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「私はこういう人間だ」という思い込みが、今の自分をしばっていることがあります。
過去の役割や肩書き、性格のラベルを一つ手放すと、心が驚くほど軽くなるかもしれません。この記事では、そうした思い込みを手放すヒントをお伝えします。
「私は几帳面な人」「私は母親としてちゃんとしなきゃいけない」「私は年だから今さら新しいことはできない」。
こうしたセルフイメージは、気づかないうちに行動を制限し、選択肢を狭めてしまうことがあります。
もちろん、そうした自分像があるからこそ、自分として生活できています。
でも、そのイメージに合わせるのがしんどくなったときや、もう合わなくなっていると感じたときは、手放すことも必要です。
自分に対する思い込みを洗い出し、必要のなくなったセルフイメージを手放していきましょう。
セルフイメージが自分の行動を妨げる
誰しも、自分に対してさまざまな決めつけをしていますが、これが今の本当の自分に合わないと、苦しくなってしまうことがあります。
「私はこういう人間だ」と信じていることの多くは、過去の経験や周囲の反応、昔の肩書きや役割からつくられたものです。
たとえば、昔は仕事一筋だったから「私はバリバリ働く人間だ」と思っていたり、長女として育ってきたから「私はしっかりしていなければならない」と信じていたり。
ですが、時間や環境が変わった今も、そのイメージを持ち続ける必要があるでしょうか?
疲れているのに、「しっかり者の私が弱音を吐くなんて」と思ってがんばってしまう。
新しいことに挑戦してみたいのに、「もうこの年齢だから、何をやってもムダ」とあきらめてしまう。
セルフイメージは自己認識や行動に大きな影響を与える重要な概念ですが、それゆえ、自分自身を縛る足かせにもなります。
ただ、それに気づくのは簡単ではありません。自分にとっては当たり前すぎて、疑うことさえ思いつかないからです。
自分に対する理解や思い込みを正すと、その後の行動がかなり自由になります。
まず、今の自分にとって、そのイメージが本当に必要なのか、問いかけてみてください。
古いラベルを見つけてみよう
私たちは、日々の暮らしの中で「私はこういう人だ」と自分にラベルを貼りながら生きています。
ここで言うラベルは、性格・役割・肩書き・価値観など、自分自身に対する決めつけや思い込みのことです。
たとえば、「私は几帳面」「私はリーダータイプ」「私は内向的」など。
筆子で言えば、「私は人見知り」「私は几帳面」「私は責任感が強い」「お金のことを考えるのが苦手」といったラベルがあります。
ラベリング(ラベルを貼ること)が悪いわけではありません。ラベルのおかげで、自分の価値観や行動の指針が明確になり一貫した行動を取ることができ、ポジティブなラベルを貼れば、自信も育まれます。
けれども、そのラベルが古くなっていたり、今の自分に合っていなかったりすると、本当にしたいことができなくなります。
あなたには、どんなラベルがあるでしょうか? いくつか例を挙げてみます。
- 私は責任感が強い どんなときでも人に頼らず、自分がやらなきゃと思ってしまう。休むことに罪悪感を感じやすい。
- 私はきちんとしている人 部屋や服が少しでも乱れていると落ち着かず、完璧を求めすぎて疲れてしまう。
- 私はいつも明るいがんばりやさん 落ち込んでいる自分を受け入れられず、つらい気持ちにフタをしてしまう。
- 私はいい母親なんだから我慢が必要 自分の気持ちや欲求を後回しにしすぎて、知らないうちにストレスをためてしまう。
- 私はもう年だから、変われない 新しいことに興味があっても、「どうせ無理」と挑戦する前にあきらめてしまう。
こうしたラベルは、かつての自分には必要だったのかもしれません。
でも、今もそれが必要とは限りません。
古いラベルのせいで、今、あなたが苦しいなら、ペリっとはがしましょう。
ひとつだけ、ラベルを外してみる
ここでは、ラベルを無理なく手放す5つのヒントを紹介します。
ただし、何もかも一気に変えようとしないでください。180度変えようとすると、かえって混乱し自信をなくします(アイデンティティの崩壊)。まずは、自分をしばっているラベルをひとつだけ外してみましょう。
1. 自分を苦しめているラベルを見つける
ふだん、「〜でなければならない」「〜するべき」と強く感じていることがないか、振り返ってみてください。
たとえば「私はしっかりしていないといけない」「私は社交的な人間であるべき」「私が実家の片付けをしなくちゃ」など、今の自分を窮屈にしているラベルを探してみましょう。
「~しなきゃ」と思っていないか、紙に書き出してみてください。すると、自分を追い込んでいる言葉に気づけることがあります。
2. 自己認識を広げる
「私はこういう人」と思い込んでいると、せっかくのポテンシャルを発揮できないことがあります。
人の性格や行動には傾向がありますが、それは、状況や時期によって変化します。
たとえば「私は人見知り」と思っていても、趣味の場では自然に話せることもありますよね?
私は人見知りですが、初対面の人とは意外にふつうにしゃべるし、周囲からは、「どこが人見知りなの?」と言われることもあります。
ある一面だけを自分のすべてだと思わず、「今の私はどうかな?」と問い直してみましょう。
3. 新しい経験を積む
これまでのラベルを外すには、あえて違う行動をしてみるのが効果的です。
たとえば「私は運動が苦手」という思い込みがあるなら、5分だけ外を歩いてみる。
「私は出不精」という人も、たまには誰かと外でお茶してみる。
たぶん、5分のウォーキングも、人と会うのも楽しいと思います。
こうした、小さな行動から、新しい自分に出会うことができます。
4. 言葉の使い方を変える
「私は〇〇な人だ」と断定するのではなく、「そういう傾向がある」「今はそんな気分」と言い換えてみましょう。
たとえば、「私は完璧主義なんです」ではなく「完璧を求めすぎてしまうことがある」と表現するだけで、可能性が広がります。
自己認識を変える方法。「私は片付けられない人」というセルフイメージが汚部屋を作る。
5. 他者の視点を取り入れる
自分では見えていないラベルに、他人は気づいていることがあります。
「そんなにがんばらなくていいよ」「あなたって意外とおおらかね」と言われたことはありませんか?
家族や友人など、心を許せる相手の言葉を素直に受け止めてみると、思いがけない自分に出会えることがあります。
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おわりに:ラベルは意識して選ぼう
自分にラベルを貼ることを心理学では、ラベリング効果といいますが、ラベリングは自己イメージを形作る強力なツールです。
記事に書いたように、どんなラベルを貼るかが、行動や自己認識に大きな影響を与えます。
ポジティブなラベルを貼れば、前向きに暮らせますし、ネガティブなラベルを貼れば、その逆のことが起きます。
自分の現状に合ったラベルを貼るべきですが、ネガティブなラベルは積極的にはがしたほうがいいと思います。
自分に対して強く信じていることがあっても、それがネガティブな思い込みなら、断定するのはやめましょう。
「今は、たまたま〇〇だけど、これから変われる」と少し幅を持たせて捉えてください。
そうすれば、より自由に行動でき、人生の質も自然と上がっていきます。