに、ZOZOTOWNで大きな段ボールいっぱいの服を何万円分も一気に購入したり、

毎月ジェルネイルやまつげエクステに通うようになったり、あとはある資格を取るためなんの迷いもなく20万円くらいをポンと払ったり、

読みもしない難解な本を教養のためにやたらと買ったり、夜な夜なひとりで近所のラーメン屋や居酒屋に飲みに行ったり。(どれも今は全くやっていません)

実家だったので固定費がほぼかからないのと、仕事も続けていたのでさいわい貯金ができるくらいではありましたが、それでもストレスというのはつくづく怖いなと思います。

そういった様々な「自分のソトにあるもの」に手を出したり、しがみつくことで、なんとか社会とのつながりを保とうとしていたのかもしれません。

人生経験のひとつにはなりましたが、おそらく2度とやらないだろうなと思うことばかりです。

不用品を捨ててみた

また、母が生きていたとき、彼女の病気の進行に合わせて住環境を変えるため短期間に何度か引っ越しをしたのですが、前に自分の分を荷造りしたときの段ボールのいくつもが、次の引っ越しの際に未開封のままになっていたという事実とも、向き合わざるを得ませんでした。

中身は服や、趣味のものや、思い出の物や、とにかく雑多なモノたちです。

不用品は大人しく箱に収まってたので汚部屋というほどではなく、ミニマリズムという言葉も当時はよく知りませんでしたが、あまりに未開封の段ボールが溜まってたので、ためしに「捨てたらどうなるだろう」「多分どうもならなそうだな」と思った私は、手始めに服を処分しました。

最初は、明らかに何年も着てないし着たくもないものから、リサイクルショップに持っていきました。

大して高い値はつきませんでしたが、ずっと侵食されていたスペースに余白ができ、気持ちが不思議とすっとしました。

もともと注意散漫なタイプなので、決断疲れが減ったことが大きかったのだと思います。

最初のこの感覚が成功体験となり、ドンドン服以外も物が捨てられるように。

そして今の家に引っ越しをするとき、この際、気に入ってないけどとりあえず実家から持ってきていたソファやタンスや食器棚は捨てて、お気に入りの家具だけでシンプルに暮らそうと決め、大物を処分することにも抵抗がなくなりました。

Mkgさん、はじめまして。お便りありがとうございます。

不用品を捨ててみたら、すっとしたんですね。その気持ち、よくわかります。

お母さん、まだ若いのに病気で亡くなってしまったのですね。それは残念なことでした。Mkgさん、介護、大変でしたね。

お母さんは、好きで買った服の多くを着ることはできなかったけれど、晩年は、Mkgさんに看病してもらって幸せだったと思います。

お母さんが大量に服を残したからこそ、Mkgさんの物との付き合い方が変わったのだから、お母さんは最後にいいことを教えてくれましたね。

私も、20代のころは、たくさん物を買っていましたが、やはり、ストレスが原因でした。

当時は、別のストレス管理の方法があることを知らなかったし、そもそも、ストレスについて、無自覚でしたね。

Mkgさんは、今は、不用な物は減らして、シンプルに暮らしているのですね。

赤ちゃんが生まれるそうですが、2人目だと育児も余裕をもってできると思います。これからもお元気でシンプルな暮らしを追求してください。

次はまりあんなさんのお便りです。

過去記事が参考になります

件名:ファンレターと質問

こんにちは。

はじめまして、まりあんなです。

30代主婦です。

筆子さんと共通点(私は砂糖•小麦断ちをしたい、名古屋に住んでいる、元汚部屋出身、退職検討中、西式健康法の影響を受けている等)が多く、ご縁を感じております。

私はまだまだ挑戦中のものばかりですが、興味•関心が似ていて、私よりも達成度の高い筆子さんのブログを読むことができて嬉しいです。

筆子さんのおっしゃるミニマリストの定義も大好きです。

インスタでミニマリストの方の投稿を見て、すっきりしたお部屋を称賛させていただく一方で、自分に合わない物を排除する嫌悪感みたいなマインドに対して疑問を持っていました。

私は、たっぷりあるから必要ないという考え方や環境に配慮して広い視野で他者と共存していこうという筆子さんの姿勢が好きですし、共感します。

考え方が似ているので、何かに迷った時は辞書を引くように検索機能を使用してブログからヒントをいただいています。

まだ読んだことのない記事も多くありますが、2015〜2016年頃の記事を参考にさせていただくことが多いです。もしかすると、私の目標とする達成具合がその頃の筆子さんと重なるのかもしれませんね。

ブログを色々と拝見する中で疑問が浮かびました。困り事ではなく、筆子さんへの興味から湧いた素朴な疑問なので、お時間に余裕のある時で結構ですのでご回答いただけたら嬉しいです。

Q.毎日ブログを更新されていますが、こちらは断捨離されませんか?

意味深な感じにも批判的にも取られかねない失礼な質問かもしれませんが、あくまで興味から湧いた疑問です。

ハイペースに感じるけど、負担ではないのかな? 思考がクリアになると颯爽と書けるのかな? ハードだとしても、これは趣味なので苦ではないのかな? と色々なことを検討してみましたが、真実は聞かなければわからないと思いましたので思い切ってご連絡いたしました。

それでは、筆子さんのご健康と真理への到達を祈念しております。

そして、今後も引き続きブログ更新を楽しみにしております。

まりあんなさん、はじめまして。お便りありがとうございます。

古い記事も読んでいただいているのですね。うれしいです。

私は、ほかのミニマリストの発信はほとんど見ていないし、インスタグラムもめったに見ないんですが、ミニマリストの人たちは、自分に合わないものを排除しているのではなく、必要なものを選び取っているんじゃないですかね。

今の自分には関係ないと思うものは、使うのをやめているのでしょう。

さて、ブログの更新頻度が高すぎますかね?

1日1記事書くことは、負担ではありません。昔は1日2記事書いていたので、その頃に比べるとペースダウンしています。

去年名古屋に帰る前に、20記事ぐらい予約投稿し、引っ越し前にも、3記事予約投稿しましたが、これはちょっと負担でした。

でも、それは記事を書くのが大変だったのではなく、予約投稿する理由になる用事(里帰りと引っ越し)の準備がけっこう大変で、そのうえで、余分に記事を書かなければならなかったからです。

特に用事がなければ、1記事書くのは負担ではないし、負担だったら、書きませんので、心配しないてください。

ブログを書くことは趣味ですが、仕事でもあるし、毎日の更新を楽しみにしている方もいらっしゃるので、今後も、できるだけ書きたいと思っています。

では、まりあんなさんも、お元気でお過ごしください。

*****

ブログの更新頻度の要望は、人によってまちまちで、1日2記事書いてほしいという人もいれば、お知らせメールがたまるから、もっと減らしてほしいという人もいます。

記事の長さも、人によって希望が違います。全員の希望には応えられないので、私自身の都合と好みを優先しています。

記事の更新が多いと感じても、あたりまえですが、全部読む必要はなくて、自分が好きなタイミングで、好きな記事だけ、読めばいいですよね。

記事を読むのが面倒なら、本もあります。

1冊目⇒筆子の本が出ます!「1週間で8割捨てる技術」

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ムックは写真やイラストが多いため、すぐに読み終わります。

本も、読むのが遅い人でも、1時間半前後で読めるんじゃないでしょうか?

それでは、あなたも、記事の感想や近況、質問などお気軽にお寄せください。

こちらから⇒お問い合わせフォーム | 筆子ジャーナル

お待ちしています。





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