友人と食事している女性

ミニマム思考

人間関係の整理:これまでとは違うかかわり方をする(後編)

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自分のためになっていない人付き合いを整理するとき、いきなり捨てるのではなく、かかわり方を変えることから始める。

そのために、新しい関わり方を提案しています。

前編では

1.自分の意見をしっかり言う

2.話し方を変える

3.軸をぶらさない

4.時間をかける

この4つを紹介しました。

では、後編いきましょう。

5.いつもと違うことをする

会うたびに買い物に誘われて、それが買わない挑戦をしている私の事情に合わない、とか、会うたびに喫茶店でながながと愚痴や他人のゴシップに付き合わされるのがいや、なんて時はこれまでと違うことをしてみるといいでしょう。

いつものパターンが買い物なら、散歩やピクニックにする、喫茶店でながながとしゃべるのなら、喫茶店には入らず、美術館に行く、など。

人間は習慣の生き物なので、ふだん会う人間も、その人と話す内容も、一緒にすることも、すべてパターン化されています。

このパターンをこわせば新しいかかわり方ができます。

パターンをこわすには、事前にちょっと計画を立てなければなりません。何も考えていないと、いつものパターンに落ち着いてしまいます。

現状を調べる

まずは、いつもその人と、どんなふうにかかわっているか、現状を書き出してください。

・会う頻度

・いつ会っているか(平日・週末、朝・昼・晩、季節など)

・対面か、対面でないか(電話、オンライン、手紙、テキストメッセージ、メール、フェイスブックなど)

・連絡のとり方

・1回に過ごす時間の長さ

・話している内容

・その人と共にしていること

現状をいかに、客観的に冷静に分析できるかが鍵です。

ひととおり書き出したら、現状とは違うやり方の案を書いてみます。

紙に書き出してみると、思ったよりたくさんの案が出ます。

その中から、一番手軽なのから始めてみるといいでしょう。

会う頻度が多すぎて、しんどいならば、今の半分にする。

会うたびに高いフレンチレストランに行っているなら、たまには中華料理屋に行くとか、自宅で食べる。

会うとけんかになるなら、手紙でやりとりする。

待ち合わせする場所や会う時間を変える。

話がまったくはずまないなら、いつもと違う話題を提供する。

本当に、小さなことを変えるだけで、かかわり方が変わります。

人間は、変わらないことが好きなので、「いつもの場所」「いつもの食べ物」「いつもの話題」に落ち着きがちです。いつもと違うことをするのは、思ったよりエネルギーがいるかもしれません。

しかし、現状に不満があるなら、何かを変える必要があります。





6.イニシアチブを取る

自分がストレスに感じている人間関係についてじっくり考えてみると、たいてい相手にイニシアチブを取られていると思います。

いつも相手がリードしているわけです。

相手がイニシアチブを取れば、おまかせでついて行くだけでいいので、ラクといえばラクですが、自分の思った方向にはなかなか行きません。

人間は自分の思い通りにならないことがあると、不満やストレスがたまります。

そうならないようにするためには、自分がイニシアチブを取るしかありません。

積極的にかかわる

イニシアチブを取りたいときも、事前準備が必要です。

まず、今の人間関係がどんなふうになったら、お互いにとっていいのか理想形を思い浮かべます。

そうなるために、自分が貢献できることはなんだろう、と考えてみてください。

自分がするどんなささいなことも、お互いの関係に影響を与えます。

自分の得意分野だとイニシアチブを取りやすいので、趣味の活動をするときは、今回、相手の趣味に合わせた活動をしたら、次回は、自分の趣味に合わせた活動にする、というように交互に行うといいでしょう。

イニシアチブを取りそこねて、相手に振り回されてしまったときは、どうしてそうなったのか考えて、次、同じようなことがあったとき、失敗したときとは違う行動をします。

イニシアチブを取ることは責任を負うことでもあります。

なんでもおまかせで、あとで文句を言うのはよくありません。

相手がイニシアチブを取らないとき

自分がイニシアチブを取れないのとは逆のパターンで、相手が、「イニシアチブを取りなさすぎだ」と不満を感じることもあるかもしれません。

夫婦やカップルだと、男性が女性に、家のことや対外的な雑務をすべて任せて、女性側の仕事がすごく増えてしまうときがあります。

また、両方が、イニシアチブを取りたがらないことが、関係を悪くすることもあります。

こんなときは、まず相手が何を考えているのか、じっくり聞くことから始めてください。

7.自分のニーズにフォーカスする

良好な人間関係を築くためには、お互いに歩み寄る必要がありますが、自分のニーズをないがしろにしすぎると、とてもストレスのたまる関係になります。

会って一緒に時間を過ごすたびに、ものすごく頭に来る、とてつもなく不幸な気持ちになる、徒労感がある、イライラする、というときは、自分のニーズがちゃんと満たされているか考えてください。

このブログでよく話題になるのは、もらいものを断れなくてストレスをかかえるケースです。

もらいものを断れなくて、あとでストレスを感じる人は、本当は断りたいのです。

「不用品をしっかり断る」というのがその人のニーズです。

ところが、何らかの事情で、断らない。

この場合、「断りたい」という気持ちを一番に尊重すれば、断るはずです。

断れない人は、たいてい、相手を悪く言いますが(いらない物をくれる人のせいで、家が片付かないとか)、自分のニーズを満たそうとしなかった自分に問題があると考えてください。

自分のニーズを満たすためには、自分が求めていることがわかっていないとできません。

今、自分が一番大事にしたいことや、そのときのゴールを考えるクセをつけるといいでしょう。

真の意味で自分のニーズを大事にできる人は、相手のニーズも尊重できます。

番外:休憩する

以上の7つをまじめにやってみても、関係に改善が見られないとか、相手が人格破壊者か、病的な嘘つき、または悪魔みたいな人であるせいで関係の改善ができないときは、ちょっと休憩を入れるといいでしょう。

悪魔みたいな人とは、そもそも、関係を構築できないと思いますが、職場や地域で、強制的に人間関係ができてしまうときもありますよね。

たまたま親が邪悪な人間だった、ということもあるかもしれません。

休憩するとは、その人間関係に、自分からは何の投資もしない状態を言います。

最低限の挨拶だけはして、積極的には何もかかわりません。

ただ、これまで親しかった人にいきなりそんな態度を取ると、相手はショックを受けますから、これこれこんな理由で、ちょっと休憩したい、と言ってください。

部活を休むようなものです。

いったんできた人間関係にずっと同じ熱量でかかわる必要はありません。無理すると心がこわれます。

積極的にかかわったほうが、どんな関係もよくなりますが、「そんなこと、とてもする気になれない」という時もありますよね?

そのような時は、お休みすればいいのです。

ただ、「自分は、今、休んでいる」ということを自覚していてください。そして、そのことに罪悪感を持たないように。

また、休むなら、しっかり休みましょう。

部活に出たり出なかったりという中途半端な態度でいると、相手は、「この人、何考えているの?」と悩んでしまいます。

エネルギーをしっかりチャージし、気持ちが変わったら、また部活に出ましょう。

■前回の記事はこちら⇒人間関係の整理:捨てるのではなく、かかわり方を変える(前編) 関連記事へのリンクもあります。

*****

これまでとは違う、人とのかかわり方の案を提案しました。

前編、後編を読んでみると、いろいろやれることがあることに気づくと思います。

人間関係に悩んでいる人は、しばしば、オール・オア・ナッシング状態になっていて⇒なんでも白黒つける考え方をやめるススメ。思い込みを手放して可能性を広げるには?

つらい関係を続けるか、まったく切ってしまうしかない、と思いがちです。

ですが、白と黒のあいだに、いろいろなグレー状態があることを忘れないでください。





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