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母親が無駄遣いするのでやめてくれるよう説得したい、どうしたらいいか?
この質問に回答します。
まずメールをシェアしますね。みなこさんからいただきました。
もったいないことをする母親
件名:親の浪費
私がもったいないから安くなくても必要な特に必要な分買ったら?というと、あんたのお金じゃないでしょ!と口論になってしまいます。
生き物の命に申し訳ないです。
母はどうしたら納得してくれますか? ちなみに両親は年金暮らしです。
みなこさん、こんにちは。お便りありがとうございます。
みなこさん、1ヶ月前にも似たような質問をくださいましたよね?
ご両親がクレジットカードでトイレットペーパーやカレールーを買いだめして倉庫にためるのをやめてもらいたい、という相談です。
クレジットカードで物を大量に購入し倉庫にため込む両親をどうにかしたいなら。
その質問に対して、私は記事を1つ書き、回答しましたと、リンク付きでみなこさんに返信しましたが、その後、トイレットペーパーやカレールーの問題は解決したのでしょうか?
あるいは、解決の方向に進んでいるのでしょうか?
その点について、私は知りたいです。
記事を読んでも、何をどうしたらいいかわからなくて、そのままになっているなら、どこがわからないのか質問してください。
まあ、たぶん解決に至らなかったから、また質問されたのだと思います。
今回はべつの角度から回答してみますね。
ほっとく、という手もある
みなこさんは、今すぐお母さんに魚や肉を無駄にするのをやめてほしいのでしょうが、「自分のお金を自分の好きなように使って何が悪いの」というお母さんの主張は間違っていません。
「生きものの命に申し訳ない」とかは、みなこさんの個人的な事情であり、お母さんにはお母さんの考え方があります。
そもそも、スーパーに並んでいる肉や魚はすでに死んでいるので(中には生きたまま食べるものもありますが)、それをちゃんと食べたからって、生きものの命は蘇りません。
もちろん、私も、自分が食べる分だけ買ったほうがいいと思いますが、そうではないべつの価値観を持つ人や、そんなこと、いちいち気にしない人もたくさんいます。
お母さんの思考や行動を変えることは、基本的にできないので、物事を自分の思い通りにしようとするのはやめて、ご自身の課題に取り組んだほうが、生活の質があがると思います。
人をコントロールしようとする心を捨てる7つの方法。おせっかいはストレスの元。
あるいは、親を説得するのを少し待つという手もあります。
たぶん、今はお母さんはまだまだ元気なのです。元気で、現役時代と同じようにいろいろなことができているから、娘にああしろ、こうしろと指図されたくない。
若い人から見たら70歳はすごい年寄りでしょうが、本人はそう思っていないかもしれません。
まあ、70歳で、病気していないなら元気だと思います。私も6年後に70歳になりますが、このままの調子が続くのであれば、あまり年を感じていないだろうし、年を感じていなければ、子供からあれこれ指図されるのは不愉快に感じます。
しかし、75歳ぐらいになって、衰えを実感し始めたら、今とは心境が変わるから、そのとき改めて、お金の使い方についてアドバイスしてもいいかもしれません。
介入するならば
「いや、母親のお金の使い方は、子である私の暮らしにダイレクトに影響があり、私はとても切羽詰まっている。今、なんとか説得しなければ、生活が破綻するし、親の未来も私の未来も絶望しかない」
そんな状況のときは、介入したほうがいいです。
その場合は、前回の記事でも書きましたが、まず現状を把握してください。
今、ご両親が借金だらけで、老後の蓄えも何もなく、あと10年もしたら、みなこさんが1人で、年老いた親の面倒を見ていくしかない状況なら、多少は金銭プランを立てておいたほうがいいでしょう。
ただ、年金暮らしイコール貧乏とは言えません。
たくさん年金をもらっている人もいますので、一度、ファイナンシャルプランナーに、両親の老後資金について、3人で相談に行くといいでしょう。
無料相談を利用すればいいですね。
プロに数字を出してもらえば、娘の言うことをきかないお母さんも、考え方を変えるかもしれません。
話し合いのときすべきこと
介入するなら、お母さんと話し合いしなければなりません。前回の記事で書いたように、自分の気持ちを率直に伝えましょう。
うまく話し合うコツを3つ紹介します。
信頼関係の構築
「もっと魚や牛の命を大事にしろ」と親に言うことは、親の金銭管理のみならず、倫理に対しても、異議を唱えることなので、難しいと思います。
いきなり、「こうしなさい」と言う前に、密な関係を作っておいたほうがいいでしょう。
具体的には信頼関係を構築しておきます。
親子だからといって、信頼しあっているとは限りません。
いきなり難しい問題をまな板に乗せるのではなく、ふだんから、もっと別の、軽めの話題で、いろいろな話をし、コミュニケーションを取っておくと、信頼関係が生まれます。
正論で攻めすぎない
誰かを説得するとき、説得力のあるデータがあったほうが効果的です。
しかし、相手が親や兄弟姉妹、配偶者など、とても親しい間柄だと、1から10まで正しいこと(いわゆる正論)を言うと、かえって反発されることがあります。
これは相手の人柄にもよるし、社会的・心理的な上下関係にもよります(親対子供、先生対生徒など)。
上にいる人が、下にいるしかない人を正論で攻めると、それがどんなに正しくても、下の人は「わかりました」と口で言いながら、心の中ではふてくされます。
みなこさんはお母さんの性格をよく知っていると思うので、正論で攻めないほうがいいとわかっているなら、べつの角度から話を持ちかけましょう。
オープン・クエスチョンをしてみる
お母さんに、「食べきれないほど魚と肉を買うなんて、いったいどういうつもりなの?」とか、「貯金ないのに、老後のお金はどうするのよ?」といった質問をして、お母さんを追い詰めるのは得策ではありません。
前回のメールに、「自分は冷静に話しているのに、両親は感情的になる」とありましたが、もしかしたら、みなこさんは、追い詰めるような質問をしているのかもしれません。
追い詰める質問とは、ダイレクトすぎる質問です。
そういう質問ではなく、もっと遠回しな質問をしてみてください。
たとえば、「お母さん、老後はどこでどんなふうに暮らしたいと思ってる?」とか、「お母さんの理想の老後ってある?」「お母さん、肉や魚だとどんな料理が好き?」みたいな質問です。
こういう質問は、オープン・クエスチョンと呼ばれますが、聞かれた人が自由に答えることができるので、会話をつなげやすいし、お母さんの正直な気持ちを引き出せる可能性があります。
やらないほうがいいこと
最後に、話し合いのときにやらないほうがいいことを4つ書いておきます。
・非難
非難されると、相手は素直にはなれません。
・一方的に話す
自分の意見を一方的に述べるのではなく、相手の意見も聞きます。
まあ、話し合いなので、お互いが話すようにしてください。
・関係ないことを持ち出す
昔の関係ない話題を持ち出して、お母さんを責めないでください。
家族間の喧嘩だと、「そういえば、あのときも、お母さんははああだった」とか、「私はあのとき、すごく嫌だった」といった、昔話を持ち出すことがありますが、これは、過去の失敗や過ちにフォーカスすることなので、よりよい未来にはつながりません。
ただ、お母さんが、先ほど説明した過去のオープン・クエスチョンに対して、昔話を始めたら、そこにお母さんの本音や解決のヒントがあるかもしれないので、辛抱強く聞きましょう。
・無理な要求をする
「今すぐどうにかしてよ」みたいな、無理な要求はしないでください。
親子だとどうしても感情的になるので、難しいのですが、心がけると多少はましになるでしょう。
前回の記事も、今回の記事も、意味がわからないところがありましたら、また質問してください。
以下の記事も参考になるでしょう:
⇒人を説得する方法はあるか?断捨離を邪魔する家族との対話の進め方。
私のアドバイスを読んで、なんらかの行動をしてから、質問してもらったほうが、問題解決に近づくと思います。
それでは、みなこさんの悩みが解消することを祈っています。
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今回、書きませんでしたが、誰かを説得したいとき、自分の体験を話すのも効果的です。
たとえば、物を捨てない人を、捨てる人に変えたいと思うなら、自分は、しっかり物を捨てて、こんな生活を手に入れ、今、こんなふうに感じているといった話をするわけです。
親の金銭管理に口出しするときも、自分はこんなふうにお金を管理しているけど、こんないいことがあったよ、みたいな話をしたほうが説得力があがるでしょう。