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母と実家を片付けた体験をつづっています。今回は、食器を断捨離した日のこと。
食器の捨て方と、特に高齢者の整理整頓について私が考えたことをお伝えします。
母は食器もたくさん持っていました。
1人暮らしのおばあさん(当時81歳)なのに、食器棚が3つもあったのです。
昔4人家族だったので、家族が減ってもそのままにしていたみたい。暮しは変化するので時々は新陳代謝させなければなりません。
とても1日では捨てきれなかったので、何日かにわけて間引きしました。
母の3つの食器棚:入れ物があると中身が増えてしまう実例
台所にあるメインの食器棚
ごらんのようにけっこう大きいです。この中に食器や調理雑貨がびっしり。引き出しの1つだけが、乾物入れに使われていました。
小さい食器棚
キッチンにはもうひとつ食器棚があります。
普段使いのお茶碗、マグ、お椀などを入れてます。
下はお米入れ。しかしここにお米を入れておくと、虫がわくそうで、母はなんとレジ袋をびっしり入れています。
レジ袋の話⇒家にある紙袋を全部捨てても、生きるのに何の問題もない~実録・親の家を片付ける(5)
座敷にある食器棚
この食器棚はどちらかというとディスプレイ用。もう何年も使わないボーンチャイナのティーカップセット(ロイヤルアルバート)、湯のみのセット、盃のセット、コレクションのリキュールのミニチュアボトルなど。
棚の上にのせている猫の飾り物も多いですね。
猫の置物、コレクションしているのでしょうか?
コレクションはシンプルライフの敵です。
関連⇒人はなぜ物を集めたがるのか?~私はこうして収集癖を断捨離しました
どの食器棚もびっしりです。
しかも、食器や調理関連の物を収納できる場所はこれだけではありません。台所のL字型の流しとカウンターにそって、上に作り付けの物入れがあるし、流しの下にも物入れがあります。
やはり物を入れる場所があると、詰め込んでしまうのです。
私としては、まっさきに小さい食器棚を捨てたかったのですが、母の抵抗が強くできませんでした。
たくさんあるのでこんまり流の全出しをすると、生活ができなくなりそうだったので、場所ごとに捨てて行きました。
食器の断捨離をするときは以下のルールを適用しました。
このシリーズを最初からじっくり読む方はこちらへ⇒実録:親の家を片付ける(1)~まずは自分のものをどんどん捨てる
食器の断捨離5つのルール
1.ダブっているものは捨てる
2.重い食器は捨てる
3.欠けているもの、汚れているものは捨てる
4.使いにくいものは捨てる
5.使っていないものは捨てる
1つずつ説明します。
1.ダブっているものは捨てる
母は1人暮らしなので、本当は自分1人の分だけでいいのですが、マグカップをたくさん持っていました。
昔私が買ったものも残っていました。そこでこれだけ捨てました。
何ともバラバラの品揃え。
私が1980年代に買った「いまどきのこどもの」のツグムくんのマグカップがそのまま残っていました。手前のフタはフェリシモのフタ付きのマグのものなど。
数年前に1杯分だけ作るハーブティー用や中国茶用のマグカップが流行ったのでその名残です。
はやりものには飛びつかずベーシックなマグを1つだけ使うのがシンプルライフのコツ。
2.重い食器は捨てる
年寄りの1人暮らしには、食器に限らず重い物は禁物。疲れてしまうし、事故のもとです。
やたら大きい重い皿などを捨てました。
3.欠けているもの、汚れているものは捨てる
風水では欠けた食器は運気を下げると言いますが、そんなことより、危険ですよね。ひびが入っているものも、そこにバイキンがたまりそうで不衛生です。
レストランを開くことできるほど食器を持っているのに、わざわざ欠けた食器を使う必要はありません。
汚い汁椀を捨てて、お客さん用にしまいこんであった物をふだん用におろしました。
4.使いにくいものは捨てる
洋食器はわりと一定の形をしていますが、和食器はデザインが豊富です。
野菜の形をしたお皿とお椀の中間みたいな食器、粗品でよくもらいませんか?
ハート型のお皿とか、お皿なのか花器なのかよくわからない器も。また、これは洋食器ですが、エスカルゴなんて食べないのにエスカルゴ用の丸いくぼみがいっぱいついているお皿を持っていたり。
こういう特殊な形のお皿は収納しにくいし洗いにくいので捨てました。
5.使ってないものは捨てる
これは食器に限らず、洋服でも雑貨でもそうです。
食器がたまる理由に書きましたが⇒なぜ日本人はこんなに食器を持っているの?~食器が増える理由と増やさない方法
日本では、引き出物や粗品で食器をもらうことが多いので、その家のテイストに合わない食器がどんどん増えてしまうのです。
もらった食器(箱に入ったままでした)を優先的に捨てました。
高齢者の母の暮しを尊像して断捨離
自分のものならばんばん捨てられるのですが、母はもちろんミニマリストではありませんから、捨てすぎないようにしました。
具体的には、以下の3点に気をつけました。
1.母の生活ががらっと変わりすぎないようにした
2.自分でうまく収納できるように配慮した
3.捨てるものは母に決めさせた
これも1つずつ説明します。
1.母の生活ががらっと変わりすぎないようにした
母はまだまだ元気で1人暮らしをしているので、暮しが変わりすぎないようにしました。
近藤麻理恵は、捨てて家の中の空間ががらっと変われば、リバウンドせず、物の少ない暮しを送ることができる、と書いていますが、それは本人が断捨離にコミットしている場合です。
捨てるのにあまり積極的でない母を促しながらの断捨離なので、環境が変わりすぎないように気をつけ、母のお気に入りの器は残すようにしました。
2.母がうまく収納できるように配慮した
ふだん使うものは取り出しやすい場所にしまったり、重いものを高いところに置かないようにしました。原則、母の好きなように収納してもらいました。
人間は変化を嫌う動物なので、たとえば収納場所がちょっとでも変わるとそれだけでストレスを感じます。
3.捨てるものは母に決めさせた
当事者意識を持ってもらうために、「これはどうする?」と1つずつ母に見せて、捨てるものを決めてもらいました。
そうすれば、「娘に捨てられた」と思わないでしょうから。
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母はいい食器は「お客さんのために」とっていました。
普段使いはそのへんにあるものを使っています。
自分は毎日家で食器を使うのに、年に何回来るかわからないお客さんのためにいい食器をしまっておくのは、あまりいい暮し方とは思えません。
食事をして行くお客さんが来る頻度も以前に比べてずいぶん減りました。
結局、食器がいくらあっても使うのは母1人だけ。
めったに使わない食器は棚の奥で、薄汚れていきます。
「棚に詰め込んである使わない食器は捨てて、いつも使う食器を取り出しやすくしておくほうが、毎日の暮しが楽しいよ」、と言ったら納得してくれたようです。
☆この続きはこちら⇒年賀状の整理と断捨離の方法~実録・親の家を片付ける(9)
☆後書き
飲食店が開けそうなほど食器を持っていた母でしたが、種類、テイストはバラバラでした。食器はもらいものが多く、あまり自分でテイストをそろえて買うということをしないからでしょうね。
たくさん捨てたら、ふだん使う食器が取り出しやすくなく、母も喜んでいました。
日々の暮しが簡単になるのが1番ですね。