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先日ご紹介した、阿部絢子(あべあやこ)さんの「モノ・人・お金 自分整理のすすめ」という本の中で、強く印象に残った言葉がありました。それは「若さへのしがみつき」です。
今回は、若さにしがみついていると幸せな老後が送れない理由、どうしたら、若さにしがみつくのをやめられるかお伝えします。
理想の老後とは?
「若さへのしがみつき」は、第1章の「心の整理」に出てくることばです。
阿部さんにとっての、人生の最終章、つまり老後の理想の形は、自分が本当にやりたいことにお金と時間を費やすこと。
心の整理をして、自分のやりたいことを明確にし、目標をもち、それに集中することです。
長らく消費生活アドバイザー、生活アドバイザーとして活躍してきた阿部さんのやりたいことは、「暮し研究」のために海外にホームステイすることと、そのための英会話の勉強、医療ボランティア、環境問題の研究だそうです。
このようにやりたいことを決めると、その実現にはどれだけのお金が必要なのか明らかになるので、予算もたてられるというわけです。
確かにやりたくないことをやっていたり、だらだと流された日々を送っていたら、充実感がありません。死ぬまで不安をかかえて、残された時間もお金も無駄に使ってしまいそうですね。
やはり、この世にうまれたからには、できるだけ自分のしたいことをやって死にたいものです。
若い時は、いろいろなものに興味が目移りしたり、家庭や社会でさまざまな責任をかかえていて、あまり自分の希望を全面に押し出せないもの。
そういう意味では、老後は自分らしく生きるチャンスなのかもしれません。
阿部絢子さんの本のこと⇒阿部絢子の「モノ・人・お金 自分整理のすすめ」の感想~50歳からはお金にシビアになるべし | 筆子ジャーナル
若さへのしがみつきが理想の老後をはばむ
理想の老後を送るときに、邪魔をするのは、自分の欲です。
たとえばやりたいことがいくつもあったら、時間とお金がいくらあっても、果たせません。少しだけ選んで、それに集中したほうがいいのです。「迷わない方法」の記事にも書きましたが、何かを選ぶことは、べつの何かを捨てることでもあります。
迷わないためには?⇒断捨離中にいちいち迷わない3つの方法
人はさまざまな欲を持ちますが、特に女性は若さにしがみつきがち。これでは、暮しがシンプルにならないと、阿部さんは書いています。
年をとると、当然体力が落ちるし、肌の張りもなくなる。にもかかわらず、変わらずにいようとすると、高いサプリメントや高級化粧品、美容整形などに頼ることになる。年を重ねるにつれて、だんだんとエスカレートしていくことも多い。
こうなると、お金は出ていく一方。それでいて、いつになっても自分に満足できず、老いていくことへの不安を常に抱えることになる。
なるほど、確かに、若さにしがみつくのは「ないものねだり」ですから、いつまでたっても満足は得られないですね。
若さにしがみつかない方法
若さにしがみつかない方法として、阿部さんは、
1.できなくなったことを数えない
2.人と自分を比べない
3.うまく年を重ねている先輩に出会う
という3つの方法を提示しています。
それぞれ具体的にどうしたらいいか考えてみました。
1.できなくなったことを数えない
これは、過去の栄光にしがみつかず、今できることに目をむけること。そのために断捨離をして身辺を整理するのがいいですね。物を処分するときは、「今の自分の暮しに必要なもの」を選ぶのが鉄則ですから。
2.人と自分を比べない
自分と他人を比較しないことは、別に若さにかぎらず、常に心がけたいことです。自分と同じ条件の人なんてこの世にいないですから、比べるだけ時間の無駄です。ただ、比べることで、負けず嫌いの人はパフォーマンスがあがったりしますから、一概に悪いとばかりは言えませんが。
人と比べて、すぐに気分が落ち込む傾向のある人や、ひがみっぽい性格の人は、ソーシャルネットワークはやらないほうがいいと思います。
私は思うのですが、まだインターネットがなかった時代は、人は、自分を誰かと比べると言っても、せいぜい身近にいる兄弟姉妹、親戚の誰か、友だち、近所の人ぐらいだったと思います。
ところが、今は、大勢の人がブログを書いていて、中にはすごい人がたくさんいます。そこで、自分と境遇が似ているそういう人と自分の暮しを比べて、がっかりしたり、無理に背伸びをして、自分を見失うことが多いのではないでしょうか?
「すごい人」というのは、昔から、ある一定の割合でいたと思います。ですが遠くにいる人のことは知る由もありませんでした。
ところが、ネットができたことにより、そういう人たちのことを、まるで隣人か何かのように身近に感じることができます。それもずいびん大勢の「すごい人」のことを。さらに、ブログやフェイスブックによって、その人たちの私生活まで詳しくわかります。
今の情報化社会は、便利な反面、知らなくてもいいことまでいっぱい見てしまう社会だという気がします。この点でも意識的な情報の遮断は必要です。
関連⇒情報を遮断すると持たない暮しが実現してしまう理由とは?
3.うまく年を重ねている先輩に出会う
充実した老後を送っている、人生のよき先輩は何も身近な人ばかりとは限りません。本やメディアに登場する人でもいいです。
たとえば、「徹子の部屋」にも出演した、100歳の現役カメラマン、1914年生まれの笹本恒子(ささもとつねこ)さんなんて、どうでしょうか?
☆97歳のときの動画
☆99歳のときの動画
常に好奇心、向上心を持って、新しいことにチャレンジするとことと、自分で自分を養う覚悟を持つことが、高齢でも元気で生き生きと暮らせる秘訣のようです。
笹本恒子さんも良き先輩ですが、1933年生まれの黒柳徹子さんも、「元気なお年寄り」ですよね。黒柳さんは私の母と同じ年なので、ちょっと驚いてしまいます。
自分らしさを大切にする
私が思う、若さにしがみつかない1番の方法は、やはり、過去ではなく、今の暮しにフォーカスすることです。
そして自分らしさを大切にすること。
若さにしがみついている女優さんは多いですが、若くあったほうが商品価値があがるから、と思っているからでしょうね。
確かに、年をとった女優さんより、若い女優さんのほうがいい役がいっぱい来るみたい。
ですが、年をとったら、もう若さで勝負すべきではないと思います。というのも、永遠に若くいられることは不可能なのですから。
女優さんほどでないにしても、一般に日本人女性はいい年をしているのに、「若くありたい、可愛くありたい」と願っている人は多いものです。
これは、「女性は若ければ若い方がいい」と考える日本人男性や日本社会の風潮のせいもあるでしょう。
ですが、人が年をとるのは自然の摂理であり、誰にも変えられない原則。この原則にさからうのは、土台無理があります。外部からの押し付けにいちいち反応するべきではないのです。
代わりに若さ、可愛さ以外の価値観を追求していくべきではないでしょうか?そうしないと、阿部さんの言うように、弱みにつけこむ美容業界のいいカモになってしまいます。そして、「いくつになっても自分に満足できない」状態に陥いるのです。
自分らしく生きるためには、ミニマリストになるのも1つの方法ではなかろうか、と筆子は思います。
ミニマリストというのは、既成の固定観念や社会通念を疑い、自分の価値判断を持つこと、あるいは持とうと心がけることでもありますから。
ところで、若さにしがみつくことと、心身ともにいつまでも若くありたいと努力することやアンチエイジングは違います。でも、この境界線はずいぶんあいまいですね。
何事もそうですが、バランスをとりながら、今の自分を受け入れていこうと思っています。