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ミニマルな日常

さっさと捨てたほうがいい理由:古い作品を残すメリットとデメリット

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自分や家族が作った作品や創作物を残すメリットとデメリットを紹介しています。

先週は、残すメリットを紹介しました。

今回は、古い作品を残してしまうことで起きるデメリットを見ていきましょう。

全部で5つあります。

1.過去に意識が向く

古い創作物をいつまでも残してしまう最大のデメリットは、すでに終わったことにフォーカスしてしまうことです。

古い作品を見るたびに、それを作っていたときのことを思い出します。

その作品があなたの郷愁をさそうのです。

残すメリットでふれたように、ノスタルジックな気分になるのは悪くありません。

ですが、ノスタルジーにふけっている時間が長すぎると、今の生活や、これからの生活に向ける時間や、エネルギーが奪われます。

以前、古い原稿を捨てるべきか、という質問の回答にも書きましたが⇒昔の原稿を捨てたいけど、思いきれない。そんな時はこう考えよう。

古い作品を見て、あれこれ考えてばかりいると、新しい作品を作る時間やエネルギーがなくなります。

時間は有限だし、私たちの精神的なエネルギーも無尽蔵ではありません。

長く活躍している歌手やバンドは、グレイテスト・ヒッツと呼ばれるヒット曲を集めたアルバムを発売します。

ヒットした歌ばかりだから、捨て曲がないので、聴く側としては、うれしいアルバムかもしれません。

ですが、もし私がアーチストだったら、往年のヒット曲ばかり集めたアルバムより、新作を出したいと思います。

新しいものを作ったり、新しい取り組みをしたりしないと、前に進むことができないからです。

家にあるたくさんの古い作品は、前に進もうとする自分を、大きく引き止めるのではないでしょうか?





2.何回も見るはめになる

古い作品が手元にある限り、今後、それを何回も見ることになります。

下手な作品を見るたびに、うんざりしなければなりません。

いやな思い出のある作品なら、見るたびにネガティブな気分になります。

「まだ捨てていない」という、やるべきことをやっていない居心地悪さも感じるでしょう。

好きで満足している作品や、大好きな作品で、自分の未来に連れていく気持ちがある作品に対しては、そもそも、「もう捨てようか、どうしようか」とは思いません。

「押入れの奥のほうにしまってあるから見ないし、ふだんはすっかり忘れてるから平気よ」と、あなたは言うかもしれません。

確かに、顕在意識では忘れているかもしれません。ですが、無意識の部分に記憶が残っています。

無意識の部分は、とても強力です。

あまりに強力だから、私たちは、「こうしよう」と思ったことができないし、不用品を捨てたいと思っているのに捨てません。

物は人を幸せにしないとわかっているのに、たくさん買うことをやめません。

スマホを見るのをやめようと思っても、また今日も見るし、夜ふかしはやめようと思っても、今晩も、夜遅くまでドラマを見ます。

このように、自分で自分のことがコントロールできないのは、無意識の部分のほうが圧倒的に大きいからです。

脳は、「私の昔の作品がまだ家にたくさんあって、スペースを取っている」「まだ片付けていないモノがある」ということをちゃんと覚えています。

家に作品がある限り、その記憶は、小さなわだかまりとして、ずっと頭の中に残ります。

3.邪魔

前回の記事で、ジグソーパズルのことを書きましたが、パズルのようにかさばる作品がたくさんあると、物理的にとても邪魔です。

作品がたくさんあると邪魔だし、目ざわりだし、生活圏を奪われます。

邪魔で目ざわり

これだけで、それを捨てる価値が生まれます。

家は自分や家族が生活するところで、倉庫や博物館、作品置き場ではありません。

物をたくさん持っている人は、その環境に慣れてしまっているので、邪魔だとは思わないかもしれません。

ですが、ためしに、作品をいくつか押入れから出してガレージなど、外に持っていってください。

すごくスッキリした気分になりますよ。

スッキリした気分と同じ分の、「邪魔で目障り」というストレスを、ふだん感じているのです。

長い髪の毛を切ったときも、同じような開放感を感じるでしょう。

気づいていないかもしれませんが、古い作品は、あなたの気持ちを確実に重くしています。

4.失う心配や恐怖

作品に限らず、物を所有すると、それを失う恐怖や、傷つけたくないという心配が生じます。

手放してしまえば、こうした心配から解放されます。

ふだん役にたたないものでも、今後積極的に参照するつもりのないものでも、使うつもりのないものでも、持っている限り、このままきれいな状態にしておきたい、と私たちは思います。

だから、あきらかなガラクタで不用品なのに、押入れの中にきれいに並べたり、ケースに入れたり、そのケースにラベルを貼ったりします。

私も、昔、数が多すぎて使い切れない物を、きれいに並べる工夫をいろいろしました。

チョコレートの入っていたプラスチックのケース(チョコレートを1つひとつ入れるようになっているもの)にピアスを入れて、ほこりだらけにしました。

発泡スチロールに虫ピンを指して、ネックレスをぶらさげて、壁に立て掛けました。ネックレスを取ろうとしたら、発泡スチロールごとバタっと倒れました。、

サランラップの芯に、使っていないリボンを巻きつけたこともあります。

リボンをたくさん持っていた話⇒使わないリボンをいつまでも持ち続ける人:ミニマリストへの道、番外編8

当時は、こうしたアクセサリーが、自分にはいらない物だと気づいておらず、大事な物だと錯覚して、ちまちまと世話をしていたのです。

私たちは、自分の部屋や家にあるという理由だけで、それが大事な物だと思いこみ、「きれいにしておかなければいけない」と感じ、世話や管理をし、失いたくないと恐れます。

日本はもとも地震が多い国ですし、近年は異常気象で、ほかの天変地異も増えています。

火災保険や地震保険に入っている人もいるでしょう。

作品をたくさん残していると、ガラクタに保険をかけて、保険料を払い続けることになります。

5.コストがかかる

物をたくさん所有すると、それを管理するのにコストがかかる話は、過去記事で何度も書いています。

作品の種類によって、かかるコストは変わりますが、どんな作品も、

・スペース代

・メンテナンス代

この2つは必ず要します。

これに、整理整とんするための、自分の時間、労力、精神的なエネルギーというコストがあります。

古い作品を全部捨てる必要はありませんが、すべてを持つ必要もありません。

その作品を残すことが自分にとってどんな意味があるのか、その作品は、どんなふうに自分の人生に貢献しているのか考えて、持つ意味のあるものを厳選して持ったほうが、生活の質はあがります。

☆前編はこちら⇒古い作品を残すメリットとデメリット:残したほうがいい理由編

*****

本を捨てるすすめの記事で、「本を読むことは旅をするようなものであり、読んだ体験は自分の中に残っているから、本そのものはいらない」という話を書いたことがあります。

こちら⇒本の捨て方。1年で320冊捨てました。

作品を作ることも、読書と同じで、体験をすることです。作った体験は、何らかの形で自分の中に残るでしょう。

それは、脳内に新しくできた神経回路かもしれないし、筋肉の記憶かもしれません。

スキルとして残っている可能性も高いです。

こういうものは、作品を捨てても残ります。

月曜日に紹介したTEDのスピーチに、「何かを理解したら、それ以前の、理解していなかった状態には戻らない」という話がでてきました⇒脳はどうやって新しいアイデアを作り出すのか(TED)

思い出の品を捨てても、思い出は心の中にあるように、作品を捨てても、それを作ることで起きた、自分の中の変容は消えません。

「実生活には関係ないけれど、心のよりどころになっているから残したい」。

こんなふうに思う作品が手元になくても、作品を作ることで生まれたものは、自分の中に残り続けるのです。





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