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「私は片付けられない人ですが、断捨離をがんばってみます」というメールをもらうことがあります。
もしかしたら、この人は、すでにこの時点で、片付けられない道を歩んでいるのかもしれません。「自分は片付けられない女なんだ」という強いセルフイメージを持っていると、そのとおりのことが起きてしまいます。
何も始めない前から、わざわざうまくいかないお膳立てをしてしまうのです。
このような望ましくないセルフイメージを変える方法を4つお伝えします。
1.自分は自分の思ったような人になることを知る
自分のふだんの行動は、自分が「私はこういう人だから」と考えている、自分の信念の反映です。
「私は片付けられない女」「私は心配性」「No(ノー)と言えない人」「気にしいな人」などなど、誰もがちょっとネガティブなセルフイメージを持っています。
しかし、よくよく考えてみると、人間の性格はそんなふうに「私は◯◯な人」とばさっと言い切れるほど単純ではありません。みな、いろいろな面を持っています。
私は私のことをよく「ズボラでどんぶり勘定主婦」と書いていますが、場合によっては、ずいぶん細かいところに目がいきます。もしかしたら、「細かいことによく気がつく繊細な人」と言えなくもありません。
自分に対する認識の仕方はたくさんあるのです。
もし何か、達成したいことがあるときは、それに沿った自己認識を採用したほうがいいのではないでしょうか?
「私は片付けられない女」と念仏のように唱えながら、日々断捨離をすることは、サイドブレーキをひきながら、アクセルを踏んでいるようなもの。
少しでも自分のゴールに近づくのを助ける、新しい自分のイメージを自ら作り上げるべきだと思うのです。
人生は自分の認識をベースにできています。自分がいかにこの世界を見ているか、自分に対してどんなふうに考えているか、こうした思考で決まってしまうのです。
何ごとも自信がないと成し遂げにくいのですが、この自信を持つために、新しいセルフイメージを採用するのはとても重要です。
本当に汚部屋を脱出したいなら、「私は片付けられない女だから」というべきではないのです。
口癖は強力なパワーを持っています⇒断捨離中に言ってはいけない12のNGワード。言葉が思考を作り現実を変える。
2.事実と意見の混同を避ける
自分について考えるとき、事実と単なる意見を混同させないようにします。
「私はこういう人だから」と人が自分のことを思うとき、必ずしも、事実にもとづいた判断ではありません。単なる思い込みのことが多いです。
事実とは実際に起こった事柄や現実に存在するできごとです。それは客観的な声明で、それなりの証拠があり、多くの人が同意できる内容です。
たとえば、
●筆子は1959年に名城病院で生まれた。
●アメリカ合衆国の第45代大統領はドナルド・トランプ氏である。
●地球は自転している。
これに対して、意見は、その人の主観的な考えを述べるものです。客観的な事実が元になっているのではなく、感情的な評価がベースになっていることが多いです。
主観的な声明なので、意外と間違っていることがあります。
たとえば、
●私は絶対片付けられない女なの。
●私の義理母はドケチ人間だ。
●私の夫はどうしようもなくプライドが高い
本人はそう強く信じているかもしれませんが、それは事実ではなく、その人の考えや信念にすぎないのです。
もちろんどんな意見を持とうとその人の自由です。
しかし、自分のことに関して、間違った信念を持ち続けていると、せっかくこの世に生まれたのに、命を輝かせて楽しく生きることができなくなります。
自分に関するネガティブな信念が、その人の限界を作ってしまうからです。
「私は絵を描く才能が全然ない」と思っている人は、たとえ絵を描く仕事がしたいと思っても、この信念が足かせになり、その道にすすまないでしょう。
サン=テグジュペリの「星の王子さま」の主人公は、6歳のときに描いた絵を、周囲の大人にまったく理解されませんでした。
それどころか、「絵なんて描いてないで、地理、歴史、算数、文法を勉強しなさい」と言われたため、この時点で、画家になるキャリアをあきらめてしまいます。
幸い、彼は大人になってから、サハラ砂漠で、星の王子さまに「羊の絵を描いて」としつこく言われたので、また絵を描くことになりましたが。
人は、ポジティブなことよりネガティブな考えにウエイトをおく傾向があります。
この点についてはこちらの動画をどうぞ⇒人はネガティブ思考を引きずるようにできている話と、そこから抜け出す方法(TED)
大人になったあとも、一度手にしたマイナスのセルフイメージを手放さない人がたくさんいます。
まあ、自分に対するイメージをほいほい変えてしまうと、アイデンティティの崩壊が起きるので、そんなに簡単に捨てることはできません。
しかし、自己に対するイメージは自分で変えることができます。
「私は片付けられない」と自動的に思っているのなら、それは事実なのか、意見なのか、一度調べてください。
もしかしたら、大きな勘違いかもしれません。
自分に対する認識を変えるだけで、隠れていた能力を発揮できたり、限界や障害だと思っていたことがするすると消えていくことがあります。
3.表面の現象を見て決めつけずその裏にあるものを見る
表面のできごとのみにとらわれていると、間違ったセルフイメージを持ちやすいです。いつも、できごとの背後にあるものを考えるようにすれば、ネガティブイメージのワナから抜け出せます。
たとえば、当ブログの、シンクを磨くすすめを読み、1週間ぐらい流しを磨いたとしましょう。
しかし今朝起きたら、またシンクの中がぐしゃぐしゃでした。
できごとの表面だけ見ていると、「あ、磨けなかった⇒やっぱり私は3日坊主」、「あ、汚い⇒やっぱり私は何をやっても続かない人だ」「あ、ぐしゃぐしゃだ⇒私は片付けられない女」という元の誤ったセルフイメージに戻ってしまいます。
こういうときは、表面ではなく、その裏にあるものを見るべきなのです。
つまり、「なぜ流しの中がいま、汚いのか」ということです。
自分が磨かなかったから汚いのかもしれませんが、流しが汚くなる理由はそれだけではありません。
もしかしたら、夕べはほかのことで忙しく皿洗いを後回しにしたのかもしれません。
磨こうと思っていたら、ママ友から電話がかかってきて、長々と話し込んでしまい、子供のお風呂の時間になり、その後はバタバタと過ごしてしまったのかもしれません。
ちゃんと磨いたけれど、夫が夜食にカレーやラーメンを食べて、中に食器を放置したのかもしれません。
あるできごとが表出するその裏には、さまざまな舞台裏があるのです。
すばらしい舞台や映画は、舞台裏や裏方のスタッフの力や働きに支えられています。一番重要なのは、表面ではなく、その背後にある事情なのです。
舞台裏やビハインド・ザ・シーンで起きていることを想像してみるクセをつけると、そんなに簡単に、「私は片付けられない女」とは言うことができなくなります。
尚、舞台裏について考えるときは、できるだけ多角的なものの見方を意識してください。
舞台裏で起こっていることは、自分の力の及ぶこともありますが、自分にはコントロールできない物ごともたくさんあります。
突発的なできごとや偶然、運命といったことは自分にはどうしようもできないのです。ここを無視して、何でも自分に引きつけて考える人がいます。
その結果、自分のことを「◯◯な人」と決めつけてしまうのは、自分で自分の首を絞める行為なので気をつけてください。
偶然という要素を無視すべきでない話に納得したい人はこちらの動画をどうぞ⇒仕事の失敗でいちいち落ち込まない方法。親切で、優しい成功哲学(TED)
4.新しい成功体験を積み重ねる
新しいセルフイメージを定着させるために、小さな成功体験を重ねることを意識してください。
今まで強く、「私は片付けらない女」だと思っていた人が、「いや、実はそれなりに片付けられる人なんだ」という新しいセルフイメージを持つことにしたとします。
このとき、日々の小さな片付けをクリアしていくと、だんだんその新しいイメージになじみ、いつしかそれが強い確信に変わります。
ポイントは、毎日、ほんの小さなことをクリアしていくところです。
セルフイメージを変える、という目的を考えると、いきなりクローゼットの服を全出しして、祭りのように行う断捨離はおすすめできません。
このような一気捨ては、たとえ、「私は捨てるのが得意だ」と思っている人でも失敗します。
時間的にも物理的にもとてもハードルが高いからです。
そこで、毎日、短い時間、少しずつ少しずつ捨てていってください。もし毎日が無理だと思ったら、月・水・金の週3日でもいいです。
片付け時間は3分~15分あたりが妥当だと思います。その1回を片付けきることができたら、それは1つの成功体験。これを日々積み重ねていきます。
「15分ぐらい捨てたところで何も変わらない」という人がいます。しかし、これまでの自分は、「自分には片付けられない」という前提で動いていたことを忘れないでください。
今は、新しいアイデンティティの基礎を固めているときなのです。
汚部屋の見た目はろくに変わらなかったとしても、それは表面に見えていることにすぎません。3番に書いたように、舞台裏について考えてください。
きのうとは違う自分が片付けているところみそです。自分で自分の限界を作っていた世界から、そうではない世界に移行したのです。そうなったら、もうこれからはどんな部屋でもバリバリ片付けることができます。
それぐらい、人は自分で自分の能力にフタをしたり、解放したりする力が強いのです。
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今回は、「私は片付けられない人だ」という誤った自己認識を変える方法をお伝えしました。
まずは、自分で自分をどう思っているかが、自分の行動の質を決めていることに気づいてください。「片付けられない」と思っていると、本当に片付きません。