散らかった台所

ミニマルな日常

最終更新日: 2018.12.2

大量の物を捨てたら、心が狭くなっていた自分に気づいた。

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シンプルに暮らすために試行錯誤している読者4人の方のお便りを紹介します。2018年10月~11月にいただいたものです。

内容は、

●単身赴任先にたくさんあった物を捨てて、心も片付けた

●子供や仕事の不満を言い訳にして買い物していたと気づいた

●買わない挑戦に失敗して学んだこと

部屋を片付けて本当にほしい物を買う暮らしへシフトした

以上4つです。

まず、会社員のKKさんのお便りです。



物を捨てながら、心の中も片付けた

件名: 溜まったものはいつしか心の壁になっていました

筆子さま、はじめまして。

昨年からずっと繰り返し読ませて頂いています。1年ほどかけて記事の内容を実践してきたので、感想をお伝えしたく、メッセージ致します。

私はアラサーの会社員です。

筆子さんのブログを初めて見つけたのは、地方への単身赴任中でした。

仕事が煮詰まっていた頃で、何かスッキリしたいと思い、部屋にあるものを暴力的なまでに捨てまくりました。

地方都市の賃貸は単身用が少なく、1人でファミリー用物件に住んでいたので、部屋は片付いていました。が、いざ捨ててみると持ち物の多いこと。

今考えると、1家族分の収納を1人で使っているのですから、当然ですよね。

結局、押入れ付きの4畳間が丸々1つ空っぽになりました。

(ちなみに、特に多かったのが、大学時代に仲間内で作ったTシャツやジャージ。友達が少ない方なので、お揃いが嬉しかったんですが、今となっては疎遠なのでしがみつく意味はありませんでした)

ところで同じ頃、入籍したばかりの夫が赴任先に来てくれるたびに邪魔に思えて仕方がなかったのですが、ものを捨てた後はそんな気持ちが氷解しました。

自然と、忙しいのに来てくれてありがとう、と思えるようになったのです。

私にとっては、ものを持つことが自分のナワバリを主張することになってしまっていたようです。

持ち物の数と同じだけふくらんだ自我が大きな心の壁となって、夫を受け入れられなくなってしまったのだ…と、妙に冷静に感じました。

以来、捨てることで自分の狭量な部分を見つめ直し、克服できているような感覚です。いわば心の片付け、デトックスですね。

このほど単身赴任が解かれ、同居が始まったところです。今度の部屋が狭いのと、夫は溜め込み型なので、たまに「私が自分のものを捨ててバランスをとらないと!」と焦り、いてもたってもいられなくなってしまいます。

すぐに、「私が捨てても、家族の心の整理にはならないよね」と思い直すのが、最近の日常です。

今後きっとさまざまなライフイベントがあり、またものが増えそうな気もしますが、少しずつものも思考を続けていきたいです。

心の片付けのきっかけをくださり、感謝しています。これからも、筆子さんの記事を励みにさせていただきます。





KKさん、はじめまして。お便りありがとうございます。

ブログを読み、実践していただき、うれしく思います。KKさん、とても冷静にご自身の心の動きを見ておられますね。

新婚早々、単身赴任になったってことですよね。

そりゃあ、ご主人は訪ねてくれるでしょう。行ける距離ならば。

確かに1人で暮らしているほうが、マイペースにことを運ぶことができ、自由な面もあります。けれども、家族がいたらいたで、いいこともあります。

欲張って、両方ほしいと思うと、ストレスがたまります。足りないものではなく、いまの自分が持っているものに目をむけるようにするといいんじゃないでしょうか?

KKさん、これからも、ご夫婦、仲良くお暮らしください。

次は、ワーキングマザーのOTさんのお便りです。

人生で最大の片付け中です

件名: 買い物の言い訳が、仕事がうまくいかないことへの言い訳になっていた

いつもTEDの記事を楽しみにしています。

毎回興味深い内容で気づきを得ています。英語が苦手なので、とてもありがたいです。大変な作業かとは思いますが、ぜひ、続けて頂けたら嬉しいです。

今年、筆子さんのブログに出会いました。

断捨離じたいは定期的におこなっているのですが、人生の根本から考えるというのは初めてで、のめり込むように記事を読ませて頂いています。

夫・幼児ふたりと猫2匹がいる家庭の、ワーキングマザーです。子どもを産む前までは、睡眠以外全て仕事というような人間でした。

収入もよかったのですが、産後、仕事量を調整して収入は1/3になりました。

貯金はしていたので不自由はないのですが、育児と仕事の両立に疲れ、次第に部屋の乱雑さにイライラするように…。

「なんでこんなにモノが転がってるの!!」と叫んだときに、夫が「全部きみが買ったモノじゃないか」と。

そうなんです。夫は給料をそのまま私に渡してもいいと豪語するくらい、恐ろしくモノを買わない人間なので、家の中にあるものはすべて私が買ってきたモノなんです。

その言葉に目が覚め、今、人生で最大の片付けをしています。都内の65㎡の狭いマンションから、寄付の箱が20箱近く旅立っていきました。

車や持ち家、高価な商品には興味はないものの、仕事のストレスや、他人より収入が多い・貯金があるという油断から、ちょこちょことネットショッピングで散財していました。

最近は、子ども服やおもちゃが多いです。

子どものためなら惜しまない、というスタンスでした。

考えてみると、「子ども」というのは、消費の言い訳でもありますが、仕事を存分にできないことへの言い訳なのだと思い当たりました。

仕事で不調だったりうまくいかないときに「子どもがいるから」、でお茶を濁していたような気がします。与えられた条件の中で、どうやってベストを尽くすか、しっかり向き合わなければいけないと反省しています。

死んだときに残したいのは、仕事で多少なりとも世界を良い方向に変えたことがわかる成果と、家族の思い出を少しだけです。

ルールに縛られるよりはクリエイティブでありたいし、なにもない部屋よりは多少生活感のある部屋が好きです。どんな人生にしたいか思い描きながら、ミニマリストの道を歩いて行こうと思います。

長々と失礼いたしました。返信不要です。これからも、記事更新、楽しみにしています!

OTさん、はじめまして。お便りありがとうございます。

過剰な買い物の原因がわかってよかったです。

私は子供が小さいときはずーっと家にいたので(今もいますが)、幼児をかかえてがんばっているワーキングマザーってすごいなあと思います。

最近はそういう人のほうが多いみたいですね。

育児をしながら、仕事もする、という道を選んだのはOTさんです。おっしゃるとおり、自分の今いる場所で最善を尽くすことができれば、よけいなストレスを感じず、買い物に走ることもないでしょう。

OTさんは、わりと早い時期にそのことに気づけたのでラッキーでした。もともとOTさんは、仕事人間のようですが、人生って仕事だけじゃないですから。

ご主人が物を買わないなんて、うらやましいです。これからもご家族と猫とで仲良くお暮らしください。

次は買わないチャレンジに失敗したというAIさんのメールです。

買わない挑戦に失敗し、買いたい気持ちでいっぱいです

件名:チャレンジ失敗の報告

筆子さんこんにちは。

何度かお便りしましたAIです。

買わないチャレンジ挫折して、嵐のように買いたい欲が来て困っています。

でもチャレンジ失敗したけど後悔はしてません。

なぜなら、はじめに無駄遣いした時にマイルールを変えました。(厳しくしすぎると反動がすごいので)

・1イン1アウトを1イン5アウトくらいする

・欲しいものは直ぐ買わない。理由、使い道、使う頻度などじっくり考える

・買う時は、自分の大事な持ち物を売って売上金で買うこと(生活費などからは極力出さないを徹底)

なので、気に入ってる物でも使ってる物でもとにかく売りまくって買い物しました。(大事な物を売ってまでして買い物したかった)

なので家のお金は減らないし、物の数も増えずに減りました。

こんな感じで、物々交換の様な感覚で買い物してしまい、ついに主人に「そろそろ買うのやめな! 買わないんじゃなかったっけ?」と指摘されようやく目が覚めた。というか少し反省しています。

買い物するに当たって気づいたことは、納得いくものを見つけるまでの探すストレスと、時間の浪費、不良品が届いた時の返品の手間、サイズが合わなかった、など。

前は楽しくて仕方なかったことがとにかくストレスでした。

買いたくないのに、でも買いたい。って矛盾した気持ちが心底疲れます。

ボロボロになるまで大事に使った物にだけ、買ってよかった!と心から思うかもしれないなぁと最近思います。

だからあれこれ使い捨ててないで、本当に必要な少しだけを持ち最後まで使い切れるようにそれが当たり前になる様になりたいです。

でも少なすぎると消耗が早いので、自分の適量を見つけることが今の目的になりました。

では、失敗の報告でした。この頃急に寒いので、風邪引かないように気をつけましょうね。

AIさん、お便りありがとうございます。

いつも報告していただき、うれしく思います。

失敗したといっても、そこから学びが得られたのでよかったですね。

そもそも、チャレンジしないと、失敗もないし、人は失敗からしか学びませんから、AIさんは、今年、大きく前進したと思います。

ところで、大事な物を売ってまで、買いたい物ってなんだったんですか?

物がほしいというより、買う行為をしたい、という欲望があったのかもしれませんね。

買い物は楽しいですから⇒買い物で気分があがるのはドーパミンのせい。この仕組みを知って無駄遣いを防ぐ。

今後は買い物以外の楽しみも開拓するといいかもしれません。

確かに、服が少ないと消耗が激しいので、1~2年で買い替えることになります。私も、先日レギンスとトップスを買いました。

今年はじめて服を買ったのですが、去年の秋にも買っています。

私の場合、ちょっと買いすぎると、あとでいやーな気分になり、たいてい、翌月は「買わない挑戦強化月間」となります。

今年はぬりえグッズが増えたし、里帰り中、さらに色鉛筆も増えましたから、2019年は「買わなイヤー」にすることがすでに決定しています。

AIさんも、お体にお気をつけて。

AIさんから年頭にいただいたお便りはこちらで紹介⇒今年1年がとても楽しみになる! 私の新年の目標(後編)。

買わない挑戦についてはこちらを⇒誰でもできる『買わない挑戦』の始め方。自分ルールで楽しく実践。

最後はmtoさんのメールです。

部屋の中はいらない物だらけだった

初めまして、mtoと申します。

いつもブログ拝見しております。

現在22で、まだまだ物欲やらいろんな欲望が抜けきれない時期ですが、自分に見合った素朴で豊かな生活を目指しています。

もうすぐお引越しの予定がありまして、お部屋の整理をしよう!と思い立ちました。

筆子様のブログを参考に、あれやこれやと試行錯誤しながら断捨離中です。

改めて部屋を見渡せばいらないものばかりで驚きです。

おしゃれやファッションが好きなので、洋服やアクセサリー、コスメや香水と本当にたくさんのものに囲まれて生活しておりました。

今は、人にあげたり売りに出したりとなるべく有効活用しつつ、物を減らしております。

さらに、いらないものをたくさんフリマアプリで出品したら、売上が25万ほどになりました。

本当に驚愕です。

買った時はもっと高かったはずですので、きっと40万円くらいはしたと思います。貯金があるから大丈夫、と手持ちのお金をたくさん使っていました。

結局お洋服もコスメも、手元に残ったものは全体の1/3ほど。

お金も大切にしていなかったし、好きだからと言い訳して買った物も、全然大切にできていませんでした。

それからは「いる物リスト」と「ほしい物リスト」を分けて管理し、物欲にワンクッション置くようにしています。

そして念願だった、大好きなPerfume(3人アイドルグループ)が監修しているお洋服を買うことができました!

伊勢丹さんから発売されているものなので、私には高いなと出し渋っておりました。

でも必要のないものから解放されて、本当に大好きなものにお金を使うことができました。(全然着なかったコート4着と、3年ほど使っていた薄汚いコートを手放し、新しいコートを購入いたしました。)

これからはこのお洋服を大切に大切に、お手入れして長く着ようと思っています。

本来私はかなりめんどくさがりですが、お片づけをしていると、めんどくさいのですがなんだか心が軽くなるような感じがいたします。

心のざわざわが消える感じというか、雑念が消える、というのでしょうか。

ミニマリストにはほど遠いかもしれないですが、自身の身の丈にあった物量になり、大変満足な生活です。あまりギチギチにしてしまうとリバウンドしそうなので、ゆるく行(生)きたいです!

返信は必要ありませんが、こんな人間もいるのか~と筆子様の心に留めていただければ幸いです。

長文失礼いたします。これからも楽しみにしております。

mtoさん、はじめまして。メールありがとうございます。

Perfumeの服を買えてよかったです。

mtoさんのこと、心にしっかり留めました。本当にほしいものにお金を出し手に入れると、満足感が大きいですね。

それにしても、22歳ですでに貯金があるなんてすばらしいです。

私なんて、その年頃は、まだお金を使う一方でした。まともに貯金できるようになったのは最近の話です。

つまり55歳すぎてからです。お手紙の文面からも、mtoさんは、とてもしっかりした方だなあと思います。

引越し先でも、楽しくお暮らしください。

****

今回は若い方のお便り中心にお届けしました。

「ミニマリストのようにあまりガチに捨てたくはない、ギチギチにしたくない」という文面をたまに見ます。が、ミニマリスト本人は、べつに「自分は死ぬほどがんばってミニマルにしている」という意識はないはずです。

それが心地いいから、あまり物を持っていないだけです。

少なくとも私はそうです。

わりと、ひょうひょうと生きております。

12月になって、今年1年を振り返るメールもちらほら舞い込んでいます。あなたも総括したいことなどありましたら、お気軽にお寄せください。

それでは、次回のお便り紹介をお楽しみに。





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