思い出の制服

断捨離テクニック

最終更新日: 2017.09.15

お金がもったいないから不用品を捨てられない問題の解決法。

ページに広告が含まれる場合があります。

 

身の回りの物を少し整理して身軽になりたいとは思うものの、買ったお金がもったいなくて捨てられない。こんな気持ちから、断捨離を始められなかったり、始めたとしても、そうそうに匙を投げてしまうことがあります。

今回は、この「もったいない」という思考を転換し、不用品を捨てるコツをお伝えします。



そもそも「もったいない」とはどんな感情か?

私の電子辞書、デジタル大辞泉によると、「もったいない」はこんなふうに説明されています。

有用なのにそのままにしておいたり、むだにしてしまったりするのが惜しい

用例
捨てるのはもったいない
使わないでおくにはもったいない人物

あと2つ意味が書いてありますが、こちらは今回の「もったいない」に関係ないので省きます。

ちなみに、「無駄」とは役にたたないこと、無益なことです。

辞書の定義から、人や物を有効活用しないと、もったいないことになる、とわかります。

物を捨てることは、自分で有効活用をしないまま、手放すことなので、確かに、もったいない、と言えるでしょう。まだ使えるものを捨てたり、まだ使い切っていないものを捨てるのももったいないことです。

理想は自分(か家族)できっちり使うことです。

ですが、これは一面的な見方です。物の立場からその状況を見てみると、別の考え方もできます。

2つのケースを見ていきます。

買ったときから「もったいない運命」が始まっている物

3年ぐらい前に、衝動買いで買ったはいいけれど、数回着ただけで、たんすにしまってあるフリルのブラウスがあるとします。

値段は1万3千円でした。

ほとんど着用せず、引き出しに入れっぱなしなら、有用なのに、使っていない状態で3年たってしまった、ということです。

このブラウスの「もったいない歴史」は、ほぼ購入したときから始まっており、日々、その履歴を更新しています。

誰かがブラウスを着用しない限り、このままにしておくのはもったいないのです。

捨てるのが面倒だとか「いつか着るかもしれない」と思って、捨てないでいると、ずっともったいないままです。

「いつか着るかもしれない」の「いつか」はまず来ないので手元に置く理由にはなりません。

「いつか着る」という希望的観測より、「過去3年間着なかった」という事実のほうを重視すべきです。

このブラウスのもったいない状況を改善するためにはどうしたらいいのでしょうか?

1つは、今日から有効活用する、ということです。活用法としては、

●自分が着る

●家族に着てもらう

●ハサミを入れて人形の服にする

●クッションにリメイクする

などあります。

とにかくそのブラウスが引き出しから出る機会を与えるべきです。

もし家庭内において、誰も着る人がおらず、ハサミを入れるには、新品すぎて惜しい場合は、家の外に出す、つまり手放すことが必要です。

私はこの「手放す」ことを「捨てる」とか「断捨離する」という言葉を使って表現しています。

つまり「家の外に出す」ということです。

数日前に「不用品を家の外に出す」という行為に「捨てる」という言葉を使うのはおかしい、というメールをもらったので、ここで厳密に書いておきます。

その方は、「捨てる」とは自分で廃棄処分にすることだ、と書かれていました。寄付センターに持ち込むことには、捨てる心の痛みが伴わないから、誰にだって簡単にできる、とも。

私の辞書を見たら、「捨てる」の定義は、「不用のものとして、手元から離す、ほうる、投棄する」と書いてあったので、私の言葉の使い方は、間違っていないと思います。

それはさておき、人にあげたり、どこかに寄付すれば、またこのブラウスがブラウスとして活躍する機会が生じます。引き出しの中にいれておくよりは、もったいない度合いが減るのではないでしょうか?

だから、捨てたほうがいい、と私は主張しています。





途中でもったいない状態になった物

ほとんど着ないブラウスとは違って、昔はものすごく着用したものがあったとします。

たとえば、10年ほど衣装ケースに入れて、押入れにしまってある高校の制服など。

私には想像しにくいのですが、制服を捨てられない人がいます。

子供の制服をとっておく親御さんもいます。その理由は、

●思い出の品として

●子供の子供が使うかも?(まずありえません)

●親戚の子が使うかも?

●高かったから、なんとなく捨てられない

●もう使わない物は捨てたほうがいい、という発想が全くない。

●用が終わったときに、さっさと捨てなかったので、そのままなしくずし的に押入れの中に入れっぱなし。

この制服、今のところ誰も使っていないのだから、有効活用されていません。ということは、卒業したその日から、「もったいない人生」を歩み始めた、と言えます。

有効活用する方法としてはこんなことが考えられます。

●年に1回ぐらいはひっぱりだして、しっかり思い出にひたり、また収納する。
個人的に、「こんなことしてどうなる?」という活用法ではありますが、入れっぱなしよりはいいでしょう。

●ミニチュアの制服に仕立てなおしてもらって、ベアに着せてお部屋に飾る。
学校の制服、スポーツのユニフォーム、仕事のユニフォームを小さく仕立て直す商売が実際にあります。

ミニフォームと発想が似ている体重ベアというのもあり⇒親がくれた物を捨てたいのに捨てられない、そんな悩みの解決法。

●無理やり日常着として着てみる。

●ちょっとリメイクして日常着として着てみる。

●制服姿で出勤できる店に就職する(メイドカフェみたいなところでしょうか?)

これができないなら、やはり捨てたほうがいいのではないでしょうか?

思い出を残したいなら、写真にとったり、一部分だけ残したり、リメイクする、という手もあります。

思い出の品の捨て方⇒今度こそ捨てられる。思い出の品を断捨離する5つのステップ。

古い制服も、先のフリルのブラウスと同様、何もせず、放置していたら、やはりもったいない状態のままです。現在使っておらず、これからも使う見通しのたたない物を捨てることは、物を粗末にすることではなく、むしろ大事にする所業なのです。

捨てることで得られるものがたくさんある

使わないものを放置しておくのは、実はもったいないことである、という考え方が、少しはおわかりいただけたでしょうか?

不用品を捨てると、スペースが空くというメリットだけでなく、ほかにも得られるものがたくさんあります。

たとえば、

不用品を捨てることで学びが得られる

フリルのブラウスを捨てるとき、なぜそのブラウスが早々にたんすの肥やしになってしまったのか、考えてください。

よくある理由は、他にもたくさん服があるのに、衝動買いしてしまった、というもの。

ブラウスを捨てるとき、たいてい、「ああ、無駄にお金を使ってしまったよ。今後はもっと買い物に慎重になろう」と反省するでしょう。

断捨離すると、自分の過去の選択について考えることができるので、何も考えず、すべてをしまいっぱなしにしていると、この貴重な学びの機会が失われます。

そして、服の衝動買いという行動を何度も繰り返してしまいます。

不用品を持っていることで生じるコストを回避できる

いらない物をいつまでも持っていると、コストがかかります。

●不用品を収納するために使っているスペースに払うお金

●不用品を収納するために買う収納ボックスや、収納雑貨を買うお金

●不用品を管理するのにかかる時間

詳しくはこちら⇒多すぎるストックをただちに断捨離すべき理由。過剰在庫は資産ではない

使っていないものを捨てれば、このようなコストを回避することができます。

使わないものをしまっておくと、それだけでもったいないし、ずっと持ち続けると、それを維持、管理するために費用がかかるので、そのお金ももったいないのです。

いらない物をすべて捨ててしまえば、不用品管理に使うお金と時間を別のことに使うことができます。

そうしたリソースを必ずしも有効活用できるとは限りませんが、そのチャンスは生まれます。

所持品を減らし、小さな家に引っ越すことができたら、今より地球にやさしい生活になるでしょう。

~~~~~~
誰でも、断捨離中、「まだ使えるものを捨てるのはもったいない」「物を粗末にしている」という気持ちになると思います。

しかし、ここで、手を止めないでください。

「では今のままでいることは、もったいないとは逆の状況なの?」「捨てない私は物を粗末にせずに生きているのか?」

こんなふうに、もう一步掘り下げて考えてみると、また違った結論を導き出せるのではないでしょうか?





豪邸見栄っ張りをやめて身の丈に合った暮らしをする6つのヒント。前のページ

健康維持は最大の投資。健康に関する記事のまとめ(1)次のページグリーンスムージー

ピックアップ記事

  1. ムック本・第2弾『8割捨てれば、お金が貯まる』発売のお知らせ:11月15日です。…
  2. 新刊「50歳からのミニマリスト宣言!」3月14日発売のお知らせ(現在予約受け付け…
  3. いつか使うかもしれない、と思うものを本当に使う方法、あるいは見切りをつける方法。…
  4. 筆子の新刊『買わない暮らし。』(6月16日発売)著者による内容紹介。現在予約受付…
  5. ムック・8割捨てて二度と散らからない部屋を手に入れる、発売しました。

関連記事

  1. 断捨離停滞中の人

    断捨離テクニック

    片付ける気がおきないあなたに贈る、断捨離スランプからの脱出法(後編)

    なぜかわからないけど片付けのやる気がだんだんしぼんできた。いったん片付…

  2. 収納棚

    断捨離テクニック

    物を減らすのに、ワンインワンアウト(1つ買ったら1つ出す)は本当に効果があるか?

    所持品を減らして、もっとシンプルに暮らすために、ワンインワンアウト(O…

  3. 海を見る若い女性

    断捨離テクニック

    物を手放すことに対する不安や恐怖に向き合う(その1)~どこから始めたらいいの? という不安。

    物を捨てることに対して不安や恐怖を感じていると、不用品でも捨てることが…

  4. 片方だけのピアス

    断捨離テクニック

    どうでもいい物なのになかなか捨てられなかった4つの不用品(プチ断捨離その6)

    捨てるのが苦手な人も、抵抗なく捨てられるプチ断捨離シリーズ。今回は私が…

  5. 断捨離

    断捨離テクニック

    面倒くさくて、つらい断捨離を楽しく簡単にする6つのアイデア

    ふだんは全く物を捨てたことがない、これから断捨離に入門したいと思ってい…

  6. 靴

    断捨離テクニック

    玄関は物置ではない~今すぐ捨てられるこんなもの、あんなもの

    玄関に転がっている不用品をリストアップします。玄関は風水では最…

文庫本『それって、必要?』発売中。

「50歳からのミニマリスト宣言!」

ムック:8割り捨てて二度と散らからない

ムック・8割捨てればお金が貯まる

書店かセブンイレブンで買ってね。
8割捨てればお金が貯まる・バナー
ムック本・8割捨てればお金が貯まる、発売のお知らせ

「本当に心地いい部屋」

「買わない暮らし。」売れてます(第7刷)

筆子のムック(第5刷)

筆子の本、『書いて、捨てる!』

更新をメールで受け取る

メールアドレスを記入して購読すれば、更新をメールで受信できます。

1,826人の購読者に加わりましょう

新しく書いた記事を読む

  1. 4人家族
  2. 片付いた机の上
  3. 片付いたリビングルーム
  4. チャレンジする女性
  5. ベッドにスプレーする女性
  6. 目標に向かう旅をする女性
  7. 引っ越しの荷造りをしている女性
  8. 小さなアパート
  9. 引き出しの中の服
  10. パントリーをチェックしている女性

筆子の本・10刷決定です

オーディオブック(Audible版)も出ました♪ 捨てられない人は要チェック
1週間で8割捨てる技術
⇒筆子の本が出ます!「1週間で8割捨てる技術」本日より予約開始

 

実物の写真つき紹介はこちら⇒「1週間で8割捨てる技術」筆子著、本日発売です(写真あり)

大好評・特集記事

小舟バナー

 

お金を貯める・バナー

 

実家の片付けバナー

 

ファッションバナー

 

フライレディバナー

 

湯シャンバナー

 

ブックレビューバナー

 

TEDバナー

 

歯の治療バナー

今日のおすすめ記事

  1. 寝ている人
  2. CDケース
  3. ゲームをしているカップル
  4. 車の運転
  5. 買い過ぎる女
  6. 封筒
  7. ホームシック
  8. セール
  9. チラシでいっぱいの郵便受け
  10. crochet

過去記事、たくさんあります♪

PAGE TOP