トイレットペーパーを抱える女性

ミニマルな日常

最終更新日: 2020.08.13

パニック買いをしない人になる3つの方法。すぐに冷静さを失う人へ。

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パニック買いに走らなくても大丈夫でいられる方法を3つ紹介します。

新型コロナウィルス(COVID-19)が、世界各地ではやっていて、連日、いろいろな国や自治体で緊急事態宣言が出されています。

そんな状況で皆が不安になり、各国で、トイレットペーパー、ティッシュペーパー、お米、パスタ、缶詰、ハンドソープをたくさん買い占める姿が見られます。

あそこまで極端に買い占めないまでも、「たくさん買わなきゃいけないような不安」に襲われている人も多いかもしれません。

以下のように考えると、パニック買いしにくくなります。



1.自分は何を恐れているのか考える

なぜ、人はパニック買いをするのか、その理由を2週間前のお便り紹介記事に書きました⇒楽しく暮らせるかどうかは自分次第。お金を使わなくても実現できる。

買い占める人たちは、この先どうなるかわからないからとても不安で、少しでも自分でコントロールできる買い物に走っているのだと、思われます。

つまり、不安や恐怖を感じているから、たくさん買っているわけです。

このようなときは、自分がもっとも恐れているものについて考えるといいと思います。

私は、このウィルスの流行で、そんなに恐怖を感じていませんが、あえて、何が一番怖いか、自分にとって何が一番ダメージになるか、と考えてみると、自分が死ぬのはさほど怖くありません。

私はもう60年も生きたし、娘も成人したから思い残すことはありません。

死ぬ前に、呼吸困難に陥って苦しくなるのはいやですが、たぶんその時は意識がもうろうとして何も考えられないだろうし、亡くなる人は、感染してから平均17日と数時間で亡くなる、というデータを見たので、苦しいのが3週間未満ならたいしたことはない、と思います。

私が一番起きてほしくないのは、娘が目の前で死ぬこと、これがだんとつで、あとは、母や夫を含めた、その他の親族の死です。

しかし、人間はいつか必ず死ぬから、その時は受け入れると思います。

私がいくらトイレットペーパーを買ったところで、娘が死ぬときは死にます。というか、娘の死とトイレットペーパーは何の関係もないので、私は、トイレットペーパーやその他の物品を買いだめしようとは全然思いません。

このように、自分が一番恐れているものについて考え、それが、物をたくさん買うこととどんな関係があるのか調べてみると、意味のない買い占めや買いだめはしないと思います。





2.買いだめしたあとの結果について考える

自分がたくさんの物品をパニック買いするとどんなことが起きるか考えると、この非常時にほかの人のためにならないことをするのはやめよう、という気になるでしょう。

パニック買いをすると、以下のことが起きます。

必要な人の手に渡らない

誰かがパニック買いをすると、ほかの人も同調してパニック買いする⇒物流がとだえる⇒本当に必要な人、買いだめに走れない人のところにその物品が行き渡らなくなる、こんな現象が起きます。

たとえば、マスクが市場から一掃されると、それが必要な医療や農業の現場、その他仕事や病気でマスクが必要な人のところに、行かなくなります。

世間には、土曜日に、大きな車に乗って、ウォールマートに行き、巨大なカート3つぐらいに、手当り次第にトイレットペーパーや食品を入れて買いしめる、という行動ができない人のほうが多いです。

一部の人が、自分本意なパニック買いをすると、まっとうに暮らしている人が必要なときに、必要なものを買うことができません。

それは、一人暮らしのお年寄りかもしれないし、障害を持った人かもしれません。突然、子どもがおなかをこわしてしまったお母さんかもしれません。実際にそういうことが起きています。

また、今回の騒ぎで、一夜にして、失業してしまう人や、経営が傾いて、来月の家賃を払えるか、不安になっている人もいます。

お金の心配のない人たちが、リーズナブルなトイレットペーパーを大量に買い占めたら、生活が苦しい人たちはちょっと値段が高めの、ぜいたくなトイレットペーパーやティッシュペーパーを買うしかなくなるかもしれません。

私の娘は健康な21歳ですが、いろいろ忙しく、トイレットペーパーを買うのはいつもぎりぎりです。

きのう、娘と買い物に行きました。

娘は、「もう、家にはトイレットペーパーが1ロールしかないから、きょうは絶対買わないと。もしSave on Foods(スーパーの名前)になかったらどうしよう」、とわりに本気で心配していました。

娘は、スーパーの駐車場で、トイレットペーパーを持って店から出てくる人を見るたび、あせっていました。

幸い、店にはそれなりにトイレットペーパーがあったので、娘は安心していましたが、ほかの人に、こういう余計な心配をさせてしまうことにもなります。

メーカーや小売店の人の仕事も増えるでしょう。

無駄にストックがたまる

ストックをためすぎると、スペースを取るなど、いろいろな弊害があります⇒まとめ買いが節約にならない4つの理由。むしろガラクタを増やす危険な買い方。

余計なものを買いすぎて、無駄にお金が出ていく

パニック買いをする人は、平常心ではないので、買わなくていいものまでたくさん買ってしまい、その結果、お金を使いすぎます。

たぶん買い物リストを持って、買い物していないと思うし、持っていたとしても、リストに乗っていないものをばんばんショッピングカートに放り込むのではないでしょうか?

買い物リストについて⇒今日からやってみたい、人生をシンプルにする10の方法(その1)。 「2.買い物リストの導入」をお読みください。

何を放り込むかというと、残り少なくなっている商品や棚にぽつんと残っている商品です。

あるいは、からっぽの棚のとなりにある類似商品かもしれません。

このとき、自分が必要かどうか、適正な値段か、なんてことは考えません(考えられるくらいならパニック買いしません)。

パニック買いをする人は、後先考えず物を買うため、お金を使いすぎます。来月のクレジットカードの請求が来てから驚くんじゃないでしょうか?

まあ、自分が無計画な買い物をするから、その結果貧乏になってしまうのはいいとしましょう。

問題は、ほかの人に必要以上に迷惑をかけることです。

3.冷静にメディアを見る

最後にメディアの情報を冷静に見ることをおすすめします。

連日、新型コロナウィルスの報道が行われ、中にはショッキングな映像、必要以上に人を不安にさせる映像があります。

こうした映像は、現実の1つを切り取っただけであり、ほかにもいろいろな現実がある、と冷静に捉えれば、パニック買いしないと思います。

数週間前に、日本でトイレットペーパーの買い占めが起きたのは、デマ情報のせいでした。

SNSなどで、「新型コロナウィルス感染症の流行のせいで、トイレットペーパーやティッシュペーパーが品薄になっている」とか、「マスクとトイレットペーパーの原料は同じ」とか、「中国で作っているから、手に入らなくなる」という、うその情報が流れ、それを信じた人や、

べつに信じていないけど、トイレットペーパーがなくなることに強い不安感を持っている人や、

何が不安なのかわからないけど、とにかく不安な人が、買いだめしておけばいいんだ、と買いに走りました。

いま、SNSでうその情報があっという間に拡散されるので、こうしたフェイクニュースに振り回されやすい時代です。

しかし、大事なことは政府がちゃんと言うはずです(そのために私たちは税金を払っています)。

ところが、人間は、ことをすごく大げさに、考えてしまいます。

先日、新型コロナウィルスに関する視聴者の質問に専門家が答えている番組をYouTubeで見ました。

ある人が、「自分で作ったハンドサニタイザー(手指を消毒するアルコールが入ったもの)でも大丈夫ですか?」という質問をしました。

これに対して、スペシャリストは、「その質問、よくもらうけど、そんなもの作る必要ないわよ。だって、石けんと水があれば予防できるのだから」と答えていました。

ごくふつうの石けんで手を洗えば、ウィルスを殺せるのです。それは特殊な薬用ソープである必要も、抗菌物質のはいった石けんである必要もありません。

特殊な石けんを使っても、ウィルスを殺すという点では、効果は変わりません。

石けんを使えないときは、アルコール(エタノール)が入った除菌剤を使うように言われていますが、こうした除菌剤を使うより、石けんで手を洗ったほうが効果的です。

詳しくはこちら(英語です)⇒The science of soap – here’s how it kills the coronavirus | Pall Thordarson | Opinion | The Guardian

ところが、石けんはあまりにふつうの商品だから、人は、「石けんだけでは、なんか汚れが落ちなさそう」とか、「しっかり予防できなさそう」と思ってしまうのです。

そして、特殊な商品を求めてしまいます。石けんよりアルコールのほうがえらい(?)と思ったり、「◯◯石けん」より、「◯◯ジェル」という名前の商品のほうが、効力があると思うのです。

「人間は現実を客観的にとらえることが苦手なんだ」、いうことを念頭におき、冷静になるようつとめれば、デマ情報に踊らされることはなくなります。

*****

私の住んでいるところも、学校はデイケア(保育園)から高校まですべて閉まっているし、学童保育も禁止だし、大学はオンライン授業です。

50人以上の集会は禁止され、バーやナイトクラブは営業停止。公立、民間をとわず、文化的な施設や娯楽施設はぜんぶクローズしていますし、北米にいくつもチェーン店があるような大きな会社の店舗はみな閉まっています。

カフェとレストランは空いていますが、フロアに入る50%の人間(最高50人)を入れて営業するよう制限されています。

しかし、マスクをしている人は、めったに見ません。

政府のサイトには、「すでに病気の人は、マスクをすると、ウィルスの拡散を防止できるから、病院に行く時はマスクをするように」とあります。

その一方で、「健康な人には、マスクの使用はおすすめしない(not recommended )」、と書かれています。

マスクをしても感染を防止(full protection)できないし、マスクをしていることで、「大丈夫だ」と思ってしまい、その他のもっと重要な予防法を怠ってしまうからです。

重要な予防法とは、たとえば石けんで手を洗うことや、人が集まっている場所に行かないことです。

日本では、マスクが必須のようですが、予防効果はさほど期待できないので、マスクが手に入らなくてもあせる必要はありません。

ほかの人に合わせるために着用を迫られているのなら、そのへんの布でマスク状のものを作ればいいのではないでしょうか?

★2020/08/12追記:その後、カナダ政府は、「マスクは人に感染させないために有効である」という見解に代わり、現在は、公共のビル内ではマスク着用が義務付けられています(そういう法律ができました)。





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