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恐怖心が強すぎて、やりたいことをやれない人の参考になるTEDトークを紹介します。
タイトルは、One Simple Trick to Overcome Your Biggest Fear (大きな恐怖を克服する1つのシンプルな方法)
作家で起業家のRuth Soukup(ルース・スーカップ)さんのプレゼンです。
恐怖の克服:TEDの説明
Do you feel stuck or scared of pursuing your biggest dreams & goals? Maybe you suffer from anxiety or perfectionism. Whatever you call it, the root cause might be fear. Fear shows up for different people in different ways; we don’t all experience fear the same way. In this fascinating talk, New York Times bestselling author Ruth Soukup demystifies the seven fear archetypes. Watch & discover what’s holding you back.
大きな夢やゴールに向かって歩きだせなかったり、恐れたりしますか?
不安症や完璧主義に悩んでいるかもしれませんね。
それを何と呼ぼうと、根底にあるのは恐怖です。
恐怖は、人によって、違う形で表れます。人と同じように恐怖を感じることはありません。
この素晴らしいトークで、ニューヨーク・タイムズのベストセラー作家、ルース・スーカップは、恐怖の7つのアーキタイプを紹介します。
見て、あなたを押し留めているものを見つけましょう。
収録は2019年の11月。動画の長さは13分40秒。英語字幕あり。日本語の字幕はありません。動画のあとに抄訳を書きます。
☆TEDが初耳の人はこちらで説明しています⇒TEDの記事のまとめ(1)ミニマリスト的生き方の参考に
シンプルでわかりやすいプレゼンです。
どん底にいた私
23歳のとき、一生を台無しにしたと思っていました。
どん底にいて、電話帳のPのらんで、psychologist(心理学者)を探しました。
電話する勇気を出すのに何時間もかかっていました。
この時私は、離婚し、失業し、破産した大学中退者。病院から退院したあと、父のもとに転がり込んだところでした。ほかに行くところがなかったから。
腕も足も自分でつけた傷でいっぱいでした。いつも、すごくうつうつとして、ベッドから出ることもできませんでした。
ひどい状態で、とても恐れていました。
ようやく電話をかけて、過去2年半に起きた悪いできごとを話しましたが、助けにならず、どうやって生きるか見つけなければなりませんでした。
少しずつ社会復帰する
その後、2年間、生き方を模索しました。
まず、パニックアタックを起こさずにスーパーへ行けるようにし、パートタイムの仕事を得て、アパートで一人暮らしを始めました。
うつ病と戦いながら、小さな一歩を進むことが、勇気なのだと気づき、一歩、また一歩と進みました。
最終的に大学を卒業し、結婚し、何人か子供をもうけ、完全に機能する社会の一員になりました。
でも、その後、ビジネスを始めたら、恐怖を感じる日々が戻ってきました。
間違いをおかすのがとても怖かったのです。ミスをするに違いないと思ってしまい、ブログの記事の1つひとつが、失敗につながると感じました。
この恐怖が完全になくなったわけではありませんが、時間がたつにつれ、ましになり、ビジネスも大きくなっていきました。
ブログは、何百万もの読者を集め、私はベストセラーを書き、人々がゴールに到達するのを助けるコース、商品、リソースを作り、ポッドキャストも始めました。
立ち止まったまま動けない人
私の生徒や読者、お客さん、ポッドキャストのリスナーから、何度も、「立ち止まって、動けない」と聞きました。
スケジュール帳を買ったのに、使い方を間違えるのを恐れて1年以上そのままにした人、ビジネスをしたいとずっと思っているのに、リスクが大きすぎるからと始められない人。「何かを求めることをしたいだけ」と泣く人。
表れ方はさまざまでも、立ち止まる根底にあるのは恐怖です。
恐怖のせいで、コンフォートゾーンの外に出て、リスクを取れないのです。だから、心から求めているゴールや夢に向かうことができません。
恐怖の表れ方は人によってどんなふうに違うのか、そしてそのことが、恐怖を乗り越える力にどんなふうに影響を与えるのか?
こんな疑問を持ちました。
そこで恐怖が人生に果たす役割について4000人の人を調査したのです。
リサーチャーのチームや心理学者の助けも借りて行ったこのリサーチから、重要なことがわかりました。
恐怖には7つのアーキタイプがある
すべての恐怖が同じように作られるわけではありません。
誰もが恐怖を体験しますが、その体験は少しずつ違います。
恐怖の表れ方は違っても、そこには7つのパターンがあります。私はこれを恐怖の7つのアーキタイプ(原型)と呼んでいます。
それぞれのアーキタイプにはポジティブな面と悪い面があります。
自分のためになる部分と、自分を引き止めてしまう部分です。
恐怖がどんな役割を果たしているのか理解することは、それが、どんなふうに足かせになっているのか知るのと同じぐらい重要です。
表れ方にかかわらず、恐怖はすべて無意識レベルで起こるので、何が起きているのか自分ではわかりません。
恐怖を、不安、心配、完璧主義、圧倒された気分など、どんな言葉で呼ぼうとも最終的な結果はみな同じです。
私たちはそれを真実として体験します。自分はそういうふうになっているからそうなるしかない、と思うのです。
だからこそ、恐怖のアーキタイプを突き止めることはとても強力です。
お腹が痛くて医者に行くと、ガスがたまっているのか、それとも、ガンなのか知らなければ、医者は治療ができません。
恐怖も同じです。診断をくださないと治療できません。
自分の恐怖を突き止め、それがどんなふうに表れるか理解すれば、行動や思考パターンに対する洞察を得られ、変えることができます。
では、これから恐怖の7つのアーキタイプを紹介します。
先延ばしする人(Procrastinator)
先延ばしをする人は、完璧主義者でもあります。
リサーチや整理に時間をたっぷり使い、最後の最後まで、些細なことにこだわります。
買う車を決めるのに半年かけます。間違った選択をするのが怖いから。
失敗をするのが大嫌いなのです。これが、コミットメントすることや、スタートすることに対する恐怖として表れます。
いい面もありますよ。いい仕事をするし、細かいところに目が行きます。この点について、自分を誇りに思っているかもしれません。
ピープルプリーザー(People pleaser)
ピープルプリーザーは、人にジャッジされることや、他人をがっかりさせることを恐れています。
他の人がどんなふうに考えているかをとても重要視しているからです。
実際、必要以上に重要視しています。その結果、境界線を引くことや、ノーと言うことが苦手です。
ミーティングに出るのは拷問のようなものです。反対意見があっても、何も言えないからです。波風を立てたくないし、誰も怒らせたくないから。
しかし、ピープルプリーザーは、誰とでもうまくやり、いい仕事をします。人気があり周囲に好かれてもいるでしょう。
ルールに従う人(Rule Follower)
ルールに従う人は、物事には、正しいやり方があり、定評のある道を取るべきだと考えています。
道からはずれるのは嫌いです。他の人がはずれるのも嫌です。
いつも、マニュアルの指示を読み、レシピの一字一句に忠実に料理を作ります。
これもまた、必ずしも悪いことではありません。ガイドラインや守るべきフレームワークを提示されれば、すばらしい仕事をするからです。
はみ出し者(Outcast)
私のようなはみ出し者もいます。
はみ出し者は、見かけによりません。他人が考えていることなんて何も気にしていないように見えますが、そうするのは、自分を守りたいからです。
はみ出し者がもっとも恐れているのは拒絶です。
だから、人が自分を拒絶する前に、相手を押しのけて、周囲にいる人全員を拒否します。
「あんなださいパーティには、行かないわ」と強がるほうが、パーティに行って、誰も自分に話しかけてくれないリスクをおかすよりずっと簡単ですから。
しかし、はみ出し者は、人に頼らず、自分自身の能力を発揮したい強い気持ちがあるので、成功し業績を残します。
自信がない人(Self Doubter)
自信のない人は、心の奥底で、自分には能力がないことや、自分は十分でないことを恐れているので、不安がいっぱいです。
何時間もかけてすばらしいプレゼンの準備をするのに、決してそのプレゼンをしません。十分ではないと恐れているからです。
自分にも他人にもとても批判的になることがあり、これが人間関係に悪影響を及ぼします。
けれども、とても繊細で思いやりにあふれているところは、大きな財産です。
言い訳を作る人(Excuse Maker)
言い訳が多い人は、たぶんとても頭がよく、他人のことを鋭く見抜きます。
でも、自分自身の意見をシェアすることは苦手です。うまくいかないとき、非難されることや、責任を取るはめになることを恐れています。
決断する人の裏にいる人と言えます。自分自身が矢面に立つのは緊張します。
どのレストランにするか決して決めない友人です。他の人がその店を気に入らないとき、「あなたがこんな店を選んだせいだ」と言われたくないからです。
悲観的な人(Pessimist)
痛みやトラウマや困難にたくさん出会うと、悲観的な人になるかもしれません。
さらなる痛み、トラウマ、困難に出会うかもしれないという恐怖が、悲観的な人を立ち止まらせています。
どんな機会も、リスクが大きすぎると感じてしまいます。自分を守るために、すべてをあきらめます。
7つのアーキタイプの中で、一番克服するのが難しいのはこの恐怖です。
でも、一時的なものであることも多いです。
恐怖に光を当てればもう怖くない
以上が恐怖の7つのアーキタイプです。
1つ以上思い当たるふしがあっても、それはごく普通のことです。
どれか1つだけの恐怖を感じている人はいません。それぞれが微妙に合わさって、その人独自の恐怖を作り上げています。どれか1つの恐怖だけがすごく大きいこともあります。
重要なことは、恐怖に対して、自分で何かできると理解することです。
恐怖にあなたをコントロールさせる必要はありません。
すべての恐怖は無意識レベルで起こっていて、私たちはそれを真実として体験しています。
でも、その恐怖が何なのか明らかにして、どんな形で出てくるのかわかれば、自分でどうにかできます。
無意識にあるものが意識の上にのぼれば、ほかのことを選ぶことができると気づくのです。恐怖に光を当てれば、もう怖くありません。
///// 抄訳ここまで
恐怖に関する他のプレゼン
「恐怖」が教えてくれること:カレン・トンプソン・ウォーカー(TED)
心配性は自分で克服できる。恐怖と向き合うことを学ぶ(TED)
先送りをしない人生を生きるために、目標ではなく恐怖を明確にすべき理由:ティム・フェリス(TED)
恐怖を「克服する」方法(TED):恐怖心に対する新しいアプローチを知ろう。
人の言いなり(ピープルプリーザー)になるのをやめる方法(TED)
Ruthさんの著書です。
恐れる気持ちを言葉で表す
恐怖は人間を動かす根源的な感情なので、恐怖とうまく付き合えるようになると、もっと自由になるし、フットワークが軽くなります。
恐怖を7つのアーキタイプで分類するように、自分の感情や心の状態を、特定の言葉で言い表すと、得体の知れない大きな恐怖でも、コントロールしやすくなるでしょう。
自分の感情を言い当てるためには、心の状態に気づく必要がありますが、何を思っているのか書き出せば、だいたいわかります。
断捨離がうまくいかないのも、多くは恐怖を感じているからです。
「これを捨てるとあとで困るかもしれない」と思うのは、困った目にあうことに対して恐怖を感じているから。
この恐怖に「根拠のない不安」や「ただの取り越し苦労」という言葉を当てると、その気持ちに客観的に向き合う助けになります。
客観的になれれば、「困った目っていったいどんな目よ? なければないでなんとでもなるでしょ。買ってきたっていいんだし」と論理的に考えられるようになるから、安心して不用品を捨てることができるんじゃないでしょうか?