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抜歯後なかなか血が止まらなくて、あせった話を書きます。抜いた後ガーゼをいつまでも噛んでいたのが原因です。どうしたら血が止まったのか、本当はどうすべきだったのか、抜歯後のケアについてお伝えします。
☆これまでの経過:
20代なかば:ひどい虫歯になり神経を抜いて治療。ブリッジをかけた。
51歳:ブリッジを支えている歯(虫歯になったとなりの歯)の根に炎症ができてすごい痛みに襲われた。
その後何度か根管治療をしたが、炎症はおさまらず、ほかの根に、膿が飛び火したので、あきらめて歯を抜くことにした。
そして抜きました。
痛み止めのおかげで痛みはなかった
ドクターに言われたとおり、麻酔が切れかかってきたころに、痛み止めを1錠飲みました。
ふだんは、できるだけ薬を飲まないようにしています。ですが、あれだけ何本も麻酔を打たれたあとなので、鎮痛剤を飲まないとものすごい痛みが襲ってきそうで心配でした。
家事やブログの更新もあります。
痛み止めをもらうとき、薬剤師に、「すごく胃を荒らす薬だから気をつけて。必ず食べ物と一緒にとるように。もし食べられないなら、ミルクやスープなんかと一緒にね」と言われていました。
何も食べられそうになかったので、朝作っておいた青泥(野菜をミキサーでどろどろにしたもの)をちょっと口にしてから恐る恐る薬を飲みました。
青泥はグリーンスムージーのようなもの。こちらで詳しく説明してます⇒グリーン・スムージーで健康に、丈夫で使いやすいミキサーで作っています
この薬はすごくよく効いて、痛みは全くありませんでした。心配していた胃のほうも大丈夫でした。私、もともと胃は丈夫なほうです(だから、ちょっと何かを食べただけで、どんどん栄養を吸収して太ります)。
問題は歯を抜いたあと、なかなか血が止まらなかったことです。
抜歯後、なかなか血が止まらなかった
抜歯当日
抜歯後に、post-surgical instruction (手術後の注意)という紙をもらっており、その紙には以下のように書いてありました。
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出血:出血はあります。どくどく血がでるというより、にじみ出る感じ。唾液がたくさん出て、血があまり出ないのはよくありません。唾液がたくさん出るのはよくあることです。
最初の24時間に、激しく口をゆすいではいけません。出血がひどくなります。
濡らしたスポンジをかんでいれば血はとまります。
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私はこれを守って、ずっと歯医者でもらったガーゼを噛んでいました。あとで説明しますがこんなにいつまでも噛んでいてはいけません。
帰宅後、娘が「抜いたところ見せて」と言ったので、ガーゼを取ろうとしたら、何かがくっついて取れません。「無理にとらないほうがいいかな」と思ってそのままにし、ガーゼを噛んでる状態で娘に見せました。彼女はすぐに顔をそむけました。
あとで調べたら、ガーゼは血餅(けっぺい)にくっついていたようです。血餅とは、口の中にできるかさぶたのようなもの。つまり血が凝固したものです。人の血は血管の外にでると固まる性質があるのです。
固まらないといつまで血が出て大変です。
たぶん、この段階でガーゼを取ってしまったほうがよかったと思います。というのも血を止めるためにガーゼをかんで圧迫するのはせいぜい30分~1時間ぐらいでいいのです。
しかし私はそのままにして、いつもどおりお風呂に入って、ガーゼを噛んだまま寝ました。
実はお風呂に入るのもよくないです。血の巡りがよくなって出血がひどくなるからです。しかし、もらった紙にはそんなことは書いてなかったので、普通に入りました。
寝てるときは、ガーゼは噛んでいなかったはずですが、血は出ていなかったみたいです。
☆私の歯の治療の話を最初から読む方はこちらからどうぞ⇒51歳の冬、突然やってきた歯の痛みの正体は?根管治療(1)
☆歯を抜いたときの話はこちらです⇒歯の根のトラブルのせいで歯を3本抜いた体験談~インプラント(3)
抜歯後2日目
翌朝、起きたとき、口の中が気持ち悪かったし、「抜歯後は、口腔内を清潔に保つのが大事である」と紙に書いてあったので、思い切ってガーゼをめりっと取りました。
するとせっかくできた血餅が取れたようで、またまた血がどど~っと出てきました。びっくりして、歯医者でもらった予備のガーゼを噛み、その日1日ずっと噛み続けました。
しつこいですが、こんなに長く噛んでいるべきではありません。
抜歯後3日目
3日目の朝、ガーゼをめりっと取ったら、きのうと同じことの繰り返し。血がどどど~っと出てきたので、またガーゼを噛みました。
ガーゼを噛んでいると、口の中に異物感があり、ときどき「おえっ」と吐き気がします。大変不快です。
「いったいいつになったら血が止まるのかしら」と思い、ネットで「歯を抜いた 血が止まらない」「抜歯後、出血」「歯を抜いた後の血の止め方」といったキーワードを入れて検索してみました。
こういうことは歯を抜く前にしておくべきです。
すると、親知らずを抜いたあとの出血に関してたくさんの記事がヒット。いろいろ読んでいるうちに、自分が「ガーゼを長時間がっつり噛みすぎていて、取るたびに、血餅がとれ、出血を繰り返していた」ということに気づきました。
「抜歯後の出血は、出血多量でどうこうなるほど出やしない」という情報を得たので(考えてみればあたりまえですが)、まだ血が出てる感じでしたが、さっき噛み始めたガーゼを思い切って取りました。
ちなみに、出血多量について調べてみたら
人間の全血液量は、体重1kg当たり約80mlで、一時にその1/3以上失うと生命に危険があります。きずからの大出血は直ちに止血をしなければなりません。
引用元⇒多量の出血|講習の内容について|救急法等の講習|活動内容・実績を知る|日本赤十字社
とありました。
この時の私の体重は48キロぐらいなので1.2リットル出血すると危ない計算です。歯を3本抜いた穴から1リットルも血は出ないですよね?
そこでガーゼをめりっと取りました。
すると血がだらだら~と流れてきましたが、「えーっ」と思っているうちに、どんどんゼリー状に固まっていき、ほどなく止まりました。
このゼリー状の物が血餅です。抜いたのは上の歯なので、上から下にだら~んとたれさがり、下の歯に細い糸状になってひっかかっている物もありました。そのまま放置しました。
この血餅がとれたらまた出血しますから温存すべきです。
口半分にぶよぶよがぶら下がっていて、うっとうしかったです。しかしガーゼを噛んでいるよりましです。ぶよぶよはとても柔らかいので、舌でちょっと端にずらすこともできました。
しかしあんまりもてあそんで、また取れたらいやですから、ぶよぶよのことはなるべく考えず、他の仕事に集中するようにしました。
抜歯後4日目
翌日もぶよぶよはありました。血餅は時間がたつにつれて、血球成分が抜けて白くなります(これをフィブリンといいます)。
子供のころ、転んで怪我をして、かさぶたができたあと、お風呂ではがしたことはありませんか?すると白いふよふよしたものが見えたと思います。
これがフィブリンです。
鏡の前で口をあけると、だら~んと垂れ下がってる血餅の先が白っぽかったので、つまんでみました。痛くもなんともなかったので、先っちょの邪魔なところだけはさみで切ってみました。
口の中にあるときは白っぽかったのですが、手にとってみたら、部分的に白いけれど、どちらかというと赤黒い感じでした。
他にも邪魔になっていたフィブリンをはさみで少し切り、あまり触っていると、よくない気がしたので、それからはまた口の中のことはなるべく考えないように過ごしました。
抜歯4週間後
血餅のぶよぶよが気になったのは2、3日ぐらいです。そのうちあまり気にならなくなりました。
どこに行ってしまったのか、ぶよぶよはすべて消え失せました。恐る恐る抜いたところを舌でさわると、もこもこした肉の盛り上がり(というほど盛り上がってはいません。スムーズではないということ)が感じられます。
次に抜歯をしたら、噛んだガーゼはもっと早めに取ろうと思いました。
インプラントですが、歯を抜いて半年してから、上顎に人口の骨を埋めました。その話はこちら⇒牛の骨を上顎(うわあご)に3本入れた話:インプラント(5)
抜歯後の血の止め方
抜歯をすると、どの歯医者さんも抜歯後のケアの方法を書いた紙をくれると思うので、それに従うのが1番いいと思います。
私のドクターのくれた紙には、「ガーゼをいつ取るか」なんて書いてありませんでした。その点について詳しく説明している動画(英語)を見つけましたので、紹介します。
動画のあとで、ポイントを和訳しています。この動画によると1時間しっかり噛んで、抜いたところに圧迫を与えるのが血を止めるコツです。
抜歯後の止血のやり方:
●抜いた後ガーゼを1時間しっかり噛みます。このとき、抜いたところにプレッシャーをあたえる(圧迫する)ことが大事です。
プレッシャーを与えず、ただガーゼを軽くかんでいるだけでは、ガーゼがスポンジの役割をして血を吸い込み、血は止まりません。
●1時間たったらガーゼを取ります。
●最初の24時間~48時間は血餅(blood clot)をそのままにしておきます。
以下のことはしてはいけません。
・喫煙
・つばを吐く
・ストローを使って何か飲む
・口をすすぐ
こういうことをすると血餅が取れる恐れがあります。
抜歯後3日間ぐらいは、血がにじんでくることがあります。血液が唾液にまざった感じの血です。これはこのままほっておけばいいです。
もしまた血がたくさんでてきたらガーゼでかんで圧迫するのを最低30分やります。
どのぐらい出血すると「血がたくさん」かというと、抜いたところから血がどくどく出てきて、口の中にたまり、話がしにくくなるぐらいです。
30分たっても、血がとまらないときは、ティーバッグ(カフェインの入っているもの)を水でぬらし、それをガーゼでくるみもう1時間噛みます。
紅茶のカフェインに入っているタンニン酸(tannic acid)が血が固まるのを助けます(つまり止血効果あり)。これはとても効果的です。
活発に動くと血が出るので、抜歯をして24時間は、安静にしていることが大切です。
以上の手当をしてもまだ血が止まらないようなら、クリニークに電話してください。
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実はティーバッグを使った止血法は私もやってみようとしたと思ったのですが、カフェインの入っているお茶を常備していないのでできませんでした。
緑茶でもいいと思います。一般に緑茶のほうが紅茶よりカフェインは少ないので、紅茶のティーバッグのほうが効果が多少あがるかもしれませんが。
この動画では「ティーバッグをガーゼにくるんで」とありますが、ぬらしたティーバッグをじかに噛んでもいいです。
20年ぐらい前、親知らずを抜くために、初めてカナダの歯医者に行きましたが、そのとき、「血が出たら、ティーバッグ噛んでね」と言われました。